NPO釜ヶ崎 現場通信 83号
「ホームレス対策予算確保に関する」請願、臨時国会では審査未了に。
民主党緊急申し入れ
1月予算国会に再度請願署名を提出し、予算確保の実現を目指す。
12月 3日に閉会した臨時国会に提出していた「ホームレス対策予算確保に関する請願」は、衆議院・参議院とも「審査未了」となりました。臨時国会では、請願が採択されることなく、予算確保は実現しなかったということです。
「いよいよ特掃の大幅減は確定か」などと、あきらめることはできません。「来年から特掃が月 1回になったら、ほんまに栄養失調で死んでしまう」という仲間の声は、冗談ごとではありません。あきらめることなく、次の国会での予算確保に向けて、準備を進めなければなりません。請願は、国会ごとに提出し直さなければなりませんから、もう一度、署名を集める必要があります。近々、署名用紙をまわしますので、協力をお願いします。
来年 1月中旬から始まる国会は、来年度の予算を審議し、決定します。また、それに先だって、今年度の補正予算を審議し、決定することも予定されています。
補正予算の内容は、地震や台風による被害に対応するものと、社会保障費の増加分への対応が主なものとされていますが、なんとか「ホームレス対策予算」も含めてもらうよう要求していきたいと考えています。そのための請願です。補正予算での実現を目指すのは、端境期をなくすためです。来年度予算で認められても、6月位までは仕事が大幅に減少する可能性がのこるからです。
臨時国会閉会の日、民主党、ホームレス自立支援で緊急申し入れ
次期国会につながる働きかけ
2004年12月3日
厚生労働大臣 尾辻秀久 殿
国土交通大臣 北側一雄 殿
ホームレス自立支援に向けた緊急申し入れ
民主党ネクスト厚生労働大臣 横路 幸弘
民主党ネクスト国土交通大臣 菅 直人
民主党ホームレス自立支援プロジェクトチーム
座長 山本 孝史
ホームレス自立支援法が制定されて 3年が経った。この間、シェルター運営の強化や自立支援のための制度的枠組みが創設されてきたが、長引く不況のもとで、肝心の雇用創出や社会的就労の方策が遅々として進まず、結果として全国 2万 6千人を超えるホームレスの現状が好転しているとは言いがたい。
また、緊急雇用対策基金による雇用創出事業が、ホームレス就労支援事業にも一定の役割を果してきたが、これも平成 16年度で打ち切りとなっており、今後の事態は必ずしも楽観できるものではない。
従って、ホームレスの雇用対策を中心に、下記のとおり緊急の申し入れを行うものである。関係省庁にあっては、格段の配慮を行い、しかるべき対策を講じられるよう強く求めるものである。
- (1)ホームレスの自立就労を対象として、交付金等による緊急雇用対策を継続されたい。
- (2)来年度より「地域提案型雇用促進事業」が創設される予定であるが同事業の運用にあたっては、ホームレスの自立支援対策としても活用可能なように、弾力的な採択を行われたい。
- (3)各省庁は、ホームレス自立支援法の精神にのっとり、当分の間、公務労働や委託事業、または関係外郭団体の委託事業等から、ホームレスの就労事業への割当てを行う等の措置を行われたい。
臨時国会では会期も短く、請願は採択されなかったが、民主党は、請願の趣旨を実現すべく、また、継続的に取り組む姿勢を示すために、党として、厚生労働大臣と国土交通大臣に「ホームレス自立支援にむけた緊急申し入れ」を閉会日当日に行った。
当面、国への働きかけが中心となり、あなた任せ的な雰囲気になりがちであるが、当事者自らが声を上げ、できる努力を積み重ねるから、多くの人が力を入れてくれるのだということは、肝に銘じておくべきだと思う。署名活動をすること、輪番就労を働いて賃金をもらうシステムとして堅持すること=酒を飲んで就労しない、生保受給者は就労しないというルール=を全体として守ることも、できる努力の内だ。
何とはなしにお金を配るシステム、ということでは、多くの人の応援を受けることはできない。先行き不透明な時期だからこそ、あらためてこの事業の意味を確認し、惰性に流れることがないようにしたい。