大阪府知事 横山ノック殿
大阪 市長 磯村 隆文殿
釜ヶ崎(あいりん地区)高齢者対策事業に関する要求
1997年4月の釜ヶ崎における仕事量は、労働者数に対して圧倒的に不足している状態にある。今後の見通しとしても、大きく増える見通しはない。野宿を余儀なくされる高齢者の姿も増え続けている。
釜ケ崎就労・生活保障制度実現をめざす連絡会(略称・釜ヶ崎反失業連絡会)は、本年2月に「釜ヶ崎(あいりん地区)高齢者対策事業に関する要求」を大阪府・大阪市に提出した。
しかし、「高齢清掃事業」についても昨年並、その他の要求については一考だにされた形跡のない回答であった。
職を求める高齢者が900名を超えて存在していることは、清掃事業の登録実績によって明らかである。そのうちの半数を超える労働者が常に野宿にさらされていることも、事実である。過去三年の事実の積み重ねにより、行政にも直接把握されることになった事態に、府市は現状の体制で対応できると考えていると判断せざるを得ない。
「仕事で生活を維持する」ことがはるかな夢に留まるのであれば、現状での解決―われわれは対応できないと判断しているが、行政側で自信を持っている現在のシステムによる問題解決に、再度、可能性を求めざるを得ない。
1.市立更生相談所を訪れる生活困窮者を路上に送り返すことのない対応を求める
大阪市は市更相による対応に自信を持っているように我々には思える。であるならば、数年前のような「金銭対応」による過ちを繰り返すことなく、相談に訪れる生活困窮者を満足させることができるはずである。市更相を訪れる生活困窮者を、野宿者として路上に送り返すことをしないと確約せよ。
2.「特別清掃」の就労場所として霞町再開発ビルを確保すること
本年七月開業予定の霞町再開発ビルの清掃員・ガードマンの半数以上は、「特別清掃」登録労働者をもってあてることを、管理会社に対して、府市連名で強く要請し、「センター」との間を仲介すること。実現にあたっては、現在の街路清掃詰め所にシャワーを設置し、制服を貸すこと。
霞町再開発ビルの建設にあたっては周辺自治会に「迷惑料」が支払われている。周辺で野宿を余儀なくされている労働者にも「迷惑料」が、労働の対価の形で支払われるべきである。
行政が仲介できないのであれば、迷惑を被るものとして直接「会社」に要求することを検討せざるを得ない。求職活動や「迷惑施設」への抗議活動など。
3.大阪府は「センター清掃」を通年化すること
大阪府は労働行政の分担を自認しながら、釜ヶ崎高齢者対策について十分な職責を果たしているとは認められない。せめて「センター清掃」を通年化すること。
4.大阪市は休日明けの「道路清掃」について増員すること
「道路清掃」の1996年実績は、回収箱数で28,167箱であった。一日あたり95.8箱であるが、休日明けの平均は140箱、平日平均は84.2箱で大きな差があり、同じ人員で対応できる範囲を超えている。休日明けについて、増員すること。