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NPO釜ヶ崎 現場通信 12号

目新しい仕事探しと就職するための援助は?

釜ヶ崎支援機構はこのほど、大阪府から「野宿生活者就労対策調査研究事業」の委託を受けた。調査・研究のテーマは、「野宿生活者が就労による自立をするための支援策の検討」で、具体的には以下の内容だ。

  • ●野宿生活者が就労による自立に至るためには、本人が野宿生活者になるに至った要因を把握するとともに、安定した就職を阻害している要因を除去することが重要であると考えられる。そこで、野宿生活者が、就労による自立をするにあたって、何が阻害要因となっているのか、また、何を望んでいるのか、さらには、そのために何をなすべきかを具体的に調査・研究する。
  • ●また、大阪市において設置する「自立支援センター」の入所者の就労による自立を支援するための試行策として「常用雇用促進事業」を実施するが、その成果を踏まえ、野宿生活者を常用雇用に円滑に結びつけるための具体的な条件は何かを調査・研究する。
  • ●この他、諸外国の先進事例等についても調査・研究する。

検討事項として「⑧野宿生活者が就労による自立をするための具体的支援策の検討」があげられており、現実的で即効性のある提案が求められている。

仲間からの提案を求む

調査は学者先生や専門家の力を借りておこなうのだが、せっかく釜ヶ崎支援機構が委託されたのだから、仲間からの意見も取り入れたいと考えている。そこで、次の項目について考えて、考えた結果を、文章あるいは口頭で釜ヶ崎支援機構事務所まで伝えていただきたい。

  • ①職としての可能性がある仕事
    その多寡は問わないが、幾らかでも収入がともなう見込みのある仕事を提案して下さい。例えば、アルミ缶集めや雑誌集めは収入をともなう仕事ですが、もっと効率よく集められる方法、こんなところに「資源」が寝ているという指摘など、一味違う提案をお願いします。まったく未知の領域でも結構です。釜ヶ崎中の放置自転車をリサイクルして外国に売るとか、過疎地に援農に行くとか・・・。
  • ②こんなことが妨げになっている
    就職するにしても住所を設定するところや、連絡先となる電話がない。月給日までの生活費がない。こんな理由で断られたことがある。就職活動をしたときの苦労や、その時に欲しいと思った手助け、制度、こんな相談所、こんな就職方法があればなどの提案をお願いします。
  • ③現状では金にならないが
    現状では金にならないけど、こんな仕事がある。社会生活に必要な仕事が、金にならないから手抜きされている、といった指摘もお願いします。

年末年始の話 ‐ 輪番就労と夜間避難所はどうなるか?

今年も残りわずか、年末年始のすごし方が気になる時期となりました。高齢者就労はいつまであって年明けはいつからか、南港の臨時宿泊所の受付はどうなるのか。

高齢者就労は12月30日まで仕事、休みは12月31日と正月三が日、1月4日が仕事始めです。

南港の臨時宿泊所は例年どおりです。12月29日と30日が入所の受付日です。利用期間は1月9日まで。

あいりん臨時緊急夜間避難所(夜間宿所)は、南港の臨時宿泊所が開いている間閉鎖します。閉鎖日=12月30日夜から1月8日夜。利用再開日=1月9日夜から

市内三箇所の「自立支援センター」開所や長居公園の「避難所」設置など、少しは野宿生活から遠ざかる道筋がついたような気がするが、勿論、十分なものではない。

野宿生活者への対策が十分なものではないから、短い期間でも三食が提供される「越年対策」としての臨時宿泊所の活用を呼びかけざるを得ない。その点から言っても、三食のつかない三角公園南の夜間宿所は、越年対策の期間中は閉鎖せざるを得ない。
越年対策の期間一杯、南港の臨時宿泊所を活用されるよう呼びかける次第。

南港の臨時宿泊所の受付は、例年どおりに市更相でおこなわれる。利用可能人数は昨年と同じ規模で準備されているので、早く列を作らなくても、あぶれる心配はない。整理券配布は昨年と同じ場所、市更相の西北向かい、地下鉄通路入り口の北側で。


あいりん相談室(社会福祉法人 大阪自彊館)オープン!

失業や高齢、疾病などにともなう生活障害の諸問題をかかえ、「あいりん地域」で生活困窮状態を余儀なくされている労働者等に対して、生活全般にわたる相談を受け付け、その自立を支援します。

*事業内容

  • ①生活全般に対しての相談・助言
  • ②関係機関、各種団体との連絡調整及び情報交換
  • ③その他,目的達成のために必要な事業

西成区萩之茶屋1-9-14(大阪自彊館「三徳寮」内)

午前10時~午後3時(福祉の専門家による相談が受けられます)


公園以外の路上の避難所は

最近、山王周辺で野宿している仲間への若者による襲撃が増えていると聞く。磯村大阪市長は、毎日新聞(12月16日・朝刊)で長居公園以外に大阪城公園にも避難所を作りたいとの考えを明らかにしている。

それはそれで進めてもらいたいが、公園以外で野宿する仲間の対策・24時間避難所も必要だ。