(1) 日本にもボランティアの炊き出しと言うのが釜が崎にあるが、スープアンドキッチンは其れと同じようなものである。NPOや協会などのボランティアによって無料の食事を提供するところをアメリカではスープアンドキッチンと呼ばれている。
(2)ホームレスの人々の中で精神病を持つは多い。以前精神病院あるいは施設の虐待から逃げ出してホームレスになったケースが少なくない。そう言ったひとのなかで、シェルターの居住を申し込む事により身元が分かり逃げてきた施設に送還される事を恐れ、シェルターではなく路上生活を好む事になるということが多くある。
(3)アルコール依存症、薬物依存症の更生治療は様々なものがあるが、一般的には何年間にもわたって治療が続けられるものが殆どである(アルコール依存症の場合最低でも3年から5年、薬物、特にヘロインやコカインなどの依存の高いものも大体同じぐらいの期間続けられる)。依存症更生用の専門施設に入居して治療すると言うやり方が一般的だが、その場合まず自分の問題に直視するトレーニング(約3〜6ヶ月間続けられる)、そしてその後はその問題をどうやって克服するかというトレーニング(3〜6ヶ月程度)、そして其れから自立のためのトレーニングが始まるというのが一般的な更生プログラムの内容。更生施設は無料で、誰でも受けれるようになっている。
(4)アウトリーチプロジェクト(Outreach Project)とは施設に入る事が出来ない路上のホームレスの人々たちへ毎日食料の運搬と同時に、食事の配給時に路上のホームレスの人々の問題に耳を傾け、彼らの状況を改善できるよう手助けをするというDCセントラルがやっている活動の一つ
(5)たとえば麻薬の種類によって依存性が低いものは、やめようと思えば直ぐにやめる事も出来るので、わざわざ役所を通して参加して、薬物を使っていたと言う前科を書かれるよりは直接自分で参加したほうが履歴に良いと言う事がある。
(6)TANFとはTemporary
Assistance for Needy Familyの略で、支援が必要な家族のための一時的公的援助の事。メディケアは収入の少ない人のための公的保険制度。しかし日本の保険と違い、この保険は何処の病院でもつかえるということではない上に、受けられる治療も限られいてる。フードスタンプは食料配給券のことで、普通のレストランやファーストフードの店などでは使えないが、極一部のレストランや普通のスーパーなどで限られた食品に対して使う事が出来る。使い方は、小切手のようにして、レジで渡すだけでよいが、貧困の象徴のようなものなので、冷たい反応をされる事が多い。。
(7)アメリカは公的医療保険が無いため、会社が従業員に与える民間の保険が医療保険として使われている。これがない場合、メディケア(公的保険)に頼らないといけないが、メディケアでは十分な治療が受けれない。
(8)アメリカでは1970年代に精神病院の悪質な医療サービスが問題になり、精神病患者が施設に閉じ込められるのではなく自由に施設から出て行ける事を保障する制度が出来た。しかし、施設から出された人々の多くが行く場所が無いため、そのまま路上野宿者となっていってしまった。このため、アメリカではホームレスの人々に精神薄弱者などがとても多いのである。