新宿区議会その3


【 平成 9年 11月 決算特別委員会-1120日−07号 】

◆(笠井委員) この項のところで、住所不定対策のことについてお聞きしたいと思います。決算数字で見ましても、前年度に比べてふえているわけなんですけれども。今のこの八年度の年度、七年度から八年度にかけての新宿区での、いわゆる実際対策、どれぐらいの人が今、来ているのかという、そういう人数的な経過ですか、それをまず最初に聞かせていただきたいと思います。

◎(生活福祉課長) 住所不定者対策についてのお尋ねでございます。

 私どもの方で行っている住所不定者対策、幾つかあるわけでございますけれども、まずよく御指摘、受けますけれども、カップめんの支給ということで申し上げますと、七年度に比べましても八年度はかなりの人数の増がございます。今現在、一日当たりでいいますと約四百名、四百名の方が一階のカップめんの支給場所でございますけれども、そちらの方に並んでいる状況であると。金額で申し上げますと、カップめんの提供ということで、八年度、約八百四十万円ほどの支出がございまして、前年度と比較いたしまして、金額でいいますと二・六%の増ということでございます。九年度に入りまして、その傾向が七年度から八年度に比べますと、若干伸び率が少なくなってはきておりますけれども、依然として増傾向にあるということでございます。

 それと、あと私ども緊急保護というような形で、主にどや等を利用いたしまして、生活保護の対象になる人間もいますけれども、主に法外で緊急宿泊事業というのを行っておりますけれども、そちらにつきましても七年度から八年度、かなりの増傾向にあると。ただ、九年度につきましては、先ほども申し上げましたけれども、ひところよりは増加傾向が鈍ってきていると、そういう状況でございます。

◆(笠井委員) 私、北新宿に住んでおりますので、そこでちょっとその対策の問題と同時に、今、地元でもこの間、大きな問題になっております。いわゆる東京都が、西口対策としての住所不定者対策といいますか、そういう中で北新宿に自立支援センターを暫定施設としてつくるんだという話が突如として出て以降、御承知のようにこの間、一万名を超える白紙撤回してほしいという署名が集まって、先ごろ都議会でも請願が審査されて、都議会では保留という扱いになっているわけなんですけれども。西口の問題だけではなくて、いわゆる公園も含めて、今、新宿でいえば全域的にこういう方がふえている中で、だれしもがこれは何とかしなければいけないし、何とかしてほしいんだという、そういう意見というのは、これは一致しているものなんですけれども。

 そういう中で、北新宿につくるという話が出た中で、住民の皆さんも、新宿区議会もそういうことでは、とにかくお話し合いでやはり今、話し合いがやはり十分住民の人が納得していない中で、そういう問題やるべきじゃないという、そういうところにいる中で、今現在、東京都、新宿区とその後どういう話になっているか、私わかりませんけれども。今現在、東京都との間でどういう話になっているのか。それから、話がなければないで東京都の方がその後、新たな提案として東京都が独自に西口で相談活動もしている中で、一定の問題が、この対策が進められているというふうに思うんですが、その辺についてちょっと聞かせてください。

◎(生活福祉課長) 自立支援センター絡みの御質疑でございます。

 若干経過を申し上げますと、昨年の七月でございますけれども、路上生活者問題に関する都区検討会報告が出されまして、その中のいわゆる目玉事業ということで、自立支援センター構想が上げられたわけでございます。御案内のこととは思いますが、自立支援センターというのは、勤労意欲があって健康に特に支障がない者と。それを対象にいたしまして、生活相談、健康相談から始まって、就労あっせん等を行って自立に結びつけていくと、そういう考え方でございます。自立支援センターにつきましては、二十三区の地域バランスを考えて五カ所、五カ所設置すると、そういう報告が出されたわけでございます。

 新宿区は、路上生活者問題に関しては、一番大きな影響を受けている区の一つでございまして、自立支援センター構想そのものには、新宿区としても積極的に取り組んでいきたいと、そういう立場であったわけでございます。ただ、先ほど申し上げたように、地域バランスを考えて五カ所というふうに言っているわけでございまして、路上生活者問題については極めて大都市的な問題であるということで、新宿区一区で解決できるような課題ではないと。そういう位置づけのもとに、都区検討会報告が行われたわけでございますから。私どもとしても、それは新宿だけの問題ではないというふうに認識しているわけでございます。

 お尋ねの北新宿の看護学校跡の件でございますけれども、これにつきましては東京都、主に福祉局でございますけれども、四月に入りまして急遽、北新宿四丁目、都有地、一角が都有地になっておるわけですけれども、そこを使って自立支援センターの暫定実施を行いたい、そういう話がありました。新宿区としても、率直に申し上げてかなり唐突な話だったわけです。区の方も、事前協議には預かっていないと。地元の方も、急に聞いた話だということで、御指摘のように大きな反対の声が上がりまして、その計画は現在とんざしております。区の方にも請願が提出されまして、これは採択されております。

○(小畑委員長) 課長さんね、御答弁の途中ですけれども、質問される方はその経過はよくわかっていらっしゃるので、質問の趣旨をとらえて答弁お願いします。

◎(生活福祉課長) 簡潔にやります。失礼いたしました。

 それで、東京都の方でも、厚生委員会で審議されたわけですけれども、保留という扱いになっております。現在の状況は、その保留状態がそのまま継続されているというか、福祉局の方からは地元に対して話したいという、そういう打診はあるようですけれども、その後、役員会等での説明とか、そういうことは行われていないと、そういう状況でございます。

◆(笠井委員) そこまでは私も知っているんですよ。私が聞いているのは、東京都がそれ以降、地元からとにかくそれは受け付けないよという、この話が出た以降、私は幹事長会に東京都からこういう文書がきてますよという話があったという。それに基づいて、マスコミでも報道されましたけれども、東京都が、ではそこで独自に相談活動をやるんだというそういう話の中で、今、実際に相談活動がどういうふうにやられて、これに基づいてやられているというふうに思っているんですけれども。これはいずれは、最後は北新宿にいきますよというような、どうもそういうための中間的なことが、新たな提案としてね。それは、新宿区にもそういう話がきているわけですよね。だから、幹事長会にこういうものがきましたよということで報告があったんだと。私は、ちょっとそれについて現状がどういうふうになっているのか、東京都からお聞きになっていらっしゃると思いますので、聞かせていただきたいということを質問したんです。

 済みません。質問する方もどうも、話の仕方が悪いんですが。済みません。

◎(生活福祉課長) 現在、東京都は自立支援事業ということで街頭相談をしております。八月二十五日の第一回のときには、これは支援団体等の反対で成立しなかったんですけれども。その後、十月十三日、それと十月の末にも街頭相談を行いまして、新宿区内の宿泊所、二カ所、計二十五名、収容定員があるわけですが、そちらの方に二十五名、現在、路上生活者というか入所者がおります。就労あっせん等が続けられているわけですけれども、その中で就職の決まった人間が若干はいると。ただ、ほとんどは就労活動中であるというふうに聞いております。

 その後、どうなるのかということはお尋ねにもございましたけれども、私どももその後の見込み等は東京都の方から連絡等は受けておりません。したがいまして、区としてもそれ以上の情報は持っていないと、そういうところでございます。

◆(笠井委員) 済みません。区内の二カ所というのは、場所についてはわかります。

 それと、一度に聞いてしまいますけれども、一つはそういうことが今度の地元でも、そういう施設というかどうかは別ですけれども。一定、そういう方がいらっしゃるということで、近隣の何か周辺の様子が、端的に言えば西口みたいになるんじゃないかというような、そういう不安もあってのことなものですから。その辺は、不安なくやられているのかどうか、ちょっとそれも含めて聞かせてください。

◎(生活福祉課長) 二カ所につきましては、一カ所は赤城下町にある新光館でございます。もう一つが、弁天町にございます春陽寮でございます。それぞれ入所定員が二十名と五名、計二十五名というふうに私どもは聞いております。

 それと、地元のことでございますけれども、当初は支援団体がこの自立支援事業について反対しておりましたので。例えば、新光館につきましては、周辺でかなり何回か反対のビラがまかれたり、そういったことはあったように聞いておりますけれども、それ以降は特に地元の方から、こういう施設がけしからんとか、そういう声は聞いておりません。

◆(笠井委員) 今、そういう二カ所の状況、ちょっと聞いたんですけれども。私がちょっとそういう話を聞いて、いや実際のところはどうもそうじゃないというようなことも耳にしているんですけれども。課長さん、そういうふうにおっしゃるなら、それはそれとして聞いておきたいと思いますけれども。

 一番の問題は、この北新宿の自立支援センターということ、一つはとにかく何の話もなくて突然東京都が押しつけてきて、一回目の説明会でも、あくまでつくっていくんだという、そういう強行な姿勢が最後まで通されたということで、一番そのところをやはり住民の皆さんも、白紙撤回を求めているわけですし。それから、やはり西口の対策のために、なぜ地元がそういうことを押しつけられ、納得いかないのに受け入れなければいけないんだというところが、やはり一番の大きな問題になっているわけでね。

 いずれにしても、都議会でも保留になって、今後、東京都も含め、新宿も含めて、当然この問題、話し合いがされていくべき問題だと思いますし。最大の問題は、やはり新宿も、さっきの五つの中で位置づけていきたいというお話ではありますけれども。東京全体で五つの区は今、恐らくどこもそういうものを具体的に、こういうところにつくりたいということになれば、反対があってできないだろうから、言えないんだということなんですけれども。やはりこれは全体の中で考えていくべき問題だと思いますし、そういう点について今後、区としてこの暫定使用も、最初のときは三月いっぱいで、それ以上延びることはありませんと言っていたんですけれども、幹事長会に示されたそういうものを見ますと、どうも使用期間入所後十カ月というようなことで、そこでも違ってきているというふうに言えると思うんですよね。ということです。

 要するに、新宿区として、二十三区の中で新宿が多いから新宿が、新宿にどうしてもという、そういう考えもあるかと思うんですけれども、新宿がやはりそういうふうにふえてきた実際の実情というのもあると思うんですよね。そういう点で、今後、東京都と、それから地元の意見もやはり十分、新宿区が中に入ってやはり聞いて、東京都さん勝手にやってくださいということじゃなくて、やはりやっていく必要があると思うんですが、その点についてちょっとお答えいただきたいと思うんです。

◎(生活福祉課長) 先ほど、ちょっと長ったらしい経過をお話ししたというのは、その辺の話と非常にダブってくる部分があるわけなんですけれども。私どもは、確かに路上生活者問題に一番取り組むべき区だというふうには思っております。ただ、新宿だけではできないと。都区検討会が設置された経過というのは、主に趣旨が二つあると思うんですけれども。一つには、これは都区、区も特に二十三区共同の事業であると、大都市問題であると、こういう認識です。もう一つは、これは福祉の問題だけではないと。労働とか住宅とか、保健、医療とか、そういったもろもろの施策、総合的な対応が必要だと。そういう二つの大きなやはり趣旨があるというふうに、私は思っております。

 今進められている、東京都が自立支援事業、小規模ではありますけれども、やっておりますけれども、果たしてそういう視点で行われているのかといったときに、私は個人的な見解かもしれませんけれども、やはり疑問が残る部分があります。ですから、その辺につきまして、私どもとしても東京都と率直な忌憚のない話をしていきたいというふうに思っておりますし、東京都も単に西口の地下広場だけの問題ではなくて、もう少し広い視点でこの施策に取り組んでいっていただきたいというふうに思っているところでございます。

◆(笠井委員) 担当課長の言葉も、そういうふうにお答えも出ましたけれども。今後も、ぜひ東京都が、やはり地元、新宿区を飛び越えて地元に押しつけてくるなんていうことは、やはり絶対にあってはならないと思いますし、ぜひ新宿区としても、その問題で住民の皆さんの、やはり声をきちっと聞きながら、東京都にも物言っていただきたいということをお願いしておきたいと思います。

 それから、ここで。では、とりあえず委員長、いいです。

○(小畑委員長) ほかにございますか。(「委員長、関連」と呼ぶ者あり)

◆(松ヶ谷副委員長) 今、笠井委員の質問との関係で、ちょっとだけお伺いしますけれども、新光館二十名、春陽寮五名という話ですけれども。これは、今までの新光館の収容人員の中で、新たに二十名受けられるよということなんですか。

◎(生活福祉課長) 新光館の定員というのはもともとございます。それで、実際はその定員よりも、運用上は少ない人員で運営されていた施設なんですけれども、それでも三十何名かぐらいの規模があるところへ、新たに二十名入ったということでございますから、当然従来使っていたところが影響を受けていると。具体的に申し上げますと、例えば台東区とか荒川区とか、そちらの方からの入所者がいたわけですけれども、少しそちらの枠が制限されたというふうに聞いております

◆(松ヶ谷副委員長) いずれにしましても、新たに言うなら自立支援センターの暫定施設が、いわばとんざした関係の中で新たに生まれた問題ですよね、この二十名というのは。これについては、地元にはどういう説明されているんですか。

◎(生活福祉課長) 新光館というのは、御存じだと思いますけれども、非常に古い施設でして、それこそ明治のころにさかのぼるぐらいの歴史がある。宗教法人ですけれども、今現在、社会福祉施設ということで運営されております。したがいまして、つい最近できたとか、新たにできたとか、そういう施設ではございません。もともと新宿でも利用しておりましたけれども、路上生活者が入所していたような施設です。東京都の弁護をするわけではございませんけれども、そういうことで特に使い勝手が変わるわけではないというようなことで、恐らく東京都なり、あるいは施設の方から地元に対して、今回の自立支援事業がこういうことで行われるというような、特別の説明は多分行われていないというふうに思っております。

◆(松ヶ谷副委員長) そうだと思うんですよね。ところが、そちらからの報告にもあるように、当初、暫定施設がそういったことでとんざしたという関係の中で、支援グループの方々を初め、あの地域にさまざまな報道というんでしょうかね、ビラ、チラシ等が流れた。あたかも、いわばそちらとの関係で、こちらに来ざるを得ないというような、まさにその雰囲気というんですか、これを与えたことだけは事実なわけですよ。実際に、またそれだけの収容人員が、割合ゆとりがあったものが、ぎりぎりというんでしょうかね、自立センターの設置がおくれているがために、ここの新光館に多くの人が収容されるという事態になったことも、これもまた事実なわけです。

 やはり地元の中では、さまざまなやはり意見があるんですよね。これまでもそうでしたけれども、この件を通してさらにやはりそういったものが広がっているということだけは事実でありますので。管轄が、新光館をどこが管理、監督されているのか、ちょっと私わかりませんけれども。やはり地元が不安に思うような内容というのかな、これがないように、そういうことのないように、ぜひやはりしていただくように要請をしていただきたいと思うんですよ。その点ではどうでしょうかね。

◎(生活福祉課長) 北新宿のときもそうだったんですけれども、自立支援センターの暫定実施と言われる事業にしろ、今回の自立支援事業にしろ、東京都から事前に詳細な説明というか、そういう中身に踏み込んだような説明というのは、私どもも実は受けていないというのが実情でございまして。私どもとしても、地元のことを考えれば、新宿区内である限り、新宿区は無関係ではいられないわけですから。今、松ヶ谷委員御指摘のような気持ちは持っているわけでございますけれども、なかなか私どもの感知できないところで、先に事業が進行してしまうと。今のところ規模は小さいですけれども、そういうことがございます。私どもとしても、非常に残念に思っております。御指摘の趣旨は、私もそのように思います。


 【 平成 9年  3月 予算特別委員会-0310日−07号 】

◆(川村委員) 少し時間をいただきまして質疑をさせていただきます。

 最初に、路上生活者の問題についてちょっとお伺いしたいと思います。

 ついせんだって三月六日に、昨年一月二十四日に東京都が強制排除を行って、そのときに公務執行妨害罪で逮捕されて、しかし、威力業務妨害ということで起訴になった二人に対して東京地裁で判決がありました。結果は無罪ということになったわけですけれども、このことについてはどのぐらい区の方としては承知しておられますか。

◎(生活福祉課長) 三月六日に地裁の判決が出ておりますので、私ども新聞情報程度で承知してございます。

◆(川村委員) 新宿区は昨年一月の強制排除については一切タッチしていないと思うんですね。しかし、この問題を通して私たち、やはり路上生活者の人びとに対する姿勢というものがひとつ問われているのではないかというふうに思うわけですね。もともと二年前に強制排除が行われたときに、たしか新宿区は同日に出張相談を行って、東京都と新宿区が一緒に強制排除をやっているのではないかというようなこともありました。そういう状況の中でずっと推移してきた経緯がありますから、私この問題についてはもう少し立ち入って区の対応なりをお聞きしていきたいと思うんですけれども、やはり昨年の東京都の強制排除、これは非常に人権上問題があったというふうに言わざるを得ないと思うんですね。そういう問題について、新宿区の方としてはどのように受けとめておられたのかということを改めてお聞きしておきたいと思うんです。

◎(生活福祉課長) 川村委員も既に御存じだと思いますけれども、昨年一月のいわゆる強制排除でございますが、新宿区は排除で解決する問題ではないという立場をとっているわけでございます。そういう考え方においては、基本的には今でも同じような考え方は持っておりますが、ただ、西口の現状、これは特に地元の商店会からいろいろ陳情、苦情等が来ているということで、そういう中で今回の判決が出たわけでございまして、東京都としては非常に厳しい状況に置かれているのではないかと、そのように考えてございます。

◆(川村委員) 私は昨年一月の都による強制排除、これは要するに動く歩道設置を目的として四号街路にあった段ボールハウスを排除したというものですけれども私はあれによってむしろインフォメーションの側、新宿駅周辺の方に段ボール村が集中的にでき上がってきたというふうに理解するわけですね。だから、東京都がきちんと対策を立てていないということがここで明らかになったと思うんですよ。新宿区の立場は立場として私もよくわかりますけれども、これは東京都のとった態度というものが今の不信を呼んだし、そういう段ボール村も実際にあらわれているという状況の中で今度の判決を迎えたわけです。

 そうすると、今までのように、東京都は今度の判決を見ましても排除ということは実際にできなくなったというふうに僕は思うんですよ。(「代執行すればいいんだよ」と呼ぶ者あり)そういうことについても後で−−代執行のお話がありましたけれども、そういうことをやっていかなければいけないわけですよ、そういうふうにする場合には。そのときには、それなりの手だてが当然必要になってくるだろうと思うんですけれども、もともと強制排除のあったときは道路法の第四十四条の二、違法放置物件に対する措置ということで、路上廃材撤去作業というようなことを挙げて段ボールハウスを撤去したということがありまして、こういう問題について強制的な撤去ではなくて、やはり定められた法律のもとに、先ほど権並さんも言われたように代執行といういろいろな民主的な手続があるわけで、そういうものをきちんとやっていく必要があるということが今度の判決でも言われているわけで、その点については新宿区としてもそういう考えでいらっしゃいますか。

◎(生活福祉課長) 都道上の問題でございますので、道路管理者としての立場で東京都がお考えになることだとは思います。ただ、先ほど川村委員も御指摘になりましたけれども、私ども新宿区といたしましても、去年一月のいわゆる強制排除以降、御指摘のとおりインフォメーション前にかえって集中したきらいがあるわけでして、私どもも主張しておりましたけれども、排除で解決する問題ではないという面は確かにあろうかと思います。

 私ども、都道上の問題はともかくといたしまして、路上生活者問題に関しましては、前の委員会でも御答弁申し上げたことがございますけれども、単に福祉だけの問題ではなくて、労働政策あるいは住宅とか保健衛生とか、いろいろな観点から総合的に対応していく必要があるということで、御案内のとおり都区検討会の報告も出されております。そういう新宿区の基本的な考え方は変わっておりません。

◆(川村委員) そういう区の基本的な姿勢を堅持して対応されていかれることを望むわけですけれども、やはり国連人権委員会での強制立ち退きに関する決議というものが一九九三年三月十日に国連人権委員会で採択されているわけで、そこには「強制立ち退き行為は人権、なかんずく適切な住宅への権利に対する重大な違反であることを明言する」というふうに書いてありますし、また、昨年イスタンブールで開かれた国連のハビタットU(人間居住会議)、ここでもホームレスの人びとに対する支援策が具体的に織り込まれるという状況の中で、やはり私たちはこの問題はトータルな問題として、特殊な問題でなく、私たちの社会的に置かれている問題としてとらえていくということが必要だろうと思うんですね。

 そういう中で、たしか区長はどこかでホームレスの人は経済難民だとか何かおっしゃってなかったですか。経済難民というのが当たるかどうかわからないですけれども、その辺の真意についてはどうなんですか。

◎(生活福祉課長) 区長が経済難民とおっしゃった趣旨というのは、私の口からはいわく言いがたいところがあるわけでございますけれども、今長引く不況の影響、具体的に申し上げればバブル崩壊と言われたのが平成三年度以降、それから私どもの所管する仕事の話で申し上げても、保護率とかが年々上がっているというような状況にございます。

 それとまた、建設業界の動きと申しますか、不況の影響はもちろんそうなんですけれども、単に景気が悪いというだけではなくて、今まで人手をかけていたような、いわゆる日雇い仕事的なものについてもどんどん合理化が進んでいる。ですから、経済不況に加えてそういう日雇い仕事的なものが建設業界の範疇からはだんだん少なくなっているというような状況があるわけでございまして、私も直接区長から経済難民の定義をお聞きしていませんけれども、そういう状況をかんがみれば、一種の経済難民的な状況下にあるのかなと、そのような気はいたします。

◎(区長) 社会的なひずみの中から生まれてきたわけでございますが、たしか「新宿区新聞」に書いてあったと思います。いずれにいたしましても、この住所不定者に対する対策が、東京都の問題は案はでき上がったわけですが、総論賛成各論反対で、私どもの新宿区では一応手を挙げさせていただいたわけでございますが、どこも反対ということでございます。だからといって、私ははっきり申し上げまして、ホームレスの方々が地下道にああいうふうなものをつくられて堂々と居座っていいとは申しません。あそこに書いてあるとおりでございまして、私もこの問題が非常に心配になりましたので、既に日独センターのブルックドルフ事務総長にティアガルテン区、ベルリン市における対策を一遍調査して新宿に知らせてほしいということをお願いいたしましたら、一月末にベルリンから手紙がまいりまして、ベルリンのホームレス対策が書いてございました。

 それによりますと、ホームレスはベルリン市のすべての空き教室あるいは空き倉庫等に全部を収容いたしまして、夜九時までに入って全部収容して、晩飯と宿泊所と翌日の朝飯を食べさせて一遍外へ出しまして、また翌日、同じような形で繰り返す。ブルックドルフさんのお話によりますと、ホームレスが余り臭くて汚いから嫌われるんですが、朝まちへ出るときにきれいな格好をして臭くもなく、シャワーを浴びてきちんとしていさえすれば、公園に座っていようが、まちの中を散歩されても、そんなに問題にならないのではないか。要するに、発想の転換を図ったらどうか。こういうようなことも、これは去年ブルックドルフさんが来たときにそういうふうな話をして帰られたんです。

 今度の場合の返事もやはり同じような形で、ベルリンでは全部夜九時までに入っていただいて、ですから、夜になればホームレスはまちの中にいない。そのかわり全部入っていただいて、宿舎と晩飯とシャワーとを全部与えて、翌日の九時にまた外へ出すと、こういうことを繰り返しているというような形です。だからといって、ベルリンの場合にはホームレスに対する職を与える、いろいろなことは何もできませんと申しておりましたので、ただまちの中をきれいにする、清潔に保つにはそういうような方法をベルリンではとっておりますというお話をされましたので、その話を発想の転換によりまして新宿区としてもホームレス対策をもう一遍考えざるを得ないのではないか。こういうことを予算説明の中で、新聞記者との話の中から「新宿区新聞」に経済難民としてすっぱ抜かれたということ。

 こういうことによって、また西口の方々にすれば、区長はホームレス対策、暖かくなってあそこを撤去させますと、まちの中に散らばります。散らばるというお話をして、それではまちの中に散らばるよりあそこにいた方がいいのか、こういういろいろな問題も出てまいりますが、話のついでに出たものでございますが、何かしら新しい形でこの問題も解決していかざるを得ない、こう考えます。

 ただ、ブルックドルフさんもおっしゃっておられましたが、問題は新宿だけそういうふうな形をとっても、よそからどんどんどんどん新宿へ集まって来るだけでしょうと。ですから、ベルリンはそういう形をとっておりますが、東京が抜本的なやはりそういうことに考えたらいかがですかと。それから、ベルリンのホームレスは全部が経済難民ですと。東西の壁がとれましてから、非常に失業者はふえました。東から入って来る失業者はふえ、特にトルコ人の失業者が多い。そういうふうな状態は東京とは違いますが、ベルリンはベルリンなりに、またティアガルテン区はティアガルテン区なりにどうすべきかをこれから暗中模索するところでしょうというお話をされましたので、ついでながら御報告をさせていただきます。

 以上です。

◆(川村委員) 区長の今言われたドイツの例を出されて、それは一つの提案だと思いますので、いろいろなところで東京都議会、都区協議なんかもあると思いますので、そういう提案をされてみられたらいいと思います。

 それで、少し現状をお聞きしておきたいんですけれども、この予算委員会での資料をいただきまして、やはり食料の現物給付というところを見てみましても、この三年間相当数ふえていて、やはり路上生活といいますか、新宿区周辺の路上で生活しておられる方、野宿しておられる方が非常に多いなという感じがするわけですけれども、そこら辺については経済状況も含めてですけれども、相談件数と食料現物給付、その他の動向についてどのように認識しておられるか、ちょっとお聞きしておきます。

◎(生活福祉課長) 御指摘のとおり、確かに住所不定者ということで私ども呼んでおりますけれども、窓口の相談件数、ひところは爆発的というぐらいの増加傾向を示したわけでございます。具体的に申し上げれば、平成五年度から六年度に関してえらい数で相談件数がふえまして、平成七年度、それがまた倍以上の増加傾向を示したわけでございます。

 平成八年度についてはどうかと申し上げますと、確かにゴールデンウィークのころは去年を上回る勢いでございまして、ピーク時は一日に六百人ぐらい住所不定者の来庁者があったというような状況がございました。それが秋ぐらいまで続いたわけですが、それ以降はむしろ平成七年度を下回る相談件数になってございます。その理由は何か私どももつかみ切れてはおりませんけれども、ちょっと漏れ聞くところによりますと仕事が幾らか動いてきているというようなことでございまして、今現在は去年の同時期と比べましてもかなり落ちついた状況になっているというふうに思っております。

◆(川村委員) 新宿をパトロールしている市民団体の年末年始の越冬対策といいますか、そういう活動をされているわけですけれども、そういう状況を見ても、やっぱり六百人以上の方が新宿駅周辺にいらっしゃるということがわかっているわけで、幾らか落ちついたと言われましたけれども、しかし、現実は非常に厳しい状況が続いているのではないか。ですから、景気が回復して、こういう住所不定者といいますか路上生活の人が、それではもとのように本当に少なくなるかということは、やはり現実的にはなかなか言えないのではないかというふうに思うんですね。そういう意味で、やはり恒常的な施設なり、そういう対策が望まれているのではないかというふうに私は考えるわけなんです。

 そこで、具体的には平成七年七月に、これは東京都が依頼した調査ですけれども、「新たな都市問題と対応の方向」ということが出まして、それから都区検討委員会でも具体的に最終報告が昨年出されたということで、それに基づいた具体的な施設ということで自立支援センターですよね。この自立支援センターを東京都は来年度二カ所を予算化したというふうに聞いていまして、例えば記者会見では新宿にあるさくら寮を転用したらどうかというような具体的なことも報道だけですけれども、新宿区の方で提案されているように伺っていますけれども、その辺の事情はどうなんでしょうか。

◎(生活福祉課長) 御指摘のとおり、自立支援センター設置に向けまして東京都は平成九年度の予算案にも一億円ということでございますけれども、予算計上してございますし、都区検討会報告で長い期間をかけて出したいわゆる目玉事業ということでございますから、東京都は何が何でもやるという立場に立っているわけでございます。ただ、これも既に御案内のことだと思いますけれども、いかんせん総論賛成各論反対ということで、なかなかそれが具体化しない。東京都といたしましても、一遍に五カ所はなかなか難しいという認識は持っているようでございます。ただ、新宿が一つの象徴的な地域ということで、私どもにとっては決してありがたい話ではないんですけれども、まず新宿でそのうちの一カ所をやってもらえないかというような話は、これは以前からございます

 ただ、それが都区検討会の報告との絡みで、私ども新宿区の立場といたしましては五カ所を目標に自立支援センターをつくると言っているわけでございますから、これは大都市問題という性格からいっても新宿だけでやる話ではないだろうと。基本的にはやはりそういうふうに考えているわけでございます。その中のせめぎ合いといいますか、東京都は一遍に五カ所、新しいものが無理だったら既存施設を利用してでもというような考え方もやはり一部にはあるようでございます。さくら寮というのも冬季臨泊で使っている施設でございまして、毎年壊しているような施設でございますから、既存施設と言えるのかどうかもわかりませんけれども、少なくとも冬期臨時宿泊事業で使っている施設は新宿区内にもある。そういったところでさくら寮を一定期間転用できないかという話は実際にございました。ただ、区の立場は先ほど申し上げたように、新宿だけでやるという話ではないでしょうというようなことも申し上げているわけでございまして、なかなかそれが具体的に決まっていないと、そういう状況でございます。

◆(川村委員) もう少し区の態度なんですけれども、自立支援センターに対する態度はよくわかります。だから、大都市問題というか、東京都が当然考えるべきというか、もちろん区もそうなんですけれども、具体的に自立支援センターの一カ所、新宿区内の問題ですよね。これについては助役か何かどこかで述べておられましたよね、違いましたか。区長でもいいんですけれども、さくら寮を転用したらどうかという提案を新宿区はしたんですか。その辺ちょっとわからないんですけれども、その辺を具体的にちょっと教えていただけますか。

◎(志萱助役) 自立支援センター構想というのは、御承知のように二十三区内に五カ所という申し合わせになっているわけでございます。そして、新宿区といたしましては、西口のあの一帯を抱えている区として、ほかの区等の様子を見ながらというわけにはなかなかまいらない。現実には全体で三千三百人と言われているホームレスでございますから、新宿区だけではなくて他区にも随分いるわけでございますが、新宿のホームレス問題が象徴的に皆さんの目に触れているわけでございます。そういう新宿区といたしまして、ほかの区が手を挙げなくても、新宿区とすれば、まずさくら寮なりどこなりをいわゆる自立支援センターとしての場所を考えざるを得ないというのが実態だと判断をしているわけです。

 そこで、東京都ともいろいろ打ち合わせをやっておりますけれども、さくら寮が現実に今越冬住宅ということで使われているわけですから、これはまた地元の方たちの御理解も得なければ前へは進みませんけれども、区としては、あのさくら寮の位置あたりしかないのではないかなという感じを持っておりまして、いろいろ特別区協議会からの調査等がございましたけれども、新宿区としてはあの場所で何とか努力をしたいという意思表示をしているというところでございます。

◆(川村委員) わかりました。そうすると、さくら寮はたしか三月で取り壊すことになるんですけれども、微妙なところに差しかかっていると思うんです。これは具体的にさくら寮を転用しようということがいつ、どこで、どういう判断を下されるかわかりませんけれども、一たん取り壊した後、また建てるということもあるんですか。

◎(志萱助役) さくら寮は御承知のように仮設の建物でございまして、プレハブでございますから、法的には一年以内だと思うんですね。現在建てておりますのはたしか三回目ぐらいになるかと思いますけれども、十一月から十二月にかけて建てまして、十二月二十日ごろから入居をされているわけでございますから、理屈の上からいえば、そこから一年ぐらいは建物としては使えるというふうに思うわけです。

 既にもう三月に来ておりまして、三月末で一応越冬事業は終了するわけでございますから、それから先をどうするか、そのまま自立支援センター的な役割を持たせるかどうか。しかし、現在のところ、これはまだ私どもも正直言って決めかねているという状況でございまして、今おっしゃるとおり、微妙なところに差しかかっているというふうに御理解いただいて結構だと思います。

◆(川村委員) わかりました。微妙な問題があるということ、いずれにしてももう三月中に結論がある程度出るということになるんだろうと思います。

 それからもう一つ、この自立センターについては支援団体からも、むしろ芝浦の収容施設みたいな形になってしまうと、むしろ問題があるというふうにも言われているわけですね。東京都の方は自立支援センターの一つのモデルを芝浦収容施設に置いているわけですから、東京都の方はこの芝浦の施設をかなり高く評価したといいますか、これは仕事も含めてですけれども、七〇%ぐらいの人が仕事についたというふうに言われているわけなんですけれども、現実に何カ月かたってみて、そういうふうに仕事についた人が本当にそのまま自立支援に役立ったのかどうかということの追跡調査というのは行われていないように思うんですけれども、本当に芝浦の施設というものが自立支援のための役に立ったのかどうか、この辺の評価についてはどういうふうにお考えですか。

◎(生活福祉課長) 御指摘のとおり、芝浦につきまして、私ども新宿区としてはやはり総括が必要であるという認識に立っております。現実に私も東京都を交えた会合の中で、実施結果について区にもわかるようにもう一回説明してもらえないかというような話はしたことがございます。確かに七十九人の入所者中五十六名仕事が決まったということで、東京都は当初、高く評価していたという時期がございました。

 ただ、よくよくその後いろいろ情報を総合して考えると、必ずしも仕事が決まった状態のままいるわけではないようだというような話がございまして、私どもといたしましても、やる以上はもう少し何らかの形で実際に自立を支援するような、そういう機能を果たした施設であってほしいと。ぜひ芝浦の経験を次の自立支援センターなりで生かしてもらいたいという立場に立っております。東京都も芝浦の結果については余りつまびらかにはしませんけれども、自立支援センター実施の際には、労働経済局あるいは住宅局等とも連携をとって芝浦以上の内容でやりたいというふうに言っております。

◆(川村委員) わかりました。ぜひ自立支援センターについても、やはり新しい対応をしていただきたいなと思うんですよね。

 コミュニティワーカー制度を考える会という民間のボランティア団体ですけれども、自立支援センターを含めていろいろな提案を行っていますね。これはやはり外国でもアウトリーチという対策があるようで、具体的に相談員の人が路上生活をしている人に対して身近な相談をして、それを行政につないでいこうという制度なんですけれども、こういうものがやはり必要になってくるのではないかなと思うんですね。ただ出張相談をして、そのままバスで施設へ行ってもらうということだけではなくて、確かに出張相談も一つの相談であるわけですけれども、もう少し巡回できるようなコミュニティワーカーというのが必要ではないかなと思うんですけれども、その辺についてはいかがでしょうか。

◎(生活福祉課長) 都区検討会報告の中で自立支援センターだけが注目されている向きがあるんですけれども、実はそれ以外に二十六項目にわたる施策の体系というのがございます。街頭相談とか今おっしゃられたアウトリーチ、そういったものもその項目の中に入ってございます。ただ、各区で具体的にどのぐらいの取り組みを考えているのかということになりますと、新宿区は年四回の街頭相談を実施してございますけれども、街頭相談自体、実施している区はごく少数でございます。アウトリーチということになると、ほとんど実施している例がないというような状況でございます。私ども、確かにそういったものの必要性というものを否定するわけではございませんが、新宿だけでどこまで実際にきめ細かな対応をしていけるのか。それこそ今の予算と人員の中でという話になろうかと思いますけれども。

 また一つには、極めて流動性の高い住所不定者でございますので、区の間の施策に格差があれば、いい方に移動するに決まっていると私どもは思ってございます。ですから、お互いに各区が連携して、ある程度の水準まで共同歩調をとってやりたいというふうに私どもも思っているわけでございます。新宿区は他区に比べれば、施策的には幾らかでも先行している部分はあると思います。そういったことで、各区の連絡調整をする機会があれば、私どもとしてもそういう話はしていきたいというふうに考えてございます。

◆(川村委員) 確かに新宿区は先駆的と言っては変ですけれども、二十三区でいえば、台東区を除いてはそういうふうな意味があるんだろうと思います。さくら寮にしても九十名が定員でしたか。その中でも病弱な人に対するいろいろな相談の結果、今までは画一的なお弁当だけだったのが、今度はおかゆか何かを出すようにされましたよね。

 そういうふうに比較的柔軟に対応されているというふうに私も思うんですけれども、まだまださくら寮自身、すごい門限とすごい厳しい収容所みたいな施設のイメージがあって、例えば面会に行ってもなかなか中に入れてもらえないとかいうのがやっぱりあるんでしょう。そういうものも、先ほど言われたドイツの例なんか見ると非常に自由に入っている人自身が出入りできるというようなこともありますから、民間の福祉関係の団体に委託していると思うんですけれども、そういうところにもっとボランティアの人とか、あるいはいろいろな団体の人とそういう協議機関を設けて、そういうものの運営をもうちょっと緩やかにしていったらどうかなというふうに思うんですけれども、そういうことについてはどうですか。

◎(生活福祉課長) 確かにおかゆの話もございまして、確かにさくら寮は割合に病人が入所することが多いものでございますから、食べ物については配慮することがあるということで、特別区人事厚生事務組合からさらに社会福祉法人の方に委託してございます。その中で私もちょっと話をしたことがございました。ただ、そのほか今おっしゃられた施設の管理ということになりますと、これはこれで、やはり周辺の住民からはまた別の注文もついているというようなことがございまして、入居者の立場というか、それと周辺の住民の考え方というか受けとめ方、その辺の調整も実に難しい面があろうかと思います。おっしゃられている意味はよくわかりますけれども、その辺も含めて関係機関の中で協議していきたいというふうに考えてございます。

◆(川村委員) さくら寮にしてみても、最初につくられたころは新宿の周辺の人が大体ほとんど入るみたいな傾向だったんですけれども、それが定員は変わらずに、結局中野とか周辺区の人がさくら寮に入るということになってくると、だんだん新宿区にもともとおられた人が入れないみたいな状況も生まれているみたいなんですけれども、報道によれば、この冬に数人の方が亡くなっておられるというような情報もあるんですけれども、区の方でつかんでおられるのはどういう状況ですか。

◎(生活福祉課長) 路上の死亡者ということでおっしゃられているんだと思います。私どもも川村委員と情報源がそんなに違わないのかもしれませんけれども、よく来る支援団体がございまして、そちらの方からも何人死んだというような話が入ってくるわけでございます。一番最近のビラ等によりますと、九人になったというようなことでございます。私どもも、もちろん救急なり、あるいは行旅死亡人で扱われるようなこともございますけれども、そちらの方の件数を総合的にいろいろ積み重ねていけば、ある程度の数が出ないわけではございませんけれども、正直なところ関係機関が分かれていると。それと、監察医務員というようなレベルになってしまうと、向こうから情報提供してくれることはないというようなこともございまして、結局のところ、支援団体等から何人死んだというようなところである程度の数をつかんでいるというような実態でございます。

◆(川村委員) 区の方では正確につかんでおられないみたいですけれども、そういうような状況も一方であるということで、もう一つ具体的に福祉課の方にお伺いしておきたいのは名古屋地裁で生活保護を求めていたホームレスの人なんですけれども、昨年十月三十日に結局、医療扶助については認めた。しかし、住宅扶助なんかは認めないということを名古屋市の方が言って、それで裁判になって、最終的にこの問題については市側の決定を取り消す判決ということになったということなんですけれども、この辺はもちろん仕事に直結する問題ですから、ここら辺についてどのように考えておられますか。

◎(生活福祉課長) 名古屋のいわゆる林訴訟でございまして、名古屋市が敗訴したということで控訴しておりますので、判決自体は確定しておりませんが、ただ、考え方として、御指摘の医療だけの保護料単給というふうに言っていますけれども、それはよろしくないというようなことでございます。この判決の中で一番難しいのは能力活用ということでございまして、名古屋地裁の判決によれば、能力活用について本人が努力して、いろいろ就職活動とかをしても、なおかつ職がないような状況であれば生活保護を適用すべきだろうというような考え方だと思いますけれども、考え方としては、これは当然そういう考え方もあろうかと思います。ただ、私どもが裁判所と違うのは行政の立場ですから、現実に今現在の収容能力と申しますか、その中で果たしてこれができるのかという問題もございます。

 私どもとしても手をこまねいているわけではございませんで、更生施設なりの空きがあれば、新宿はそれこそ本当に毎日毎日施設の確保に追われる中で生活保護を適用した人間の措置をやっているわけでございます。二十三区の中でもうちの措置件数というものは実数としても物すごく多いというふうに言えようかと思います。それでもやはり施設というのはなかなかない。今現在は冬期臨時宿泊事業をやっておりますので、さくら寮は最大九十六名まで入れます。渚寮と大田にございますけれども、こちらが三百名まで入るというようなことで、その枠も有効に活用しながら生活保護の適用もやっているわけですけれども、それでもとても需要に応じられないというような状況はございます。

 その中での名古屋地裁の判決でございますので、私どもも真摯に受けとめるべきところは受けとめますけれども、ただ、現状でいかんともしがたい部分というのもある。それは新宿区だけでなくて、やはり路上生活者の多い地域というのは多かれ少なかれ同じような状況下にあろうかと思います。そういった面で、まだ判決自体は控訴審で争われることになりますので、今後の推移を見守るしかないというような状況でございます。

◆(川村委員) 実際に生活福祉課で大変御苦労されているというのはよく私もわかっていますし、昨年のさくら寮の出張相談のときも私行きまして、どれほどの方が相談に来られていて、さくら寮の方に行かれたかというのも、つぶさに見させていただきました。そういう状況の中で皆さん方が大変苦労されてやっておられるのはよくわかりますので、そういう意味では本当は都区なりきちんとこういう問題に対して理解を示して、例えば仕事の問題にしても、やはり過去に制度としてあった失業対策事業であるとか、そういうものを含めてこういう問題に対処していかなければいけないのではないかなというふうに私は思うわけです。そういう意味では先ほど区長は非常に柔軟な姿勢を示されましたし、そういう区側からはいろいろな提案をしていっていただいて、ぜひとも人権問題の解決に向けてもそういう幅の広い施策を提供できるような形に持っていってもらいたいというふうに私は要望しておきたいと思います。


 【 平成 7年  1月 福祉衛生委員会-0113日−01号 】

○(川合委員長) 次に、住所不定者現地出張相談結果等について御説明お願いします。

◎(生活福祉課長) 住所不定者の臨時越冬施設さくら寮の開設にあわせまして、昨年1222日に現地出張相談を実施いたしました。まず、この結果について御報告をさせていただきます。

 相談者総数は 110でございまして、そのうち19名が医師の診断を受けております。その結果、49名の者を措置いたしました。内訳としましては5名を入院措置、それから2名を新光館宿泊、42名をさくら寮に入所をさせました。相談のみで終わった者が53でございました。その53名の中の14名につきましては、福祉事務所の方に再来所指示をして相談継続をしたものでございます。

 当日の 110名の相談者の年齢別でございますが、60歳代が36.4%、それから50歳代が31.8%ということで、60歳代の方の相談比率が一番高くなっているということがございます。それから、平均年齢は55歳でございました。最年少は25歳、最高齢者は77という状況でございます。

 次に、越冬施設さくら寮に入所させました42名の対象者別を見ますと、65歳以上の高齢者が20名、それから障害者が3名、傷病者19という内訳になっております。

 それから入所者の年齢別で見てまいりますと、40歳代が7名、50歳代が10名、60歳から64歳が5名、それから65歳から69歳で14名、70歳以上が6名、合計42という状況でございます。

 それから、入所しました人たちの野宿歴でございますが、ここに記載してございますけれども、3カ月から6カ月が9名。それから6カ月から1年というのが8名、これが両方で46%を占めております。1年未満の人で見ますと67.6ということで、やはり1年未満の短期の野宿の人たちが非常に今回の対象者となっていたということが言えます。

 それから、当日入所決定をいたしましたんですが、高齢者の1名と傷病者の1名が気が変わってしまったのか再度の集合時間にあらわれないということがございました。

 それから、22日は42人ということでございましたので、連休あけの262728日と年末までの相談の中で26日には17名、27日が6名、それから28日が8名ということで、大体31名を措置いたしました。その結果、1228日現在で新宿区が入寮させました人数は73名で、そのうち2人が中途退所しております。28日現在は71名の在籍ということになっております。ちなみに、さくら寮全体の在籍者数は85名でございますので、他区から14名の方が入っているということになります。

 それから年あけになりまして4日以降、また相談を継続する中で進めてまいりました。1月10日現在では、全体で87名の在籍がございます。その間の退所者は12名おりました。新宿区からの入所は72名在籍、このほかに11名が途中退所をしているということです。他区からが15名で、1名が途中退所という結果でございます。

 それから昨日、大田区のなぎさ寮の開所がされまして、それにあわせまして、やはり昨日私どもで出張相談を実施いたしました。相談総数は 197名でございました。うち医師の受診をした者が17ございました。今回、入院者はゼロでございます。

 施設入所の関係ではなぎさ寮入所が99名、それから、さくら寮入所が28名、合計 127名を越冬施設の方に収容したところでございます。そのほか新光館に1名収容いたしまして、69名の方が一応入所の希望は持っていましたけれども、昨日の段階ではお断りをしたと、きょう以降、順次相談を受けながら、施設のあき状況を見ながら入所をさせていきたい。本日は一応30名、なぎさ寮20名とさくら寮10名の30名を措置する予定で現在面接をしているところでございます。

 今回、年齢別につきましてとらえてみたところでございますけれども、 197名の相談者の年齢別は50歳代で81名、41.1%、それから60歳代で19.3%、40歳代が30.5%ということで50歳代が非常に多くなっております。前回、65歳以上の方を収容しておりますので、今回の相談では60歳代の比率はぐっと下がっておるということでございますが、やはり50歳代の人の相談が一番多いというような状況になっているところでございます。なお、この結果がまとまりましたらば、配付資料として提出させていただきたいと思います。

 以上でございます。

○(川合委員長) どうもありがとうございました。

 次に、住所不定者現地出張相談結果等について御質疑のある方はどうぞ。

◆(笹本委員) 生活福祉課、それに福祉部の皆さんには本当に去年からことしにかけて大変な御苦労だったことを察していますので、本当に御苦労さまでした。

 その中で、1222日、出張相談の当日私も行かしていただいたんですけれども、あれだけたくさんの路上生活者の方がいらっしゃる中で、相談にいらっしゃる方って意外と少ないんだなっていう感じを受けました。確かに、生活保護に準ずる人たちと決められると、なかなか自分はまだ我慢できると思って路上生活を続けていらっしゃる方が多いんだなということも感じたんですけれども、きょうのここの二のところに住所不定者現地出張相談等となっているんですけれども、今まで全部路上生活者ということでやっていたんですが、ここのところはきょうどうして住所不定者になったのかしらというところをちょっとお伺いしたいんですけれども。

◎(生活福祉課長) あの種の現在、路上生活等をしていらっしゃる方の総称としての呼び方でございますけれども、私どもの方は従前から住所不定者という表現でこの事業をくくってきていたということで、近年、実態をとらえた中で路上生活等をしている人という形で、今回、都区で実施してます越冬施設につきましても路上生活者等という表現をとらせていただいておるところでございます。私どもの方は、一応従前どおりの住所不定者という形で内部的には表現させていただいているということでございます。

◆(笹本委員) 名称というか、去年とことしになってまた住所不定者になって、プリントが路上生活者であったり住所不定者であったりしているものですから、今ちょっとお伺いしたんですけれども、これはさておきまして、路上生活者の問題は、新宿区だけでとても対処できることではないから、国や都への働きかけをしていくべきだという発言をさせていただいていると思うんですが、これから国や都への働きかけというのは、どういうふうにやっていかれるのでしょうか。

◎(生活福祉課長) 現在、都に対しましては都区検討会という場で、スタートは福祉部門ということでやってまいりましたけれども、現在、保健衛生関係、それから住宅労働、実際にはまず労働を先行してということでございますけれども、一応、その中で都区の施策として進めるべき内容について検討を始めている段階。それが最終的にまとまってきますと、その中から今度は国と都の関係、区の関係、そういうものが整理されて国の方にも要望がされていくと。

 何分にも本来的にその業務として持っている自治体が、それの対応をきちっとしないまま要望していきますと、一言ではそれは都の問題、区の問題という形でやられてしまいますので、まず、みずからできることを整理して実施をしていく。その中で、国に当然絡んでもらわなくちゃいけないところは国に要望していく、そういうことで、現在のところ都区検討会が進められているということでございます。

◆(笹本委員) 本当に区民の皆さんの感情としても、新宿区は今、手厚い保護をしているんでしょう。みんなたくさんあっちからこっちから寄ってくるみたいでということで言われることもあるんです。それにまたはっきりした態度で、やはり新宿区だけではできない、ほかの区にもやはり繁華街にはそういう路上生活者がいるわけだから、はっきりと新宿の態度というものを国や都に言っていくべきだということを、やはり区民の皆さんも思っていらっしゃるようです。それで、また新宿区としても陳情を受けているわけですから、できればこれを採択して、はっきりした態度で国や都に言っていかなければならないんじゃないかということをつくづく感じるわけなんです。

 それとあと人権の問題ということでは、やはり区民の皆さんにも広報などで1回だけではなく、路上生活者の人権問題ということもぜひ福祉課の方からも区報の方に載せて区民に訴えていただきたいと思いますので、その点では、また広報に人権問題で意見を出していっていただけますでしょうか。

◎(生活福祉課長) 人権の方の問題につきましては、所管は総務課ということでございますので、総務課の方にただいま委員から発言のありました内容お伝えしていきたいと思います。

 それから、新宿区1区の問題ではないということで、一貫して昨年から私ども23区の中でも主張してきたところでございます。昨年2月に急遽1カ月間の越冬事業を実施しましたときにはたしか十何名、22区で十何名程度の入所しかなかったということがございますが、ことしの場合ですと1222日から始まりましたさくら寮について他区が15名入所をさせてきた。

 それから、ちょっと人づての情報なんで正確かどうかはわかりませんが、昨日なぎさ寮の方に5区から30名の入所があったということでございますので、各区住所不定者に対する対応というものをやはりとらなくちゃいけないという認識を持ち始めてくれているんだろうというふうに理解をしております。

 この辺、それぞれの抱えている自治体がまずその努力していくということが絶対的に必要であろうというふうに思ってますので、私どもの方はこれからも23区に対して、自治体としてやるべきことはやっていくという形で、安易に交通費などを渡して新宿区に流れ込みをさせないように、その辺の主張はしていきたいというふうに思っております。

◆(笹本委員) 皆さんが本当に活発にそのように動いてくださっていると思っておりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 それと野宿歴というところで、ほとんど1年未満の方がすごく多いということで、これは完全に野宿を始めてからということでしょうか。それとも、例えばこの調査された人たちは新宿区に来ての野宿という感覚で言っているのかどうかというところはわかりますか。

◎(生活福祉課長) 12月段階での調査の時点では、特に新宿でいつから、それからその前も野宿しているんならどのぐらいという形でとらなかったんですが、今回実施しましたときには、そのデータをある程度集約しまして、都区検討会等にも反映させたいということがありましたので、新宿で野宿をしたのがいつから、それからその前は野宿だったのか、そうじゃなかったのかという形で調査をしてまいりましたので、これが集計ができれば、新宿での野宿歴、それからそれ以外を含めてという形でとれるのかなと思っているところでございます。

 それから、1年未満の方が 67.何%ということで出てきておりますけれども、一冬、一シーズンを乗り越しますと寒さも乗り越えるノーハウを身につけるんですね。そういう意味で、どうしても一年未満の方の方が最初につらくなるということがあって相談には多く来るんだろうというふに思います。なんせ二十何年冬を乗り越しているという方もおりますので、そういう方はもう食べることから始まりまして、それこそ下手なアパートよりも優雅に暮らせるノーハウを持っている人もいるということがありまして、これからまた寒さが厳しくなってきますと、その段階で相談に来るというのがございます。2月のときも最初 120名ぐらいを措置しました後、翌日三十何名と、その後はぼろぼろという形でずっと続いておりましたので、寒さと自分の健康状態とにらみながらぎりぎりのところになると相談に来るという傾向もあるようでございます。

◆(笹本委員) せっかく相談に乗ってあげて入所できるところでやはり逃亡してしまう人もいらっしゃるということを見ますと、果たしてどのようにこういう人たちを救ってあげたらいいのかということは、私も本当に悩んでいるところなんです。支援している皆さんにしてみれば、何としてでも助けてあげろ、何をやっているかというお電話ばっかりいただくものですから、もう新宿区なりにはこれだけのことをやっているというこを訴えているんですけれども、やはりここに来れない人たちというんでしょうか、こういうところに閉じ込められるのではなくて、もっと自由に温水シャワーと洗濯等使えて、コインロッカーみたいなところで自分でものを預けられるという、そういう野宿をしながらも衛生管理をしたいような場所がほしいのかなと思えるような人たちですね、脱走してしまうというような形は。では新宿区から完全にそういう人たちに出てってもらうわけにもいきませんし、これらも寒さが厳しくなればまたふえてしまうかもしれないというところで、もう建物は決まってしまったわけですから、本当にここに入れないちょっと若年の方とか、それとか入りたくないが、いざというときにおふろを浴びたいとか、そういう人たちのためにまた何かこれからも考えていかなければいけないことも出てくると思うんですけれども、とにかくこれだけやっていただけたということには感謝いたしますが、またこれからいろんなアンケート調査など、区民感情のいろんな意見が出てきてますので、また次の福祉衛生委員会の中で、区民からの声もまた発言させていただきたいと思いますので、きょうはこの辺で終わらせていただきます。

○(川合委員長) ほかに、よろしいですか。

◆(川村副委員長) 12月にもちょうど入寮前に、さくら寮私たち視察させていただいて、いろんな入寮された方の生活というんですか、時間割などをちょっと見せていただいたんですけれども、もう少し生活されている方がどういう状態なのかというのをちょっとお聞きするんですけれども、例えば就労相談とかも何かされるということだったんですけれども、実際にここに入所された方が本当に仕事ができる状態なのかということがあるわけなんですけれども、その辺の事情はどうなんでしょうか。

◎(生活福祉課長) 都区検討会の中で労働部会つくりまして、大田の方のなぎさ寮の開設に向けて就労問題をどうしていくかということで検討してまいりました。現在、新宿職安とそれから大森職安、この2カ所が協力していただけることになりまして、入寮許可証を持っていくことによって対象者としていただく。ただ職安で扱っております求人内容が、いわゆる常傭の仕事がほとんどでございますので、その中で比較的寮の入所者の人たちができそうな部分、この辺をあっせんしていきたいということでございますが、何分にも職安はこれからが非常に書き入れどきとなってくる時期だそうでありまして、1日1人のあっせんをするのに1時間から1時間半ぐらいかかってしまうということなんですね。そういうことで体制的に1日5名程度しか対応ができないということがございまして、あらかじめ職安の方からこういう内容の仕事がありますよという情報提供していただきまして、それをまず見てもらって本当に自分でできるのかどうか、そういうことも含めて検討してもらった上で、なおあっせんを受けたいという者については職安の方に1日5名出向いていって相談を受けてもらうという形で体制を今とってきたところであります。

 それから、あと職安の仕事の内容もそうですし状況は大変厳しいところがございますので、あと彼らの日常仕事といいますのは建設作業とか土木作業、こういうものは職安よりもむしろ求人誌の方が情報が豊富だし、仕事を得る確立が高いということもございますので、その辺、積極的にみずからも施設の電話を借りて、その求人の努力をしていただく。実際面接までこぎつけたものについては、交通費等の援助はしていきたいというふうに考えているところでございます。

◆(川村副委員長) 求人誌などはさくら寮にはずっと毎週毎週というか出るたんびに置いてあるんですか。

◎(生活福祉課長) 実は昨日も支援団体の方から要請書をいただきまして、スポーツ新聞は何紙か置いてあるんですが、求人誌まで置いてあったかどうかということはちょっと私も把握してませんので、ことしはできるだけ2週間の中で体力を回復して、仕事を探す努力をしてもらうという方針で進めてきているわけですので、求人誌がもしなければ、予算的に対応できるかちょっとわかりませんけれども、一応、運営管理を担当しました特別区人事厚生事務組合の担当課の方にそれらの努力をしてもらうように要望していきたいなというふうに思ってますんで、近々にその内容は調べたいというふうに思ってます。

◆(川村副委員長) それはお願いしたいと思います。

 それから、2週間で体力が回復できるというお話は伺っていたんですけれども、例えば朝日新聞かなんかがずっと越冬記者みたいな形で、路上生活の人と一緒に生活をされたんでしょか、何か連載記事が出ておりましたけれども、その中にも、例えば私たちも行ったときも、朝からああいうお弁当を食べるというお弁当も見せてもらいましたけれども、例えばそこに入寮された最初の方なんかはあれほどのものは、もともと体力的にも食べられないのでおかゆからまず食べたいとかいうようなことも出ていたかと思うんですが、そういう本当に2週間でそれぐらいローリングできるような形で体力が回復しているのかどうかということもあると思うんですが、そういう入っている方の体力の消耗度から2週間後の体力がどれぐらい回復されているかということは把握されているんですか。

◎(生活福祉課長) まず食べ物の方でございますけれども、この越冬施設の歴史が山谷の対策から始まっております。それで、当時は山谷の方はかなり年齢層も若かったと、実際にふだん土木作業等の重労働をしているということがあって、 2,800カロリーを確保するという形で山谷の団体等との交渉の経過の中でずっと実施されてきているということがございます。

 今回、私どもの方、その越冬施設を実施するに当たって 2,800カロリーというのは高過ぎるのではないかという問題提起をしたところなんですが、このカロリー下げますと、内容的に悪くなったという印象を与えかねないと、その辺が非常にある面では権利意識が強くなっている部分と、それからやはり行政不信の部分も持っている人たちも多いわけでして、その辺で食べ物の恨みは大変怖いものでございまして、トラブルの原因になるのは嫌だという部分がありまして、従前どおり山谷の歴史的な経過の中で同じ食事にしていこうということで実施された。カロリー高過ぎる部分については、量的に御自身でひとつ調整をしてもらおうということでやっておるところでございます。

 それから、最初はおかゆにしてという声というのは直接的には聞いておりません。ただ、ことし入ったケースで腸閉塞の病気を持った人間がおりまして、できればおかゆのほうが楽だということがあったのですが、なかなかそういう個別な対応がし切れないということで、本人にはできるだけよくかんでゆっくり食べてもらうということで対応してもらっているということでございます。

◆(川村副委員長) 2週間で体力が回復するかという……。

◎(生活福祉課長) 彼らが一番体力を消耗する原因は、寒さから夜十分に寝られないという部分が一番大きい要素になっています。それと場所的な問題としても時間が制約されていてということがありまして、やはり睡眠不足から来る消耗というのが一番大きいというふうに見ているところでございます。

 昨年2月の大田寮に収容した際に、面接等、我々実施してきたわけですけれども、1週間たった段階では本当に元気になられていたということがございます。結果的に2週間という形で措置をしましたので、出てきたときには皆さん大変健康的にかつ意欲も持って出てまいりました。その結果が、逆に就労の相談もしてくれなかったという形で私どもが責められたということでございまして、一応、他の病気等がなければ、はっきり言って私は1週間あればそれなりに回復すると見ておりますので、2週間の時間があれば十分一般的な労働ができる状態まで回復できるというふうに考えておる。ただし医学的な裏づけはございません

◆(川村副委員長) きのうまでいろいろと相談もされて来られたんですが、その中で退所された方が12名いらっしゃるんですか、今までの入寮されてれから。退寮された方ということになるんですけれども。その退寮された方は、今おっしゃられたように体力が回復されている方なんじゃないかというふうに理解をするわけなんですけれども、この人たちの退寮後は追跡調査というと変なんですけれども、そういうものはされているんでしょうか。

◎(生活福祉課長) さくら寮の方の退所者の中身は、いわゆる環境的に嫌になって出てしまった部分、もしくは外出先で行くとこまで行っちゃって戻れなくなってそのまんまと。つい仲間のところへ顔を出して飲んじゃってもういいやという形で戻らなかった方も一、二名おります。

 それから、入所をさせたときに要するに診療機関にかけましたときに、2週間程度で要するに治療を完了できますという者につきましても、今回入所をさせていったということがありますので、時間が治療行為等解決して退所したという部分も含めて、この12名の数字になっているということでございます。

 治って出ていった後についての追跡調査はできておりません。

◆(川村副委員長) なかなか入寮させても思うようにはいかないというのが現状だろうと思うんですが、生活福祉の方としてはどちらかというと生活保護の面がどうしても対象者になるんでしょうけれども、路上生活者全体から見れば、先ほど笹本委員もおっしゃっていましたけれども、数分の1ぐらいでしょうか、相談に来られている方が。今、何名ぐらいいらっしゃるのかわからないですけれども、数百人の規模としてまだまだそういう方がいらっしゃるんですけれども、そういう方への何か対処というのは、支援グループの人が炊き出しみたいなのをやっているみたいですが、あと区の方にも1月4日でしたか、ものすごくたくさんの方が来られていましたですよね。その方たちには、今のところそういうカップメンを配るとかという程度の対処しかやっぱりなかなかでき切れないんでしょうか。

◎(生活福祉課長) 基本的に新宿区としましては、あくまでも相談業務の中で必要となった場合に、そのカップうどん等を提供していくという考え方でやっておりまして、あくまでも日常の食生活を保障するというような形のところまでの法外援護はできないということが一つございます。

 それから、昨年の7月以降、大変新規の落ち込んできた方が多いということがあって、その他ボランティア団体の活動の状況等、総合的な判断をして、カップうどんについて求める者については緩やかに提供をしてきたと。あわせて乾パンも持たせて対応してきたところでございます。この間、少なくとも路上生活者、昨年の1月時点のような形で救急入院して即亡くなるようなケースというのはほとんどなくなってきておるということで、それなりに私どもの方は効果は出ているだろうというふうに思っているところですけれども、ただ残念なことに、どういう施策をやってもそうなんですけれども、はっきり言って便乗組が出てまいります。現在、2階の方に来てうどんの提供を受けている中にも夜間それなりの仕事を持っている。ただそれがどの程度の収入があるかという把握はできませんけれども、どうも仲間うちの話しを聞いていると、7時ごろから仕事をしていると。また終わりますと、庁舎の周りで時間をつぶして8時に開門されると同時に飛び込んできて、まず席を確保すると。私は直接聞いておりませんけれども、ある職員が耳にしたところ、ああやっと我が家へ帰ってきたと発言した人間がいるというふうな状況でありまして、その辺が1日居座ってしまうというようなことがございました。

 現在、提供すべきものについては今実際には、言葉は悪いですけれども、こんなやつにと思う部分も若干ありますけれども、提供していく中で。ただし、用件が済んだら速やかに退出してくださいよという形の声かけをしたり、中にはワンカップを持ち込んで仲間で飲んじゃうケースなんかもありますので、そういう者については徹底的に出てもらうというような形で対応しているというところでございます。

◆(川村副委員長) さっき笹本委員がちょっとロッカーとシャワールームのことを言ったんですけれども、結局、15街路のところとか、それから新宿区役所の周りもそうなんですが、やはり商店街の人は実際には相当困っておられるわけですよね。それで何とかしてもらいたいという声は非常に強いんだろうと思うんですよ。そういうときに、ただ一方的に撤去をしても実際に効果が思うように上がらないわけで、そうすると、ある程度そういう人たちを許容するようなところをつくらないと、やっぱりしようがないんじゃないかなという気がするわけなんですけれども、その場合に例えばさくら寮は3月には一応閉鎖することになるわけでしょう。この辺もその場所がいいか悪いかというのは別なんですけれども、例えばそういうところに何というんですかロッカー−−小さいコインロッカーみたいなやつが駅の中にありますから、そういうものを例えば設置をしてそこに荷物を置くようなところとか、あるいは今あるおふろを利用するとか、なかなか難しいかもしれないんですけれども、そういうあそこの場所が周りの方にいろいろと御迷惑かかって、3月までということに一応御理解いただいているようなところもあるかとは思うんですけれども、そういうのはもう少し23区、それから東京都、国なりともう少し相談をして、比較的元気な方に対する措置というんですか、そういうものはできないものなんでしょうか。

◎(生活福祉課長) 現在、さくら寮につきましてはもう3月というのは、それを延長して何かに利用するということは、これははっきりいってできません。これは地元ともそういう約束のもとに了解を求めてきたということもありますし、現在、その土地そのものもあくまでもその期間ということで本部の方から無理をしてあけてもらっているという状況もございます。

 それから一つには幾らどんな対策をとっていっても、社会的な制約がある以上はみ出してしまう人はいると、私自身がそういう考え方でおるところなんですけれども、ならば、その人たちが最低限生活の上で一般の社会の中からつまはじきされないための必要なものというのは用意していくべきだろうという考え方も一つはございます

 その都区検討会の報告の中でも将来的な課題にはなってございますけれども、デイサービスセンター的なものもやっぱり考えていかなくちゃいけないのではないか。昨年、大阪を視察させていただきましたときに、あいりん地区の中にあいりん地区用の小学校がもともとあったと。そこがもういなくなったということで廃校になりまして、大阪市がそれを厚生施設に転用いたしまして社会福祉法人に管理委託をしたという施設がございます。その1階部分にいわゆるデイケアルーム的なものが設置されていたということもありますので、ただ、地域要件として、もともとそういう生活者が生活していた地区内という要件があったからこそできたんではないかなというふうに思います。新宿あたりではその辺の施設を設置する場所があるんだというとまた大変難しい問題が出てくる。それと、いわゆる現在、都内にいるあの人たちというのが、いわゆる日常的にこちらで生活していてある日そういう生活になったという人は非常に少ないという、あちらこちらから、特に新宿は地下道等そういう要件があるために、迷ったら新宿という形で集まってきてしまう。そういうところにそういう施策を進めていくということは、どんな政策でも呼び込み策と救済策というもろもろの件であることは間違いないんですが、さらに今の段階でそこまでの施策を進めるということは、限りなく新宿に集中をさせるという危険があるということで、その結果が、結果的に、新宿区民に対してそれだけの負担を求めなくちゃならなくなると、こういうこともございますので、考え方の上では必要性というものを私どもも認めておりますけれども、その実施については十分に検討させていただいた上でやっていかなきゃいけないものだろうというというふうに思っております。

◆(川村副委員長) デイケアルームというんですか、大阪の場合は。非常に、一つはいい行政だろうとは思うんですけれども、考え方として、確かに光が当たるところには陰があるということで、そういうやっぱり認識こそ必要だろうと思うんですよ。ですから、今までは新宿はそうではなかったと、例えば山谷の方でそういうところがあったけれども、山谷は山谷として、新宿は山谷のことについて余りかかわらなくても済んだというような事情があったろうと思うんですけれども、やはりそういう区もあるわけですから、そういう同じようにいかないけれども、新宿区もそういう事態に今なっているという認識のもとに進めていかないといけないんじゃないかなと思うんですよね。例えば年末に、山谷のあれは労働出張所になるんでしょうかモチ代を配ったというのがあるんですけれども、そのモチ代というのも、あれは白手帳かなんか持っている人に配ったんでしょうか。ですから、新宿に来ている人が実際には手帳もないわけでモチ代ももらえないような人が多いかと思うんですけれども、そういういろんな手だてというのは考えられるわけで、そうでないと、今のまま放置しておくと、要するに住民感情と行政、それから路上生活者ということでのやはりどこかでハレーションが起こるんじゃないかと思います。そう思いませんか。要するに、商店街の人はあの人たちがいる限りお店に入ってもらえないと、そうすると何とかしてほしいという声になるわけですよね。それは僕は自然な声だと思うんですよ。そういう時に、行政がそれじゃそういう人たちを全員実力で排除しましょうということになれば、これはまた大きな社会問題になるわけでそこをどう解決するかというのが今重要なところなんじゃないかなと思うんですよね。だから、そこを一番そういう事情を知っておられる武山さんがいろいろ研究されているかと思うんですが、そこをもう一歩、都なりそういうところに相談して、今の不況対策の一環としてもあるわけですから、そういう施設を公平な負担として、やっぱり受け取るという認識のもとに、やはり何らかの施策を早急に打ち出した方がむしろいいんじゃないかと思うんですけれども、どうなんでしょう。

◎(生活福祉課長) 実際にああいう生活をしている人から直接要求をぶつけられる、そして提供していくと、うどんを提供しているからかえって集まるんだという非難を受けると。片や都に要望しろ、国に要望しろという声もいただきますし、その辺のところはまさに八方ふさがりの状態で仕事をしているのが私のところでございまして、放置しておいて解決するのかといえば絶対に解決をしないし、かといって、それでは追い出しすれば解決するのかといったらそれもしないと。これはもう重々わかっているところでございますけれども、まずは住民の理解という部分がなしに走るということは非常に問題も出てくるし、それから仮に新宿区民が現在の状況を解決したいという形で理解いただけたとしても、それがかえって次から次へ際限のない負担を強いるというような状況になるようであれば、それはとても新宿区民としても協力できる問題ではないだろうと。そういう意味で本当に苦しいところは、何をすれば解決するのかという見通しが、現在立てられないのがこのホームレス問題ということで、大変頭の中ではいろいろ整理ができるはずなんですけれども、実際に手当てをしていった場合に解決できるのかということになると、また別問題になってくるというところが非常に苦しいところでございます。現在、委員がおっしゃった内容も頭の中ではきちっと整理はしているつもりでございまして、その辺のところは行政として住民の理解を得ながら対応をしていきたいというふうに考えているところでございます。


 【 平成 6年 12月 福祉衛生委員会-1221日−15号 】

◎(生活福祉課長) それでは路上生活者等冬季臨時宿泊施設の概要について御説明をさせていただきます。

 通称さくら寮という名称で呼ばれることになっております。所在地は、内藤町1番 106でございます。設置期間は平成6年の1222日から7年3月14日まででございます。ただし、3月15日から3月30日までの間につきましては、淀橋寮の完成と、この越冬施設から厚生施設の方への移しかえの準備のために、厚生施設入所が決まっている者について3月30日までさくら寮の方で延長して処遇をすることがございます。それから収容定員でございますけども、88でございます。ただし1222日から1月11日まで、大田寮の方の開設が始まるまでの間でございますが、この間につきましては超過収容をいたしまして96名までの収容をする予定でございます。この間は、生保適用者のみの収容をしていくということを23区の申し合わせをしておるところでございます。それから、この88名中70名につきまして、新宿区が優先的に利用するという確認を23区でいただいておるところでございます。それから、設置・運営でございますけども、施設の設置主体は東京都でございます。それから運営主体は特別区人事・厚生事務組合が当たりまして、実際の施設運営につきましては、社会福祉法人の有隣協会が受託をして運営に当たります。この有隣協会につきましては、大田寮の方で長年にわたって山谷対策事業の施設を運営している法人でございます。

 それから、建物規模でございますけれども、管理棟(事務室・医務室等)でございます。図面は後ほど説明をさせていただきますが、3棟に分かれてございます。まず管理棟でございますが、平米は 105.4平米でございます。それから関連施設棟としまして浴室、洗濯室、それと職員宿舎がございますが、これが64.8平米。それと生活棟(居室・食堂等)でございますが、これが 366.4平米。合計 536.6平米でございます。なお、これに外階段、トイレ等含めました最終的な施設規模は 605.7平米になるということでございます。メモをしていただきたいと思います。

 それから経費の分担でございます。今回、今年度につきましては、この施設の設置につきましては東京都が全額を負担をするということでございました。それから運営費につきまして、東京都と23区が2分の1ずつ負担をすると。23区負担分の2分の1のものにつきましては、23区均等で負担をするということで決定をいただいているところでございます。それから22日開設となりますので、新宿区といたしましては22日の日に午後1時から例年どおりスバルビルの前におきまして出張相談を実施いたします。ここで高齢者……65歳以上の高齢者、それと病弱者につきまして施設の方へ入所をしていくという体制をとっておるところでございます。

 それでは1枚おめくりいただきまして……失礼しました。その1枚目の配置図がございますが、これはちょっと縦にしていただくと地形が読み取りやすいかと思いますけども、入り口を下にしていただきますとわかりやすいかと思います。入り口部分が御苑のわきのトンネルの上の国道部分でございまして、この管理棟の右側が違法自転車の保管場所ということでございます。左側が国道の換気所がございまして、その間から入って保管場所の左隅をお借りしたということでございます。まず、道路から入りましてすぐ右手に管理棟が建ってございます。そこから4メーター道路で敷地の奥へ入りまして、左側が生活棟でございます。建築基準法の関係で目いっぱい平米をとりたいということがありまして、建物が非常に変則的になっておりますけども。それから右手が関連施設棟でございまして、1階が浴室と洗濯室がございます。2階は職員宿舎に当てられておるところでございます。

 それでは1枚おめくりいただいて、まず管理棟でございますが、1階部分、右手から入り口でございます。入りましてすぐに事務室がございます。その隣に医務室がございまして、医務室には畳で静養できるスペースをつくってございます。ここには毎週1日、嘱託医が出向いてきて健康相談に当たるということでございます。なお年末につきましては、30日に嘱託医が臨時的に出向きまして健康相談を実施する。それから、正月の1日2日につきましては、東京都の衛生局の医療班が大田の山谷の越年対策事業の方に診療巡回をいたします。その帰り道にこちらに寄りまして、全員を対象とした診療を行うという体制をとっているところでございます。それから、管理棟の2階部分でございます。全部総2階建ての建物になっておりまして、2階は予備室が1室と宿直室が1室ということでございます。この予備室、畳部屋になっておりまして、万が一シラミ等の問題が出ました場合の逃げ場所に使わせていただくことと、それから、できる限りことしにつきましては就労の相談をしていきたいという考え方がございまして、ここを相談室に使わせていただくと。私どもの方の職員が定期的に出向いていって相談をしていきたい。なお職業安定所の方につきましても、この入所者のあっせん体制をとっていただくように、現在、検討会の方で検討を進めておるところでございます。それから、右側が関連施設棟でございます。入り口から入っていって右奥ということになりますけども、1階が洗濯室とお風呂の脱衣室を兼ねた部屋になっております。洗濯機が3台置いてございまして、1日、自由に使えるという体制になっているところでございます。それから、その奥が浴室ということになってまして、お風呂もやはり1日じゅう自由に入れるということで、交代に入っていただくような体制になっております。その2階部分が宿直室でございまして、職員が総員14名体制でございますけれども、全員住み込みの体制で勤務いたしますので、非常時には職員全員が対応に当たれるという体制になっておるところでございます。……大変失礼しました。住み込みは最終的に9名ということになったそうでございまして、そのほかは通いという職員でございます。夜間、9名は確保できているということでございます。

 それから次のページをごらんいただきたいと思います。生活棟でございます。上の部分が1階部分でございますけども、まず生活室としまして 107平米のほぼ正方形の大きな部屋がございます。この真ん中のバッテン部分が石油ストーブの暖房機でございまして、周りにはやけど防止で囲いがしてございます。ここの部屋に35名収容をする予定でございます。それからその左隣が食堂でございます。ここが60名程度、同時に収容できるだろうということでございまして、ここで2交代程度の方法になるかと思いますが食事をとっていただきます。ここが食事後は娯楽室に……テレビが設置してございまして、娯楽室に転用されるということでございます。その左側が厨房と厨房用物品庫でございます。厨房の方は味噌汁をつくるだけの設備でございます。あと、お新香の刻み等、その程度の調理内容でございます。なお非常時にはお米を炊けるようなおかまも一応は、ガスがまでございますが、その用意はございますけれども、日常的には味噌汁、それとお新香の調理というだけの場所でございます。それからその2階部分でございますが、右側の部屋が71.3平米ということで、こちらは23名収容予定でございます。それから、その左の部屋でございます。非常に変則な形になっておりまして、かつ建築基準法の関係から間仕切りができないということで、こういう大きな部屋になっておりますけども、 111.9平米ございます。こちらには38名収容をする予定でございます。後ほど見ていただくわけですが、38名入れますが、下の部屋の35名よりはどちらかというと部屋が変則的になって、ブロックに分かれたような感じになりますので、圧迫感はむしろ2階の方がないのかなと。1階の35名の方がわっという感じがあるのかなという気がしているところでございます。一応、建物については……このほか、外回りにトイレと手洗い場所が設置してございます。

 以上、簡単でございますけども施設の概要でございます。

○(川合委員長) どうもありがとうございました。

 何かここで御質疑はありますか。

◆(権並委員) 今、シラミの説明があったんですけど、職員の方にやっぱりシラミがうつったりして……何かの注意の方法とか、あるいは着ていた下着から洋服とか、そんなの全部取りかえるとか、何かそんな、どういう対応しておられるのですかね、今のシラミのこの問題。

◎(生活福祉課長) 送り込みいたしますと、自分の寝場所をまず確保させまして、それから即おふろに入っていただくと。そこで下着は新しいもの一式支給をするという体制になっています。なお、その他の衣服、汚れているものにつきましては、私ども必死に今、民生委員さん等の協力も得まして、冬物の古着をストックしてございます。それをお届けして、まずは着がえをしていただくと。そういう意味で一般的にはシラミの……なお、汚れたものは施設としては捨てるように指導しているところでございますけども、どうしてもやだというものにつきましては、大きなごみ袋で密閉しまして保管をさせるという体制をとっておりまして、一般的には防げる体制になっておりますが、一番困りますのは、頭の毛に卵がついていた場合に洗髪程度では落ちないということがございまして、昨年も2回ほど、大田寮の方に入れましたときに、1週間ぐらいたってから発生をいたしまして、騒動があったというところでございます。

◆(権並委員) それじゃ、厨房があるんですけども、みそ汁とたくわん切る程度だという、非常の場合は御飯も炊けるようになっているというけど、これ常時、収容した方の食事というのは、今あれですか、やっぱり2階でやっておられるどんべえかなんかの方法でですか。ちょっとどんな方法。

◎(生活福祉課長) 大変失礼いたしました。日常の給食につきましては、業者からの仕出し弁当でございまして、カロリーは 2,800カロリーを確保する。筋肉労働者の必要分程度のお弁当が3食支給されるということでございまして、ああいう形で静養している者に 2,800カロリーというところに、また一つ問題がございますけども、過去の経験からしますと、もともとが肉体労働者の方が多かったということと、お腹をいっぱいにさせておきませんと、お酒を飲みたくなったりとか、そういう問題も出てくるということがありまして、たらふく食べていただくということで……。昨年、失敗いたしましたのは糖尿の病気を持っている人を入所させましたらば、1週間、喜んでせっせと食べまして、1週間後に血糖値が一挙に上がりまして、慌てて入院をさせたという失敗例がございますけども、一応そういう形で量的にも内容的にも十分なものを提供するようになっているところでございます。


 【 平成 6年 11月 決算特別委員会-1115日−03号 】

◎(生活福祉課長) 路上生活者の問題につきましては、本年の二月から都区で検討会を設置いたしまして、この間検討をしてまいりました。先般、福祉施策に関する部分についての御報告をしたところでございますけれども、さらにその検討会を拡大いたしまして、東京都の労働関係、衛生関係等を含めまして今後就労問題、それから医療問題等検討していくという状況になっております。

◆(中口委員) 二十三区で協議をして具体的にやるというのは、問題として新宿で越冬のための施設をつくるというのはこれ二十三区の事業なんですか、それとも都と新宿区との関係なんですか。

◎(生活福祉課長) 今回の越冬事業につきましては、都区で共同実施するものでございます。

◆(中口委員) 都区ということは、二十三区という意味ですね。そうすると、新宿駅周辺に七百人くらいおられるというんですが、新宿駅周辺だけでもこの人たちを収容することはなかなか困るわけですよね。その後、年さえ越せばいいんだ、寒いうちだけやるんだということで、後はしようがないというような結果になるんですか。

◎(生活福祉課長) 今回の越冬事業につきましては、二月に利用しました大田区の大田寮とそれに今回新宿区といたしまして用地を提供して新宿にもう一カ所ということで、合わせまして三百八十八名の定員が用意できた、それしか用意できなかったという状況でございまして、三百八十八名で新宿駅周辺だけで六百前後と言われておりますけれども、必ずしもその全員が、二月のときもそうでしたけれども、全員が入所を希望するかといいますとそうでもないということもございまして、昨年は大田寮の三百で実施をして何とか足りたという状況がございます。期間はたった一カ月ということがありましたけれども、本年はそれに新宿で八十八名がプラスされたということがございますので、その利用方法についてはどうしても短期間で交代していただくというような方法もとりながら対応しなくちゃならないと思いますが、何とかできるだけ多くの人に御利用いただけるようにというふうに考えていきたいというふうに思っております。

 それから、終わった後の対応でございますけれども、二月の段階では一カ月の間に急遽実施したという経過がございまして、収容するのが精いっぱいという状況でございました。本年はその反省に基づきまして、短期間入所であってもできる限りその施設にいる間に就労等の相談に乗って、一人でも多く就労できるような努力をしていきたいというふうに考えているところでございます。

 それから、生活保護を適用されまして最終的に越冬事業終了段階まで収容されているという者たちにつきましては、現在新宿区の淀橋寮、宿泊所でございますが、これの単身部門を急遽本年度内の事業といたしまして、厚生施設に転用するということで、順次厚生事務組合の方で今準備を進めております。その結果、六十名の厚生施設が四月早々から運営開始される。それと、現在ございます厚生施設の中に老人ホームの対象者が非常に多く滞留しております。その辺につきましても、東京都の方で養育院の関係と入所調整をして、できるだけそちら側の方にも収容を図っていきたいということで、越冬事業後の体制も、必ずしも十分とは言えませんけれども、できるだけの努力をしていくということで現在進めているところでございます。

◆(中口委員) よくわかりました。できるだけ私は、この方々の−−人間ですから方々と言いますよ−−方々の対策をやっぱり進めていただきたいというように思います。しかし、立場が違うと「そんなもの要らない」と言う人もいるかもしれませんけれども、それはそれとして行政としては人として扱うということをやっぱり念頭に置きながらやっていただければ私は幸いですし、そのことは当然今の御答弁の中にありましたからよろしくお願いをしたいというように申し上げます。


 【 平成 6年 11月 決算特別委員会-1118日−06号 】

◆(長谷川委員) 住所不定者対策について伺います。

 平成五年度も一定の対策を講じられてまいりました。この金額でありますが、とりわけ平成六年度は、他の委員からも御質疑もありましたが、大変な事態になっております。議会でも陳情が出されておりますので、審議することになりますが、その前段としてお聞きしておきたいことがあります。

 陳情者は野宿労働者という言葉を使っておりますが、行政上は住所不定者ということですが、また、いろいろ路上生活者、ホームレスなどの言葉があるわけなんですが、地方自治法の第二条には、地方公共団体の事務としては、住民及び滞在者の安全、健康及び福祉を保持することということになっておりますが、これに基づいて、この住所不定者の対策もやっていらっしゃるだろうと思うんですが、同じく第二条の第九項に、また、未成年者、生活困窮者、病人、老衰者、寡婦、身体障害者、浮浪者、精神異常者、酩酊者等を救助し、もしくは援護し、または更生させることということが地方自治体の仕事になっているわけなんですが、用語上と行政上の対策の定義というんですか、国と東京都と特別区、それがどういう仕事をしてなければならないのか。財政的にも、それの裏付ける財政上も含めて、ひとつこの機会にお聞きしておきたいと思っております。

 それから、二番目は、そういう中で実際には失業しているという実態の中で、国の仕事としては、雇用対策法、職業安定法という就労についての仕事も、国の仕事もあるわけですね。そのために、職業安定法からいえば、その職業安定法にもとづいて新宿では高田馬場労働出張所があるわけですね。そういう国の責任、東京都の責任、特別区の責任、それぞれこの機会に明らかにしておいていただきたいと思います。

◎(生活福祉課長) 住所不定者に関します国、都、区の役割ということでございますけれども、生活保障に関する部分については、国の担当として生活保護法というもので対応していくということでございますが、この住所不定者の都道府県が持っています役割の中で、いわゆる住所が明らかでないものの援護というものにつきましては、三十九年の法改正のときに、都区役割分担の中で二十三区に移管がされていると。そのときに更生相談所、更生施設等を二十三区の方に移管をしてきたということで、基本的には二十三区が住所不定者の対策を分担しているということで考えております

◆(長谷川委員) 行政上、用語上も明らかにしておいていただきたいと思います。用語上でいうと、行政上は住所不定者ということでくくって対策をとるということなんですか。

◎(生活福祉課長) 用語上、住所不定者という形では規定されておりませんで、住所の明らかでない者というものの中、通称といいますか、私どもの整理の中で住所不定者という表現を使っておるということでございます。

◆(長谷川委員) 昭和三十九年の法改正があったようですが、そういう中で、昭和四十年の十一月一日に、東京都城北福祉センターができたんですけれども、これはそういう法改正とのかかわりがあったようにも思うんですけれども。

◎(生活福祉課長) 城北福祉センターの方につきましては、ちょっと私どもの方、その経過が不勉強で、よく承知しておらないところですが、都区の移管の協議の中で、産業地区については特定地区にかかわる問題ということと、労働政策上の要素が強いということで、都の方が担当していったというふうには聞いております。ちょっと詳しくは、私ども勉強不足で申しわけないんですが、把握しておりません。

◆(長谷川委員) 東京都城北福祉センター条例は、昭和四十年十一月一日にできたわけですね。開設したわけですけれども、設置目的は簡易宿所等が密集する生活環境にある住民に対し、生活各般の相談に応じるほか、生活の援護等を行うことにより、その更生の助長と福祉の増進を図るため、東京都城北福祉センターを台東区日本堤二丁目二番十一号に設置するということで、事業としては、生活各般の総合相談に関すること、生活の援護、授産等、経済的援助に関すること、それから福祉事務所等関係行政機関及び社会福祉施設、並びに公共的団体等の連絡に関することということになっているんですね。ほかにもありますけれども、だから所長は都の職員の参事級が所長になって、あと、課長、副参事がいろいろいらっしゃるようですね。ですから、三十九年の法改正の当時、特別区に福祉事務所が移管されたときに、山谷地区はこういう地域だということで、その対策のために東京都がしたわけですね。

 ですから、今の新宿の事態を見てきますと、やはり新宿独自の繁華街として、私どもは括弧つきの発展と言わざるを得ないわけですけれども、こういう繁華街の中での住所不定者が生活しやすいというのか、生活している実態があるわけですね。ですから、私どもは本会議で、このような台東区にあります城北福祉センターと同じように、やはり都が都道府県行政の一つとしてすべきじゃないかと。新宿だけじゃなくて、池袋も渋谷も含めた副都心の住所不定者対策の特別な措置を、対策をとる。それで国との就労対策を含めてなはずですから、国の職業安定法、雇用促進法も含めて、都道府県行政の一環としてやらなきゃいけないんじゃないか。この特別区が狭い一つの福祉行政の一環として、生活福祉課が対応するだけではないんじゃないかという、問題点がもっと大きいことがあるんじゃないかというふうに思うんですけれども、その辺については区長はどのようにお考えになっていますか。

◎(福祉部長) 路上生活者、住所不定者の問題でございますけれども、これにつきましては、非常に最近、新宿区におきましては、生活福祉課の窓口に相談に見える方が、今年度に入って非常に多くなっていると。昨年度の年間の相談者数の総計と、それから今年度に入ってからの九月の相談者数の数がほぼ同じというような、そういうようなふえ方をしている。こういうことでございまして、これにつきましては、ことしの二月に冬季の越冬事業ということで、東京都の方で山谷対策の一環として設置しております太田区の太田寮の方に二十三区で共同して路上生活者を宿泊させて、そしてこの冬をしのいだと、こういう実績があるわけでございますけれども、その後、都と区で検討会を持ちまして、検討を重ねてまいったわけでございます。そして、去る九月には、その検討結果が出まして、これにつきましては、区の方でも助役会、区長会の方にも報告をしているところでございます。

 そこでその中では、緊急の対策と、それから中、長期にわたる対策等につきまして報告をしております。緊急対策というのは、御案内かと思いますけれども、この冬をどういうふうにして過ごすかと、こういうことで、昨年の太田寮のほかに、新宿区にも用地を新宿区の方が提供しまして、ここに東京都と二十三区で共同して、冬季の施設を設置すると、こういうことで進んでいるわけでございます。

 この検討会はやはり福祉の面だけでは、この路上生活者の問題は対応し切れないと。やはり大都市問題として、先ほど委員の発言の中にもございましたように、大都市問題としてとらえていくべきではないかと、こういうことで、都の方もそういう考えに立っておりまして、この経費につきましても、今年度は都の方は二分の一を負担すると、こういうことで進んでいるわけでございます。私どももそういう認識、大都市問題ということでとらえております。この今までの検討会を拡大いたしまして、労働分野、それから衛生分野、住宅分野等にも広げまして、そして各所管の都の方でもそれぞれ関連の部が入りまして、二十三区でもそれぞれ関連の部長会の方からも代表を出しまして、そして構成をいたしまして、その下には部会を設けまして、課長レベルの部会を設けまして、そして具体的な検討をこれから行っていくと、こういうことになっているわけでございます。いずれにいたしましても、都と区と一体となって、これらの解決に当たっていかなければならない。それからまた、国の方にも要求すべきものは要求していくと。こういう必要があろうかというふうに考えておるところでございます。

◆(長谷川委員) 今のお話ですと、国にも要求するし、都と区と一体となって、協議はするけれども、特別区の仕事として、新宿区はそれじゃ責任を持ってやっていくというふうに伺ってよろしいんですか。私は、あなたのおっしゃるように、大都市行政の大都市問題として、都市問題として出てきた問題なんだから、東京都の仕事として、東京都の城北センターが既にあるわけですから、都の都道府県行政の一つとしてすべきじゃないかというふうに私は考えるわけですね。しかしあなたの方は、それは三十九年の法改正があるから、特別区の仕事で受け取っちゃったんだ。当時の区長会が何かいろいろと協議したそうですね、何か話聞くと。だからそういうことで受け取ったんだから、もう新宿区の仕事としてやりますよと。ただ打ち合わせだけはしますと。あとは二分の一、財源はもらいますよと。そういうことですか。

◎(福祉部長) その三十九年の法改正があったことは確かでございますけれども、それはそれからかなりの年月が経過しているわけでございまして、現状ではその当時の路上生活者の状態というのも、現在はかなり様相も変わってきている。非常にふえてきていると、こういう中で、これは二十三区だけの問題ということではなくて、やはり大都市問題として、東京都の方でもこれの対策は考えていってもらわなきゃならないと。都区一体で考えていくべきではないかというふうに考えいるところでございます。

◆(長谷川委員) また、私自身も、きょうも二人目の路上生活者になりそうな方を、本籍を取り寄せて、安いアパートをお世話して、住民票をつくって、あるところに就職もお世話することになったんですけれども、これは二人目なんですよ。二人とも話を聞きますと、港湾だとか建設会社の飯場でずっと生活をしていたと。不況だからといって飯場が取り壊されて、お前どこかへ行けということで首になってしまう。飯場の生活見ていますと、住民票があろうがなかろうが、安い賃金として雇っていたわけですね。ですから、戸籍の付表を見ますと、ずっと以前から末梢されているわけですね。ですから、それは企業が、大企業含めて、建設現場、土木現場で安い労働者として使ってきたと。こき使ってきて、いざとなれば知らんよということになるので、結局住民票もないということで、今度行政上は住民票もない住所不定者になってしまうということで、たまたま私どものところへ相談に来られましたので、できたらそういうことされたけれども、結局実際には多くの方が住所不定者になってしまう。

 だからそれは、そういうゼネコン含めて、労働行政の一環として、国や東京都がやることだと思うんです。そのために、東京都は労働局、労働行政やっているわけですね。新宿区は労働行政ないわけですね。そういうことで、東京都の仕事じゃないかと。山谷地区は山谷地区の、江戸時代からのそういう歴史もあって、城北センターができたわけですけれども、しかし新しい新宿の歴史も、ここで終戦五十年を迎えて、突如、新宿の都市問題として、歴史として出てきたわけですから、現存しているわけですから、何も新宿区だけが受けるわけじゃなくて、東京都はこの機会に東京都の労働行政を含めて、衛生行政、福祉行政含めて、もっとノウハウと人材をたくさん持っている東京都が、新宿センターみたいなものをつくっていくべきじゃないかというのが私たちの考えなんですよ。そのことについて、区長の意見を伺っているところなんでございます。

◎(福祉部長) 先ほど申し上げました拡大のときの検討会の中には、都の方では企画審議室の調整部長、それから福祉局の生活福祉部長、衛生局で総務部長、労働経済局の総務部長、住宅局の住宅政策担当部長、建設局の総務部長、それから消防庁の救急部長なども入っての構成になっているわけでございます。区の方でも、福祉部長会の方からも数名入っておりますけれども、そのほかにも企画部長会代表、それから保健衛生部長会、土木部長会、それから人事厚生事務組合、それから特別協議会の調査部長も入っておりまして、その下に各部会が課長レベルで新宿区の生活福祉課長も入っております。それから他区の福祉事務所長、それから東京都の方でも福祉局の保護課長とか、そのほか、大勢の関係部課長でもって構成されているわけでございます。

これからそれらの労働分野につきましても、具体的な施策がこの中で検討されていくと、こういうふうに考えているところでございます。おっしゃられる点は十分わかりますので、これからの都の方にも要求すべきものは要求していくと。これらの検討会の中でも、そういうことで進めてまいりたいと、こういうふうに考えております。

◆(長谷川委員) 何かよく−−そういう意見も言うということですね。そういう考えもその中にあると。だけど当面は、職員も含めて、課長さん御苦労するということと受け取っておいていいわけですね。わかりました。当面、二階のことについては、庁舎管理上も含めて、今後何か対策を考えていらっしゃるわけですか。

◎(生活福祉課長) 現在、生活福祉課の待合等の状況につきましては、大変厳しい状況が出ているということで、隣接室の使用勝手、それからカウンターでの相談と、非常に落ち着いて相談のできる状況ではないことは事実でございます。私どもとしては、何らかの方法でその辺の解決が図れないものかということで、現在、いろいろ検討しているところでございます。ただ、いろいろ検討しておりますが、それぞれにまた問題が生じる様子もあるということで、大変難しい要素はございますけれども、早急に検討を進めていきたいというふうに考えております。

◆(長谷川委員) 庁舎管理上も検討していただいているということで、ぜひ職員の方とも相談しながら、庁舎管理上も検討していただきたいというふうに思います。

 一方では、職員の労働強化にも実際なっているわけなので、その職員の配置の問題、増員の問題と、また衛生上、健康上の問題については、どのように対策を講じられますか。

◎(生活福祉課長) 相談来所件数が急激な伸びを示しておりまして、確かに職員の負担は増加をしております。それで、当面の策といたしまして、入れ物づくり、今まで職員がかかわっていたという部分について、シルバー人材センターの方から二名、今派遣を受けまして、その単純な部分の作業については、お手伝いをいただいていると。少しでも職員の方の負担は軽くしていきたいというふうに考えておるところでございます。

 それから、確かに相談に見える人たちの中に、伝染性の病気等持っておる者もおります。その辺の感染症の問題等も、職員から不安の声が出ておることは事実でございまして、それについては職員課の方とも現在、その対応を相談をしているところでございます。

 あと、あそこにあれだけの人たちが集中いたしますので、においとか、その中での病気の菌ですとか、そういう問題も生じておりますので、それにつきましては、庁舎管理の方と相談いたしまして、空気清浄器を二台、総合相談室の前と生活福祉課の前という形で設置をしていただきまして、この空気清浄器の中には滅菌作用もついておりまして、おかげさまで臭気につきましては、それでも相当数が集中しましたときには、どうしても残りますけれども、一般的な状況の中では、表から入ってきても、気にならない程度まで浄化ができているということでございまして、当面はそういう形での対応をしたところでございます。今後、職員の健康診断等につきましては、職員課の方とも相談を進めていきたいというふうに考えております。


 【 平成 6年 11月 環境建設委員会-1129日−19号 】

◆(長谷川委員) 陳情書の2ページ目の真ん中ですね。東京都労働経済局は本年7月15日云々ありますね、公共事業の日雇労働者吸収要綱、それが第1点。第2点が3ページ目、東京都特別区は路上生活者問題都区拡大検討会を新たに設置しとありますね、それが3番目。それから次のページ、新宿駅周辺環境対策会議要綱、その点です。

◆(加藤委員) ありがとうございました。

○(川口委員長) 長谷川委員から3点につきましては、資料要求が出ましたですが、この資料要求につきまして委員会として資料要求することに御異議ございませんでしょうか。

         〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○(川口委員長) よろしいですか。

◎(土木部管理課長) ただいまの資料要求の件でございますけれども、1点目の公共事業の日雇労働者吸収要綱、これにつきましては、用意させていただきたいと思います。

 それから、2点目の路上生活者問題拡大検討会につきましては、新たに設置されたところでございまして、検討結果としてはまだこれから検討が始まるということでございますので、御了承願いたいと思います。したがいまして、ちょっと拡大検討会の検討結果ということにつきましては、いずれ検討結果が出ました段階でしかるべき担当部課の方から御報告させていただくという、そういう形になろうかと思います。

 それから、3点目につきましては……。

◎(環境部環境公害課長) 3点目の要綱は資料として提出いたします。

◎(土木部長) それでは、この6陳情第29の2のうち、第1項、経過その他につきまして、概略説明させていただきます。

 この要旨は3点ございますが、土木部の方からは1番の不況の中で仕事にありつけず新宿駅周辺で野宿を強いられている労働者に対して、新宿区は関係各庁と連携しながら就労対策を積極的に行ってもらいたいと、こういう要旨でございます。これにつきまして、本年の夏以降というか、その経過を含めまして、概要を説明させていただきます。

 まず、ことしの暑いときですから、6月、7月になりまして、同じような団体かと思うんでございますが、毎週金曜日私ども土木部の方に来て仕事をないかというような意味の要望、要請行動がございました。それを何回か行った後に、9月9日付で私どもの区の方に総合要求書という形で、要求書を設けて提出がありました。その結果、9月16日にその団体の方々と庁内で約4時間にわたりまして交渉を行った。交渉形式になったというところでございます。

 そして、その新宿区への総合要求の中で大きく分けますと、4項目ございますが、私の方からは就労対策という形に絞りまして、言わさせていただきます。そのときの大きな就労対策の中から2つに分かれます。一つには、区として7月15日の都の労働経済局長要請を受けて、区内に在住する日雇労働者すべてに就労を保障せよと、こういう趣旨でございました。

 この大きな項目の中に分類しますと4項目ございますが、日雇労働者の雇用促進政策を制度的に確立してもらいたい。

 2つ目は、区の公共事業発注の際に業者に日雇労働者を雇用を義務づけるような要綱、条例の制定をしてもらいたい。

 3つ目は、日雇労働者が無条件で就労できるような求人方法を職業安定所と協議して確立してもらいたい。

 4点目が、50歳以上の方の優先就労対策をとってもらいたいということでございます。

 これらの労働経済局発信で、発信人は知事で各区長あてということだったんですが、それらにつきまして、今の4項目につきましては、区といたしますと、制度的に確立することは難しい。東京都の日雇労働者の吸収につきまして、東京都の要綱に基づく区発注の公共事業に日雇労働者を吸収する、この点についてはその都の要綱に準じて取り扱ってきておったわけです。それをきているけども、それ以上に努力はしましょう、そういう趣旨でございました。

 大きな2つ目の問題でございますが、新宿の野宿者の就労対策として区発注のもので区道や公共施設、公園、公共施設というのは区の保有する施設でございますから、こういった庁舎とか、学校等を指すんじゃないかと思いますが、区道、公共施設、公園やリサイクル活動などを行うなどの軽労働を事業として予算計上してもらいたい。

 2つ目は、平等な就労機会と最低限の生活を保障する対策を条例化してもらいたい。

 3つ目は、職安と、または新宿労働センターと、職安と協力してということだと思うんですが、駅周辺に労働センターみたいなものをつくれないのかと。

 4点目は、労働に際してはふろ券や着替え、作業服、地下足袋などの生活用品が必要だから、生活品の支給をお願いしたいと、こういった野宿就労者対策としての4項目がございました。その中で、私ども区としては同時の考え方、当時というか、9月の段階では都の要綱に準じて日雇労働者の就労については行っていきたい。

 ただ、その際に雇用政策、野宿者就労対策といいましても、結局は雇用政策の一環でございます。そんなことで雇用政策そのものは基本的には国の政策でありますので、自治体独自の条例化というのはなじまないし、できないではないか。で、また新宿職安、または労働センターを新宿駅周辺に設けてもらいたいということにつきましては、この私ども区のレベルではこういった機関、組織は設置できないと、やっぱりこれは国や都の課題で対応してもらわなきゃいけないんじゃないか。

 4点目の就労者の支度金と言っちゃおかしいんですが、そういった就労対策としてのふろ券、着替え、作業服等につきましては、ちょっと就労対策としては考えられないというようなことがございます。このようなことを中心に9月9日付の総合要求に対する区の考えがございました。

 その後、若干やりとりございましたんですが、今回の陳情を受けるということになったわけでございます。この陳情の内容は書いてございますので、読んでみますと、いろいろ言葉が難しいというかあるんですが、まず要旨の中で「不況の中で仕事にありつけず新宿駅周辺で野宿を強いられている労働者」というような表現がございますので、確かに駅周辺に野宿を強いられている方々、労働者がおられるということは私どもも知っておりますが、こういった現象が新宿駅だけなのか、または私どもから見まして新宿区という一つの団体によって、こういうような現象がより秀でてしまったのかどうか、ちょっと私としてもまだ結論というか、そういったことを考えていいのかどうかというようなことも考えます。

 それとこの中の理由といたしますと、大変私ども参考になるんですが、読ませていただきますと、野宿労働者についていろいろな分類をなさっております。

 一つは日雇い仕事をやっている方、この日雇い仕事の中でも一つは日雇労働者、先ほどいった都の要綱に準じて、いわゆる手帳というのを持っている方、手帳を登録して住民票を持ってて、登録して、その日、その日での労働を紹介してもらう。区内ですと、高田馬場の労働出張所ですか、そういった方たち、これらも仕事そのものが少ない。数は労働出張所のあたりでも 400人ぐらいというようなことを伺っておりますが、実際の仕事が、1日の仕事の口が30件ぐらいというようなことを言っておると聞いております。

 もう一つは、日雇い仕事のうち今手帳を持っている方たちだけじゃなくて、いわゆる青空手配というか、ここで書いてあります低賃金の現金仕事という形でこれらの方、またあと高齢者の方、住所要件がなくて、今言った日雇労働者や青空手配からも排除されてしまうような方々というような、まず大きく分けて3つでございましょうか、そういうふうに分類されます。

 もう一つは、一般の職業安定のところ行ってもなかなか就職できる可能性は一段と限られている。といいますのは、やはり高齢であるとか、住所要件がないからということで普通の企業からは窓口を閉ざされちゃってますと、こういった方たちをやはりこのままではいけないという意味での提起をされている方もいます。これらの労働事情の構造的な原因というものを変えないとやはり難しいんだろうと、特に日雇労働者や中小零細企業で働く労働者の権利を守るなど、無権利状態の労働者をむやみに路頭に迷わしちゃだめだよと、そういった意味の指導や条件整備だと。

 もう一つは、野宿に追い込まれた労働者に対する雇用の創出、就労の機会を開き、門戸を開放してほしい。再就職に向けた社会的条件整備をしなきゃいけないだろう。こういうような構造的な原因等、これを打破しなきゃいけないと、そういうふうなことで新宿に対しましても、ここに書いてあるとおり多くの労働者を抱える新宿区は、早急に野宿労働者の就労機会を積極的に行ってもらいたいというようなことでございます。

 その際には、この理由書の最後の方にもございますように、その際の姿勢としては野宿労働者の要望と実態を聞きながら、労働者の切実な現実を関係各庁に伝えながら、協力を得ながらというようなことでございます。

 私どもは先ほど9月の段階でもあったんでございますが、私どもの区役所の土木部の仕事を確認みますと、新宿区の中でいろいろな道路、公園、または公共施設もございますが、そういった区民の皆さんの生活、活動を支えるような施設を建設したり、改良したり、そして維持管理しているとこういう役割を役目と思っております。

 その中で、そういった建設や維持管理の中で都の要請ですか、日雇労働者をその例えば道路をつくる、建物をつくる過程で要請に応じて雇用していく、私ども直接ではなくて、私どもが請負契約をするわけでございます。請負契約の際に請負者の方に協力要請をする。そういうようなことでございますので、そういった中でできますということで、都の要請に最大限協力していこうという立場でございます。そういった中で、区役所の我々土木で持っている既に定型化されたような仕事が大変多いという中で、協力する最大なものは行っていくというようなことでございます。

 これらのそれ以上の就労対策をとっていくのがどうなのかということで、私どもも考えたんでございますが、区の行政組織というか、私どもの組織、またはいろいろな条例、規則がございます。それとともに私どもの行う行政の目的等を見ましても、やはり区民の皆さんのための生活や活動を支える施設の建設を最少の経費でやり繰りしながらやっていくというようなことが念頭にございますので、就労対策といたしましても、その一環、九牛の一毛かもしれませんけども、その目的達成の過程では協力していける。ただ、就労対策それ自体を目的といたしました組織や経費は認められてございませんので、これ以上、現時点以上のものはできないと考えております。

 ただ、こういった労働政策、特に大都市問題的な位置づけもこういったいろいろな視点がございますので、労働政策、雇用政策は国や都のレベルだということはわかりますが、そういった中で最後にございます路上生活者問題等につきまして、都と区がいろいろな機関を設置して行いますで、そういった意味でもその段階からの総合的な施策の展開、また施策が打ち出されたときでないと、ちょっと私ども現段階での就労対策と言えませんけども、そういったものの段階に終わっているというものでございます。そういったことで、特に就労対策につきましては、大変労働政策とか何かでやはり大変末端の区レベルでございますと、この域を出ることは難しいというふうに私どもは考えております。

 以上、大変簡単でございますが。

◎(環境部環境公害課長) 私どもの方は、この3点目にかかわりがあろうかと思いますが、資料として御提出をいたしましたが、経緯をちょっと申し上げますと、昭和55年に新宿西口のバス放火事件という事件ございまして、それをきっかけに当時、新宿警察署の呼びかけで、商店街あるいは東口、西口周辺の企業等の皆さんと、新宿駅周辺環境浄化対策会議という全体では五十数団体入っている団体でございますが、そういう会議が発足いたしまして、以来そのメンバーが中心になりまして、集団パトロールといいますか、そういうことを十数年間やってきたわけでございます。そこで、最近の状況から非常に厳しい不況等もございまして、いわゆる路上生活者の方々が非常にふえてきたということもございます。

 当初のパトロールにつきましては、1人1人に声をかけて、呼びかけまして、例えば救急車を呼んで収容したというケースもございますし、そういうことをずっとやってきたわけですが、最近非常に多くなったということで、従来のやり方では対応できないということで、それと非常に当初と状況が大幅に変わったという意味で、1020日にこの全体会議を開きまして、会議の名称も従来は駅周辺環境浄化対策会議というふうに言っていたわけでございますが、いわば現在の社会状況等踏まえますと、大都市問題といいますか、社会問題としてとらえた方がいいじゃないかということで、全体会議の中で資料にお示ししましたような形で、会議の名称も変えたということもございますし、いわゆる路上生活者の皆さんを、私の方はそういう認識じゃないわけですけども、排除の対象としないというようなことになったわけでございます。

 そういう意味で、路上生活者問題をいわば国、あるいは東京都全体の問題として大都市問題としてとらえるという視点から先ほど土木部長からも説明ありましたが、都区検討会で福祉の面だけではなくて、総合的な視点で検討しようということで検討が始まったわけでございます。

 私の方からは以上でございます。

○(川口委員長) 何か、御発言のある方は。

◆(加藤委員) 資料なんですが、今土木部長が、差し支えないところでいいんですけども、要請文として9月16日といったかな、交渉したのは。要請文が出たというので、何項目かずっと出ましたね。そういう9月9日の要請文、これをひとつ後でいただきたいと思うんですが。

○(川口委員長) 資料について諮ってみます。

 今、加藤委員の方から拡大会議ですが、(「要請文」と呼ぶ者あり)

 9月9日の要請文につきましては、資料要求がありましたが、これ委員会として資料要求することに御異議ありませんですか。

         〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

◎(土木部管理課長) ただいまの件は9月9日付の新宿区への総合要求書というタイトルでございますので、これからコピーして差し上げたいと思いますが。

○(川口委員長) じゃ、お願いいたします。

◆(池上委員) 今まで、土木部長が簡単な形で要求書の中で、交渉で特に就労対策という形でお話をされました。非常に工事の過程で請け負いを契約したところで努力をしていくということでその努力ということは、私大事なことだと思っております。

 就労対策ということになると先ほど言われたように、新宿区の中ではなかなか難しいっていう部分があるということはわかるんですけれども、今までこういう要望書を出された中で、就労対策の相談というか、そういうようなことっていうことは、何回か皆さん方からあったんでしょうか。それがまず第1点お聞きしたいのと。

 それから、前でしたかね、私も夜、委員会で一緒に回ったことを記憶しているんですけれども、パトロールを実は記憶をしているんですが、そのときに非常に健康を害された方がたくさんいらっしゃったことを私記憶しているんですが、やはりそういう中でやっぱり健康相談というか、この内容を見ましてもやはり健康に対しての不安がお持ちのようで、そういう健康相談のことなんか、今までどういう形で区側が対応されてきたのか、ちょっとその点をお聞きしたいんですけれども。

◎(土木部管理課長) 今の就労相談の件でございますけれども、先ほど土木部長の方から申し上げたけれども、この8月から9月にかけまして毎週金曜日でございますけども、土木部の方には五、六十名の方がお見えになって要請活動されておったわけでございますけれども、その間にまた2階の福祉部の方へも御相談をいろいろされておるわけでございますが、そういう中で若干という形になろうかと思いますが、就労相談も若干あったということでございます。

 それから、また今後は越冬施設が内藤町の方にできるわけでございますけれども、これが12月の末から来年の3月までというふうに聞いておりますが、その中でも就労相談に重点をおいて対応していきたいと、そういうようなことでございますので、よろしくお願いしたいと思います。

◆(池上委員) わかりますか、そちら。

◎(環境部環境公害課長) パトロールのお話しありましたけど、パトロールは8月から休止をしておりまして、現在やっておりませんが、確かに当初は大体10人ぐらいで回るわけですけど、個々に呼びかけまして、救急車に収容したというケースも何件もありますし、あるいは福祉事務所が中心になりまして、年4回程度ですけど、現地で出張相談やります。その際は、主としてほとんど医療相談といいますか、健康相談、お医者さんも来ておりますので、そういうこともやっておりまして、最近では具体的にはほとんど各種相談は福祉事務所の窓口ということになっているのが現状でございます。

◆(池上委員) 福祉の総合相談のところになるんでしょうかね。そういうことで、健康相談の方では非常に健康を害されているということがあるようですね。就労相談の場合には、今課長が言われたような形で微々たるものがあろうけれども、区側の方で少しは考えていっているということと、それから今後越冬の御苑のところですか、住宅が建てられるという形の中で、何か仕事をやっぱり考えていくということをしていきたいということが言われているんですが、私これを読ませていただきまして、やはり皆さん方の生活のサイクルをどうつくっていくか、それはもうそれぞれの毎日の生活のサイクルをどうつくっていくかによって、きちっと自立をしていく道をつけていくことが大事じゃないかということで、多分この陳情者の方はそういう観点の中で出されているのではないかなと私は思うんですが、そういうところで昔、国が失対事業やっておりましたよね。

 この失対事業なんですが、なくなったということは私自身聞いているわけなんですけれども、この失対事業が行われた状況というんですね、どういう形で失対事業というものができてきたのかということなんですけれども、その失対事業ができてきた過程というか、それはどういうことなんですか。

◎(土木部長) いわゆる失対でございますが、通称ニコヨンさんと呼ばれた時代もあったかと思いますが、これは昭和23年ですか、緊急失対法ということが国会で通って、全国的に行われたと。これは戦後の敗戦のときで仕事がないと、特に労働政策というか、今までそんなものがなかった時代のものでできたわけでございます。

 したがいまして、九州とか北海道とか、いろいろ、そのころエネルギー革命等がございまして、石炭産業が石油にかわったというときで炭鉱関係では相当な失対事業をやってきた。今申しましたように国の法律に基づいて、国の仕事として行ってきたというのが第1にございます。

 そして、新宿区でいいますと、やはりその当時、いわゆるまだ若い方もおられたわけで、年齢構成も若い方もおられましたので、聞くところによりますと、直営作業でコンクリートの坂道をつくったり、側溝をつくったり、中には擁壁をつくったり、当時国費を使って区道の整備とか、あるいは排水溝とか、学校のプールもつくったということも聞いてございます。そのような華やかなこともございましたが、ただ制度的に国の事業を補完する意味で、都道府県もそれに上乗せ事業を出していることは事実でございます。

 そして、その上乗せ事業を東京の場合ですと、都自らできる部分は限られておりますので、23区については区長委任条項として、各区には失対事業の現場提供という形で各区新宿区にもございます。いろいろ曲折がございましたけども、失業状態の方が何回も何回にもわたる第何次、第何次というような審議会かなんか、ちょっと言葉は失礼なんですが、委員会等審議会等の答申を見ますと、失業状態が30年も続くような方もおられるというような弊害も出てまいりました。そのようなことで先ほどいったような坂道の道路舗装とか、そういったものは甲の仕事、乙の仕事、いろいろ分類ございますが、23区、特に新宿の場合ですと、それも軽作業、特に公園内の清掃等に絞られてきた、そういうようなことでありまして、いろいろ就労者そのものも高齢化になってしまったという形で、新宿区の場合は平成4年、2年前でございます。平成4年9月をもって終息をいたしました。

 したがいまして、直接何というんでしょうか、新宿区はその経費についてどうなのかというと、予算的には国費、都費をもって行ってきたわけでございますので、新宿区としてももちろん国費、都費割合でいいますと、新宿区は全くゼロだったのかというと、経費的にはそんなことはございませんで、負担はございました。そういうのはございますけれども、一応終息をみたわけでございます。まだ、全国レベルでいきますと、全く各道府県ですか、全部終息したわけじゃございませんが、東京都の場合は終息してございます。

 以上でございます。

◆(池上委員) 非常に仕事をすることの大事さというのは、自立をしていく上ではとても大事なことだと思うんですね。これは国の政策ですので、新宿区だけということはなかなか難しいということはよくわかりました。そういう中でここで要旨の中で、新宿区は関係各庁と連携しながら就労対策を積極的に行ってもらいたいという形で書かれているわけですよね。そういう観点で、国に対してもでしょうけれども、東京都とこれから都区で話し合いをしていくということがあるわけですから、特に新宿区の場合には多くの方々からこういう陳情が出ているということを踏まえて、やはり区と特別就労対策のことについて話し合いをしていくような姿勢をお持ちなのかどうか、その点はちょっとお聞きしたいんですが。

◎(土木部管理課長) 新宿区としての就労対策の今後ということなんですけれども、前段に土木部長からお話し申し上げましたように、なかなか一つの区で就労対策を考えるということは非常に困難な状況にあるということを私ども感じております。

 この陳情書の中にもございますように、平均 500名を数える方がおられるということ、なおかつこの半数以上の方が、この1年ぐらいの間にずっと新宿の中へお見えになっておるというようなことがございます。今後も増加傾向にあるんじゃなかろうかと、そのように感じておるわけでございますけれども、なかなか全都的にもそういう状況にあるものをなかなか新宿区1区でこれをすべてを対応する。さらに、また今後増加する方たちに対してもすべて対応すると

 先ほどもお配りしました総合要求書にもございますけれども、すべての方に就職をあっせんをしてほしいと、そういうふうな要求でございますので、なかなかそれを1つの区が賄っていくというのは非常な困難な状況にあるということでございます。その後の状況につきましては、東京都の労働経済局が所管になるかと思うんですが、こちらの方につきましても十分に承知されておるようでございまして、今後検討会ということで、当然労働経済局の方も入って検討がこれから始まるというようなことでございます。

 したがって、そういう東京都、あるいは国のリーダーシップのもとで、区として幾ばくかでも応援できるものがあれば、23区一体になって対応してまいりたいと、そういうような基本姿勢でございます。

◆(池上委員) 今、言われたような形で、特に東京都もそうですが、国に対して、今景気が非常にまだ底を打ったと言われているようですけども、まだまだ不景気が続くような状態の中で、やはり国の制度を復活できるどうかわからないけれども、やはり大都市問題として、きちっとそれを新宿区も東京都を通じて、あるいは23区一体となって問題提起をしていっていただきたい。そういう姿勢でやっていただきたいということを、これはお願いしておきたいと思います。

 私の発言は今の段階ではこれで終えます。

◆(加藤委員) 今の池上さんから、失対事業のことについて質問で私も伺っておこうと思ったんですけど、よく昔、失対事業の方からこういう請願、陳情が出たわけですよ。そうすると、私も委員長やらせていただいた手前、願意に沿ってひとつ附帯条件をつけて通してきたんですけども、これは言っていることはあらあら間違いないんだよね

 だから、したがってこの趣旨に沿って通してあげればいいんじゃないかなと、私はこう思うんですけれども、いろいろと見てみると失対事業の方は今言った手帳とか、そういうようなものを持って、あの当時、今答弁のやりとり聞いていまして、確かにあれはボーナスだけの、だから願意に沿って出しなさいと、こういうようなことでしたからあれでよかったのかな。また、この種類とは全くそうなると違うのかどうなのか、違うことはわかっていて質問しているんだけど、どういうふうにひとつ。

◎(土木部長) 今、加藤委員のおっしゃいました失対事業の際には夏、冬の手当のときに当時は建設委員会といいましたが、陳情書、または請願が出ておりまして、御審議をいただいて願意に沿うように善処されたいということでございました。

 この趣旨は失対事業であるといいましても、国の施策でやった中で夏の暑いとき、冬の寒いときということで、なにがしかの何日分かの手当が出ました。ただ、それが全国レベルという形で、こういう大都市の中の新宿のところというと、国のレベルだけじゃ薄いと。特に地域性があるということで、東京都も幾らか出した。

 そして、新宿区は当時労務厚生会というような一つの助成事業的な意味での経費負担をしておりましたので、そういった願意に沿う趣旨を解釈しまして、区議会の御意向もありましたので、区の方では何日分かを上乗せをしました。これはあくまでも夏と冬の手当的なもので仕事の内容につきましては、全部私ども国の仕事で都の通達、要綱、規則、その他監査を受けながらそのとおりにやってきたというのが実態でございます。

◆(加藤委員) そういうことで根本的に違うということで、そんな悩ましいことじゃないんだと、今度の陳情は、こういうような御答弁をいただけるかと思ったら説明で終わっちゃったからそれでいいけども、ここで考え方、ちょっとお尋ねしたいんだけど、ここの第1の趣旨に野宿を強いられている労働者に対して、野宿を強いられている、野宿を強いられているのはだれが強いられているのか。ちょっと待って、まだ言うんだから。

 そういうようなことについての解釈が非常に私は自問自答しているわけ。これは地方自治体が悪いのか、東京都が悪いのか、国が悪いのかというようなことについて、そういうようなことについては自治体でも努力するには限界があるとかいうようなことで、この言葉については私たちはこの言葉でぐさっと今責任を感じているような感じもするんだけども、しかしそういうことについて、あなたたちが今池上さんの質問のように雇用問題についてだって、何にしたって、今23区が結論を出せない、ついては何とも手の打ちようがない。打ちようがないということは、今お手上げで全然これはだめなんですよと。だめですよと言っているのか、いや今後努力しますよと言っているのか、どうも答弁があいまいなんですよ。できることはできますよ、やれないことはやれませんというふうにはっきり言ってくれなかったら、我々はまだまだこれもう少し研究しなきゃいけないかどうかということになるの。その点をひとつ。

 それから、もう1点この人権の問題。この人権問題では、これは確か私、ちょっと解釈するときには25条と27条、そのまま解釈していいのかどうなのか。あなたたちはどういうふうにこの人権の問題を今ここで就労者のいろんな野宿されている方々たちに対して、こういう言葉が適用するのか、適用しないのか。一般的にこれは私も人権の問題としては、そのように適用するんじゃないかと思ってるんだけど、あなたたちの考え方については、どういうふうに考えているのか、この2点だけ簡単に説明してください。

◎(土木部管理課長) 1点目の御質問でございますけれども、野宿を強いられているという表現がここにはあります。それで、私ども今まで若干回りくどい表現になろうかと、今指摘した面もあろうかと思いますけれども、この強いられているという強いている状況というのは、やはりはっきり申し上げますと、新宿区がこれを強いて、こういう状況をつくり上げているという、こういう状況じゃなかろうと、違うと私どもははっきりいって感じております

 この強いているというところは、やはりこの一、二年の特に非常に激しい不況と申しましょうか、そういうところから基本的にはきているということでございますので、この強いている基本につきましては、やはり国の政策、それからやはり一方ではまだ大都市政策というのがございます。東京都が大都市として、大都市のいろいろ施策等をやっているわけでございます。それの大都市政策のちょっと行き詰まりといいましょうか、そういうところがやはりあろうかと思いますので、基本的にはやはり国の政策と、それから都の政策によってこういう労働者の方たちに対して非常に厳しい状況を強いていると、こういう状況に置かれているんであろうと。その結果が新宿区の方へ皆さんおいでになっていると、こういう状況を生み出しているという状況であろうと私どもは認識しております。

 したがいまして、新宿区として、これに対応措置があるのかということになりますと、はっきり申し上げますと非常に微々たるものしかできないと、基本はやはり国、都の施策をきちっとやはりやってもらう以外にはないということを感じておりますので、私ども新宿区としてここで対応措置をとるということは、はっきり申し上げますとできないというふうなことになろうかと思っております。

◎(土木部長) 2点目の人権の問題でございますが、憲法の中でいろいろ基本的な人権がございます。加藤委員おっしゃいました生存権及び勤労に関する25条、27条関係でございますが、それぞれの方が憲法については考え方、理念等をお持ちでございますので、私ども特にこういった方たちの人権に関するものですと、やはり一つの確たる解釈、例えば確たる解釈、法務省の人権擁護局ですか、こういったところで正式にやっぱり定義をしていただかないと、やっぱり恣意的な考え方できないだろうというふうに思っております。

◆(加藤委員) 大体わかりました。

 それで、こういう方々に対しては同じ日本国内でも県、市レベル、自治体のレベルでもものの考え方は違ってはいけないんだけども、川崎市なんかは初めこういう方たちはいろいろ御相談の中に今、いろいろとサービス的なことについて、人数が何か50名だか、 100名だかということで、非常にサービスもよく今やってらっしゃるというんだけども、その点については新宿区はそういうことのまねとか、そういうようなことについてはできないんですか。

◎(土木部管理課長) ただいまの件については、主として新宿区では福祉部門で、福祉部の方での対応かと思います。

 川崎の方につきましても、いろいろパン券というんですか、食券のようなものをいろいろお配りをして、緊急的な対応をしているというようなことでございます。新宿区の方も緊急対応的な形で、それぞれうどん等を提供されているということでございます。その程度のことは最低限のあれとしてやっているというふうに聞いております。

◆(加藤委員) だから、私はここは環境建設委員会だから福祉部と違うんだけれども、要するにあなたたちがそういうようなことができないということは、私が言うまでもなく、財源構成とかいろんなことがあって、今それこそ相当なところまでいって、そういった措置とかそういうようなものができないんで、スムーズにいかないのかなというような答えが返ってくるんじゃないかなと思ったけども、そういう数値はこの委員会では答弁はできないわけだね、そういう形については。

◎(土木部管理課長) 私どもちょっと建設部門でございますので、なかなかその福祉部門の具体的な金額等についてはちょっと把握しかねておりますけれども、非常に経費的にも現在でも相当程度の経費がかかっているというふうには聞いておりますので、今後さらにこれ以上ということになると、とても区の財政上は対応しきれないというような状況であるようには聞いております。

◆(加藤委員) では、きょうのところはこの程度で質問終わらせていただきますけれども、これ資料今、出ましたので、またいろいろと検討してみます。

○(川口委員長) 再開をいたします。

  6陳情第29号の2につきまして、発言のある方はどうぞ。

◆(内田副委員長) 午前中いろいろ御議論がありましたけれども、この陳情書に書かれていることで幾つかお尋ねしたいんですけども、陳情書の理由の最初の方の項目で、駅周辺で強いられている労働者の数はこの陳情団体の調査でもと平均 500名以上を数え、また云々書いてありますけれども、参考資料として添付されているというアンケート調査の結果ということで書かれておりますけれども、特にそこにあらわれている特徴的なことといいますか、それがそちらの方でわかりましたら、ちょっと言っていただけますか。

◎(土木部管理課長) アンケートの内容から特徴的なことということでの御質問かと思いますが、参考資料として新宿野宿労働者に対するアンケート結果ということで、新宿区野宿労働者の生活・就労保障を求める連絡会議というところでアンケートした結果が出ておりますが、9月5日付で回答数 210ということでのアンケートでございますが、ここの陳情書にも書いてございますように、いつごろ新宿に来ましたかという問いに対しまして、1年以内の方が63.3%、それから半年以内ということになりますと、全体の44.3%という方が半年以内に来たということで、比較的新宿に来てから間もないというような状況であろうかと思います。

 それから、2点目に仕事につけていますかという問いに対しまして、仕事につけていないという方が 155名、73.8%ということだそうでございます。それから、仕事につけている方でも週の稼働日数というのが3.40日という結果だということでございます。

 それから、新宿に来る前の仕事でやはり土方をやっておられた方が86名、職人が40名、工場勤務が15名、会社員が29名というふうな結果ということで、土工職人関係が全体の60ということだそうでございます。

 それから、新宿に来るようになった理由ということで、94人の方が仕事がなくなったために新宿に来るようになったというふうにおっしゃられておるということでございます。

 それから、年齢でございますが、40代が50名、50代が83名、60代が52名ということでございまして、平均年齢が52.5歳ということだそうでございます。

 それから、仕事を今探しておりますかという御質問に対して、探していないという方が68人、それから高田馬場の労働出張所へ行くという方が43名、手配師を待つという方が32名、職安に行くという方が21というようなことでございます。探していないという方が32ということでございます。

 それから、手帳を持っていますかという問いに対しまして、持っていないが 185名ということで88%ということでございます。

 それから、食事は1日何回ぐらいとれておりますかということに対しましては、1回が65名、2回が94名、3回が36名というようなことでございます。健康状態はよい、普通が 131名というようなことでございます。

 それから、行政に一番望みたいことはということで仕事の保障が 112名、それから住む場所の確保が84名、病気を治してほしいが24名、その他食べ物、福祉の充実等があると、以上が大体アンケートの結果の趣旨でございます。

◆(内田副委員長) 就労問題というのは一番大きなウエートを占めているようですけども、こういう聞き方をして大変恐縮なんですけれども、特に新宿に大勢の方々が来られているというようなのは、特にどういうことが原因でというふうにそちらの方ではお考えか、お考えがありましたらちょっとお尋ねします。

◎(土木部管理課長) いろいろ理由があろうかと思いますけれども、一つは交通の便が非常によろしいということで新宿が私鉄、JR等の結節点になっておりまして、あちこちから集まりやすい、またあちこちにまた行きやすいというような交通の便が一つにはあろうかと思います。それから、また都市の構造的に申し上げまして、新宿駅の周辺には地下の構造の部分が相当程度ありまして、そういう都市構造的な問題。

 それから、また御案内のように歌舞伎町から西口にかけましての商店街といいましょうか、そういう繁華街を非常に抱えておると、こういった事情から食料、それからまた段ボール等が非常に手に入りやすい。それから、また夜風をあるいは雨をしのぎやすいと、そういったような状況に加えまして、先ほどの交通の便と、こういったものが重なっておろうかと、そういうことでお見えになっているんじゃなかろうかと、そういうふうに考えております。

◆(内田副委員長) 一つのそういう地域性の特徴ということもあるかと思うんですけれども、特に就労問題ということになれば、先ほどのいろいろな議論の中でも新宿区だけで解決しにくい、できないという問題も多々あるわけですけど、そこで先ほど資料をお願いした中で、路上生活問題都区拡大検討会というのが、その検討結果というのがまとまっていればということだったんですが、どうもその辺はまだまとまっていないということですが、これは何回か会議は開かれておられんでしょうか。

◎(土木部管理課長) 11月に入りまして、発会式的なものが1度開かれたというふうに聞いてございます。

◆(内田副委員長) その中で、特に広範な問題を検討されているんだろうと思うんですが、特に就労問題等々の解決を図っていく方向なんかについては議論はされているようでございますか。ちょっとあるようでしたら、ちょっとお聞かせいただきたい。

◎(土木部管理課長) やはり就労問題というのが、先ほど就労相談等も含めまして、やはり就労問題がかなり大事なところであろうということで認識されておるようでございまして、これから検討されるということで、やはり東京都の労働経済局の方もメンバーに入ってこれから検討は進められるというふうに聞いております。

◆(内田副委員長) 特に労働行政については東京都が掌握をしていることですし、また国との関係もあるわけですし、ぜひこの検討会でひとつこういった要望や御意見なんかは反映できるように進めていただければと思います。

 以上です。


 【 平成 6年  9月 福祉衛生委員会-0921日−10号 】

◆(桑原委員) 健康展と浮浪者対策について質問したいと思います。

 日ごろ、生活福祉課の武山課長さんあたりは大変御苦労なさっておられると思います。また、議会でも、きのう、おとといと議会運営委員会の傍聴とか、それから本会議の傍聴ですね。きのう、本会議終了後区長からもらったが、あげた乾パン、それからきつねうどんですか。こんなもの食べられるかと言って、議場に投げ捨てた事件もございましたが、この健康展を見ますと、「なんでも栄養コーナー」というのがございまして、カルシウムを多く含む食品の試食とか、それからコンピュータを使っての栄養診断てところがねらわれればねらわれるんじゃないかなと思うんです。ベテランの武山課長さんですから、どんとこいでしょうけれども、そこら辺の予測とか、あるいはまた農大の生徒は大根踊りをやりますが、浮浪者踊りなんかが飛び入りのような形でないとも限らないと思いますので、その辺ざっくばらんに御答弁いただければと思います。

◎(生活福祉課長) 対策ということでお話ですね、9月1日の日に私防災訓練に参加してきまして、給食班長をいたしまして、うどん・そばの炊き出しをやりました。そのときに、実は防災課の方も、ことによったらばあの人たちが大挙来るんではないかなと、来たらしょうがないということで実施してたんですが、本質的には皆さんが集まっているところに一緒に行動してくるということは、やはりないんではないかと。当日も全くありませんでした。ですから、そういう点では参加者が多ければ、そこへ一緒になってということはほとんどないだろうというふうに、私どもの方では考えております。


 【 平成 6年  3月 福祉衛生委員会-0317日−02号 】

◎(生活福祉課長) 今回、この越冬事業を実施しました経過でございますけれども、東京都の方から23区に対して、ホームレス問題についての検討をしていきたいという申し入れが発端でございます。現在、23区構成部長会を中心としまして、当面ホームレス、福祉対策面での検討会をスタートさせたと。今回の収容しました者のうちの生保適用者は、これについて9月15日以降どうするかということで検討を進めてまいりまして、今回も東京都の養育院が研究受け入れを、数として10名なんですけれども枠をとってくれまして、更生施設の中の老人ホーム待機者をそちらで受け入れる。そのあいたところへ今回、私どもの方が送り込みましたオオタ寮の中から、更生施設対象者を10名、とりあえず受け入れるという形で動いているところでございます。

 ホームレス問題非常に、先ほどちょっと漏らしたんですが、49名の生活保護適用者がいるわけですけれども、そのうち7名は、1人はどうしても新宿の地下街へ帰りたいということで、辞退をしている者もいるということで、大変難しいところでございますけれども。現場としましては、やはり何といっても更生施設がとれなかったという思いが、非常に強いところがありますので、その辺、早急に更生施設の増、これについて23区へ働きかけをしていきたいというふうに考えているところです。

 それと、更生施設もそうなんですが、特徴として高齢化をしております。その結果、養護老人ホーム待機者が、現在でも 100名ぐらい更生施設の中にいるということがございますので、国の方は養護老人ホームについてはもう需要数を満たしているという考え方をとって、新たな補助等をしていっていない状況ありますので、その辺をもう少し国の方に働きかけて、養護老人ホームのやはり見直しも進められるようにしていきたいというようなところで考えております。

◆(桑原委員) この問題はいろいろな問題を含んでいると思います。福祉の問題とか、あるいは社会的な問題、それから国際都市としてのメンツの問題もあります。とかく行政縦割りということで、その縦割りを問われている問題でもあろうかと思いますし、片方考えてみれば、行政がそういう批判にこたえて、名誉挽回するふうな期待もあろうかと思いますので、ぜひともこの問題は後期的対策も含めて、今後御努力いただきたいというふうに思います。

 終わります。

◆(権並委員) 質問する方もこの問題は、非常に質問しにくいんですけれども、何かこのホームレスを収容した後も、山谷から何か新宿区に圧力からあったような、山谷の住民からですね、苦労されたようなことを聞いておりますけれども、そんな事実はありましたですか。

◎(生活福祉課長) 山谷の争議団の方たちと、それから命と権利を守る会という組織と、両方、一体を今回についてはとっておりますけれども、私どもの方に、路上生活者について生活保護を適用しろということを主体とした闘いを組んで、3度ほど窓口の方へ押しかけております。東京都に対しては、撤去した際、奪った荷物を返せということと、あそこのフェンスを撤去してもとに戻せと、要するに路上生活の権利を認めろという形の闘いを今繰り広げているところで、あすは大道行動を行うということで前ぶれが出ておりまして、できたらあしただけは私どもはパスしたいなという気もあります。そういう経過でございます。

◆(権並委員) これは今桑原委員も触れておりますけれども、第1回から4回までと昼夜4回やっておられますけれども、その分人数が違うわけですけれども、第1回、30、2回目が、月日も違うようですけれども、一番多いのは夜の 157ということですか。この辺で、連れていっても、要するに私がお聞きしたいのは、幾らやっても、もう私はこれがいいんだと、何とか、3日やればやめられないということで、ここにですから、要するにねぐらを構えて生活したいんだという、この中に含まれているのか、それとも収容した人が何人か、やはりその中から更生していっているのか、その辺の比率はどのぐらいあります。

◎(生活福祉課長) 具体的な数字の資料がないんですが、まず路上生活者を大きく分けると3つに分けられるかなと。といいますのは、いわゆる初期からいた、社会的な生活を全く拒否して生活をしている人たちと、それからバブルの最盛期、仕事があったはずなんだけれども、そのころにいわゆる路上生活を始めてきてた人たち、それからこの景気が悪くなって、ぎりぎりまで頑張っていて流れ込んできた人たちと、大きく分けて3つに分けられるかなという見方をしております初期にいました人たちは、どうも最近、公園かどこかへ押し出されちゃったんじゃないかなという感じがいたします。現在、地下道等にいらっしゃる対象は、後の2つの方の人たちなのかなということで、はっきりいってぐあいが悪くてやっと病院を探して入院させても、日用品費、現金が入りますと、それを持って夜の町へ飛び出しちゃって強制退院をしたり、自己退院をしたりということの繰り返しという人間も相当数おります。

 ただ、私どもとしては、最後に逆に流れ込んできている人たち、いわゆる最後まで頑張ってて流れ込んできている人たちについては、とにかく早急に何とか援助をしていきたい。やはり1年、2年あの生活をしていますと、気力もなくなってきますし、体も壊してしまうという状況がありますので、そういう点ではやはり、意欲を持った人たちについては、早急に手を打つ必要があるということを痛感しているところでございます。

◆(権並委員) これはかなりの人数がいるわけですけれども、この中で要するに派閥争いですね、猿山じゃないですけれども、例えばタコザキ山を見ますとA群が1,500だとか、B群が1,000だとか、いろいろ派閥がありますけれども、そんなような状況もあるわけですか、この中には。

◎(生活福祉課長) それほどはっきりしたあれはないようですけれども、ただ仲間というんですかね、何人かのグループ、グループというのはあるようでございます。それで、いわゆる彼らの世界で言っています、えさ場と称するところをしっかり持っていまして、そういうところから分け合っているというようなところはあるようです。場所もそれなりに、頭と頭が1メートル近くはお互いに離れるとか、暗黙の何かそういうルールがあるようでして、2人くっついて寝ているなんていうのは、それはもう仲間同士というふうな状況のようでございます。

◆(権並委員) 最後にします。どうぞ一つは、根気よく取り組んでいただいて、やはり桑原委員もおっしゃっているように、やはり国際都市ということで非常にあの付近は、私ども海外行ってもよく目立つ、いろんな物的な存在になろうかと思いますから、ああいったものはなくするということで、どうぞひとつ根気よくやっていただきたいとお願いして、質問を終わります。

◆(小沢委員) 2つだけお聞きします。

 当然、きょうこれが報告されるというようなことで、担当の方は、ではけさの現況はどうだろうなということで、お目通しをしてきたんじゃないかなと思いますが、けさの状況はどうでしょうか。

◎(生活福祉課長) 大変厳しい……。私は小田急線利用者なものですから、小田急線の西口から出ましてサブナード方面、ちらちらと横目で見ながら毎日通っているところなんですが、かえって事業終了してから、わっとまた増えたという感じは残念ながらないんですが、新聞記者の方もどこにいるんでしょうということで、その行き先までは勘弁してくださいという話で、ちょっと最終的には七十何名、放した結果になっているんですけれども、よそには行っていないと、ほとんどいっていないと思うんですが、さりとて事業終わったらわっと増えたという感じもしていないというような状況でございます。

◆(小沢委員) もう一つお聞きしますが、きのうの多分新聞だと思うんですけれども、西口の付近に歩行のエスカレーターをつけるというような計画が発表されてましたけれども、それは新宿区もそれに何かかかわりがあるんでしょうか。

◎(生活福祉課長) 現在、フェンスを張っている部分の工事については話を聞いているんですが、その先の計画については、私ども具体的には説明を受けたことございません。

◆(小沢委員) 多分、きのうの新聞に載っていましたので、ちょっとごらんいただきたいと、歩行ベルトと書いてあったかな。それをして、あそこに住まわせないんだというようなことが掲載してあります。ちょっとごらんになってください。

 以上です。

◆(川村副委員長) 先ほどから、国際都市のメンツとかといろいろ意見があるんですが、僕はどっちかっていうと、そういう繁栄したというか、歓楽街を抱えたそういう新宿含めて、やはり光のあるところにはどうしても陰ができるんで、区民の裏表の関係もどうしてもあるんで、その陰とか裏だけをなくすといっても、これまた一筋縄にはいかないとだうろと思うんです。そういうことで、ただ放置しておくというのもどうかなとも思うし、そういう中でちょっとお聞かせいただきたいのは、先ほどこの49名が生保を受けられているというんですが、7名が辞退されているということで、なかなかこれもまたうまくいかないのかなと思いますが、この生保というのはやはり居所というのかな、住所というのか、住民票がいるというのか、それがはっきりしていないと受けられないものなんですか

◎(生活福祉課長) 住民登録云々は要件じゃないんですが、いわゆる生活の本拠とする居所を有していることは絶対要件になっております。それと、あとは本人の稼働能力の問題ですね。65歳以上につきましては、その辺の就労指導について特に指示をされていないということがありますので、65歳過ぎの者については、一応稼働能力云々は問題にしないで法を適用していると。そういうことで今回65歳以上については無条件で、たまたまた居所たる施設が確保できましたので、その段階に立って適用していったということでございます。

◆(川村副委員長) そうすると、この49名の方の内訳というんですが、どこに居所を構えておられるかというのは、一人一人また違うんでしょうけれども、大まかに言うとどういう方なんでしょうか。

◎(生活福祉課長) 今回、49名中7名を除きまして42名ですが、更生施設一時保護所の方に10名、それから宿泊施設新光館等ですが、これに7名、それからいわゆる区民宿泊施設、ゴヤと称する部分ですが、これが18名、それから入院の者が7名、こういう状況でございます。

◆(川村副委員長) 今おっしゃったところが居所になるわけですか。

◎(生活福祉課長) そうです。

◆(川村副委員長) そうですか。

 それで、そういう方は、だから自分が生保を受けようと思えば、そこに居所を構えれば、何というんですか、今までは路上生活者であっても受けられるということになるんですか。

◎(生活福祉課長) それでまず大前提である居所が確保できたということで、次の要件としては今度は稼働能力を問題にされますので、そこで稼働能力がないという判断が出た場合には、生保が適用されるということになっております。

◆(川村副委員長) 要するに、辞退されている方は別にしまして、その二百二十何名の方は、もう何か新宿に戻ってくるような、さっきお話でしたけれども、その人たちはもともと生保を受ける気がないということなんですか。要するに何というのか、自分が受けようと思って、居所を何とかそういうところに求めたら受けられるんだけれども、しかしそういうこともこの人たちはやらないということなんですか。

◎(生活福祉課長)  223名については、私どもが措置した段階では、少なくとも稼働能力を有しているという状況があったという……。

◆(川村副委員長) 有しているわけですね。要するに居所がはっきりしていない。

◎(生活福祉課長) 居所がはっきりしていてもだめであると。

◆(川村副委員長) 居所を有していないの。

◎(生活福祉課長) まずその2つの要件が満たされなくちゃなりませんので、居所の方は出た段階からもうないと。

◆(川村副委員長) 居所がないんでしょう。

◎(生活福祉課長) ないのと、それと同時に稼働能力を有している、もう一方の方の要件も欠けているということです。

◆(川村副委員長) だから、僕が聞きたいのは、要するにそれは事実上意思がないということなんですよね、そうじゃないんですか。

◎(生活福祉課長) 意思がある人もかなりいると思いますけれども、あっても残念ながらだめだと

◆(川村副委員長) そうすると押しかけてくる人ね、さっきの山谷の争議団とか何かおっしゃっていましたけれども、そういう人たちが要求しているというのは、そういう人でも含めて生活保護に一括して面倒みろということなんですか。

◎(生活福祉課長) 彼らの主張は、現に生活に困窮しているんだから生保を適用しろと、こういう要求でございます。

◆(川村副委員長) いずれにしても、ちょうど新聞等で報じられているのは、どちらかというと臨時現地出張相談という方ですよね。この 180名の相談者がいて、 118名の入所措置をされたということなんですけれども、相談のみが62名というのは、結局 118名は、多分これは難しいんでしょうけれども、自主的に向こうに行かれたというものでもないんでしょう。62名の方は、相談のみでその後はどういうふうにされているんですか。

◎(生活福祉課長)  118名については、全員御自分の意思でございます。私ども一切強制的なことはやっておりません。それで、この62名中11名につきましては、入りたいということで、入所の許可をしてバスまで誘導する間に、事によっては荷物整理に黙って行っちゃってそのまま戻って来なかったのか、当日 129名の一応私どもは入所許可をしたんですが、バスが来る間に11名がこぼれてしまったという状況です。ですから、51名の方は行きたくないということで、御本人がはっきりと希望していないと。その中で、週2日だけれども定期的に仕事はあるということで、そういうところに入っちゃうと仕事がなくなっちゃうからいかないという人もおりました。あとは、例えば先ほど言いました、えさ場をしっかり持っている人たちにしてみれば、1週間あけますと、そのもとがなくなる危険があるということで、行かないと言った人もいたようでございます。

◆(川村副委員長) いずれにしても、人権の問題も絡んでくるので、ひとつそれには注意を払いながらひとつやっていただきたいと思います。

◆(とよしま副委員長) 予算委員会の後遺症が残っているみたいで、かなり論議に時間がかかっています。余韻冷めやらずという感じですけれども、すいません1点だけ聞きます。

 2月17日、大変な中で職員の皆さんが、本当に寒い日でね、一生懸命やっていただいて、心から感謝申し上げたいと思います。テレビとか新聞でも大変反響になりまして、大変だったろうなと思います。

 そこでお伺いしたいのは、山谷地域の労働者の方々が、たしか予算委員会の最中に大量に押しかけてきたと言っては言葉が悪いですけれども、要望に来たと、こういうお話聞いておりますが、具体的にどういう内容だったのか、このこういった住所不定者との問題とは関連がないのかどうか、この点をお伺いいたします。

◎(生活福祉課長) 主体たる要求は、要するにあの人たちすべてに対して生活保護を適用しろという要求でございます。それから、2月17日の日に東京都の方が路人の撤去を行いましたので、追い出し作戦に新宿区が手を貸したと。それを認めて謝罪しろという内容もございます。そんなところですかね。

◆(とよしま副委員長) そうすると関連があるわけですか。こういうこの事業、こういう2月17日の影響があって、山谷の人たちがそれに対して要望に来たということの関連性はあるのかないのか、どういう論議がされたのか、話し合いがされたのか。

◎(生活福祉課長) 今回の2月17日、同時に実施されたということで、新宿区が追い出しに手を貸したという彼らの主張でございまして、この撤去と連動した出張相談もやめろと。それから、越冬事業というような形の中で、私どもの方が短期間の、いわゆる公害扱いで入所させたことについて、まず生保を適用しろということで、主張がもともとそこにありますので、入っちゃった者については出せとは言いませんでしたけれども、即時その収容をやめろという形での要求をしてきたわけです。

◆(とよしま副委員長) 確かに職員の皆さん、大変な御苦労が重ね重ねて多いようですけれども、いずれにしてもこの問題は新宿だけの問題じゃなくて、やはり都内全域の大きな問題でもあろうと思いますし、解決策も今のところこれといった折衷案もございませんけれども、引き続き職員の皆様、いろいろと御苦労おかけすると思うんですけれども、ぜひよろしくお願いしたいということを要望して、質問を終わります


 【 平成 6年  3月 予算特別委員会-0303日−03号 】

◆(山田委員)

ニューシティタイムスの三月一日号、ありますね。これを見て私もまたびっくりしたんですけれども、新宿区を考える会で区長が講演をされている。これについては、そのとおり発言をしたということですので、これを事実としていいますと、ホームレスの問題で、「日本人のホームレスならまだいいが、外国人は困るんだ」ということを区長が言われたそうですね。これ、私はどういう意味かよくわからないわけですけれども、何で日本人のホームレスならまだよくて、外国人のホームレスが困るのか、考えようによっては非常に外国人を差別するような、そういう発言のようにもとれるわけです。

◎(区長) ホームレスの問題に関しましては、もう既に新宿じゅうの方、特に新宿の周辺、駅周辺の方々、非常に困っているわけでございます。ですから、やはり、ホームレスの形の中で家出をしてきた方、職がなくている方、いろんな方がいらっしゃいます。それで撤去しているわけで、撤去してもなかなかそれができない。なお、多少つけ加えたお話の中には、撤去をされた後で行くところがなくて亡くなった方もいらっゃるわけでございます。そういうふうなものを考えた場合には非常に困った問題だ。それで、私どもの方としては、このホームレスの問題に関しては東京都に強く申し入れをしていただいて、こういうふうな結果になりましたよと申し上げたわけでございます。

 外国人の問題に関して、日本人だから簡単に撤去ができるけれども、外国人の場合には非常に問題があるから困った問題ですと、こう申し上げたわけでございまして、そのほかにそういう差別的な発言はしていないと思いますので、御理解いただきたいと思います。


 【 平成 6年  3月 予算特別委員会-0310日−08号 】

◆(加藤副委員長) 私も一晩寝たら思い出しまして、きょうは笠井さん一人だと思ったけれども、指名させてきたものですから、私も無理して質問するわけではないけれども、やらせていただきます。

 簡単に終わらせますけれども、ホームレスのことについて、せんだって副都心街路行いましたけれども、各派の代表ということで、やたらに新聞社から私も総攻撃を受けまして困ったんですけれども、今回のホームレスの対策について、これはどこがイニシアチブを持って実施されたのか、まずこの一点、聞かせていただきたいと思います。

◎(生活福祉課長) 今回のホームレスに対します臨時の越冬事業につきましては、二十三区と東京都が協力をして実施したということでございます。特に私ども新宿区としましては、今回の臨時事業について随意要望をしていたところでございます。

◆(加藤副委員長) 大田区の宿舎に収容されたと思いますけれども、新宿区以外の区から何人ぐらい入っています……。

◎(生活福祉課長) 他区の状況はちょっと正確に持っていないんですが、各区一名から三名程度で十数名だったと記憶しております。

◆(加藤副委員長) 新宿区では何か百何名とかいったけれども、そんな程度ですか。どのぐらい入ったんですか。

◎(生活福祉課長) 三月四日現在の数字でございますけれども、延べで二百四十九名新宿区で入所をさせました。それで、途中期間等が来て出ていったものが百十九名ということで、百三十名が大田の方に残っているという状況でございます。

◆(加藤副委員長) 最終的に、出てきてまた街路へ戻ってくると思うんですけれども、最終的にはどっちの方向へみんな行くような感覚を持っていますか。

◎(生活福祉課長) 今回の越冬事業につきましては、新宿区におきましてこの一年間大変にホームレスがふえてきたという状況がございます。その中で彼らの主な食糧源となりますところの賞味期限切れの食品等、これが逆に少なくなっているという状況がございました。そういう中で大変疲労が激しくなっているということで、緊急入院、短期間で死亡というケースがちょっと目立ってきていると、こういう状況がございました。

 それで、私どもは、今回の事業につきましては、何とかこの寒さを乗り切るために体力回復をしてほしいということで要望してきたところですけれども、二十三区で最終確認された内容におきましては、生活保護を適用して入所をさせるということで、最終的な確認がされてきました。その中で生保適用、実際一、二週間程度の調査をした結果、適用にならないという場合も起こり得るわけでして、その場合に利用料の減免措置がとれるような内容となっておりましたので、私の方は何とか減免規定を最大限に活用させていただいて、何とか体力回復を図っていただきたいということがありまして、一、二週間の短期間利用を積極的に行った結果こういう状況になったと。

 短期間利用につきましては、残念ながら行くところがございません。そういう意味で、また戻らざるを得ないということは十分に承知をしております。ただし、今回の事業で、新宿区におきましても、約五十名につきましては生保適用ができたということで、三月十五日以降も生保適用を継続したいということで、現在その後の視察等、一生懸命努力をしているところでございます。

◆(加藤副委員長) 御苦労は感謝申し上げますけれども、あそこの街路がきれいになったといえども、そうやって今お話があったように、東京都と、それから二十三区がとり行ったというけれども、最終的には新宿区がやっぱり責任を負うような形になるのではないかと思うんですけれども、その精神というか、その骨格というものは変わりありませんか。

◎(生活福祉課長) 基本的には、ホームレスに対する対策につきましては各地元区が実施するということが基本でございます。ただし、ホームレス問題につきましては、大都市としての問題を含んでいる。要するに新宿区が発生をさせて云々ということよりも、この大東京という中で発生してくる。そして新宿に集まってしまうと。こういう要素があるわけでして、そういう意味では、基本的には二十三区が措置すべき立場にあるわけですけれども、東京都の広域行政としてのやはり責任はあるそういう意味で、今後都区協議をしながらホームレス対策に当たっていきたいというふうに考えております。

◆(加藤副委員長) 基本的にはそうだと思うんですけれども、新宿区のまちづくりの一環としまして、やはり区だって最後まで見切れるものではないし、ですから、東京都にこれは責任があるんだということで、ひとつ強力にここの機会を通じまして、要望を強く訴えていただきたいことをお願いしまして質問は終わります。

◆(川村委員) すいません。その路上生活者のことでちょっと聞きたいんですけれども、大変御苦労はよくわかるんですが、例えば所持品とかそういうものは全部−−身ぐるみはがされてというのはちょっとオーバーかもしれませんけれども、何か東京都第三建設事務所の方に持っていったんですか。それで、例えば荷物は要するに中野の方に持っていかれて、それで自分は大田区の方へ行った。大田区で一週間ないし何日間かいて、その後、出た後は何か電話をして中野まで荷物を取りにいかなければいけないというようなことを聞いて、そういうふうにやられたのでは大変だというような、そういう路上生活者の人の声も聞くんですけれども、その辺は実態はどうなんですか。

◎(生活福祉課長) あそこの撤去をする際に、東京都第三建設事務所の方が一応事前通告をした後で、本人が片づけなかった荷物については東京都第三建設事務所の保管場所に一定期間保管をしているというふうに聞いております私どもの方で入所措置する場合には、施設にすべて持ち込むというわけにはいきませんので、捨てられるものについては捨てていただいて入所していただいたということがございます。

 二月十七日、たまたま同日に実施したということで四号街路で撤去を受けてしまった。要するに片づけ切れないほどお城を構えている人もいますので、そういう人は東京都第三建設事務所の方に預けたというか、持っていかれたというか、そういう状況があったかもしれませんが、その辺のところは、私どもの方ではちょっと把握しておりません。

◆(川村委員) 生保を受けられた方はそれで非常によかったと思うんですが、受けられない方で所持金も持っておられないという人は、結局大田から一週間たったらどういうふうになるわけですか。

◎(生活福祉課長) 大田からは回数券で新宿まで戻れるような手配はしておきましたが、その後の手配については全くございません。

◆(川村委員) そうすると、回数券で新宿までは戻れるということになって、ただ戻ってこられても、今度は住むところもないわけですよね。そうしたら、同じ路上生活を新宿で送るということに、これは結果としてなってしまうわけで、それを要するに黙認しておられるということになるわけですよね

 ただ、そうしても中野まではまた回数券で、これ、自分の荷物を取りに行こうと思ったらその回数券で行って取ってこれるんでしょうか。

◎(生活福祉課長) まず第一点目の、帰ってきた後また同じ状態になってしまうではないかということなんですが、御指摘のとおりでございます。ただ、私どもとしては、それでもあの状態で全く何もしないまま生活をさせることよりは、たとえ一週間であっても二週間であっても何とか体力回復できることをしたいという思いでこの事業を実施したということが一点でございます。

 それから、荷物につきましては、保管場所が都庁の近くの場所にあるようでございますので、新宿に帰ってきてから、その荷物を取りに行く場合には徒歩で可能でございます。

◆(川村委員) わかりました。今後、そういういろんな意味で社会復帰できるような体制というものもとる必要があると思うんです。それはもう常時そういう窓口というのはできているんでしょうか。

◎(生活福祉課長) 制度的には窓口ができておりまして、その窓口は私どもでございます。ただし、実態的に施設一つをとりましても大変苦しい状況があるということでございますので、今後二十三区、東京都と協議しながらその辺の充実を図っていきたいとは考えております。

◆(権並委員) 私は犬猫様ではなくて、人間様で少しお伺いしたいなと思うんですが、先ほど福祉衛生の方で、加藤副委員長さんがお尋ねになったホームレスのことなんでございますが、収容した方の中に大変結核患者が多いというようなことを新聞報道等でありましたけれども、その辺は把握しておられるわけですか。

◎(牛込保健所予防課長) 保護しますとそこの保護地が住所地となって、その保健所に登録されますので、原町福祉事務所があったときは牛込保健所、高田馬場福祉で保護しますと新宿保健所、今は新宿福祉事務所で一本になりましたから、すべて新宿保健所の方に登録しまして患者の医療費助成等をやっております。それで把握しております。

◆(権並委員) なぜ、私もこれは知らなかったんですけれども、先日区長さんが、こういう方たちが収容した段階で割合亡くなる方が多いということで、区長さんも非常に心を痛めておられるということで、非常にお気の毒だなということで、この間収容された、東京都と新宿区で先ほどおやりになったということで、福祉衛生委員会の中で伺っておりますから、これは繰り返し質問しませんけれども、今後、もしこういう機会があったとするならば、やはり一度そういう方もきちっとやはり診察をして、病気の方の場合には健康を回復した上で次の段階に入っていくというようなことを希望して、私の質問を終わります。


 【 平成 6年  3月 予算特別委員会-0311日−09号 】

◆(笠井委員) 公園の住所不定者への対応についてちょっとお聞きしたいんですけれども、現在公園が八十五園ということですけれども、北新宿公園を初めとして、今この数がふえているのではないかなという気がするんですけれども、その八十五園のうちこういった方々が住み込んでいるというか、そういう公園が幾つあるのかということと、それから福祉部との連携なんかも取りながら、対応をどのようにやっていらっしゃるかという、この二点についてお尋ねいたします。

◎(公園課長) 三月十一日現在でございますけれども、現在ある公園は十四カ所でございます。

 それから、福祉部との連携でございますけれども、私どもは住民の皆さんから公園の中に住所不定者がいて、公園を利用しにくいというお話しがございます。私どもといたしましては、その利用しにくい状況を改善したいという、そういう立場から住所不定者の方にいろいろなものを持ち込んでもらっては困るというようなことをお話しをさせていただき、時には週何回かでございますけれども、持ってきたものを撤去していただく、そういう作業を行っている状況でございます。

◆(笠井委員) 利用者の皆さんの声を聞いて、いろいろ対応しているというお話しでしたけれども、そうしますと福祉がやっている就労対策も含めての相談とか、そういうたことは公園課としては福祉部との連携は今のところ、出ていってくださいと、こういう一時的に出ていってもらう、それしかやっていないということでしょうか。

◎(公園課長) 基本的にはそういうことでございます。ただ、今お話しのように、住所不定者の中にはいろいろな事情と言いますか、病気を持っていたり、いろいろなことがあります。そういうようなケースにつきましては、福祉部と連絡を取りあってやってございますが、基本的には出ていっていただくということでございます。

◆(笠井委員) 出ていっていただくと言いましても、実際には件数がやはりふえきてきているというふうに思うんです。例えば北新宿公園は、かつて蜀江坂公園にいた方がこちらに移って、それで一時は今ヨドバシカメラの倉庫になっていますけれども、その側にいたわけですけれども、ここはやはりここにある公団の自治会の皆さんが恐らく区の方にも大分言ってこられたと思うんですが、ここからは場所を移動しまして、今度は公園の砂場とかブランコのある、そこにいらっしゃるわけです。植え込みの中にもこれはやはりはっきり言って公園を利用する方だけではなくて、近所の皆さんも、夜も正直言って寝られないというふうに思うんです。一人ではないわけですから。大勢でやはり集まって、雨の降った次の日なんか布団が干したりしてありますし、ビニールのテントをかけて、かなり夜中まで騒いでいるというか、話し声がかなり大きく響き渡るわけです。朝は朝で早くからそういうことがあるわけで、公園を利用する方はもちろんですけれども、近所の方々もそういう意味では迷惑をしているというふうに言っても、私は言い過ぎではないと思うんです。

 ですから、確かに病気を持っていらっしゃる方も当然いると思うんです、ああいう寒い中でも雪の降ったような日でもいるわけですから。ぜひ、福祉部との連携も取りながら、そういう根本的なところから、根本的なことは今のいろいろな経済状態の中で、うちをホームレスになるような方がふえているわけですから、その辺はあろうかと思いますけれども、私はぜひ福祉部との連携で、やはり個々の公園を巡回をしながら、大変人手がない中で仕事ばかり議員は言ってくるとおっしゃるかもしれませんけれども、ぜひそういうことで対応していただけないかなと思うんです。ここだって一年以上そういう状態が続いているわけですから、ぜひお願いしたいと思うんですけれども。

◎(公園課長) 福祉部との連携ということでございますけれども、福祉部と連携する、そういう状況が出てまいりますというときには、先ほど申し上げたようにやっているわけでございまして、今後とも福祉部との連携プレーを必要とするところがありましたらやりたいと思います。ただ今おっしゃられたように、夜騒ぐとか、それからいろいろなところでうるさいとか、それから物を置いてというようなことにつきましては、公園管理者の立場としてそれを除去していく必要があろうかと思います。私ども職員、非常にそれで住民からいろいろと出されている状況でございまして、中には非常に住所不定者の方から何と言いますか、何をしているんだというような声も上がりまして、非常に職員としてもやっている中で苦労しているところでございます。その辺の御理解をいただきながら、私どももやっているわけでございますから、今後鋭意どういう方法でしていったらいいのかなと、迷惑というお言葉でございますけれども、私どもも公園を非常にいい状況で使っていただきたいと思ってつくっておりますし、それで整備しておりますので、そういうことを含めまして、今後努力してまいりたいと思います。


 【 平成 5年 11月 決算特別委員会-1118日−08号 】

それが、今行きますと、どの公園にもキャッチボール禁止、あるいは犬のふんについての注意書き、こういう看板が全部あります。今これだけあります公園に、子供たちの遊ぶ姿が見当たらないのは、一つは社会生活の変化もあろうかと思います。あるいは塾で忙しいとか、あるいは遊びの違いのために公園で遊ばないと。そういう中で、私も何カ所か回りましたけれども、どの公園もまず必ずいらっしゃるのが、ホームレスの人。全部いらっしゃいました。都立戸山公園では、こないだの大雨のありますあの翌日行きましたら、ホームレスの人が一生懸命布団を干していらっしゃる。本当に段ボール箱で家を、きちんとした安住の場をつくっていらっしゃるということで、昔のイメージの公園が非常に雰囲気が壊されてしまっている。あるいは犬の飼い主の方が、犬の排泄物をそのままにして行かれる。


 【 平成 4年 11月 環境建設委員会-1130日−18号 】

◆(長崎委員) 第2保育園のことでございますが、私の地域と近いもんでちょっとお聞きしたいんですが、例えば、これ区は縦割行政が強いんですよね。もっと教育委員会との方とも横割りをうまくやりまして、例えば新宿花園西公園ですか、あそこがちょうど浮浪者が多いんですよね。トイレも汚いし


 【 平成 4年  9月 福祉衛生委員会-0925日−11号 】

◆(大山委員) この陳情の文章の中にあります世田谷区と文京区というのが出ていますけれども、世田谷区の状況を聞いてみましたら、連れて来れば飼い猫でも自分が連れてきましたよということで、飼い猫でなくても公費負担をするということになっているということと、文京区がすごく進んでいましてね、文京区ホームレス猫の去勢不妊手術実施要綱というのと、あと子犬、子猫の里親を求める会というのが年1回開かれているようなんですけれども、やはり町というか、地域としてはかなり飼い主のいない猫というのは困っている方もいっぱいいらっしゃいますし、資料に着いております個人の方が餌代だとか、治療費だとかを負担をしているという状況はこれ以上放置してはいけないんじゃないかなと思うんですね。

 そういう観点と、あとなるべく飼い主のいない猫を少なくするために去勢不妊手術をやっていくという点では、例えば文京でやっているようなことが新宿区では考えられないのかという質問が1つあるんですけれども。

◎(衛生部管理課長) 文京区で行っております野良猫に対しますホームレス猫の去勢不妊手術ということでございますけれども、文京区と違いまして新宿区は御案内のとおり飼い猫を中心に行っております、今現在。これは昨年の11月から行っておりますので、それはとりもなおさずこのホームレス猫をなくそうということで行っているわけでございますけれども、それと同時にこの文京区で行っているホームレス猫の去勢、これは全部公費負担ですよとなりますと、この飼い猫の助成、それからホームレス猫の公費負担、同時にやることはかなり混乱のもとということになりますので、新宿区といたしましては、やはり今、飼い猫から始まりました飼い猫の猫をもうしばらく減らしてもらいたい。この去勢をやらせてそういった中で様子を見ていきたい。そのように思っていることでございます。

◆(大山委員) 具体的に聞いていないという仮定の仮定をもとに話すというよりは、むしろ子どもたちが今生活しているわけですよね。子どもの5年というのは本当に大きいんですよね。大人の5年というのはあっという間に40になってしまったというぐらいで、本当に短いんですけれども、成長期の子どもたち、1日1日、1秒が本当に大切な子どもたちにって、日が当たらない、そして圧迫感がある。で、今探したとしても3年がある、かかるということを行政として放置するというのは絶対いけないと思うんです。子どもの権利条約だって、児童には、子どもには最善のものを与えなきゃいけないということを、国際的にも認めているわけだし、今できる最善のことは何かなって考えなくちゃいけないと思うんですね。

 お散歩に行くにしても、あの辺の地域ですから、花園公園だとか、花園西公園だとか、新宿公園だとかに近くにあるけれども、なかなか日が当たらなかったり、浮浪者がいたりとかということで十分には使えない。それから新宿御苑にいったり、西向天神に行ったりということでも片道20分から30分かかるというんですよね。その20分、30分は片道ですから、往復だと1時間近くかかってしまうというところに散歩に出さなくちゃいけない


 【 平成 4年  3月 予算特別委員会-0323日−11号 】

◆(中口委員) ぜひそのことは私はお願いをしておきたいと思います。ごみ減量の問題についてはまだたくさん言いたいことがあるんですよ。でも今ここでそれをやっていたらごみ委員会みたいになっちゃいますから、これは私の方の佐藤文則委員長が自治権対策特別委員会の委員長でございますから、そこでじっくりやらせていただくことにして、きょうは予算委員会のことですから、そういうことで終わっておきます。

 次は、これは卑近なことで申しわけないんですが、公園の関係で公園課長さんお願いしたいんですが、これは地域居住環境浄化という立場でお聞きください。公園で、実を言うと私どもの百人町四丁目と高田馬場四丁目の間で刃傷ざたがありました。言うならばそれは、言葉で言うと浮浪者という人もいますし住所不定者という人もいますし、そういう方ですよ。そういう方が刃傷ざたがあったわけです。ところが警察はこのことについてどうしようもないんですよ。人を特定できないということでだめなんです。その人たちが西戸山公園に集まっているんですよ。そしてたき火をやる、お酒を飲んで瓶は壊す。壊さなければいいんですけど壊す。そこで職員の方が来ても大変なんです。おどかされちゃうんですから。何言ってんだということでおどかされちゃうんですけれども、この取り締まりについて、公園にある注意書きというのがありますよね。あの注意書きに沿わない行為だからということで何か、新宿区の職員はそういう権限はないだろうと思いますが、だれか権能を持っている人に委嘱をして処置をしてもらうことはできませんか。警察へ頼んでひっくくっていただけませんかという言葉があるんですけど、言えなかったんですよ、私。

◎(公園課長) ただいま西戸山公園の件で御質問でございますけれども、私どもかねがね、今委員御指摘のとおり、西戸山公園でたき火がありまして、そのたき火が非常に勢いが多くて消防署に通報されて私ども現地へ行ったことが多々ございます。そういう事情がございまして、今御指摘でございますけれども、私どもとしては公園管理者の立場から、公園の中からそういう人たちを退去していただくという方法をとらしていただいております。西戸山公園につきましては、ことしに入りまして週二度ほど行ってございます。二月の終わりごろでございますけれども、戸塚警察署の方といろいろ懇談をいたしまして、今後の対策等検討いたしたところでございます。検討結果につきましては、警察の方も私どもの要請に対して協力するということを伺っておりまして、今後きめ細かな方法でそういうことがないように努力してまいりたいと思っております。

◆(中口委員) お母さん方が本当に困っているんです。刺したという人を知っている人もいるんですよ。刃物を持っておるんですよ。だけれども警察はどうしようもないんですね、現認しない限り。所持品検査というものはなかなかやれないようですね。不審尋問でもしない限り連れてもいけないんでしょうな、あれ。そういう点で何か方策があればいいんじゃないかなということで言われているんです。子供を連れて公園に行けないというぐらいですから、困っちゃうんです。ぜひひとつどうも公園課長、なかなか大変です。職員が行って本当に気の毒なんですよ。僕も知っているんですけれども、職員が来たけど食ってかかるからね。この前も申し上げましたけど、あんた住所不定じゃないかなんというような意味のことを言おうものなら、おれ住所不定じゃねえ、ここにいるんだと言うんだ。百人町四丁目だなんて言い出すんですから、偉そうなことばかり言うんですけれども、しかしそういうふうに刃物まで持ってやられたら、実際相手は死んだんですよ。死んだんだけれども、警察はそれをどうしようもないんです。もう刃傷ざたで死んだんです。死んだんだけれども、浮浪者ですからどうしようもないんです。浮浪者同士でやったんだから。そういう事実があるものですから、その相手方がいるんです。そうですよね、死んだ方はいなくなっちゃったんだから。殺した方はまだいるんですよ。そういうことで大変に苦慮をしております。ぜひ対応方、住民の人たちが言っておりましたが、住環境を守るという立場で、ぜひ御配慮のほどお願いをいたします。これはそのことで終わっておきます。


 【 平成 2年 11月 決算特別委員会-1120日−09号 】

◆(東委員) 大変、乗降客が多い駅として、また、駅周辺が大変汚いということで、高田馬場駅利用者から苦情が私どもにいつも寄せられて、本当に残念に思っているわけです。今、町会の皆さんがこういう形で月に一回パトロールされ、そして啓発をされ、放置自転車に対しても警告のビラを入れていらっしゃるということは存じ上げてますが、とってもそういうような状況では解決できないと。

 最近は、浮浪者の一人の方が、どなたかのあれですか、お掃除なんかも夕方しているような状況もございますが、やはりこうした周辺の駅の状態については、東京都とJR、そういうところと新宿は一体となって、最低限度の清掃、そういうものについての連絡調整、そういうことについてはなさっているのかどうか、お伺いしたいと思います。

◆(長崎委員) わかりました。

 もう一点、新宿公園の中にホームレスがいつも住みついておりますが、新宿駅では、商店会の役員とか警察、それから区の職員と三位一体でホームレスのことを・・行きますね、駅へ。その後、ホームレスのやからがみんな公園に流れて来るんですよ。あそこの公園内でそういう対策を立てたことありますか。

◎(公園課長) 今、御指摘の新宿公園ということで限定のお言葉でございますけれども、あの近くには花園公園、あるいはその近辺の公園にも住所不定者の方がいらっしゃいまして、公園利用者の方に非常に迷惑をかけているというのが現状でございます。

 私どもといたしましては、公園を安心してお使いいただけるようにということで、そういう方たちに対して、いろいろ定期的にそちらの方の管内でもやらさせていただいております。

 それで計画ということでございますけれども、私どもの管理事務所の方で、今、申し上げた付近の公園については月一回、警察立ち会いのもとで実施をしているところでございます。


 【 平成 2年  3月 予算特別委員会-0320日−10号 】

◆(久保委員) 冒頭に載ってる白銀公園ですけども、昔、あずま屋があったのがなくなってしまったんですよね。それで、地元の人たち、僕らの年代ですけど、あそこで生まれ育った人たちは、とにかく少年のころあそこで野球をやり続けた思いでがあって、あと十年もすると退職するそのときに、昔遊んだ仲間がみんな退職しているから、温かい冬の日でも、あのあずま屋に集まって、それで昔話をしたり、そういうふうに夢を見ていたら、あずま屋はなくなってしまったとそれは浮浪者対策等々と言われていますけども、同時に、地元の人たちがその公園を利用するに当たってのいろんな夢というのもあるわけですよ、ですから、僕は違った考えを前から持っているわけで、浮浪者のいるところが都市にあっていいんだと。なかったら、一体彼らどうするんだと。その人たちが住民に迷惑かけないようにすることであって、その公園の形で寝られないいすをつくるなんて、非人間的なことないと思うんですよね。そこら辺があるんで、地元説明会で十分地元の人たちの意見が反映されるようにということで伺ったわけですけども、今の浮浪者と公園の問題について、それは、その場所によってはどうしてもという場所もありますよね、まずいと。しかし、そうでないところだってあるし、ああいう大きな公園なんかは、ある程度はそういうことも配慮をしないでつくることだって大事だと思うんですよ。

◎(公園課長) 住所不定者の問題は、私ども公園課の中で一番頭の痛い問題でございまして、久保議員のように御理解ある議員の人が多くなってもらいたいと思うんですが、実際の問題、区長へのはがきであるとか、あるいは管理事務所への陳情等の中では一番多いわけでございまして、白銀公園は毎回のように苦情をいただいている中でございます。

 それで、都市ですから、そういう住所不定者の方がいるのも当然のことだというふうに考えておるわけでございますが、なかなか住民の方にお話ししても難しい面もあろうかと思いますが、今後どういうふうにやるか検討させていただきたいと思います。

◆(佐藤(文)委員) わかりました。それはこれで終わります。

 それから、先ほどちょっと議論になりました、いわゆる公園の管理の問題と、住所不定者と呼ばれている人たちが云々の問題なんですが、私もずっとこの問題、よく発言をしてきているんですけれども、確かにあるんですよね、住民の意見としては。しかし、僕の考えとしては、それほど難しいことではないんではないかというふうに思っておるんです。これは、住所不定者に限らず、公園はだれでも使う権利があるわけで、これは当たり前のことなんですね。当然、そういう権利が侵害されるようなことがあってはならないというのははっきりしているわけです。

 しかし、住民は、安心して公園を使いたいという気分、感情を持っているわけでしょう、問題は、その安心して使いたいという気分にこたえてくれればいいわけですよね。それがどういうことでやるかということで、私も意見言ったこともありますけれども、例えば、確かに事件がいろいろありますし、実際に私が住んでいる大久保あたりの公園では、公園でちょっとからかわれたとか、何かあったという話もよくあるわけなんですよ、そうするといろいろ心配だということがあるわけで、だから、そういう方たちが来ないような公園にするということではなくて、安心して公園が使えるというふうにすればいいわけでしょう。

 ですから、前も言ったことありますけれども、例えば公園に管理人が回るとか、管理人というような形でなくとも、何らかの人がいつも公園にいて、あのおじちゃんたちがいる時間は大丈夫だよと。

子供や女性が公園に行くのは昼間ですから、そういう何らかの体制がとれれば、私はそれほど公園が怖いところだというふうな住民感情も起きないんじゃないかというふうに思うんですよ。そういうことというのはこれから考えられないですかね。

◎(土木部長) あえて公園課長が答弁するのを私が奪って答弁させていただくわけでございますけれども、先ほどの久保委員からの御質問といい、あのときも同じ思いでおもったんですが、私自身が浮浪者対策という言い方がいいかどうかわかりませんけれども、かなり長く、根気よく続けておりまして、やはりある程度の限界というものを私なりにわかってきたような気がいたします。

 そういうような経過を眺めながら、やはり先進欧米諸国に行きましても似たような人たちを見ますし、どうしてもああいう人がなくならないという現状の中では、都市のどこかに受け入れるところをつくらないとまずいんじゃないか。要するに、常に白い目で見て、邪魔者、汚いものみたいな見方でやるもんですから、余計何か彼らの感情を逆なでして、反抗させるような現象になっているんじゃないかということを大変気にしております。

 そこで、こういうことを言うと、これは絶対できないことなんですけど、私も個人的には、あの人たちを地域の人と共存できるような条件、こういうものをもっと一生懸命考えてみたらどうかということを日ごろから頭で個人的には考えているわけです。

 それで、大多数の人に、公園に来て、ほかの人に迷惑しないようにしてくださいよと、そういう指導的な形で言ったら、ほとんどの浮浪者の方がそういう形で指導に従ってくれるんじゃないか、とにかく出て行けみたいな形でやるよりも。そうした意味で、公園の造成につきましても、先ほど来、趣のあるものをつくろうといたしましても、すべてが浮浪者対策の名のもとに、なかなか思うようなものも十分できません。公園課長からおしかりを受けることはわかってるんですが、いずれにしましても、現実の問題は、余りにも管理責任を問われる余り、現実でそんなことは到底できる問題だとは思いませんけれども、私自身は、個人的には頭のすみでそんなことを考えながら……、すみません、住所不定者と言うべきところを浮浪者というふうに行っておりまして。現状では余りにも管理責任をきつく問われますから、今御指摘のような考え方で運用するというのは、即座には問題があると思いますけれども、私自身にもそういう気持ちもございますので、今後そういった公園管理や運営の面におきましても、そういうものを試行錯誤的に行いながら、何かうまい方法がないか、私どもとしても研究努力をしてみたいと、こんな気持ちではおります。


 【 平成 1年 11月 決算特別委員会-1121日−09号 】

◆(染谷委員) 恐らく電車が一番ピークのときというのは、通勤の時間帯の午前中だと思いますけれども、当然学校の授業もその時間に始まっているわけでございますので、その辺を考慮の上でひとつ改善をお願いをしたいと思います。

 それから、もう一点だけ、子供たちの通学路における環境整備ということになると思うですが、歩道と車道が区分されているところは特に問題はないと思うんですが、車道だけのところで、そこに店先の荷物が出ていたり、車が寄せてあったりいたしまして、非常に通学上問題になるような場所、あるいは特に私聞いているのは公園等のある、特に西戸山なんかはそうなんでしょうけれども、浮浪者が子供たちに近づいてくるとか、あるいは中には変質者がいるとかというような、そういうような通学上におけるいろいろ問題も起きかねないような、ましてやこのようにいろいろと事件が起きたりしているような状況の時期でもありますので、その辺の対策についてはどのような考え方でいらっしゃるか、それもお尋ねします。

◎(教育委員会事務局主幹(庶務課長) 通学路の整備といいますか、通学路の障害除去対策でございますけれども、私どもこれにつきましては、教育委員会がそこに直接入っていってやるといいますよりは、これはやはり学校から教育委員会の方に上がってまいりますれば、教育委員会の方で対応できるところは対応していく。また警察等にその申し入れをするというようなことがあれば、私ども教育委員会も一緒になって申し入れをしていくと、そういう考えを持ってございます。