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NPO釜ヶ崎 現場通信 80号

「ホームレス対策予算確保に関する請願」11月 4日に提出
請願紹介議員は、民主・共産・社民各党から計42名
政府は、台風・地震被災者の救済に全力を、そして、野宿生活者・雇用対策にも全力を

請願署名 11月29日現在
衆議院提出分 32,604名
参議院提出分 18,680名

日本列島を台風や地震が襲い、多くの人が家や仕事を失っている。必要な対策費用は、1兆円とも 2兆円ともいわれている。

神戸淡路大震災の影響で、現在に至る野宿生活を余儀なくされている人も多い。このようなことが繰り返されることがないように、充分な対策費用が確保され、すべての被災者が再び安定した生活を取り戻せるよう、政府・地方自治体は取り組むべきである。

その一方で、これまでの長引く経済不況や高齢のために失業状態にある人々、野宿を余儀なくされている人々に対する対策が、忘れ去られたり、軽視されるようなことがあってはならない。輪番就労の縮小につながる交付金の打ち切りが、小さな問題として軽く扱われることは許されない。

釜ヶ崎支援機構は、大阪の輪番就労や野宿生活者対策に関してだけでなく、全国の野宿生活者対策予算確保のために、国会への請願を提起し、賛同署名を集めてきた。賛同署名は右上に書かれているように、万を超える多数がよせられた。北九州ホームレス支援機構は、31日に街頭署名活動を行い、最後の最後まで賛同者の拡大に努めると伝えてきた。

請願は、11月 4日に提出される。提出にあたっては、衆議院第二議員会館前で提出行動がおこなわれ、紹介議員団からの決意表明も受ける予定だ。新宿ホームレス支援機構などの東京の仲間中心の行動になるが、大阪からも 30名程度が、3日夜、大阪を出発して提出行動に参加する。

提出された請願は、委員会(今回の場合は、厚生労働委員会)に付託され、審査される。


「ホームレス対策予算確保に関する請願」を改めて確認

衆議院議長 河野 洋平 殿

参議院議長 扇 千景  殿

ホームレス対策予算確保に関する請願

一 請願の要旨

「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」が、2002(平成14)年8月7日に公布されて2年が経過しています。この間、国の「ホームレスの自立の支援等に関する基本方針」が策定され(平成15年7月)、大阪府・大阪市をはじめ幾つかの自治体で、「実施計画」が策定されています。しかしながら、平成15年に実施された「ホームレスの実態に関する全国調査」で、全都道府県において野宿生活者が確認されているにもかかわらず、「実施計画」の策定は全国的な拡がりを見せていません。

法は、10年間の時限立法であり、このままでは立法の目的を達することなく法の効力を失う日を迎えることとなりかねません。

法第10条では、「国は、ホームレスの自立の支援等に関する施策を推進するため、その区域内にホームレスが多数存在する地方公共団体及びホームレスの自立支援等を行う民間団体を支援するための財政上の措置その他必要な措置を講ずるように努めなければならない。」と定められています。

定められた時限内に法の目的を達成するため、また、地方公共団体の対策意欲を喚起するためには、現状の限られた事業に対する補助金制度ではなく、基金を設け、交付金による事業実施に切り替えるべきであると考えます。

二 請願事項

1年間200億円を見込み、その5年間分の1000億円を、「ホームレス自立支援基金(交付金)」として予算措置されたい

私たちが求めているのは、野宿を余儀なくされている人々、あるいは野宿を余儀なくされるおそれのある人々の対策です。輪番就労も、その対策の一環として実施されているものです。

輪番就労は、高齢者の「生きがい対策」として行われているものではありません。その違いをよく理解して下さい。生活保護受給者は、酒やパチンコなどで浪費しない限り、最低限度の生活費には困らないはずですから、輪番就労を利用することはできません。住む家も一定の収入もあるのですから、根気よく他の仕事を探す時間と余裕があるはずです。 その区別がうやむやになると、輪番就労の存続が困難になります。大事な時期です。理解と協力を。