NPO釜ヶ崎 現場通信 100号
第一次登録取り消し発表、現在登録実数は一、九七三名。
「登録取り消し」で輪番卒業の皆さんご苦労様でした
あきらめきれぬと あきらめて下さい。 お願いします
4月にまだ4回、輪番登録の機会があるが、現時点での登録者数は2,074人。第一次登録の取り消しの発表で、101人が取り消しとなっているので、実数は、1,973人となっている。
「登録取り消し」、言葉は悪いが、「輪番卒業」と考えていただきたい。生活保護で居所確保していれば、野宿しているよりも働く場所は捜しやすいはず。輪番就労以外で活躍する場所を捜して下さい。お仕事支援部は、充分にとは言い切れませんが、お手伝いさせていただきます。
70歳以上の登録は、センター清掃にいってもらうしかありませんが、福祉相談の対象から外したわけではないので、遠慮することなく、NPO事務所2階の福祉相談部門で相談してください。
さて、第一次取り消し分を年齢別に見ると、生活保護受給者は65歳以上だけでないことがよく判ってもらえると思います。生活保護は65歳以上でないと無理と、思いこんでいる人は、この事実をよく認識して、考えを改めて下さい。年齢に関係なく、経済的困窮の事実に基づいて、生活保護申請はできるのです。ただ、働こうとしている努力を示す必要があります。アルミ缶集めでも、露店でも努力しているのには違いありませんが、「役所の常識」の仕事の中には、残念ながら、入っていません。職安で仕事探しをする必要があります。野宿、夜間宿所生活から脱出する更なる努力を!
年齢区分 | 継続 | 再登録 | 新規 | 総計 |
---|---|---|---|---|
35~ 39歳 | 1 | 1 | ||
40~ 44歳 | ||||
45~ 49歳 | 1 | 1 | ||
50~ 54歳 | 3 | 1 | 12 | 16 |
55~ 59歳 | 718 | 12 | 142 | 872 |
60~ 64歳 | 774 | 25 | 43 | 842 |
65~ 69歳 | 180 | 2 | 9 | 191 |
70~ 74歳 | 39 | 4 | 2 | 45 |
75~ 79歳 | 3 | 1 | 4 | |
80~ 84歳 | 1 | 1 | ||
総計 | 1720 | 44 | 209 | 1973 |
平均年齢 | 60.8 | 61.7 | 57.9 | 60.5 |
年齢区分 | 人数 |
---|---|
35~ 39歳 | |
40~ 44歳 | |
45~ 49歳 | |
50~ 54歳 | 1 |
55~ 59歳 | 19 |
60~ 64歳 | 44 |
65~ 69歳 | 29 |
70~ 74歳 | 6 |
75~ 79歳 | 7 |
80~ 84歳 | |
総計 | 101 |
平均年齢 | 63.4 |
*「継続」は切り替え。「再登録」は過去に一度でも登録していた人
65歳定年制が世の流れ。さて、輪番の定年は!
高齢者雇用安定法にみる定年年齢の引き上げ論議を参考にすると
高齢者雇用安定法と改正
この法律は、高齢者の安定した雇用の確保や再就職の促進などを目的とし、60歳未満の定年を禁止している。企業には 60歳定年のみならず、65歳までの定年引上げや、定年後も引き続き雇用する継続雇用制度を導入し、65歳まで雇用を確保するように努力義務が課せられている。現在、定年を定めている企業の約 9割は定年年齢を 60歳としている。65歳まで何らかの形で雇用を確保している企業は約 7割に達しているといわれているが、希望者全員を雇用延長の対象とする企業は 3割弱とみられている。
改正案は、厚生労働省の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の答申を基に策定された。現在、定年を65歳未満に設定している企業に対し、2006年4月から(1)定年を引き上げる(2)退職後に雇用契約を結び直して再雇用する「継続雇用制度」を導入する(3)定年制を廃止する――のどれかを実施するよう義務付けた。
厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部企画課課長補佐の藤枝茂さん
「少子・高齢化の進展で、労働力人口が今後、減少することが予想されます。会社員が加入する厚生年金の定額部分の支給開始も、2013年度までに段階的に65歳まで引き上げられます。年金受給までの収入を確保し、高齢者が働き続けることができる環境の整備が改正の狙いです」
・・・・・輪番就労に参加している人で、年金に縁のある人はそう多くないので、年金支給まで雇用をつないで収入確保する意味はない。今でも収入確保というには少なすぎる額でしかないのだから。従って、定年を高年齢に設定する意味はない。生活保護に移行することをもって「卒業」とするのが、やはり合理的!
日本経済研究センター理事長の八代尚宏さん
「企業が求めない人材まで含めて定年後に就業希望者を全員再雇用すれば、若年層や、子育てが終わって働くことを望む女性などの雇用機会を奪うことになりかねません。これは一部の労働者の既得権益を守るだけで、労働者全体の公平感を損なうという意味でも望ましくありません」
・・・・・輪番就労では、卒業できる人が卒業しないと、輪番の回りがよくならず、共倒れになります。輪番就労は、現在の登録者だけの既得権益とすべきものではなく、より経済的に困っている人に世代交代して譲っていくべきものです。生活保護移行やその他の方法で生活上の問題が解決することのできる人がしがみつく制度ではありません。
参考:読売新聞 大手町博士のゼミナール http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/dr/20040224md01.htm
―平成15年雇用管理調査結果の概況―
厚生労働省大臣官房統計情報部 雇用統計課雇用管理係
一律定年制を定めている企業についてその定年年齢をみると、「60歳」とする企業割合が89.2% ( 前年 90.3%)となっており、「61~64歳」 2.7%、「65歳」 6.8%となっている。
・・・・・世の常識は、定年といえば60歳、国は財政事情で年金支給年齢を引き上げるので定年引き上げをいっているだけ。何も貧乏人がそれにお付き合いしなければならない理由はない。しかも、国は自ら働く場所を提供する気はなさそうなのだから。年金制度と無縁の貧乏人は、生活保護制度を活用して定年を迎えるしかない。それが世の仕組み