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NPO釜ヶ崎 現場通信 10号

仲間の死と「選り好み」 ‐ 目先の利だけでは・・・

前回の「現場通信」でも伝えた、就労日翌日に市更相へ行き、医療センターで診てもらって、結局入院となった仲間が、薬石功無く亡くなった。

亡くなった仲間は材木谷さんという。材木谷さんは死にいたる病を抱えながら、就労したことになる。輪番就労での月に何度かの収入を、万難を排しても確保したかった材木谷さんの気持ちは、多くの仲間にとって共感できるものだと思う。

釜ヶ崎支援機構は、そんな多くの仲間の思いに少しでも応えたい、今の就労機会の現状を維持するだけでなく、就労機会を増やす努力をし続けなければならないと考えている。

しかし、仲間の中のごく一部に、違う思いを抱いているものがいるようだ。「どうせ月に何回かしかあたらないのだから、少しでも楽して金にしなければ損だ、近いところがいい」と。

どうせ月に何回かしかあたらないのだからいいかげんにしようと思う仲間は、他に収入の当てがあって、輪番なんかは臨時収入ぐらいにしか思えないのだろう。そんな考えの人には、輪番就労で働きに来て欲しくない。輪番登録している仲間の中には野宿を余儀なくされ、多少体調が悪くとも頑張って就労している仲間も多い。

釜ヶ崎支援機構では、そんな仲間の就労機会を少しでも増やすために、生活保護を受けている仲間は就労することをなるたけ遠慮してくれるよう、呼びかけている。その呼びかけに答えて、月に一度の就労に限定したり、生活保護を受けることになったからといって登録カードを持ってくる仲間もいる。

「福祉自立」に移行した仲間が遠慮してくれていることや、仕事が増えたことがあって、月3回の就労となっている。未だ不十分な就労回数だが、「刺身のツマ」のようには考えてもらいたくない。席を譲ってくれた仲間がいることも忘れて欲しくない。

就労日一日一日を大事に考えていただきたい。朝の受付がスムーズに進むよう、重ねて協力をお願いします。時間調整しないように。就労部門のスタッフも増えた。まだよくなれていないので、仲間への接し方のマナーの悪いものもいるかもしれない。スタッフへの注文があれば、遠慮せず口頭あるいは紙に書いて事務局まで届けていただきたい。互いに協力して、なるべく楽しく、そして安全な就労を!