飛田遊廓指定報酬事件 肥田氏を証人に

   大阪市南区天王寺小宮町小原有隣氏対大電社長宮崎敬介氏、故高倉

   藤平氏嗣子高倉信次郎氏に係る飛田遊廓宿定運動報酬金十五万円請

   求事件続行弁論は十七日午後二時大阪地方裁判所高田裁判長の係り

   で原告側片岡弁護士被告側森内弁護士列席開廷され直に原告側から

   飛田遊廓指定請願運動に対する報酬契約の存在を立証すべき書面と

   契約書の写し、故代議士岩崎安次郎氏が生前守山を中心とせる飛田

   遊郭指定に関する運動計画の内容を手記した書類高倉藤平氏が本件

   に関し連帯責任者であると云ふ事実を肥田景之氏が東京原宿妾宅で

   認めて岩崎安次郎氏の曾根崎の妾牧野せい方に発送して来た手紙数

   通の証拠品の撮出あり次で守山が被告等に運動を依頼された事実及

   びその間の消息を知れる大阪府中河内の柴野友次郎と東京肥田景之

   氏を証人に申請したが結局肥田氏を採用、東京区裁判所に嘱託尋問

   し尚大阪府庁に保存されある飛田遊廓の出願より指定に至るまでの

   関係書類を取調べる事となつて閉延、次回は来年二月十六日午後一

   時からの筈。

   

   著者:大阪朝日新聞
   表題:飛田遊廓指定報酬事件 肥田氏を証人に
   時期:19201218/大正9年12月18日
   初出:大阪朝日新聞
   種別:飛田遊郭