ホーム > 各種発行物 > 現場通信

NPO釜ヶ崎 現場通信 101号

今年度登録番号 2,530番まで。 実数は、2,383人
平均年齢 60.3歳  60歳以上は 1,246人( 52.3%)

今年度登録も終わり、登録人数が確定しました。もうすでに皆、承知のことで、間の抜けた報告となりますが、ご一読ください。

登録の最終番号は、2530番です。「輪番卒業」(登録取消し)が147人ありましたから、実数は、2383人ということになります。

登録した人を、去年からの「継続」、去年は登録していなかったけれど、それ以前に登録していた人の「再登録」、そして全くの「新規」の三つのグループに分けて平均年齢を比べると、「新規」のグループがもっとも若く、「再登録」のグループはそれより3歳高い。

ちなみに、もっとも平均年齢が高いのは「取消し」のグループで63.2歳でした。「取消し」の内訳は、「継続」で128人、「再登録」で9人、「新規」で9人でした。各グループの中で、60歳以上の占める割合が高かったのは、「取消し」のグループで、8割近くに達しています。

次に60歳以上の占める割合が高かったのは、去年登録していたけれども今年は登録しなかった人たちのグループで、7割を超えています。生活保護受給者が多く含まれていたことを推測させる数字です。登録したくてもできなかった、路上や公園、病院で亡くなった人も含まれていますから、やや乱暴ですが、野宿生活者の平均死亡年齢という見方もできるかもしれません。あるいは、「輪番卒業」平均年齢とも・・・。

さて、あなたは、何歳ですか。高齢者特別就労事業や夜間宿所(三角公園南の600名分)が無くなる日を考えたことがありますか。

不景気な話ですが、目を背けては通れない話です。

年齢区分 登録総数 登録内訳 取消 実登録数 継続登録無
継続 再登録 新規
35-39 1 1       1 1
40-44 1     1   1 3
45-49 2 1   1   2 1
50-54 13 4 1 6 2 11 3
55-59 1,151 776 28 318 29 1,122 227
60--64 1,030 807 35 124 64 966 334
65-69 266 200 5 21 40 226 208
70-74 58 40 3 5 10 48 35
75-79 7 3 1 1 2 5 10
80-84 1 1       1 1
総計 2530人 1,833人 73人 477人 147人 2,383人 23人
平均年齢 60.5歳 60.8歳 61.3歳 58.3歳 63.2歳 60.3歳 62.3歳
60歳以上の割合 53.8% 57.3% 60.3% 31.7% 78.9% 52.3% 71.4%

表の見方

  • *「年齢区分」は、縦に 5歳刻み
  • *「登録総数」は、西成労働福祉センターが登録を受け付け、登録した人数。
  • *「登録内訳」―・「継続」は、前年度から引き続いての登録。・「再登録」は、前年度以前に登録していた人。・「新規」は、過去に一度も登録していなかった人。
  • *「取り消し」は、登録を取り消された人。
  • *「継続登録無」は、前年度登録していた人で、今年度登録しなかった人。

生活保護の適用は、個々人の困窮の事実に基づいて行われます。
「65歳以上でなければだめ」「元気であればだめ」ということではありません。

野宿・あるいは夜間宿所生活、または時々野宿・時々夜間宿所生活から、
少しでも安心できる生活へ移行する方法を考えるためのコース別参考資料
60歳未満、元気ばりばりコース(生活保護はまだいやよ

*自立支援センターの利用を考えてみてください。自立支援センターは、二段ベッドの相部屋ですが、仕事を探す期間、とりあえず食べる心配はしなくてすみます。利用期間は、3~6ヶ月の間ですが、就職すれば、自立支援センターから通勤し、アパートに入り生活するための資金が貯まるまでの間は利用可能です。

*入所手順―①巡回相談員と面接する。(巡回相談員は、市内の公園などを巡回して声をかけて回っていますが、 未だに一度も出会ったことのない人やすぐ連絡を取りたい人、簡宿に泊まっている人などは、区役所支援運営課受付・大阪市立更生相談所受付で、「自立支援センターに入りたいので、巡回相談員と会いたい」といってください。

*注意事項:役所には管轄、縄張りというものがあります。あいりん地区内で野宿・生活していれば、市更相の担当になり、あいりん地区外の西成区内であれば西成区支援運営課となります。阿倍野区であれば、阿倍野区役所です。

ともかく困窮している(生活保護基準以下の生活を送っている)

大阪の生活保護基準額は、家賃が上限 42,000円までの実費。単身世帯生計費が 79,800円。例えば、家賃が上限いっぱいとすると、1ヶ月に 121,800円の支給を受けることになります。家賃が 42,000円以下のところに住み、家賃を払った後の生活費が 79,800円以下になる人は、原則として、生活保護で差額を足してもらうことができます。年金が月 6万円で野宿していれば、家賃分と 19,800円は生活保護でみてもらえることになります。アルミ缶集めなどして月 3万円平均の収入しか無く、野宿している人は、生活保護基準以下の生活を送っているのに間違いありませんから、申請すれば、生活保護を受けることができます。

*65歳以上であれば、すぐ「福祉相談部門」へ相談を(特掃事務所向かい、2階建てプレハブの2階)。生活保護申請に必要な書類を作成。アパート・マンションについて必要であれば、不動産屋さんを紹介します。申請時点で居所がなければ、敷金支給まで、2週間以内の範囲で、三徳ケアセンターで待機することになります。市更相あるいは各区区役所支援運営課のどこに申請するか、野宿場所によって異なります。(個々人の事情により、入院・施設入所もありえます。)

*65歳未満であれば、とりあえず「お仕事支援部」へ相談を(三角公園西、元南職安跡地)。体の調子が悪ければ、医療センターで受診を。個々人の事情によって違いますが、ハローワーク(職安)に通って、仕事を探す努力をする必要があります。野宿状態では、就職が決まることは困難ですが、生活保護申請のために、努力する姿勢を示す必要があるからです。まず生活保護をかけてから、職探しを奨励するというのが、まっとうな順序だと思うのですが、残念ながら、今のところそうなっていません。60~65歳では、5回程度。それ以下の年齢では10回程度、プラス面接 1~2回。ただ通うだけではだめです。職安に行ったときに手に入れた求人情報や相談した結果のメモなどを保管しておく必要があります。詳しくは「お仕事支援部」で、お聞きください。生保受給後職確保で生き生きライフ!