事業概要
釜ヶ崎支援機構では、野宿生活を余儀なくされている人々の自立を支援するためにさまざまな事業を行っています。
就労機会提供事業および求人開拓や就業相談などの就業支援事業を中心として、高齢や病気のために就業自立が困難になった人には居宅保護や施設入所などの相談を行う福祉相談事業、また安心して寝る場所を提供する寝場所提供事業などを行っています。
釜ヶ崎は、大阪市西成区にある日雇労働者の町です。日雇労働力市場であるあいりん総合センター(「寄り場」)を中心に、簡易宿泊所(「ドヤ」)や食堂・飲み屋などが立ち並ぶ「ドヤ街」が形成されています。推定約3万人以上の居住者のうち、3分の2は日雇労働者が占めています。
近年、建設産業の収縮・省力化の影響で仕事の量は極端に減少し、日雇労働者の困窮の度合いは深刻化しています。そのため、野宿を余儀なくされる人々が後を絶ちません。特に、日雇労働者の高齢化が顕著であるため、野宿生活を余儀なくされる高齢者が多く、長期の野宿生活が続くために路上死などの問題も生じています。
また、労働者の非正規雇用化の拡大と社会保障制度の後退は、格差社会の中で日々困窮者や失業者を生み出し、日雇労働市場の収縮はそれらの人々の建設日雇での吸収をも困難にして、結果、日本全国で深刻なホームレス問題を引き起こしています。
釜ヶ崎は、日本で最も多く野宿生活者と野宿に至るおそれのある人々が集中する街であり、ここでの施策の動向が、日本全体のホームレス問題に大きく影響するのは間違いありません。