釜ヶ崎反失業連絡会の日常活動
釜ヶ崎反失業連絡会は、野宿生活者対策で一番重要なことは野宿を余儀なくされる労働者を生み出さないことであると考えています。失業が野宿の最大の原因であることは誰の目にも明らかです。その解決を求めて、活動当初は府への要求行動、デモ・大阪城公園の野営闘争・府の出先機関としての西成労働福祉センターとの交渉などが行われました。
しかし、事態の深刻化、野宿生活者の急増は、即効性のある解決を優先させなければならないことを示しました。労働者の、多くの野宿生活者の要求は「仕事の確保」であることは間違いありませんが、先ず当面する路上死の危機から逃れる必要があったのです。
私たちは、行政の縦割りシステムを認めるものではありません。それは行政の都合であり、行政内部で調整すべきものであって、私たちがそれによって振り回されなければならない理由はない、と考えています。ですから、要求書は、常に、府・市連名で出しています。
その原則は原則として、現実は、市へ、福祉対策への要求行動強化を選ばざるを得なくなりました。市庁前の野営闘争は昨年、今年と行われました。
釜ヶ崎反失業連絡会にとって、いまや要求行動・行政交渉は日常活動といっていいものになっています。それに従い、多方面にわたり説明し、理解を求め、協力を得る活動も重要な活動となっていますが、当然のことながら、野宿生活者の直接の支援活動に財政が向けられ、この方面では専従体制か確立できず、やや出遅れ気味です。
寝床確保のために
野宿生活者の最低限の寝床確保のため、愛隣総合センター1階フロアーの夜間利用(表紙写真)と大阪市から提供された敷地の上に建てた大テントの運営を行っています。
私たちが求めるものとの、質的量的隔たりは大きいのですが、からかいや襲撃のない、とりあえず安心して寝られる場所の確保に勤めています。
センター夜間開放は、大阪府・市と釜ヶ崎反失業連絡会が合意し、合意書を確認の上で反失業連絡会が運営に当たっているものですが、コンクリートのフロアーにブルーシートを敷き、毛布や乾パンを配るために20名以上の労働者が三食と寝場所付きというほとんど無報酬の条件で参加していることでなりたっています。センターは千名、大テントは200名というのが最近の利用状況で、一人一包みの乾パン支給は連日2千人に及ぼうとしています。
腹に溜まる一食のために
三角公園では、週2回毎回2千食以上、仲間に腹に溜まる一食を提供する炊き出しが、「勝ち取る会」によって続けられています。野営闘争では三食を確保、闘いのエネルギー維持に貢献しています。
高齢者の職の確保のために
大阪市が実施する高齢清掃事業の円滑な運営と作業環境の向上のために、
10名に一人の指導員を反失連メンバーが担っています。その他野宿生活者対策円滑化のために
清潔な台所や食堂を奪われた状態にある野宿生活者を中心に、赤痢が流行しています。野宿生活者中心の流行を防止するには、手洗いの励行や検便だけでは不可能です。清潔に食事できる環境、安定した居住の提供が不可欠です。しかし、赤痢流行は、それでなくとも弱っている野宿生活者の体力をさらに弱めるもので、現状でできる努力もしなくてはならないとの観点から、大阪市環境保険局感染症対策室の要請を受け、検便容器の配布・検便容器の提出を呼びかけ協力しました。また、臨時生活ケアセンター開設に当たっては、民間ならではの素早さで、整理券の配布、受付、ケアセンターまでの引率を担当し、民生局の対策が円滑に実施されることに協力しました。