NPO釜ヶ崎 現場通信 73号
輪番就労アンケートに協力、ありがとういざいました
8日半で輪番一巡。
1,884人が回答。3,100人の 60.8% 期間中の飛び番号を除けば、回収率 97.8%
5月 17日から輪番が一巡した 26日まで、アンケートに協力して頂いた。ありがとうございました。
アンケートの最後に「要望や希望」を書いてもらった。一人で一つの要望を書いてあるものが多かったが、一人で二つ、三つ、書いている人もいた。特掃・仕事関連の要望をまとめたものが下の表。全体では、499記入があった。
特掃の継続・拡大に関するものが最も多く、一般的に仕事の要望を書いたものと含めると、433記入があり、記入全体の 86.7%を占めている。
特掃を取り巻く状況は、多くの要望の声とは逆に、うかうかしていると、来年 4月からは月一度の就労ということになりかねないほど厳しい。国予算確保をめざして、これから半年が正念場。要望の声を基礎に、要求実現に取り組む。
特掃の継続・拡大 377人 |
1日の定数を300人以上に。 2005年度の特掃継続。 | 1 |
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「特別就労」の予算枠の大幅増加 | 1 | |
55歳以上は仕事がないので特掃を継続して欲しい | 1 | |
あと 3年継続してほしい | 2 | |
長く続けて欲しい | 14 | |
仕事を増やして欲しい | 204 | |
特掃を月 4回に | 38 | |
特掃を月 5回に | 27 | |
特掃を月 6回に | 15 | |
特掃を月 7回に | 2 | |
特掃を月 8回に | 27 | |
特掃を月 10回に | 18 | |
特掃を月 12回に | 7 | |
特掃を月 12回以上に | 1 | |
特掃を月 13回に | 1 | |
特掃を月 15回に | 4 | |
特掃を月 16回に | 3 | |
特掃を月 20回に | 5 | |
特掃を月 24回に | 1 | |
特掃を毎日 | 3 | |
アルミ缶収集はきつい割にお金にならない 特別清掃が月 8回あればなんとかしのげる |
1 | |
現金仕事は年齢的にほとんどいくことができない。 特別清掃が週 2回あればなんとかなる |
1 | |
その他 14人 |
就労時間を長くして賃金を上げて欲しい | 4 |
賃金を上げて欲しい | 4 | |
紹介時、窓口でもう少し行き届いた説明をして欲しい | 1 | |
特捜の仕事で本当に助かっている | 1 | |
特掃の仕事は社会のためになるしいい環境になる | 1 | |
生活保護受給者の特掃利用は遠慮してもらいたい | 2 | |
認定所持者・生活保護者は特掃に就かすな | 1 |
66人 | 仕事したい | 9 |
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仕事欲しい | 38 | |
現金仕事が増えてほしい | 3 | |
いろいろな仕事回してください | 1 | |
NPOの仕事あれば利用したい | 1 | |
国・市などがもっと高齢者に対する仕事を増やしてほしい | 1 | |
職安の雇用年齢を 65歳まであげてほしい。 本職があっても現金仕事でも年齢が違うだの"人間差別"ではないですか |
1 | |
賃金が安くてもいいから 60歳以上の仕事を増やして欲しい | 1 | |
年齢が 60歳で仕事がないの何かもっと仕事がしたい | 1 | |
高齢者の就職先を紹介するような機会をつくってください | 1 | |
体が悪くて高血圧のため普通の職場が無理 | 1 | |
障害者の仕事がほしい | 2 | |
資格について今後、パソコン、ヘルパー 2級の設置を希望します | 1 | |
自動車免許を使いたい | 1 | |
大工仕事があればしたい。 3年前酒屋の店舗を作りまた | 1 | |
内職でもあれば | 1 | |
住居がないので就職できない | 1 | |
ハローワークで求職しても相手にされない。 ホームレス支援事業をもっと拡大してほしい |
1 |
生活(居宅)保護=卒業希望は 63.6%にあたる 1,199人。
毎日三食 食べられているのは 506人、27.8%にすぎない。
仕事の拡大要望も多いが、それを上回って希望が多かったのが、生活保護を利用することであった。1,884人の内 1,199人が生活保護利用を希望している。
生活保護希望が多いのは、希望とは裏腹に仕事によっては生活できない現実があるからだ。アンケートの回答者の内三度三度の食事をとれているのは、506人にすぎない。1,317人は、満足に食べることができない状態にある。
身体の調子も、万全でないものの方が多い。「身体に不自由なところがありますか」の問に回答がなかったものを体調万全と見なしても608人にすぎない。項目には直接内科的な項目がなかったので、実際に体調万全なものはもっと少ないと思われる。
寝場所についても、困窮する現実を数字で示している。野宿についての回答は、1,608人。その内、「野宿したことはない」の回答は、246人(15.3%)。もっとも多いのが「時々する」で 861人(53.5%)、「ずっと野宿」は 501人(31.2%)。
釜ヶ崎支援機構は、野宿生活者が抱え込まされている課題の解決は、第一に就労の拡大によっておこなうべきであると主張している。働くことで収入を確保し、食や安定した居所が確保できることが、多くの野宿生活者の要求でもあると信じている。残念ながら、就労拡大は足踏み状態で、多くの仲間が、路上で命つきる危険にさらされている。だからこそ、多数が、緊急避難的に生活保護の活用を望んでいるのだ。
緊急避難的生活保護の活用も、望むものが全て実現できる状況にはない。利用したいと回答したものの内562人は、60歳以下。希望とは別に特掃で頑張らざるを得ない。彼らが、三食食べられるようにするためには、卒業できるものは卒業を!
無記入 | 1項目 | 2項目 | 3項目 | 4項目 | 5項目 | 6項目 | 7項目 | 8項目 | 記入計 |
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608人 | 557人 | 283人 | 148人 | 94人 | 70人 | 52人 | 35人 | 37人 | 1,276人 |
32.3% | 29.6% | 15.0% | 7.9% | 4.0% | 3.7% | 2.8% | 1.9% | 1.0% | 67.7% |
1日 | 2日 | 3日 | 4日 | 5日 | 6日 | 7日 | 計 |
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18 | 67 | 60 | 15 | 9 | 2 | 2 | 173 |
10.3% | 38.7% | 34.7% | 8.7% | 5.2% | 1.2% | 1.2% | 100.0% |