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NPO釜ヶ崎 現場通信 106号

市民健診を利用して体を維持しよう。

今年の夏は、特掃で体の不調のために当日作業できずに待機したり、救急搬送される人が多かった。待機した人は、7月に 2人、8月に 3人、9月に 3人、救急搬送された人は、8月に 2人、9月に 2人となっている。年齢は 50代が7人、60代前半が 3人、65~が 2人。待機者のうち 2人は、待機中または後日に病院に行き「脳梗塞」と診断されて入院、救急搬送された人のうち 1人は脳内出血で入院、1人は心臓疾患で通院となった。年齢構成に見られるように、50代だからといって安心してはいられない。脳梗塞や脳内出血などは、高血圧等の持病がある可能性が高く、心臓疾患では以前にも症状が出た可能性がある。

8月末に行った特掃アンケートでは、2年前のアンケートのときよりも、体に不自由なところがある人の中での通院している人 の割合は増えてはいるが、それでも 4割未満しか通院していないとの結果が出ている。特掃健診の再開を希望する人は 63.6%に達し、希望しない人は 3.7%しかいなかった。しかし、今年度は特掃健診自体は行われず、10月から毎月医療センターで実施される市民健診を利用するしかない。倒れてからでは遅い。脳梗塞などでは、治癒しても後遺症が残る可能性が高い。特掃で働き続けるにしても、就職活動をするにしても、居宅保護に移っていくにしても、健康であることが一番だ。

特掃登録者の市民健診が毎月医療センターで実施に。
  * 毎月第 3火曜日 午後 2時~
  * 現在、どこの医療機関でも治療を受けていない人が対象です。
  * 健診は無料。
  * 毎月 20名。申込は予約制です。
  毎月 1日(日祝日の場合はその翌日)
   ~第 2土曜日までに、月曜・水曜の健康相談の時か、NPO事務所に申し込んでください。


10月から、毎月第3週に、地域内清掃の一環として、
地域の施設等のペンキ塗りなどが実施されます。

釜ヶ崎の中をもっときれいにするために、地域内清掃では、道路清掃に加えて、地域貢献作業が行われることになりました。10月は、17日(火)から 3~4日間、萩之茶屋小学校の西面の塀のペンキ塗りをします。その日のセンターの紹介状は、生活道路50名(緑色)、ペンキ 10名(黄色)で出されます。雨で作業できないときは、60名とも道路清掃に廻ることになります。


特別清掃と就労支援のシステムはどうなっているか

16年度まで国の緊急地域雇用特別基金を使って実施されてきた特別清掃事業は、昨年度から大阪府と大阪市の単独予算を投入した事業へと変わっている。地域内清掃・草刈・保育・各区は大阪市の予算で、センターガードマンと午後のセンター内清掃、府の①~⑩号車分は大阪府の予算でおこなわれている。それに昨年の 10月から加わったのが、大阪ホームレス就業支援センターからの委託分である。名称は「地域貢献業務・特別就労対策業務」となっており、今年度は、府の⑪・⑫号車の 14名分、センターの紹介状はピンク色である。これは、大阪府からの要請にこたえて、建設業界が府の施策に協力する目的で出した寄付金でまかなわれている。府の施策が、白手帳保持者への福利厚生一時金の支給ではなく、深刻化する高齢日雇労働者・ホームレス問題対策としての就労創出へと切り変わったため、寄付金は、大阪ホームレス就業支援センターを通して、大半は特別清掃の増員分に使われている。残りは「地域活性化貢献事業」「地域貢献業務」として、昨年 11月と今年 5月に行われた御堂筋などでの清掃事業などで使われており、これは特掃登録者に限らず広く高齢日雇労働者・野宿生活者が就労できるよう、NPO釜ヶ崎・お仕事支援部の登録者や自立支援センターの入所者などが就労できる仕組みになっている。

その他、国(厚生労働省)のホームレス対策の予算を使って、市内・府内の巡回相談、自立支援センターでの就職支援や、NPO釜ヶ崎・お仕事支援部での就職相談・就業支援事業が行われている。