(注5)
なお、こうしたホームレス達自身と彼らを支援する者たちによって発刊される「路上新聞」は他のヨーロッパ諸国でも広くみられる。これらの中で最も発行部数の多いのは、イギリスの週刊紙『ビッグ・イシュー(Big Issue)』で、約30万部にも及ぶ。失業者を支援する民間財団が創ったビッグ・イシュー社が発行し、同社に登録したホームレスが「笑顔を持って」「押し売りをしない」などのマナーを学び、40ペンス(88円)で仕入れ、路上で1ポンド(約220円)で売る。労働の対価として報酬を得るチャンスを提供することが自立支援になるとの趣旨である。同雑誌は、オーストラリア、南アフリカ、ロシアで発行され、98年にはアメリカでも発行されることになった。(『日本経済新聞』1998年3月28日)。