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NPO釜ヶ崎 現場通信 17号

高齢者就労の目的と仲間意識と参加資格?

今年度登録総数は3303人 65歳以上が764人

4月24日に今年度の輪番登録が終わって2ヶ月がたった。これまでのところ月平均2回半くらいの感じで回っている(番号によっては3回の人もいるから)。釜ヶ崎反失業連絡会が大阪府庁前の公園に粘り強く居座り、仕事拡大を求めたが、残念ながら早急に仕事が増えるということにはならなかった。当分、今の仕事量のままの状態が続く。

そこで、ルールの確認。仕事にくる仲間を適切な範囲に絞り込んで、必要度の高い仲間に仕事が多く回るようにしたいと思う。まず、登録カードの貸し借り、二重登録は厳禁。見つけ次第、カードを取り上げ、西成労働福祉センターに通告。登録を取り消してもらいます。

年齢 人数 割合  
54歳以下 20人 0.6% 64歳以下
2,539人
76.8%
55~59歳 1,246人 37.7%
60~64歳 1,273人 38.5%
65~69歳 603人 18.3% 65歳以上
764人
23.2%
70~74歳 142人 4.3%
74~79歳 14人 0.4%
89歳以上 5人 0.2%
合計 3,303人 100.0%  

登録輪番制は、高齢者就労事業の基本です。これがうやむやになれば、事業の維持が困難となります。これまで、何人かの二重登録や他人のカードでの就労を発見し、二重登録については一枚を没収、他人のカードでの就労についてはその日の賃金は渡して次からだめですよと念を押すだけに留めていましたが、今後は厳しく、取り上げていきます。写真を張り替えた痕跡のあるカードも取り上げの対象とします。何らかの事情があって写真が剥がれかかっている人は、事務局に言って、新しい写真を張ってください。

現在登録をしている仲間の中に、65歳以上の人が、764人います。従来から、生活保護受給者については就労を遠慮し、より困っている仲間に仕事を譲って欲しいと呼びかけてきました。現在、「福祉自立」のための相談アンケートもおこなっています。3303中764人というのは大きな数字です。


「生活保護受給者」は「シルバー人材センター」に登録を!

65歳以上は、稼動能力を問われず、生活保護(居宅保護)を受けることができます。いってみれば「生活保護受給者」は、釜で生活する仲間ではあるけれども、「労働者=自らの労働を換金して生活資金を得るしか生存の手段を持たないもの」ではない。

高齢者就労事業は、釜ヶ崎の日雇労働者で高齢のため就労機会が減少し、生活が困窮している仲間のためにある。最低限度とはいえ、毎月決まった生活費を保証されている仲間の「生きがい就労」のためや酒代・パチンコ代を補うためにある訳ではない。したがって、65歳以上で生活保護を受けている仲間や生活するに足りる年金を受けている仲間、そして、アブレの受給資格を常時維持できている仲間は就労できない。

65歳以上でまだ野宿している仲間は、できるだけ早く「福祉自立」に切り替えてもらいたい。釜ヶ崎支援機構はできる限りのお手伝いをさせていただく。仲間と何かをしたいという気持ちにこたえるために、「グランド・ゴルフ」等のリクレーションの企画も考え、取り組むことにした。65歳以上の仲間を「切り捨てる」つもりはもうとうない。ただ、輪番就労では、現に野宿している仲間を優先させるのが本筋だと考える。

「生活保護受給者」は、「シルバー人材センター」への登録や地域の老人会への参加、「老人センター」「老人憩の家」などの今ある「福祉資源」の積極的な活用で新たな生活を築いていてもらいたい。杓子定規なことばかり書きましたが、ご協力をお願いします。


あいりん相談室(社会福祉法人 大阪自彊館)

失業や高齢、疾病などにともなう生活障害の諸問題をかかえ、「あいりん地域」で生活困窮状態を余儀なくされている労働者等に対して、生活全般にわたる相談を受け付け、その自立を支援します。

*事業内容
  • ①生活全般に対しての相談・助言
  • ②関係機関、各種団体との連絡調整及び情報交換
  • ③その他,目的達成のために必要な事業

西成区萩之茶屋1-9-14(大阪自彊館「三徳寮」内)
TEL.06-6645-0504(月~金/午前10時~午後3時)
(福祉の専門家による相談が受けられます)


民生委員も力になってくれる?

「民生委員」は厚生労働大臣が委嘱する特別公務員(無給だけど)だ。「常に調査を行い、生活状態を審らかにし」、「保護を要するものを適切に保護指導すること。社会福祉事業施設と密接に連絡し、その機能を助けること。福祉事務所その他の関係行政機関の業務に協力すること。」を職務としている。入院や施設入所・居宅保護の相談に乗ってくれる人??