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NPO釜ヶ崎 現場通信 104号

暑い中、申し訳ありませんが特掃アンケートにご協力を。

2002年 8月に成立したホームレスの自立の支援等に関する特別措置法が、来年夏には 5年の見直し期限を迎える。この法律は、NPO釜ヶ崎や新宿や北九州のホームレス支援機構などが法制定を要請する活動を積み重ねる中で、議員提出で 10年の期限立法として制定されたものだ。

この法律に基づき、2003年 3月に厚生労働省による全国調査が行われ、同年 7月に国の基本方針が作成されてきた。この全国調査のときには、全国でホームレスの人数が 2万5296人、うち大阪市が最も多く 6603人、東京 23区が 6361人、平均年齢が 55.9歳、野宿生活 1年未満が 30.7%と最も多いことなどが発表されている。

それから 3年、大阪府や大阪市の基本方針に基づいて市内3箇所であった自立支援センターが、市内で 1箇所(舞洲)+アセスメントセンター(舞洲)、府内 1箇所(大泉公園)新設され、また、生活保護(居宅保護)を受けるために必要な居宅を確保するための敷金等の支給や年齢基準の緩和などが進み、大阪ホームレス就業支援センターが設置されるなど、野宿生活から抜け出すための支援策の拡充がはかられてきた。

そうしたなかで、来年 1月には 2回目の国の全国調査が予定されている。

自立支援センターでの就業率は平均 40数%、NPO釜ヶ崎での就業支援活動では、今年度 4月以降 81名の方の就職・就業に貢献できた。しかし、清掃作業員やガードマン、土木・建築・草刈など、非正規雇用(臨時・パート・契約社員・派遣など) という不安定就労や、それと変わらないような条件のところを就職・就業先としていかざるをえない現実もまた立ちはだかっている。いまや全労働者のうち非正規雇用者が 3分の 1を占め、非正規雇用者・下請企業労働者・零細事業者などの中から日々ホームレスが生み出され、また就業自立した人たちも、いつまたホームレスに戻らされるかわからない危険にさらされている現実が、厳然とある中にあっては、たとえ野宿生活者の数が、統計数値的には減少する調査結果が出ることになったとしたとしても、よりきめ細やかな、一人ひとりへの時間と経費をかけた対策とセーフティネットづくりが行われなければ、元の状態に戻ってしまう。

来年 1月に予定されている国の全国調査は、抜本的な対策に向かうものであってほしいし、そのような調査にしてもらうためにも、輪番アンケートでの結果を生かしていきたい。


まだまだ暑さが続く。
今年は特掃健診がないので、熱中症には特に気をつけよう。

【熱中症とは】
  体の中と外の暑さによって引き起こされる、さまざまな体の不調をいいます。
めまいや吐き気、こむら返り、頭痛などがおこり、ひどくなると意識がなくなる、体中がけいれんするなどし、死にいたる場合もあります。

【どんな時にかかりやすいか】 
  気温が高いときに限らず、気温はさほどでもないが湿度が高いとき、急に暑くなったときにも起こりやすく、注意しなければなりません。夕立が降ってその後晴れ、急に蒸し暑くなったときなどは十分に気をつけなければなりません。

【どんな人がかかりやすいか】
  心臓疾患や糖尿病、高血圧症の人は熱中症にかかりやすく、また高齢になればかかりやすくなるし、寝不足や深酒で体調がよくないとき、朝飯を食べていないときなどは特にかかりやすくなります。

【どうすれば防げるか】
  よく寝る、深酒はしない、朝飯を食べる、仕事中は麦藁帽子をきちんとかぶり、水分をこまめにとる。持病の薬はきちんと飲む。「朝飯の代わり」のようにNPOで用意している「ブドウ糖100」を食べ過ぎると、血糖値が急激に上昇し、逆効果になりますので気をつけてください。

【かかったときはどうすればよいか】
  めまいや吐き気がする、頭痛がするなどの症状がおきてきた時には、すぐに指導員に言って水分をたくさん取り、涼しいところで横になってください。木の下など風の通るところがよく、車の中はできるだけ避けたほうがよいでしょう。どうしても日陰がなく車の中で休まなければならないときは、クーラーの風が当たるようにするか、すべてのドアを開け放って風が通るようにした上で、こまめに水分をとって汗が多く出るようにしてください。(塩はほんの少量だけとればいいです)

【早めの治療が必要】
  症状に改善が見られない、汗が出なくなって体をさわると熱い、けいれんがおき始めたというときは、すぐに治療が必要です。すぐに救急車を呼んで病院にいかなければならないので、周りの人もよく気をつけ、異常が見られれば必ず指導員に伝えるようにしてください。