南地千日前観世物小屋は来明治廿一年十二月限り営業を禁止せら
るゝ事は既に人の知る処にて過日来同所の小屋持九名が屡々集会な
し居るとのことは曾て本紙に記載せしが其の後同小屋持等は三ヶ年
の継続を願んとか七ヶ年間の延期を嘆願せんとか種種相談中なれど
も容易に事の纏らざるにぞ此程或代言人に研究を乞ひ其願書を以て
願ひ出でんとて依頼に及びしも謝絶せられしに就ては最早や此上は
如何して出願せんかとて額を集て相談を擬し居れど何分小屋持の重
なる奥田弁次郎外一名が此頃和歌山へ参り居るゆえ帰阪の上ならで
は実際の相談も整はざる可しとのこと
著者:大阪日報
表題:小屋持の協議
時期:18870804/明治20年8月4日
初出:大阪日報
種別:興行/長町取払/