NPO釜ヶ崎 現場通信 21号
10月15日から50人増員となっています
1日の紹介総数は243人、番号の回りが速くなっています
もうすでに知っているように、10月15日から、輪番就労の紹介数が50人増えている。今年6月に、多くの仲間が大阪府庁前の大坂城公園で野営し、「仕事拡大」を要求し続けたことの成果の一部がようやく形となって現れたということだと思う。多くの仲間の要求行動の成果とはいえ、それに答える努力をしていただいた、大阪市の関係者にも感謝したい。
しかし、これで終わりではないことは誰もが承知していることだ。仕事の量はまだまだ足りないし、今回の増員分含め、「地域緊急雇用創出基金交付金」を使っての事業部分の就労数が多く、来年3月末で終了することになっている。日本は今不況の只中にあり、失業率は5パーセントを越えている。近畿はより深刻で6パーセントを越えている。
日本全体として雇用対策が必要であることは誰も否定しがたいところであり、新たな「雇用対策基金」が予算化されることは確実視されている。しかし、その基金を適用される対象に日雇労働者や野宿生活者が含まれているか、また、現在実施されている事業の継続が含まれているかについては、まったく不明である。「野宿生活者自立支援法」についても、自民党議員団の大阪視察があり、民主党案とは別に自民党法案の準備もうわさされているが、先行きは不明である。
まだまだ闇は深く、路上死の無くなる日は遠いが、あきらめることなく日々を!
68歳の仲間倒れる! 就労より健康管理を第一に!
10月16日、地域内就労に来た仲間が、作業中に、よろけて倒れた。道路清掃のスタッフが、とりあえず詰め所につれて戻ったところ、丁度、森田さんが亡くなった場所、机に、森田さんと同じような姿勢でうつぶせになった。この日は、どういうわけか、森田さんが亡くなった日と同じグループで、輪番が一回りした日であった。
本人は大丈夫、ちょっとしんどいだけ、という。しかし、「あかんがな、森田さんが寂しがって仲間を連れに来てるがな」と思ったわけではないが、とてもほって置く気にはなれなかった。救急車を呼ぼうと言っても、「あす、行きつけの医者に行く」と言う。そのうちに吐き気を催し、少しもどした。しょうがないので、車椅子で行きつけの医者に運ぶことに。
その時触った体はものすごく火照っていた。どうやら、風邪をひいての熱とハキケということのように思われた。医者ではその仲間のことをよく知っているようで、置いていって大丈夫ですかと聞くと、いいですよということだったので、付き添いもせず帰ってきたが、その後どうしただろうか。無事アパートに帰っただろうか。医者の近所のアパートで生保を受けていると言っていたが・・・。
人間、年を取ると感覚が鈍くなると言う。病気に対する感覚も鈍くなるらしい。高熱でだるくても、病気とは感じられなくなると言う。いや、釜ヶ崎では年齢に関係なく、生活が、病気に対して鈍感にさせる、病気に対して鈍感にならざるを得なくさせられている、ということかもしれない。医療センターでは無料の市民検診もある。就労にこだわらず、健康を守ろう。
あいりん相談室(社会福祉法人 大阪自彊館)
失業や高齢、疾病などにともなう生活障害の諸問題をかかえ、「あいりん地域」で生活困窮状態を余儀なくされている労働者等に対して、生活全般にわたる相談を受け付け、その自立を支援します。
*事業内容
- ①生活全般に対しての相談・助言
- ②関係機関、各種団体との連絡調整及び情報交換
- ③その他,目的達成のために必要な事業
西成区萩之茶屋1-9-14(大阪自彊館「三徳寮」内)
TEL.06-6645-0504(月~金/午前10時~午後3時)
(福祉の専門家による相談が受けられます)
森田公教さんのこと
森田さんは、大阪万博の翌年に、東京山谷から4人の仲間と共に大阪に来た人だと、4人の最後の生き残りとなった人から聞いた。
森田さんのお兄さん2人と西成署であった。何年か前に天王寺の住所に送金した記憶がある以外、音信は無く、40年間顔を合わせたことがない、ということだった。骨となって、田舎へ。合掌