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NPO釜ヶ崎 現場通信 119号

特掃定年制と登録時の結核検診は、そろそろ必要ではないだろうか。
命と健康のために。

いよいよ年末も押し迫ってきた。そろそろ来年度のことも気になってくる。一番気がかりな来年度の特掃については、確定的なことは大阪市や大阪府で来年度予算が確定する3月にならなければ、はっきりしたことは分からない。だが、今年5月の特掃アンケートでも出ているように、特掃が収入の中心である人が47%、月2万円以下の収入が半数をこえる状況では、大幅な削減になることはないだろうと思われる。ただし、依然として先行きは不透明かつ不安定である。

そこで毎年冬になると「老後をどうするか」という問題が出てくる。今年の10月31日には、シェルター(あいりん臨時夜間緊急避難所)でアンケート調査をおこなった。514名が回答してくれたが、平均年齢が57.7歳、10月に収入があると答えた391人のうち、255人が特掃であった。

いくつになっても働きたいという意欲はよく分かるが、65歳以上であれば、また60歳以上であっても就職努力とあわせれば生活保護の受給も可能となる。今年も特掃の登録者で分かっている人だけでも何人も亡くなっている。野宿やシェルター生活が長ければそれだけ体の衰えも早い。70歳を超えてもがんばっている人も多いが、「自分は生活保護はイヤだ」というだけでは死ぬのを早めることにしかならない。また、生活保護を受けられる基準額以上の収入を得ている人は、そもそも特掃が「野宿を余儀なくされる、危険にさらされている人」のための事業なのだから、「収入の補填」のために特掃で働くというのは趣旨から離れている。個人個人では踏ん切りがつけられないのであれば、どこかで線を引くことも考える必要があるのでは。

結核検診については、5月のアンケートでも8割の人は「昨年か今年とった」と答えて定着しているが、10月には2人の患者が特掃登録者から出た。その人と一緒に特掃の車に乗ったことのある人58人に「接触者検診」という形で検診を受けてもらうと、3人から肺に影が見つかり、入院することになった。先に見つかった人からの感染かどうかは不明だが、他で感染していたとしても、栄養の状態が悪ければ発症してしまう。糖尿病などの人は特に注意が必要だ。

自分の健康を守り、他の人の健康も守る必要がある。それには、今登録している人で今年度まだ受けていない人は次の更新のときまでに受けて「結核検診カード」を作る、来年度に新規で登録する人については、登録のさいに結核検診を受けてもらうなどの対策が必要となる。新規の登録のときに結核検診車が来ていればそれも可能となる。