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NPO釜ヶ崎 現場通信 5号

雨・高湿度・高温度 ‐ 体力維持に気を配り ‐ 生きる

梅雨であるから雨が多く、高温多湿であることは仕方がないが、これから10月まで暑い日が続くと思うと、いささかゲンナリする。暑さ寒さが苦になるのは、体力・気力の衰えのせいとか・・・・。せめて気でも張って、病気・怪我のないように、今日の就労をご安全に!。

しかし、精神論だけでは身は守れません。現場で倒れる前に、体の調子の悪い人、働いていて具合の悪くなった人は、遠慮することなく就労部門のスタッフに申し出てください。何事も命あっての物種、仕事で頑張るのはそこそこに。(こんなことを書いていたら、保育現場から事故の報告があった。手首骨折で入院。作業中ではなく、二階から一階に移動中、階段を転げ落ちて。骨折したのは府庁前での野営闘争に参加している仲間だということです。)

野宿生活者対策の基本は就労対策、ということで、釜ヶ崎反失業連絡会を先頭に多くの仲間が、府庁前で野営闘争を続けています。多くの仲間の参加で仕事は増やさなければなりません。働く日数が増え、収入が増えれば、自分の働きで自分の「命」を守ることができます。

しかし、現状は不十分な就労日数しかありません。収入は極わずかで、寝場所確保や食の確保にすら十分ではなく、体力・健康を維持することは難しい。

多くの仲間が野宿を余儀なくされている現状では、就労枠拡大に力を注ぎながら、同時に、急場を凌ぐ方策も追求される必要があります。体調がすぐれない人は、救急車の利用もさることながら、各区の福祉事務所を通じて利用できる近くの病院を 日頃から、使いやすくすることに努める必要があります。

NPO釜ヶ崎支援機構も、就労枠拡大を中心に据えながら、しかし、個々人の必要に応じた医療・生活相談の充実をはかる必要を感じています。これまで、就労受付に来たけども歩行困難な仲間と相談して、市更相・一時保護所経由で施設入所したケース、天王寺公園でテント生活しながら就労に来ていた病を抱えた66歳の仲間と相談して市更相・一時保護所への入所となったケースがあります。

今のところ65歳以上の仲間の相談を中心としていますが、個人で努力を重ねても問題解決に結びつきにくい場合は、年齢にかかわりなく、あまり過大に期待しないで、事務局スタッフに相談してみてください。働く者の誇りを持ちながら、福祉の活用を!


夏場を乗り切る「無料低額診療所」の活用方法

「無料低額診療所」というのは、生活困窮者を対象に無料あるいは低額で診察・治療をします、と宣言している病院のことです。勿論、無制限というわけでも、いつでもというわけでもなく、活用するためのルールがあります。

ほとんどの「無料低額診療所」は生活保護にかかっている人を対象に治療していますが、まだ生活保護にかかっていない人でも、福祉事務所の診療依頼券を持っていけば、診てもらう事ができます。この夏を乗り切るために、医療センターだけが使える病院でないことを覚えておきましょう。

各区の福祉事務所に行き、「診療依頼券」を出してもらいましょう。たいていの「無料低額診療所」は初診だけなので、引き続き治療が必要だという福祉事務所宛の報告書を書いてもらう必要があります。その報告書を元に、福祉事務所で、入院や通院、施設入所の相談を再度することになります。

大阪市には、野宿生活者にたいする巡回相談員制度があり、市内各所の公園などで野宿している人から話を聞いて回っています。巡回相談員も、福祉事務所からの診療依頼券を仲介してくれることになっています。

市更相や医療センターはいつも混んでいて長時間またされます。他区の福祉事務所や病院も使う人が多くなれば、今後使いやすいものとなっていくことでしょう。

無料定額診療所リスト