会報 NPO釜ヶ崎 37号
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自転車リサイクル事業の2007年度
自転車修理講習事業報告
平成18年5月より、技能講習の1つとして、自転車修理講習を「禁酒の館(西成消防署海道出張所跡地)」で開始した。
自転車修理講習実績
講習回数 | 9回(1回につき2コース各5名を募集) |
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講習日数 | 216日(1回につき2コース各12日実施) |
講習時間 | 午前9時から午前12時まで(3時間) |
講習手当 | 1回受講につき1500円 |
講習登録人数 | 85人(平均年齢55.1歳) |
講習受講人数 | 69人(平均年齢54.8歳) |
延べ講習出席人数 | 563人(1日平均2.6人出席) |
講習終了後 リサイクル部門参加人数 | 13人 |
自転車修理講習内容
一般普通自転車の構成部品名称や工具の名称、その取扱い方などの基礎知識からはじまり、日常分解、点検、調整方法を中心に行っていましたが、第7回講習より自転車リサイクル部門に参加していただくための講習として、自転車の分解・組立、磨き方や塗装の仕方などを体験していただく内容に変更しました。
平成20年度に向けての課題
平均講習出席人数は、前年度の1.9人より0.7人増えた2.6人となりました。受講手当てより収入のよい特掃や現金仕事を優先してもらっている状態を考えても0.7人増えたということは、講習が少しは定着してきたのではないかと思います。しかし12回の講習では、自転車(リサイクル)の基礎が習得できたか、できていないかという状態なので、引続きリサイクル部門に参加していただいて、継続的に自転車(リサイクル)技術の習得をしていただきたいと思っています。
平成20年度は、講習終了後のリサイクル部門参加人数に重点を置いて、講習を実施していきたいと思います。
自転車リサイクル部門事業報告
自転車リサイクル部門は、自転車修理講習終了後、更に詳しく本格的に自転車修理をやってみたいと思われる方を対象に始めた、中古車再生事業です。
自転車リサイクル部門実績
リサイクル作業日数 | 291日 |
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リサイクル作業時間 | 午前9時から午後4時(昼休憩1時間含む) |
リサイクル手当 | 1台完成につき3000円 |
リサイクル部門登録人数 | 22人(平均年齢56.4歳) |
延べリサイクル部門出席人数 | 780人 |
自転車リサイクル台数 | 358台 |
自転車修理台数 | 25台(釜ヶ崎支援機構関係) |
自転車解体台数 | 746台 |
住吉、住之江公園レンタサイクル点検整備 | 50台 |
その他 | 住吉、住之江公園レンタサイクル点検整備 |
堺自転車会館見学 | |
大阪市リサイクルプラザ赤川見学 | |
和泉市リサイクルプラザ彩生館見学 | |
サイクルモード インターナショナル2007見学 |
リサイクル自転車納品内訳
大阪市関係 | 79台(天王寺区桃陽小学校講習用10台含む) |
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大阪府関係 | 3台 |
一般企業関係 | 77台 |
交通システム研究所(港区レンタサイクル試験運用) | 70台 |
自転車小売店 | 75台 |
福祉施設関係 | 19台 |
釜ヶ崎支援機構関係 | 35台 |
リサイクル部門作業内容
主に大阪市自転車保管所より頂いた年間650台(盗品返却18台)の放置自転車や大阪市関係の大学・卸売市場・区役所・病院他、公園、一般企業、マンション管理組合より頂いた約1500台の廃棄処分予定自転車を点検、全分解、磨き、塗装、部品交換、組付け、調整、点検までの作業を行い、安全で奇麗な自転車にリサイクルするため、作業者1人1人が納得するまで整備し、日々品質および技術の向上に努めている。また製品としてリサイクルできない自転車は解体し、鉄へのリサイクルを行っている。
平成20年度に向けての課題
自転車リサイクル台数は358台と18年度とほぼ横ばいだが、リサイクル技術は確実に上がっていると思います。19年度からは、リサイクル手当てが1台完成につき3000円に増え、また分解・磨き・組立と部門ごとに手当てを支払うことにより、作業者が得意な部門に専念し、少しでも多くの手当てを得ることができるようになりましが、まだ生活していくには十分な収入と言えません。このため作業がバカらしくなり辞めてしまう方も多くいます。しかし続けて来られている方は、少しずつではあるが、作業速度も上がり品質を落とすことなくリサイクルされているように思います。
このように少しでも収入を多くし、自立に向かって前向きな方が、一人でも多くなるように、安定した自転車台数を確保していく方法として企業向けの自転車リース(案)を考えています。自転車リースだとレンタサイクルに比べ、自転車保管場所を考えなくてよく、メンテナンスも日々良好な状態にしなくてよいという作業利点があります。そしてリース更新時に新しいリサイクル自転車に乗り換えてもらい、使っていただいていた自転車を引き取り、またリサイクルすることができる。この循環により安定した自転車台数を確保できるのではないかと思われます。
リサイクル作業の様子 | 公園レンタサイクル車の点検の様子 |
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