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NPO釜ヶ崎 現場通信 13号

謹賀新年

元旦や 冥土の旅の一里塚 目出度くもあり目出度くもなし

昨年は、釜ヶ崎支援機構にとってあわただしい一年であった。輪番就労については、年度途中から大阪府の仕事が増えた。自立支援センター入所者との仕事や長居避難所入所者との仕事にも関わり始めた。福祉部門では、150名近くの仲間の福祉自立と関わった。

釜ヶ崎支援機構は、野宿生活者と野宿を余儀なくされるおそれのある仲間の苦難緩和のために、完璧とは言いがたいが、なすべき努力と担うべき役割を果たしていると自負している。

今年はあたかも巳年、不十分性を十分認識し、その点についての仲間からの叱責を受けながら、蛇のごとく執念深く、よりましな状況の実現、野宿を余儀なくされる仲間零を目指して努力していきたい。


昨年の話題と今年の話題、そして我らはどうなるか?

昨年の釜ヶ崎支援機構の話題はなんだろうか。

昨年4月、三角公園南に「あいりん臨時緊急夜間避難所(夜間宿所)」が開設された。6月から、夜間宿所や輪番就労者の内65歳以上を中心とした「福祉相談」の開始。9月から、大阪府分の輪番就労の紹介数(一日35人)が新たに増えた。12月から、自立支援センター大淀と西成の2ヶ所、そして「長居仮設一時避難所」の各利用者のための「就労事業」への参加。

一昨年9月に法人として正式発足して、11月から大阪市の就労事業を受け持って以来、本当にあわただしい日々であった。野宿を余儀なくされている多くの仲間にとっては、「あんたら忙しがってるけど、わしらの生活、そんなに変わってへんで」ということになるかもしれないが、物事を具体的に動かす困難に、少し、理解を。

回顧はグチになってしまった。グチを新年早々言ってる状況ではなく、今年の話題を。

『都は15日の区長会に、現行の自立支援センター設置計画の枠組みを大幅に超える総合的な路上生活者対策を提案した。都の提案では自立支援センターの前段階として緊急一時保護事業(シェルター事業)を設置して支援・保護の振り分け(アセスメント)を行い、自立支援センターで就労相談等の支援を行った後、引き続き支援が必要な人を対象に、グループホーム事業を展開する。12月19日付 都政新報』

【ワシントン26日共同】米住宅都市開発省は26日までに、総額十億ドルを上回る史上最大規模のホームレス対策を決めた。信濃毎日新聞夕刊12月27日。

さて、大阪府、大阪市、日本国厚生労働省はいかに。


南港・臨時宿泊所の利用者は

行政の越年対策を利用した仲間は、前段の巡回相談・施設入所・入院など含め、凡そ2500人と推定される。1月2日夜、山王や日本橋・道具屋筋などを自転車で見て回ったが、越年対策が実施されない時期に比べて、格段に路上で寝ている仲間の姿はすくなかった。公園などのテントを増やすまいとすれば、とりあえず2000人規模の24時間避難所か2000人規模の就労対策が必要ということになる。