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NPO釜ヶ崎 現場通信 71号

「仕事を増やして」は、すぐに実現しないが
現状で週一回の就労を実現することはできる。本当の話

年齢区分 継続 新規登録 合計 未登録
55未満 5人 11人 16人 5人
55-59 780人 582人 1,362人 200人
60-54 1,054人 317人 1,371人 348人
65-69 234人 52人 286人 184人
70以上 52人 13人 65人 31人
合計 2,125人 975人 3,100人 768人
年齢区分 継続 新規登録 合計 未登録
55未満 0.2% 1.1% 0.5% 0.7%
55-59 36.7% 59.7% 43.9% 26.0%
60-54 49.6% 32.5% 44.2% 45.3%
65-69 11.0% 5.3% 9.2% 24.0%
70以上 2.4% 1.3% 2.1% 4.0%
合計 100.0% 100.0% 100.0% 100.0%
平均年齢 61歳 59歳 60.7歳 63歳

本年度の登録が終わり、すでに皆もよく知っているように、登録者数は 3,100人となった。就労できるのは 10日に 1回のペースとなっている。

輪番登録した仲間のうち、昨年に引き続き登録したのは、2,125人で、全体の 68.5パーセントにあたる。新規登録(1年おいて再登録の 20人強も含む)は、975人ということになる。

平均年齢は、昨年に引き続き登録したグループが 61歳、新規登録のグループは 59歳、全体では 60.7歳で、新規登録のグループの方が若いということが判る。ちなみに、昨年登録していて今年登録しなかったグループの平均年齢は 63歳で最も高い。「生活保護」移行での卒業生が多く含まれている結果だと思われる。

年齢でみると、59歳までの仲間が 1,378人で、44.4パーセントを占めている。60歳以上が半分以上ということだ。

「なんとかもっと早く番号が回るようにして欲しい」という声をよく聞く。もっともなことだ。月に 3回の就労ではなんともならない。せめて週に一回の就労を、と思うのは当然のことだと思う。輪番の回りを早くする方法は二つある。仕事を増やすことと登録者数を減らすことの二つだ。仕事を増やすことは、残念ながら早急にはできない。それどころか、来年には激減することもありうる。雇用創出基金がなくなるからだ。


共倒れを防ぐために 60歳以上は輪番から卒業しよう
65歳未満は 3ヶ月で福祉を打ち切られるは、デマ。確実な情報で判断を

仕事が増やせないなら、登録数を減らすしかない。しかし、高齢の仲間を、より困った状態に追い込もうということではない。経済的によりましな選択肢があるのだから、そちらに移行することが、当人にとっても利益になるし、残らざるを得ない仲間にとっても利益になるという、一石二鳥の話をしている。

現状のままでは、共倒れになる。60歳以上が生活保護に移行すれば、週に一回の就労となり、生活保護移行が困難な仲間が助かることになる。

「まだ元気だから、もう少し頑張る」は間違いだ。頑張る方向が違う。生活保護を受給して、輪番以外、アルミ缶集め以外の仕事を探すことに力を向けることが、本当の頑張ることだと思う。福祉を活用することは、頑張ることをやめることでは決してない。

「元気なのに福祉は・・・」という声もあるが、居宅を確保して、輪番就労以上に働いている仲間もいる(勿論、区役所に対して収入申告は必要)。福祉にかかったからといって働いてはいけないというわけではない。

「自分はこのままでいい。何も福祉の世話にならなくて、このまま死んでいく」という仲間もいる。考えは人それぞれだが、その個人の選択に影響を被る人がいることも考えてもらいたい。自分のためでなく、人助けだと思って、生活保護に移行し、輪番就労から卒業してもらいたい。

自炊もできる台所の備わった部屋で、月 7万円見当で生活する。平凡な繰り返し。少しでも働かないと精神的にまいる。生保生活も大変だ。しかし、路上死は避けたい。