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NPO釜ヶ崎 現場通信 22号

11月1日から新しい職域が増えます(6名)
大阪府立中之島図書館書庫内清掃(蔵書の埃払い・本棚の清掃)作業

大阪市は10月15日から50人増員となっている。「大阪府はどないなってんねん」と言う仲間からの質問をよく受けたが、ようやく答えが出た。「赤字再建団体」一歩手前の大阪府からは、やはり、景気のいい話は出なかった。結論から言えば、11月1日(木曜日)から、輪番就労の求人数が6名増える。就労先は、大阪府立中ノ島図書館の書庫の中。

どんなことをやるかといえば、単純明快、本や本棚のすす払い。仕事の賃金は誰が払うのか。勿論、釜ヶ崎支援機構が払うのだが、お金の出所は、他の仕事と違って大阪市や府ではない。民間からの、釜ヶ崎の労働者の仕事を増やすために使ってくださいと言う目的を定めての寄付だ。行政ではなく、民間の人の寄付で6人を何ヶ月間か雇用する資金を確保した。しかし、何も働かないのに日当を渡すわけには行かない。働いてもらう場所をどうしよう、というところで、ようやく大阪府が腰を上げることになった。金が無いので知恵を出して、中ノ島図書館の書庫内と言う職場の提供ということになったわけだ。今後は、お金の方もお願いしたいものだ。

そのこととは別に、せっかく確保した職場だから、末永くお付き合いできるように、丁寧確実な仕事を心がけていただきたいと思う。

作業手順
  • ①書架(本棚)に並んでいる本の並んでいる順番が大切。図書館の利用者から本を出してくれるように頼まれたとき、本の並びが変わっている本を探し出すことができません。まず、本に番号の書いてある紙を付けます。
  • ②なるべく番号順に、ブックトラックに、書架から移します。
  • ③書架(本棚)のあいた部分を、雑巾で水ぶきし汚れを取ります。その後、濡れてない雑巾でからぶきします。書架に水分が残っていると本にカビがはえやすくなり、大切な蔵書がだめになります。くれぐれも書架に水分を残さないよう、お願いします。
  • ④ブックトラックに移した本の埃を払います。
  • ⑤本を元の場所に戻します。
  • ⑦一番下の棚になったら、書架の後ろも掃除します。作業区域の床は、帰る前に毎日清掃し、その日払い落とした埃を残さないこと。


260人が65歳に! 今年3月から来年3月までに!

今年3月の特掃の登録時点で64歳であった仲間は、来年の4月までには65歳になる。その人数は260人だ。実際はもっと少ない。なぜなら、少なくとも森田さんは亡くなったことがはっきりしているので、森田さんが65歳となる事はなく、65歳となるのは259人となるからだ。ちなみに、今年の3月の時点で63歳であった仲間は268人だった。来年3月から再来年4月までには65歳となる。

年齢の事を持ち出したのは、お誕生日会をやろうと考えてのことではない。65歳になることの意味は、皆よく知っていることだと思う。大阪市、特に西成区福祉事務所は、生活保護適用の審査にあたり、困窮の事実だけではなく年齢を重視している。野宿を余儀なくされている仲間が、65歳になってアパートに入れば、居宅保護されるが、64歳では認められにくい。だから、野宿している仲間は、65になる誕生日を指折り数えて心待ちにしているわけだ。この状況は不当だ。就労指導するにしても、先に保護してからにすべきだと考える。

急激に生活保護受給者が増えると、福祉事務所のケースワーカーが過労死する。福祉事務所のケースワーカーも、労働者であり人間だ。過労死を生むような、過重な労働につながる大量のケース負担を強いることはできない。しかし、増員は思うに任せない。
不当な状況が生まれる背景には、こんな事情もあると思われる。対応策として臨時職員が増員されているが、その増員を野放図に認めることは、正規職員の職域を侵すことになるし、正当な権利を奪われる労働者を増やすことになる、と言う意見もあるかもしれない。正しい考えではある。でも、森田さんはどう思っていただろうか。仕方がない、あきらめきれぬとあきらめた、と・・・。


あいりん相談室(社会福祉法人 大阪自彊館)

失業や高齢、疾病などにともなう生活障害の諸問題をかかえ、「あいりん地域」で生活困窮状態を余儀なくされている労働者等に対して、生活全般にわたる相談を受け付け、その自立を支援します。

*事業内容

  • ①生活全般に対しての相談・助言
  • ②関係機関、各種団体との連絡調整及び情報交換
  • ③その他,目的達成のために必要な事業

西成区萩之茶屋1-9-14(大阪自彊館「三徳寮」内)
TEL.06-6645-0504(月~金/午前10時~午後3時)
(福祉の専門家による相談が受けられます)


緊急地域雇用創出基金のこと

新聞によれば、雇用対策費の中に3000億円が地域雇用創出基金の継続拡大予算として組み込まれているということだ。現事業が安泰かどうかはまだ不明。

人件費を8割とする条件をつけることが検討されているらしい。現状では、大阪市の事業はパスだが、府の事業は難しい。車のリースでないレンタル料・駐車場代・ゴミ処理にかかる下請けなどがあるから。