大阪府知事 横山ノック殿
大阪 市長 磯村 隆文殿
釜ヶ崎(あいりん地区)アブレ・野宿の増大に伴う緊急要求
釜ケ崎就労・生活保障制度実現をめざす連絡会
西成区萩之茶屋3−1−10ふるさとの家気付
当会は本年四月に要求書を提出し、行政側担当者と話し合いを持った。
仕事量の減少、野宿を余儀なくされる労働者の増加を背景としてのことである。釜ヶ崎におけるこれらの事情については、行政側担当者とも認識が一致した所である。
その上で、行政側の述べたことは、次のように要約される。
大阪市
1)今ある施設の弾力運営に努め、入所者数を増加させる事で対応する。
2)霞町再開発ビルを特別清掃の就労場所として確保することについては、努力する。
3)現状の清掃事業の枠組みは変えない。
大阪府
1)予算がないので現状以上は何もできない。
2)霞町再開発ビルを特別清掃の就労場所として確保することについては、大阪市と相談して福祉センターから働きかけることを検討する。
このような対応では、現在の釜ヶ崎労働者、とりわけ野宿を強いられている労働者の苦難を軽減させることはできないと私たちは考えている。
よって、重ねて次のことを要求する。
1.高齢者就労の人員枠を拡大せよ。
2.市立更生相談所を訪れる生活困窮者を路上に送り返すことのない対応を求める。
施設の弾力運用による対応は望ましいものではないが、他に緊急的に取る方法がないとすれば、やむを得ないと言わざるをえない。その方法によれば、市更相を訪れる生活困窮者を、野宿者として路上に送り返すことはないと確約せよ。
3.大阪府は予算がなく、金のかかる事ができないのであれば、今ある資産を最大限活用することを考えよ。自ら考え実施できないのであれば、労働者が自主的に行う活動を妨げることなく、黙認すること。例えば、センターのシャッターの一部でも開いていれば、夜露や夜間の雨はしのげる。シャッターも故障することはあるだろう、と、思う。
4.以上、緊急時に際し、要求する。これらの要求が、きわめて現実的なものであり、極端に譲歩した緊急避難的なものであることを深く考慮され、回答されることを要求する。
5.5月28日までに回答されたい。
1997年5月19日 以上
府庁前の公園に一週間泊まり込んで
大阪府市と交渉した結果
平成9年6月
高齢者清掃「紹介整理票」(カード)を持っている皆さんへ
(財)西成労働福祉センター
高齢者清掃の紹介について下記のとおり変更しますのでお知らせします。
記
1.あいりん地区生活道路清掃について平成9年6月9日(月)から、休日(日曜日、祝祭日)の次の日に限り、1日6人増やし、1日26人の紹介となります。
2.あいりん労働福祉センター内清掃について平成9年6月16日(月)から、平成9年7月31日までの期間に限り、1日10人増やし、1日30人の紹介となります。
輸番紹介の番号が早まりますので、毎日の[始番]を確認し、間違いのないようご注意下さい。
センター夜間開放にかかる協議事項
《目的》
・求人減による就労環境の悪化などにより、あいりん地域内で多くの労働者が野宿を余儀なくされていることから、梅雨期の緊急避難的一時措置として、府・市が協同して、あいりん労働福祉センター1階寄場を夜間開放する。
≪開放場所≫
・あいりん労働福祉センター1階寄場
《シャッター開放部≫ ・8号〜24号
《開放期間≫ ・6月6日(金)午後7時〜8月1日(金)午前4時まで
《開放時間≫ ・午後7時〜翌朝午前4時まで
《開放中における施設管理運営≫ ・合意後、1階避難場所は団体が自主管理し、2、3階部分は施設管理者が管理する。
≪その他≫ ・正常な運営管理を図るため、「使用上の注意」を作成する。 ・1階寄場内の照明は半減する。
告知
今般、大阪府・大阪市の要請により梅雨期の緊急避難的一時措置として、あいりん労働福祉センター1階寄場の一部を下記のとおり開放しますので、お知らせします。
なお、利用にあたっては「使用上の注意」をよく守り、他人に迷惑をかけないよう心がけ、使用の妨げにならないよう十分注意してください。
また、センターの管理運営上、不測の事態が生じたときは、緊急開放を中止することがあります。
記
1.開放期間平成9年6月6日(金)午後7時から平成9年8月1日(金)午前4時まで
2.開放時間午後7時から翌日午前4時まで、
3.開放区域あいりん労働福祉センター1階寄場内指定区
域便用上の注意
1.この建物および、この建物内にある設備を壊したり、汚したりしないこと。
2.開放指定区域以外には、入らないこと。
3.施設内に、テント、ダンポール囲い、小屋等の設備を設けたりしないこと。
4.施設内で、お金や物品の寄付を求めたり、押し売りをしたりしないこと。
5.施設内で、たき火等の火気を使用したり、と博をしたりしないこと。
6.銃器、凶器、爆発物等危険な物品を施設内に持ち込まないこと。
7.午前4時には、すみやかに施設外に出ること。
8.ふとん、毛布、ゴザおよび各自の持ち物などは、退出の際、必ず自主的に持ち帰ること。
9.ゴミは各自で処分すること。 以上のほか、この建物の正常な運営管理にあたっての関係職員の指示については、ご協力くださるようお願いします。
財団法人大阪府勤労者福祉協会
要求の最低限度は、一見満たされたように見えます。しかし、結局は、八百名近くの労働者が、災害緊急援助物資であるカンパンを一日に一袋(五枚入り)かじって飢えをしのぎ、冷たいコンクリートの上で寝ると言う所に落ち着いたに過ぎません。
これで問題が解決したのではないことは、誰が考えても明らかなことです。
半歩前進ですが、先はまだ見えません。