写真で見る1998年10月


9月21日釜ヶ崎反失業連絡会行政に要求書提出


大阪市長 磯村 隆文殿
大阪府知事 横山ノック殿

季節の冬を目前に改めて釜ヶ崎対策を要求する
                                                                釜ヶ崎反失業連絡会

大阪市の「臨時生活ケアセンター」も9月末で打ち切りとなり、行政の追加的な野宿者対策が、皆無の状態になろうとしている。

民間の善意を集めての炊き出しはかろうじて継続されているが、行政の側からする野宿者対策が存在しない状態は、野宿を余儀なくされる労働者の社会的孤立・疎外感を深めるものであり、広く社会の人心の荒廃をもたらすものである。

新たな釜ヶ崎対策の枠組みの確立がなされなければならないことはいうまでもないが、日常的な、細々としたものであれ、少しは実のある、目に見える対策が実行されなければならない。

これまでに、高齢者清掃の実施、センターの夜間開放、乾パン・水の支給、越年臨時宿泊所の拡大実施、臨時生活ケアセンターの設置などが、臨時・応急的な対策として続けられてきた。釜ヶ崎の状況が一層悪化している現在、何の追加措置もとられないことは、許されないことであると考える。

野宿状態の長期化で路上死は増え続け、秋風の訪れとともに自殺・自殺未遂が話題となっている。待ったなしの対策が求められている。

よって以下のことを要求する。

  1. 早急に、1,000人規模の「衣食住」の対策を実施すること。
  2. 現在実施されている「臨時生活ケアセンター」の一回あたり利用人員の拡大を行い、実施期間を延長されたい。
  3. 大阪市は南海電車・天王寺―天下茶屋線跡地(西成消防署海道出張所東と三角公園南部分)を借り受け、臨時宿泊所なみのプレハブを設置し、「臨時生活ケアセンター」として運用すること。大阪府は利用者に対し職業紹介・斡旋をなすこと。
  4. 越年対策を可能な限り前倒し・拡大実施すること(最低4,000人規模で11月から2月末まで)。
  5. 簡易宿泊所・食堂と契約し、ドヤ券・食券を発行されたい。
  6. 大阪府は、あいりん職安南分庁舎の門を夜間閉じることを当分の間止められたい。
  7. 高齢者就労事業の就労枠拡大にさらに努められたい。府は、最低限通年化を実現されたい。
  8. 大阪市は、「大阪府市長会」で、これまでの釜ヶ崎労働者の周辺市町村での貢献を根拠に、「あいりん対策」について応分の協力を要請されたい。

    また、設置が予定されている「大阪府財政再建プログラム大阪府市長懇話会」で、大阪府が財政再建を理由になすべき「あいりん対策」を切り縮める事がないよう要請されたい。大阪府は、「大阪府財政再建プログラム大阪府市長懇話会」で「大阪府市長会」に対し、「あいりん対策」について応分の協力を要請されたい。

    堺市

    岸和田市

    豊中市

    池田市

    吹田市

    泉大津市

    高槻市

    貝塚市

    守口市

    枚方市

    茨木市

    八尾市

    泉佐野市

    富田林市

    寝屋川市

    河内長野市

    松原市

    大東市

    和泉市

    箕面市

    柏原市

    羽曳野市

    門真市

    摂津市

    高石市

    藤井寺市

    東大阪市

    泉南市

    四條畷市

    交野市

    大阪狭山市

    三島郡

    豊能郡

    泉北郡

    泉南郡

    南河内郡

    一三0

    一九

    四八

    一六

    四ニ

    三0

    一七

    ニ五

    四五

    三五

    一三

    一四

    三0

    ニ0

    ニ七

    ニ一

    一三

    一一

    一四

    ニ八

    一一

    一0

    六七

上記計

大阪市

大阪府下計

近畿

大阪府下除外

近畿外の地方





総数

七五五

九七五

一七三0

一ニ三七

三三三

三三0

五ニ
.四
%

三七
.

%

一0
.一
%

一0

%

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 南海本線高架化に伴い生じた使用可能面積のうち一定割合が公共利用のために提供されているが、その活用状況についてお知らせ願いたい。
  2. 大阪府・市は関連施設も含め、インクジェットプリンター用のインクカートリッジのリサイクル・再生品の積極買取を実現することにより、野宿者対策費用の一部を提供されたい。
    (インクジェットプリンター用の使用済みインクカートリッジを買い取り、インクを詰めなおして再生品として販売する会社が存在する。
    大阪府・市庁舎内や学校・公民館などで使用済みインクカートリッジを集め、野宿者支援団体に引渡し、さらに再生品を野宿者支援団体から購入するシステムをつくれば、府市にとって経費の削減・リサイクル活動推進の利があり、野宿者支援団体は炊き出し資金を得ることができる。規模が拡大できれば、野宿者支援団体が行政の資金をあてにしないでシェルターを建設・運営できるようになるかもしれない。)
  3. 大阪市は、市環境事業局減量美化推進課が、2008年五輪の招致に向けた取り組みの一環として実施される「OSAKAクリーンピック98」が、野宿者に対する差別意識の拡大・排外の扇動とならないよう十分に留意されたい。当会に参加団体・対象地域・実施方法などをお知らせ願いたい。
  4. 中長期的要求項目については、これまで提出したものについてさらに検討を重ねること。(1993・96・97年、そして、本年5月に提出した申し入れを再提出する)
  5. 9月30日までに回答されたい。
                     以上

回答はゼロ。大阪市庁横で連続野営闘争に(10月5日〜10月16日)

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今回は毛布も準備して、長期戦の構えで。

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ブルーシートで雨除け

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「アルジェリア・テント」その後ろにもブルーシートで屋根を張って雨対策。

ともかく雨が多かった。

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テント前の立て看板

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雨のときは市役所南玄関軒下で炊き出しの配食をしたことも

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三食、写真に見られるような丼飯一杯。味付け・具は少ない予算の中で工夫が凝らされた。

雨の日が多く、金大中韓国大統領来阪・御堂筋パレードなどとの調整など、あわ
ただしい中で、1日の中断もなく泊まりこみは続けられた。
1日三食・各食丼飯1杯の炊き出しが続けられ、毎食平均600人であった。
食費の平均は1日9万円。三食で1800人とすると、丼飯1杯50円の計算となる。
淀屋橋上で数回行われたカンパ活動では、1回当たり4万円近くが集まった。

10月16日に提示された大阪市民生局の回答。
1.高齢者清掃事業の就労枠を11名拡大する。(10月26日〜3月30日)
2.臨時生活ケアセンターを再開する。(2泊3日・1回定員45名・総数670名・10
月26日〜11月27日)
3.900平方メートルの野営地を提供する。(11月1日〜12月28日)
4.乾パンの支給を再開する。(11月1日〜11月30日・1日千個の予定で)

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大阪市が提供した野営地に大テントを張り、単管を使って二階構造の寝床を準備した。

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「アルジェリア・テント」も利用。この二つのテントで定員は330名の予定だが(?)。

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11月5日から利用開始。

大阪市は野営地の提供・電源とトイレの設置だけで、テントの準備・寝床の設置、夜間の管理などは

すべて反失連の負担である。

ご支援を!

郵便振込口座番号「00990−5−138688」

郵便振込口座番号「釜ヶ崎反失業連絡会」