2007(平成19)年1月実施

野宿生活者全国調査(概数)についてーその3

(2)ブロックごとの検討ー関東

    都道府県名 数/a 政令市 数/b 中核市 数/c その他数/d 政令市b/a 中核市c/a その他数d/a
関東 19年 茨城県 78         78     100.0%
15年 茨城県 130         130     100.0%
増減数 茨城県 -52         -52     100.0%
増減率 茨城県 -40.0%         -40.0%  
19年 栃木県 79     宇都宮市 31 48   39.2% 60.8%
15年 栃木県 134     宇都宮市 66 68   49.3% 50.7%
増減数 栃木県 -55     宇都宮市 -35 -20   63.6% 36.4%
増減率 栃木県 -41.0%     宇都宮市 -53.0% -29.4%  
19年 群馬県 96         96     100.0%
15年 群馬県 87         87     100.0%
増減数 群馬県 9         9     100.0%
増減率 群馬県 10.3%         10.3%  
19年 埼玉県 781 さいたま市 179 川越市 39 563 22.9% 5.0% 72.1%
15年 埼玉県 829 さいたま市 221 川越市 29 579 26.7% 3.5% 69.8%
増減数 埼玉県 -48 さいたま市 -42 川越市 10 -16 87.5% -20.8% 33.3%
増減率 埼玉県 -5.8% さいたま市 -19.0% 川越市 34.5% -2.8%  
19年 千葉県 594 千葉市 103 船橋市 57 434 17.3% 9.6% 73.1%
15年 千葉県 668 千葉市 126 船橋市 82 460 18.9% 12.3% 68.9%
増減数 千葉県 -74 千葉市 -23 船橋市 -25 -26 31.1% 33.8% 35.1%
増減率 千葉県 -11.1% 千葉市 -18.3% 船橋市 -30.5% -5.7%  
19年 東京都 4,690 東京都23区 4,213     477 89.8%   10.2%
15年 東京都 6,361 東京都23区 5,927     434 93.2%   6.8%
増減数 東京都 -1,671 東京都24区 -1,714     43 102.6%   -2.6%
増減率 東京都 -26.3% 東京都25区 -28.9%     9.9%  
19年 神奈川県 2,020 横浜市 661 相模原市 30 455 32.7% 1.5% 22.5%
川崎市 848 横須賀市 26 42.0% 1.3%
15年 神奈川県 1,928 横浜市 470 相模原市 45 540 24.4% 2.3% 28.0%
川崎市 829 横須賀市 44 43.0% 2.3%
増減数 神奈川県 92 横浜市 191 相模原市 -15 -85 207.6% -16.3% -92.4%
川崎市 19 横須賀市 -18 20.7% -19.6%
増減率 神奈川県 4.8% 横浜市 40.6% 相模原市 -33.3% -15.7%  
川崎市 2.3% 横須賀市 -40.9%
19年 山梨県 42         42     100.0%
15年 山梨県 51         51     100.0%
増減数 山梨県 -9         -9     100.0%
増減率 山梨県 -17.6%         -17.6%  
19年 ブロック 8,380   6,004   183 2,193 71.6% 2.2% 26.2%
15年 10,188   7,573   266 2,349 74.3% 2.6% 23.1%
増減数 -1,808   -1,569   -83 -156 86.8% 4.6% 8.6%
増減率 -17.7%   -20.7%   -31.2% -6.6%  

 

 関東ブロックは、今回調査で8,380人、全体の45.1%を占める。全国の20〜79才男性人口の中に占める割合は、34.8%。ブロック全体の減少率は、全国の26.6%を 下回っている。 ちなみに、20〜79才男性人口の中に占める野宿生活者の割合は、茨城・栃木・群馬・山梨の各県が0.01%、埼玉・千葉の両県が0.03%、神奈川県が0.06%、東京都は0.09%。都市別では、千葉市0.03%、さいたま市が0.04%、横浜市0.05%、特別区部が0.13%、川崎市は0.15%。川崎市は福岡市と同率。大阪は、0.41%。

 関東ブロックでは、神奈川県の政令市が予想外の増加で県全体としても増加となっている。東京都その他の増加は、そんなものだろうと受け取られるが・・・。埼玉県川越市、群馬県その他でも増加している。

 関東ブロックで悩ましいのは、下の埼玉県の例でもわかるように、「無料低額宿泊所」が、関東ブロック内広範に存在していることである。もう一つ「ドヤ保護」である。不安定な受け皿の多さのしわ寄せが、横浜、川崎にいっていることも想定されるが、どうであろうか。 また、政令市・中核市が県内にあるにもかかわらず、その他の方が野宿生活者が多く存在する千葉・埼玉の特色とも関連があるかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 東京都下その他は、43名増加している。

 立川市は、2001(平成13)年、議会答弁で、「統一的な形で、全都あるいは全国というような形で、同じレベルで取り組みをしないと、どうしてもその施策にあるところに集中化してしまうという非常に難しい問題がある。」と述べている。2003年には、生活保護率の上昇について、「住所の不定者は、保護の率には加算されるが、負担は国が4分の3、都が4分の1で、市の負担はない。医療も、医療単給という形で、都費で払うことになる。だから、保護率が高いから扶助費が増えるということにはならない。」と説明している。ホームレス支援は、市内3カ所の宿泊所任せの状態。宿泊所滞在3ヶ月を目途に、民間住宅への転宅も実施しているようである。「対策」が不十分なことから、「サンサンロードの路上生活者や立川駅南口付近に寝泊まりしているホームレス等について、立川警察署等と連携を図りながら、バリケードの設置や清掃及び口頭注意、警告文の張り紙などにより対策を再三講じたが、現状はその場限りの効果しかなく、抜本的な解決ができない状態にある。」(2006年現在)

 

 新宿区では、1993(平成5)年から、「住所不定者」の窓口相談が増加、1995年にはカップ麺配食用プレハブを設置するにいたる。1996年に東京都「自立支援センター5カ所構想」、新宿区議会は反対決議。1998年、新宿西口ダンボールハウスが炎上し4名が死亡。なぎさ寮へ172名が入所。なぎさ寮後の受け皿をめぐって23区が紛糾、結局、「地元」の新宿区が意を決して「暫定自立支援センター」を設置。2003年には区内民間型宿泊施設に500人(宿泊所13カ所、簡易旅館9カ所)。2004年地域移行支援事業開始、1,102人の野宿生活者が翌年には463人に。2005年の生活保護相談件数は9,422件で申請件数は3,825件、保護開始件数は3,801件、内野宿生活者関連が3,390件。野宿生活者関連のうち約9割は医療扶助(都負担)。

 

 群馬県は政令市も中核市もなく、9名、増加している。高崎市では、1993(平成5)年から「ホームレス支援の会」が活動を開始している。2004年に、閑静な住宅街に定員92人の宿泊施設建設計画が持ち上がり、住民が反対運動。行政も、市内野宿生活者は20人であり、このような大規模な施設での支援策は必要ないと言明。 自立支援対策については、「市内にはホームレスの自立を支援する団体があります。これらの団体が食料や物資の援助などのほかに、巡回相談などを行っています。そのような活動を通じて、ホームレスの情報や行政への要望等も把握していますので、本市ではこれらの団体と協力・協働しながら、みずからの意思により社会復帰を希望する者に対して、住宅の確保、生活保護の適用、給食活動の支援を実施しています。その結果、ホームレスの自立の支援に関する特別措置法が施行された後に、9人の方々がホームレス生活から一般社会への生活に移行しました。今後ともホームレスの自立支援等に積極的に対処していく所存です。」としている。2004年段階で9人減少しているはずが、今回逆に9人増かとなっている。「ホームレス支援の会」は、活動開始以来、30人畳の上への移行をサポートしているが、畳の上への移行は、病院からか路上から支援者の協力を受けて直接あがるかの二つしかない状況であるといっている(虹連調査)。2006年議会答弁では、「居住地のないままの状態では、居住実態の把握ができないことから生活保護を利用することはできないのが現状です。ただし、住居が確実に確保でき、居宅生活を営む上で必要となる基本的項目の確認によって居宅生活が可能と認められた方については、申請時点において居住地がなくても保護の適用を実施。みずから住居を探す能力、判断力がある方については、みずから住居を探していただくことを原則としています。しかしながら、みずから住居を探す能力や判断力がないと認められる場合には、まれではありますけれども、救護施設へ入所していただくことや、時によっては地域の民生委員と相談しながら民間のアパート等への入居をお世話した上で生活保護を適用するケースもある」と。

 

さいたま市は、今回調査では42人減の179人。埼玉県内野宿生活者の22.9%を占める。2006年に「さいたま市ホームレス自立支援計画」を策定している。同年の議会答弁では、「直ちに居宅生活を送ることが困難な方については、保護施設や社会福祉法に規定する第二種社会福祉施設等において保護を行っており、本人の状況によっては養護老人ホームや各種障害者福祉施設へ入所させる等の対応を行っているところ。自立支援センター並びに小規模シェルターの整備については、今後、他市の状況や関係者等の意見を参考として慎重に検討」としている。2000(平成12)年、SSS浦和寮(170名)が開所している。2004(平成16年)からホームレス相談員を配置し、平成16年度に102名、平成17年度は185名のホームレスと面接を行い、困り事や健康相談のほか就労機会や住まいの確保などの情報提供をおこなっている。「平成17年度では宿泊所への入所者は48名、民間借家に入居した方は22名、医療機関への受診に結びついた方が4名おります。また、10名の方が就労に至り、うち7名の方は自立された」と。2004年には、宿泊施設の状況が、問題視されている。「市内の7施設に20歳未満から80歳以上のホームレス506名が入所していると聞いております。施設利用契約書によりますと、施設利用料1か月9万円、内訳として、入居費4万7,700円、食費2万9,000円、光熱費360円、雑費2,300円、4畳半、ベニヤなどで間仕切りをして2.25畳の個室、照明は一つ、入口も1か所、これで入居費と称して4万7,000円」

 

 埼玉県「その他」は、政令市・中核市が存在する県としては、県内野宿生活者の占める割合が72.1%と極めて高い。川口市では、1997(平成9)年から、議会で野宿生活者対策が取り上げられているが、「本市におけるホームレスの実態につきましては、駅周辺や公園などに見受けられるところでありますが、その実情把握には困難な面もありますので御理解を賜りたいと存じます。また、積極的な対応との御指摘でございますが、ホームレスの方が自主的に通院や入院した場合には、生活保護法による保護を実施しているところでございます」と答弁。1999年には、「市としての調査というのは難しいというふうに考えているわけでございますけれども、トータルな意味でホームレスの方々の状況につきましては、これまでも国等の情報で承知しているところでございます。市といたしましては、国のほうの、現在詰めております具体策が決定されましたところで、広域的な対応策の中でですね、市としてやるべきことがあれば、しっかり取り組んで参りたい」としていたが、その後変化はなく、2001年には、「ホームレス対策につきましては、巡回パトロールなどでの指導や不法占拠物の撤去作業等で対応。生活困難者の方が傷病や高齢のため就労できず生活保護の相談に来所した場合は、必要に応じて適切な対応を図っているところ」と相変わらずの答弁。同年、SSS川口寮86人開所。2003年に、「ホームレス巡回相談員2名を配置し、路上生活者に対する生活相談を受けるとともに、健康状態等を把握し、医療等の緊急対応や居宅設定の要望に対応」することとなったが、「民間の賃貸借保証制度を利用する場合の費用につきましては、生活保護制度においても支給対象となっていないことから、市として独自に給付することは考えておりません」。2005年の状況は、「非常勤特別職の巡回相談員を2名配置し、毎日巡回しながら生活上の相談や医療等の対応に当たり、支援に努めているところであり、ホームレスの方が医療機関への受診や宿泊施設への入所等を希望する場合は、福祉事務所のケースワーカーが対応し、本人の意思や状況に応じて生活保護を適用し、支援を行っているところ。シャワールームの設置や公共施設でのシャワー使用につきましては、財政負担の問題や職員の配置、さらには一般利用者の反応など課題も多くありますことから、今後研究して参りたい」。なお議員発言で、「川口玉パトというグループがあります。ホームレスの方を訪問して、少しずつでもできることをしようということをやってきたんですが、冬の間、約10回日曜日の夜に鍋などをつくって、20人ぐらいの方に配布してきました。」という報告有り。

 

 千葉市は、23人、18.3%減少。宿泊所頼りで、2001(平成13)年6 月、「社会福祉法第2条第3 項第8 号に規定する宿泊所事業を行う施設の設備及び運営に係るガイドライン」を作成。2006年は、稲毛区長沼町の敷地内におきまして三つの事業者がこの無料低額宿泊施設の設置を行っている。事業者Aが定員38人、事業者Bが定員50人、事業者Cが45人となっておりまして、3施設ともほぼ満室に近い。全部の施設利用者819人、このうち95%に当たる776人が今、生活保護を受けている状況」。776人は減少数の33.7倍。2005年から、「ホームレス巡回相談事業」を開始。

 

 千葉県「その他」は、埼玉同様、県内に政令市・中核市が存在するにもかかわらず、県内における野宿生活者の占める割合は、73.1%と高い。

 佐倉市の2001(平成13)年時点での問題認識は、「福祉部としての実態調査は行っておりません。しかしながら、公園管理者等からの情報によりますと、南志津公園、上座公園、御伊勢公園及び鹿島橋下に数名存在。正式な相談窓口がないのが現状でございます。したがいまして、公園内での相談や苦情は公園管理担当へ、また生活相談は社会福祉課へと各担当課に相談が行くこととなり、状況の把握が難しいのが現状。千葉県では、ホームレス問題についての情報交換及び調査、研究目的に、当面福祉部門で構成するホームレス問題県・市町村連絡協議会を立ち上げたわけでございます。構成団体といたしましては、千葉県とホームレス10人以上の10市及び10人未満で任意加入の8市町村で、佐倉市としてもホームレス対策の必要性を認識し、任意加入した」ということ。SSSが、佐倉市で事業を開始した2002年の野宿生活者数は、「1月11日及び18日の調査を行いました結果、合計で10名のホームレスを確認。さらに5月15日と21日の調査では8名、8月28、29の調査では、6名のホームレスを確認」その時期に「5月3日深夜から4日未明にかけてと推測されますが、染井野四丁目にある七井戸公園内で寝泊まりをしていたホームレスの男性が複数の者によって暴行を受け、大けがをした事件」が起きている。2007年の宿泊所状況は、「定員は72名、1月時点の入居者は71名、そのうち佐倉市の実施責任を負っている入所者は56名、ほかは他の市の生活保護の実施責任を負っていると、そういう状況でございます。また、入所者の生活保護費については、国が4分の3を負担し、4分の1について最初の3カ月間は千葉県、その後は佐倉市が負担」。寮を3ヶ月で移動させれれるという話を、関東から来た野宿生活者から幾度か聞いたことがあるが、根拠はここにあったのか?。

 市川市では、1997年(平成9)年から、市川・ガンバの会が活動を開始、2001年から、同会は自立支援住宅活動を開始している。2003年から、市独自の自立支援モデル事業を開始。自立支援推進会議の設置/巡回指導員の設置(地域を巡回のうえ、傷病等による要援護者の発見、緊急的な援助の実施、生活指導等)/自立支援住宅の設置(巡回指導員による情報を基に、生活の基盤となる住居を3か月程度提供。就労活動や生活保護申請のほか、地域生活を送る自覚を促す。民間住宅を3室借り上げて設置)/自立支援相談員の設置(自立支援住宅入居者が、地域社会で安定した生活を営むことができるよう、定期的に訪問したうえ、各種の生活相談に応じ、精神的な支えとなる)。同年の野宿生活者把握数は次の通り。都市公園71人、河川50人、道路2人、駅舎11人、その他の施設53人で、合計207人

      

 神奈川県では、対策が充実いているように思える横浜・川崎で増加している。

 横浜市の1993(平成5)年の状況は、「日雇い労働者の求人状況についてですが,平成2年10月の求人数は,延べ2万4,827人が本年10月では9,173人と63%落ち込んでおります。寿地区対策の4年度の実績についてですが,パン券,宿泊券の交付実績は9万4,662枚で,一時宿泊を含む年末年始対策の利用者は1,266人でございました。また,県と共同して日雇い労働者1人当たり2万9,700円の年末福祉金を交付をいたしました。本年度はパン券,宿泊券は10月末までに15万2,339枚を交付しており,今後も12万1,000枚を見込んでおります。年末年始対策では,相談者の増加も考慮し,一時宿泊のプレハブを増設するほか,給食及び医療等の援護体制を整えているところであります。また,年末福祉金は,本年度1人当たり3万1,000円に増額する予定でございます。屋外生活者の通年対策についてですが,現在週1回の深夜に及ぶ街頭相談を行い,その対象者の状況に応じた保護を行っております。こうした問題については,大都市特有の難しい課題でありますが,今後さらに宿泊施設も含めて検討してまいりたい」というもので、早くから、巡回相談、緊急一時宿泊所、自立支援センター設置などに取り組んでいる。2004年自立支援施設はまかぜの実績は、「249人が常勤就労を果たしており、15年度の実績192人比べ57人上回っております。また、職種別の内訳ですが、製造工場53人、警備員41人、調理関係31人など」となっている。その数字だけで、増加数191人を上回っている。宿泊施設の状況は、「無料低額宿泊所:市内に29開設されております。平成12年度に6カ所、13年度に5カ所、14年度に8カ所、15年度には10カ所が開設13区に広がっておりますが、定員では、特定の区に市内の総定員1,245人のうち3分の1強に当たります445人が集中するといったような偏りが見られる」というもので、総定員は、今回調査の野宿生活者数の1.8倍である。

 

 川崎市は、増加数は少ないが、全国の20〜79才男性人口の中に占める野宿生活者の割合は、0.15%と、東京特別区部よりも高い。横浜市は0.05%。対策の立ち上がりは早く、1994(平成6)年には、食糧品(現物)支給事業越年対策事業を開始、1996年には、「生活保護の適用を前提とした一時宿泊施設。民間のビジネスホテル・豊家(ゆたかや)100床を借り上げ、原則2週間の滞在期間中に居所を確保するなど、自立更生の促進を図ることを目的としている。食事を無償提供。」の一時宿泊事業を開始。最近では、「コミュニティガーデン、計画面積約3,000平方メートルの中に畑、水田、花壇等を造成するものでございまして、大都市川崎の中心部に農園が整備されるという社会的効果に加え、隣接する公園型シェルターの入所者が地域の方々と協力し、農作業に取り組むことによりまして、ホームレスの自立や市民の健康増進、生きがいの発見など、さまざまな効果を期待しているところでございます。」のような斬新な計画を打ち出し、「緊急援護から生活づくり支援へと市の施策を大きく転換し、食糧品支給事業の廃止、就労自立支援センター、富士見生活づくり支援ホームを開設し、愛生寮と合わせて3施設でホームレスの自立支援を図っている」。2004年には、議会で、「本市の21カ所851人という第二種社会福祉事業宿泊施設の数は、他都市と比べますと、いただいた資料によりますと、例えば千葉市では8カ所643人、名古屋市では11カ所414人、大阪市では4カ所24人、横浜市では24カ所1,108人と、他都市の人口割合から見ても、これは非常に多いのではないか」と指摘されている。851人は、今回調査把握数848人と、ほぼ同数。同年議会答弁には、「シェルターの設置後の対応についてでございますが、これまではシェルターなどの受け皿がないため、人道的な見地などから強制撤去は難しい面がございましたが、シェルターの設置後は、公園の本来の機能回復に向けまして、テントや小屋等を撤去し、シェルターに移るよう、関係局と連携しながら積極的に誘導してまいりますが、それにも応じない場合は、都市公園法及び条例に基づく監督処分について検討してまいります」というものもある。