前号に記せし如く昨日午前大坂四区一郡役所に於て夫六百六ヶ町
村連合會の議員を選挙せられしに泉由次郎、湯川福太郎、樋口重兵
衛、長島藤三、大井卜新(以上東区)、扇谷五兵衛、佐野與兵衛、
大三輪長兵衛、石上儀助、青木松右衛門、(以上西区)、安井健次、
貴田孫二郎、三田政右衛門、武田源兵衛、松村九兵衛(以上南区)
大嶋良助、北田音吉、齋藤嘉七、勝浦庄次郎、山口幸七郎(以上北
区)、中野治兵衛、大石直孝、平松徳兵衛、柿本宗兵衛、生嶋源兵
衛(以上西成郡)の廿五氏投票多数にて当選なりたり又同會に附せ
らるゝ原案の要旨なりといふを聞に東区和泉町近傍、南区旧長町、
西区阿波座、北区曽根崎、西成郡福嶋村及難波村等はいづれも貧民
の巣窟にして数年の実験によれば六伝染病の源ともいふべき場所柄
なれば別に数十町歩(難波村より今宮村へ跨る田地なりといふ)を
買上げ新に家屋を造りて取敢へず右各所の住民を同所へ移住せしめ
其跡には八坪以上の家屋を建築し追々中等人の住居地と為さんとの
主意にして目下原案起草中なるが一両日中には脱稿する都合なりと
因に記す右に関する諸費用は凡そ四万円の予算なりといふ
著者:大阪日報
表題:四区一郡連合町村會
時期:18860819/明治19年8月19日
初出:大阪日報
種別:長町取払/連合町村会