京都市その4
平成13年 2月 定例会(第1回)-03月23日−04号
◆厚生委員長(森ます子さん)
本委員会に付託されました議第32号京都市中央保護所条例の一部を改正する条例の制定について、ほか7件につきまして、審査の過程において論議されました主な事項とその結果を御報告申し上げます。
まず議第32号京都市中央保護所条例の一部を改正する条例の制定については、理事者から昨年6月に実施したホームレス実態調査の結果を受けて京都市中央保護所の入所定員を30名から50名に拡大しようとするものであるとの説明がありました。これに対し中央保護所の位置付けの明確化、中央保護所における受入れの現況、就労支援や住居確保など自立更生支援対策の取組強化、女性や母子ホームレスへの対応、ホームレス支援のための新たな取組の考えなどについて論議が交わされ御意見がありました。
平成13年 12月 普通予算特別委員会第2分科会(第2回)-12月07日−02号
◆委員(佐藤和夫君)
生活保護費の関連の所なんですが,一つは,この項目を見てみますと,ホームレス対策にかかわるような項目が挙がっていないんですが,それは特に特記するほどのことではないのか,あるいは含まれているのか,その辺はいかがでしょうか。
それからもう一つは,福祉事務所費ということでもって,適正化対策ということで費目が挙がっていますが,その中の報奨費74万円とありますが,これは中身はどのようなものでしょうか。
◎社会部長(西村京三君)
ホームレス対策につきましては,既に当初予算に組み込まれておりますので,今回補正の対象にはなっておりません。
報奨費でございますけれども,これにつきましては,査察指導員の研修に対する講師謝礼ということでございます
◆委員(佐藤和夫君)
まず,ホームレス問題の所ですが,当初予算で間に合うような施策で足りるのかどうなのかというのはちょっと私,意見はあるんですけれども,今日はこの場であえてそれ以上は踏み込みません。
ただ,事実問題としては,最近の野宿生活者,ホームレスの方の傾向として,これは私の個人的なあれなんですけれども,夫婦者の方のケースがちょっと増えてきていると。私もそういう相談を受け付けています。それから,女性の方が増えているという,こういう傾向がありますので,今までのようなとりあえずシェルターがあればええじゃないかとかという,そういうのじゃなしに,ある程度その辺のきめ細かな対応ができるような体制は是非取っていっていただきたいなと思います。
◎社会部長(西村京三君)
まず,女性のホームレスに対する対応でございますけれども,13年度事業として,女性のホームレスに対する簡易宿泊事業を実施致しておりまして,これで対応を致しております。
平成13年 12月 普通決算特別委員会第2分科会(第7回)-12月03日−07号
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次に移りますが,最近の不況とか様々な問題があるかとは思いますが,この京都市内においてもホームレスの方というのが大変増えてきております。例えば私どもでもよく見掛けるのは,橋の下におられたりとか,いろんなその辺の公園とかにおられたりとか,よく最近目立つわけですけれども,最近陳情といいますか,相談事で少しこの問題に関連して多くなってきているなという問題が一つございまして,それは,京都は観光資源,いわゆるお寺関係さんとか寺社仏閣が非常に多うございます。それについて,例えば重要文化財,大変多うございまして,先日の寂光院でしたか,ああいう問題もあります。あれはもう,そういう,ものすごく国民にとって大事なものが,ちょっとした不注意かそういう問題で,もうなくなってしまったりとか大変な問題もございまして,実は若干相談事で寄せられておりますのは,例えばそういうお寺関係さんとかというのは山間部にある所が多うございます,市内においても。ということで,例えば山間部に実はホームレスの方とかが山の中におられたりとかということも,これは市内に常におりますと,山の中まで常に入っていきませんから非常に分かりづらい部分なんですが,そういうホームレスの方が山の中におられるケースがよくあるそうです。
そこでちょっとお聞き致しておりますのは,ぼや騒ぎがあったとかいうことをちょっとお聞き致しまして,それに伴って,例えば国有林なんかですとか,山というのはほとんどもう管理なんか,あれだけ広大な所ですから常に管理体制なんか敷けませんから,入れるのは結構自由に入れる所なんです。ですから,非常にそういう話があって不安に思っておられる所が結構ございまして,このぼや騒ぎというのも実際お話で聞いただけですから,ここで御質問したいんですが,そのような事例は何か局として報告を受けられているのかどうかと,こういう問題があるということも含めて,もし何かあってからでは遅いので,局として何か対策は講じられているのかどうか,その辺を2点お聞かせいただきたいと思います。
◎予防部長(土居洋二)
先生の今の御質問で,一つは,山林かどうかちょっと私の方では確認はしていませんけれども,いわゆる天龍寺内の境内で1件,そういう車両火災があることを聞いております。これは車両火災です。ただ,奈良県の吉野郡でそういうような山林の文化財が燃えたという事例はございます。これは奈良県ですけれども。京都市内では,ちょっと私どもでは今の天龍寺以外は聞いておりません。
その対策ですけど,これは非常に難しゅうございまして,今,先生御指摘のありました橋の下等にもかなりのホームレスの方がおられます。一つは,やはり私どもではその方たちに対する火の取扱いの指導というのを,これは定期的にというんですか,巡回等も指導しております。山林にそういう方たちがおられるということは,私も今ちょっと初めてお聞きしましたけれども,そういう方たちがおられるとすれば,当然,国有林の所有である関係者,また,文化財社寺でそういう警戒体制,更には,時期的には既に遅いですけれども,春の時期に山林防火運動等を行っておりますので,そのときには消防隊員等を含め,山林等の巡回もしております。
ただ,その方たち,そこからいかがということは大変難しゅうございますので,そういう方が住んでおられることが分かれば,直接火の取扱い等の指導もしております。現実にそういう社寺等もありますので,やっております。
以上でございます。
◆委員(小川ひろき)
そういう事例がないということですが,ですから,お聞きしていることがあるから,これが本当かどうかは,それは分かりませんけれども,不安に思っておられる所が結構たくさんあるというのが事実なんですよ。ですから,その辺は局として何か発見をすればとか,いればとかいうことで動くということで考えておられれば,本当に防災と,いわゆる防ぐというような,事前に防ぐことを目的とされているわけですから,事が起こってからでは遅いということなので,局としてその辺の調査なども含めて,前向きに調査の実施とかを行っていっていただきたいということを要望しておきます。
平成13年 11月 普通決算特別委員会第2分科会(第4回)-11月28日−04号
◆ 委員(西脇尚一)
それからもう一つ,ホームレスさん,このことについてちょっとお伺いしたいんですけども,昨日いわゆる観光地やとかそういうとこで露店を出しておられる方の問題についてちょっと話が出てましたね。これはちょっと意味が違うんですけども。僕もちょっと本願寺の近所におります。これ,朝からずっと円陣組んで宴会しているわけです,ホームレスさんが。よう聴いたら,要するに最近コンビニなんか弁当なんか売ってて,今日来たやつ今日売れへんかったら,明日全部取り替えて,ほんで皆,廃棄処分,ほかしてしまいよるんですな。それを朝行って,コンビニの五目箱で弁当,そんなんまだ皆食べられますわ。それ持って帰ってきて,ほんでお酒の問屋さんがあって,晩にナイトクラブから持って帰ってきたウイスキーの残りやらありまんねや,それずっと集めて持ってきて,毎日宴会をしとるわけだ。これ警察に言うても,区役所へ言うたって,もう当然消防へ言うたってどうにもならんということですねやが,これ当然この人たちはどこかで生まれてどこかで大きいなって,どこかに籍があるわけなんです。ほんでずっと顔見てたら,もうちょっと働けるのになという人がようけようけいはります。これに対する対策というようなものについては,かつて話題にのったことありますか,そっちの局で。
◎社会部長(西村京三)
東本願寺でということではございませんけれども,ホームレスの方々に対する対策というのは,京都市として対策は講じております。400人を超えるホームレスの方が実態としておられますので,下京福祉で月曜日から金曜日まででございますけれども,1日1回パンと牛乳の支給を致しております。中央保護所というのが東本願寺の北側にございまして,そこの定員を増やした中で50名を収容しておるといったような形で対応致しております。
国の指針と致しましても,やはりホームレスというても色々あると,3種類あるんやないかということでございます。いわゆる経済不況の中で,働きたくても,あるいは働く能力はあるけれども働けない方がやはり非常に増えておると。もう一つは,やはり体の具合いが悪くて働けないので,そういった状況になっておられる方,それと,従来からおられた社会になじめないでホームレスになっておられる方,この方々の割合が逆に少なくなって,最近の不況の中で非常に増えておるという中で,朝から宴会というのはなかなか大変かと思いますけれども,やはり定職に就きたくても就けない中で,京都市も少ないながらではございますけれども,そういったパン,牛乳の支給はしておるわけでございますけれども,なかなかアンケート調査でも1日に3食食べておられる方がおられないという中で,我々としても国が,先ほど先生おっしゃったように,必ずしも京都の方ばかりではないということで,全国的に何らかの対策がされるべきだということで要望しておりまして,近々,新聞によりますと,このホームレスに対する自立支援の臨時措置法案が国会に提出されるのではないかということで,やはり地方自治体だけがするべき業務ではないという風に思っておりますので,大いに期待もしておるところでございます。
◆委員(西脇尚一)
当然そうです,基本的には国の施策にかかわると思うんですけども,特に京都の場合は,やっぱり国際文化観光都市と。えらい悪いけど,僕の近所,当然東本願寺があって,ずっとこの間からお七夜でようけ人が来はるわけですわ。そこで円陣組んで宴会しとると。あれをやっぱり観光客が見たときに,一体何やということになるので,当然基本的には国の施策であるとは思いますけども,やはり国際文化観光都市として,京都の独自性の中で京都のまた特別な対策というのか,そういうものをやっぱり考えていくべきという気がするんですけども。
今たまたま出た六条保護所の話なんですけども,元々六条保護所というのは,京都駅なんか駅周辺のいわゆる行路病人というのか,ちょっと腹痛うなってきたと,もう家帰るのしんどいと,一晩泊めてくれという,そういう行路病人とか,そういうものを1泊ないしは2泊ぐらいのショートステイというのか,そういうことで出来た。最近あれそんなもん,皆永住してまっせ。あれはどうなってまんねん。
◎社会部長(西村京三)
中央保護所につきましては建替えも致したわけでございますけれども,非常にその建て替えた当時は入所者も少なかったという状況でございまして,以前は,そういった先生のおっしゃったようなことかという風に思っております。ただ,経済不況の中で非常にやはりホームレスの方が増えまして,現在1週間の範囲内で次々と人が入っておるという状況でございます。定員を42名から今年度50名に変えたわけでございますけれども,やはり仕事がないというのが一番問題だということでございますので,そのうちの8名について,自立支援の枠ということで1箇月入所していただいて,できるだけ求職活動して自立していただく。今年度入りまして,39名の方をその施策の対象にしたわけでございますけど,うち20名が何らかの形で就職されたということでございますので,基本はやはり仕事がもう少しないことにはというのが一番根っこにはございますけれども,そういった解消の努力もしておるということでございます。
◆委員(西脇尚一)
何遍も言いますように,非常に難しい問題やろうと思います。これええとこへ入れたら何ぼでも増えてくるし。だけども,現実に一方では,例えば東本願寺の真ん中の緑地地帯,プレハブとまではいかんけども,シートを張ってだーとやって,あれ不法建築や,まあ言うたら。そこで寝泊まりしたはんねやんか。ほんで片一方は鉄筋のええ家にいはる。片一方は宴会してると。何や同じホームレスさんでも,みんなあれが違うというようなことなんです。先ほど言うたように,やっぱり国際文化観光都市の,観光地いうたら怒られますけども,来はる人は皆観光で来はるねやから,こういう所でああいうのが行われているということは,ものすごう京都のイメージダウンになると思うので,これは一遍,散ってしまえというのではなしに,あんたの方でできるだけの施策を考えて,余り目立たないとこでゆっくり上品にお暮らしやすやと,何かそういうやっぱり手立てを考えるべきであると思うねやけども,どうです,今,何かそういうものについて何も思い当たるものはないか。
◎社会部長(西村京三)
直ちにということではございませんけど,本市におきましては,かなり施策について,基本的には国で実施すべき業務だという風には思ってはおりますけれども,やはりこういった異常な不況の中でホームレスの方々が増えておるという中で,緊急対策として本市独自,費用を出しながら実施を致しておるわけでございます。こういった国からの自立支援に対する臨時措置法案等が出ましたら,もう少し大きな対応が可能かという風に思っております。
◆委員(西脇尚一)
何遍も言いますけど,難しい問題だろうと思いますけども,鋭意努力をしていただいて,少しでも問題が解決するように頑張っていただきたい,かように思います。
◆委員(坂口芳治)
ホームレスの話が出まして,僕はこの委員会で大きく構えて人権の問題から始めた方がええかなと思って,かなり考えていたんですけれども,しかし,これはもう時間のこともあるし,分かり切ったことかもしれんし,やめとこかなと思って僕の要項の中には入っていなかったんですけれど,しかしながら,今思いますのは,ほんまに今,この京都市が果たすべき役割,保健福祉局が果たすべき役割というたらものすごく大きいと思うねやね,実際に。その辺のところを本当に張り詰めた気持ちで全職員に徹底させてほしいなという思いはします。
特に暮らしという点で,生きる権利というのがほんまに侵されていると思うし,まして人間として尊厳を持って生きていけるということについては,やっぱり保障し切れていないというか,ものすごく侵されていると思いますし,それから,暮らしの不安の中から健康を損なう人も出てきているし,命を損なう人まで出てきているわけですから,そういう点で本当に,憲法の規定もありますし,地方自治法のかつての規定もありましたけれども,行路病人だって,この地方自治体の区域にいる方の少なくとも命,少なくとも普通の暮らしは保障するんだという,本当の気持ちはきちっと持っていただきたいと思います。
その点で,今の状況から見てそれが持ち切れないと,財政の問題もあるし,いろんな制約があって,大きな外圧も社会の動きもあって持ち切れないと,どうするのかということが本当の率直な気持ちでなかろうかと思いますけれども,その辺のことについて,まず局長の答えになりますか,見解になりますか。代表してお答えを頂きたいと思います。
◎保健福祉局長(井尻浩義)
我々の仕事は,おっしゃるとおり,住民の命と健康を守っていくという仕事でございまして,昨日からもありましたように,赤ちゃんからお年寄りまですべての市民の生きる権利というものを守っていく,それが基本だというように思っております。ただ,どうしたらいいかという非常に大きな課題でして,というて何かをやりますと,それなりの財源がすぐ伴ってくるという状況でございます。ですから,何が必要なのかという優先順位といいますか,基本的なところをまず押さえていくのが先かなと,このように私は認識致しております。
◆委員(坂口芳治)
表現は色々あると思いますけど,ほんま肝心なところは本当に末端まで徹底しておくということが大事だと思います。それでホームレスの問題でも,僕は今の世の中であってはならないというか,いろんな個人の思いもあるけれど,やむなく,どうしようもなくてそういう境遇になっている方がほとんどでありまして,すべてでありまして,そういう点ではそういうことが放置されている政治の責任とは極めて大きいと思うし,我々も一応地方政治を担う者として,あってはならないことがまだ解決し切れていないということで,もう全力を挙げて解決策を探していくということが大事ではなかろうかと思います。特にその点では外圧と言いましたけど,やっぱり国の政治の根元の問題というのは大きいと思うし,ここのところをもっと改善していく。
特に大きな大きな流れでは,権力者というか,ごっつい金持ったり,権力持ってる人の利益というのはかなり広がってきていると思うけれど,弱い者が食われてきているという動きがあると思うしね。その辺のところもやっぱり政治の流れ,大本を見て,この大本も改めていかなければ何ぼでも拡大再生産されるわけでありますから,厳しい状態が生まれてくるわけでありますから,そのことも含めて我々全体として,ほんまに行政の側もそうだし,議会の側もそうだし,一日も早くホームレスがなくなると,安心して暮らせるようにするということが,京都市ようやっているなと,行政ようやっているな,我が国の政治,なかなかやっているなという一つの目印ではなかろうかと思いますので,その点は発言をしておきたいと思います。
平成13年 11月 普通決算特別委員会第2分科会(第3回)-11月27日−03号
◆委員(佐藤和夫)
第2点は,ホームレス問題についてですけれども,自立促進事業の進捗状況と,それから今後の課題をどのように考えておられるか。特に65歳以上の高齢者の場合などでは,就労といいましてもなかなかそういう機会はございませんし,また就労指導というのも無理かと思うんですが,そういうようなケースでの住宅確保にかかわって,どのような援助をされておられるのか。まず最初に,この2点をお尋ね致します。
◎ 社会部長(西村京三)
次に,ホームレスの自立支援でございますけれども,これにつきましては既に39名の方を対象に実施致しまして,20名が自立を,就職を致したという状況でございます。比較的短期間に仕事を見付けていただいて,非常に本人さんも努力をしていただいたという風に思いますけれども,割と効率よく就労できたのではないかなという風に思っておる次第でございます。
今後の課題でございますけれども,国の方で,いわゆるホームレスの方に対する支援といいますか,そういったことにつきまして,近々法律が提案されるというような記事もございました。そういったものを受けて,我々もより一層取り組んでいければという風に思っております。基本的にはホームレス問題につきましては,やはり就労支援と。不況の中でリストラに遭ったりされてホームレスになられた方が非常に多い,失業を原因としてホームレスになられた方が非常に多いという中で,やはり就業の機会をどれだけ確保できるかというのが一番大きなことかなという風に思っておりますので,国の法整備に期待するとともに,我々自治体と致しましては,できる限りの努力を致して参りたいという風に思っております。
高齢者の方の保護の適用等でございますけれども,従来から年齢は特には定めておりませんけれども,一定高齢,あるいはまた障害の方につきましては保護の適用をするという中で,居宅の確保も致して参ったところでございます。そういった中で,基本的には中央保護所で一定自立のための方策を適用する中で,中央保護所を退所されても,なおかつ十分自立していけないという方につきましては,必要に応じて住居の確保もして参りたいという風に考えております。以上でございます。
◆委員(佐藤和夫)
中央保護所をベースにした自立促進事業というのは,ある面で言うと,ホームレスの生活が3年以上にわたるとか,長期にわたる人などが出てきているだけに,ホームレスからの脱却に一つの道筋を付けていくという点で重要な事業だろうという風に思ってるんです。そういう点からすると,特に1箇月間の入所期間中にお仕事が見付けられて,そして自立に向けて一歩を踏み出していく場合に,どうしても住居確保という問題が付いて回るかと思うんですが,その辺のところでの福祉事務所としてのシステムはどのようになっておるのかという点をもう少し踏み込んでお話をお聞きしたいと思うんです。
併せて,住宅確保に当たってはどうしても保証人というものが付いて回る。あるいは保証人を必要としないかなり劣悪な住居か,それとも,それなりの住環境のある所ということになりますとどうしても保証人が求められるということで,その辺のところで国の方が新たに作りました高齢者居住安定確保法などを活用した形でもって,民間のアパート経営者や賃貸業者の方々に登録をしていっていただくというようなことも併せて組み合わせていかないと,現実問題として住居確保が困難なために,またもう一度路上に戻っていくという,したがって生活保護の方も打ち切られてしまうという,こういう逆戻りが起こると思うんですけれども,その辺についてのお考えはどうなっていますでしょうか。
◎社会部長(西村京三)
自立支援事業でございますけれども,1箇月程度,1箇月を限度として中央保護所に入居していただきまして,この中で求職活動をしていただくという制度でございます。この中で職業を見付けられました場合,一定そこでの収入につきまして,一定蓄えていただいた中で新たな住居の敷金,あるいはまたは礼金等に充てていただいて,自立していっていただくという形になっております。
保証人の問題につきましては非常に難しい問題でございまして,福祉事務所が直ちに保証人になると,行政がなるというわけにも参りませんので,いろんな団体に働き掛けたり,あるいはまた国の方に働き掛けたりといったような中で現在対応について色々と検討致しておる状況でございます。現在では,基本的に保証人がなくて入れて,できるだけ環境のいい所という形での住居等を探しておるという状況でございます。
◆委員(佐藤和夫)
ホームレスを支援しているボランティア団体の方や,私自身も幾つかのケースのホームレス支援で直接かかわったりする中での実感でもあるわけですけれども,この住居確保というのが最大のネックになるわけですけれども,この間,国の方からも公営住宅などの空き家活用というような問題も提起されたという風に思います。その辺の検討状況はどうなのかという風に思うんですが,福祉サイドだけではなかなかちょっと困難だと思うんですが,やはりホームレス問題というのは大変今深刻になりつつあるだけに,京都市の関連する部局を挙げての対策というのが必要になってくるんじゃないかな。
それから,保証人問題について言うならば,高齢者居住安定確保法というのは,民間に御登録いただくというだけではなくして,併せて行政の方の側が保証人を代行するという,そういう担保があるという形で民間の方も御登録いただくという形だったという風に記憶してるわけですけれども,いわばそういう面で言えば,かなり行政として踏み込んでやらなければならない,あるいは,やることが求められているという風に思うんですが,その辺のところはいかがになっておるんでしょうか。
◎社会部長(西村京三)
現在の高齢住宅の状況でございますけれども,非常に競争率も高い中で,直ちにここで確保するかどうか。民間の住居等を確保する中で現在の対応を致しておるというところでございます。御指摘の高齢者居住安定確保法でございますけれども,これつきましては高齢者に限定されてしまうといったようなこともあるかと思いますけれども,一度検討させていただきたいという風に思っております。
◆委員(佐藤和夫)
是非前向きに検討を進めていっていただきたいと思うんです。それほど住居を確保するということは,ホームレスのみならず,例えば生活保護を受けている方についても大変重要な問題だと思いますので,引き続きまして,生活保護にかかわってのところでお尋ねしていきたいんですが,生活保護の方の住宅扶助にかかわるわけですけれども,被保護者が転居を申請した場合,認められる理由が確か13か14ぐらいあったという風に記憶しているんですけれども,例えば高い家賃の所から低い家賃の所への転居は認められている。しかし,その逆で今度は,どんな劣悪な住環境であろうと,安い所から高い家賃の所,たとえそれが住宅扶助の基準内であっても一般的には認められていないというのが現状です。あるいはまた,夫の暴力が原因で離婚した母子世帯が,引き続き前夫から復縁を迫られて,ドメスティックバイオレンスを受けていると,そのために前夫との結婚生活で最終的に住んでおった所から転居を希望するような,そういう母子世帯の転居申請についてはそれが認められてないとか。それから,要するに転居を認めるその14の項目の中に該当するものはないということで,却下される,あるいは相談に乗ってもらえないというケースが,私も経験しておるわけでありますけれども,そういう事例があります。
それから,生活保護の申請に当たって,住宅の不正入居者,不法占拠者という風にレッテルを張られて,福祉事務所の方針として,これちょっと福祉事務所の,行政区の名前を出すのはここは差し控えますけれども,福祉事務所として,過去に暴力団などの関係者などの公営住宅などへの不正入居があったということを理由に,正規の入居者でない人については生活保護の申請は受け付けないんだという,このスタンスを対外的にも公言している,そういう所ですけれども,不正入居者,こういう風にレッテルを張って受け付けないと。
しかし,私もその不正入居者と言われた方の色々話を聞いてみますと,公団住宅が社宅代わりに使われていたと。もちろんそれ自身は,対公団住宅との関係では目的外使用なわけですけれども,経営者が倒産して夜逃げしてしまった。残された従業員は生活に困窮して,思いあぐねて福祉事務所に相談に行ったと。ところが,あんたは不法占拠者やと,だから,そんな刑事罰の対象になるような人の所には生活保護の申請はさせないというのが当福祉事務所の方針なんだという形で門前払いを受けている。
あるいは,土建会社の飯場に住み込んでいた賄いの老夫婦なんですけれども,御多分に漏れず,今日びの不況の中で土建会社が倒産すると。その飯場及び敷地自身が債権者からの立ち退きを求められていると。したがって,こういうようなケースの場合は住宅の名義人本人としての家賃証明が大体上がらないわけですね。そういうことをもって,申請権はないんだと。
これまでにも,この委員会で何度か理事者の方が,本来住所のない人には生活保護の申請権はないんだという風におっしゃられた理事者の方もいますけれども,しかし,そういう形で門前払いをしていくところに今日のホームレス問題などの背景の一つがあるんじゃないかという風に私は思うんですけれども,こういう事例をベースに考えていきますと,法的には住所不定扱いされる,こういう事態が,逆に言えば,今起こっているホームレス問題などの新しい社会的な現象の中で,ホームレス問題に真正面から取り組めない,硬直した生活保護行政の運用の実態があるんじゃないかなという風に思うんですが,その辺はちょっといかがでしょうか。
◎社会部長(西村京三)
飽くまで生活保護につきましては全国一律の基準で運営をしていく,実施をしていくということで,非常に詳細にわたる実施要領が示されておるわけでございます。
例えばドメスティックバイオレンスを受けた母子世帯というような話でございますけれども,いろんな形でのそれ以外での対応ができるかという風に思っております。例えば母子寮に入っていただいて,その後,生活保護を受給していくということも可能でございます。
また非常に劣悪な住環境であって,例えば病気の療養所の環境が悪いというようなことでありましたら,また転居も可能でございますし,いろんな生活保護の実施運営の上におきまして,個別ケースで対応が可能な部分がかなり多いかという風に思っております。
その飯場での生活保護の適用ということでございますけれども,やはり仕事をするために一時的におられるというのが飯場という風に思っておりますので,やはりここを住居と見て法の適用をしていくといったようなことは非常に難しいであろうという風に思いますし,違法に住居を占拠しておられる方を,いわゆる法律で,生活保護で保護をしていくというのもいかがなものかという風に思いますので,この範囲についてはやむを得ないかという風に思いますけれども,個々具体例に沿って,現実に各福祉事務所でしかるべき対応がなされておるという風には思っております。
◆委員(佐藤和夫)
ドメスティックバイオレンスを受けているその女性,母子寮があるじゃないかと。だけど,母子寮に入所する場合には,例えば家財道具一式持ってというようなことは普通ないんですよ。文字どおり駆け込み寺的に,身の周りの最小限の物を持って,子供と一緒に避難するという,そういうケースですからね。ですから,生活保護での転居とは全く違うんですわ,概念が。その辺を意識的にずらすというのは,ちょっと西村さんとも思えへんずるい逃げ方やなと,はっきり言ってそう言いますわ。
それから,飯場は働く場所の所であってそこは住所ではないんだと。それはそうですわな,飯場ですもん。寄宿舎の延長線上だといえばそのとおりだと思うんですよ。だけど,その人自身が行き先がなくて,そこを現在所として生活保護を申請することができるんと違いますかと。その結果,実態を調査する中で,いや,これは駄目です,却下ですと,これはいけますと,そういう風になるんじゃなしに,もう駄目ですと最初から言うわけでしょう。それでいいんですかということを聞いてるわけですよ。
だから,この間,私どもが取り寄せた資料で見ますと,相談件数に対しての申請件数,申請を受理した件数というのはずっと傾向的に下がってきていますよ。相談件数はずっと上がっていくわけですよ,この不況の中で。このギャップは何なんですかという風にやっぱり言わざるを得ないですよね。そこに,福祉事務所の所でもって,水際でもってはじこうという意識があるんじゃないですか。僕はそこを言っているわけですよ。ホームレス問題のバックグラウンドにはこういう問題があるんと違いますかと。
では,引き続いてもう一つ,時間の関係がありますのでお聞きしますけれども,今そのケースワーカーの方の,いわゆる面接指導員の方の一番の仕事は何なのかといったら,稼働年齢層の稼働能力を発揮させるためにいかに指導を指示するのというところに尽きるんだという風に言われているとお聞きしております。今,何だかんだ言っても生活保護の絶対数が増えてきている中で,1ケースワーカー当たりで80という,この目安のケースを,これはもう,ちょっとこの枠を踏み出していって,個々のケースに対応し切れへんという事態が起こっているんじゃないかと思うんですが,これ以上1人のケースワーカーにケースを持たせていった場合に,文字どおり法の求める親切な相談というのはもう期待できなくなってしまうという風に思うんですが,その点はいかがかと。
私,一番問題だなと思うのは,先ほど言いましたように,稼働年齢層の稼働能力をいかに発揮させるのかというところに観点が絞られてきますから,抱えているケースの中で,安否確認など不要な稼働世帯には濃密に訪問する,その一方では,相談相手を求めているような高齢世帯の所にはほとんど行かないと,こういう現象が今起こっているんと違いますか。僕はこれはやっぱり問題だと思うんです。法の本来求めているところの人権をどう守っていくのかという観点に立つならば,ケースワーカーのこの人員増が必要だと思うんですが,そういうお考えはございませんか。
◎社会部長(西村京三)
福祉事務所におきますところの生活相談の件数でございますけれども,やはり経済不況も反映致しまして,着実に件数としては増加を致しておるというところでございます。ただ,これと直ちに生活保護の申請の受理件数とをリンクさすということにはならないという風には我々も思っております。この中には生活相談ということでございますので,保育所入所,あるいは以前でしたら特養への入所等の,あらゆる範囲での生活の相談も面接相談で受け付けておりますので,その件数は入っております。ただ,他の都市と比べましても,本市は独自に面接相談員を配置致しておりますし,充実した相談ができておるのではないかという風に思っております。
やはり,どう言いますか,簡単に制度の説明もせずに受理を致しますと,直ちにケースワーカーが各種の調査を行いますので,やはり資産が出てきたりして却下されるというようなケースも従来非常に多かったというようなこともございますので,一定申請段階で相談を十分にお受けして,制度の適用の必要な方について申請の援助をしていくということはやはり必要であろうかという風に思っております。なかなか生活保護を,困れば受けられるという風には皆思っておられるわけでございますけれども,やはり持っておるところの資産とか,あるいは能力の活用という風について十分御存じないケースもございますので,その辺の相談については十分丁寧にやらせていただいております。
ケースワーカーの稼働年齢層の指導が重点だということも事実でございますけれども,やはり個々のケースにつきまして,ケースワーカーは80ケースを基本として持つわけでございますけれども,この中で訪問回数について国の指導でランク付けをすると。毎月の方もあれば,3箇月に1回の方もあるし,6箇月に1回訪問する方もある。そういった中で訪問の適正率といったようなものを出しておりますので,十分コントロールされた中で訪問指導が各世帯について必要な回数なされておるという風に思っておりますので,稼働年齢層だけに偏っておるという風には思っておりません。
人員でございますけれども,非常に人員体制の厳しい中でずっと80対1のケースを守っていただいております。これについては,我々も堅持をして参りたいという風に思っております。
それと,先ほどずるいという発言がございましたですけれども,母子寮から転居をして生活保護で適用する場合については家財道具一式も面倒を見るわけでございますし,ただ,ドメスティックバイオレンスにつきましては,最近,近年話題になってきたという中で,国が転居の事由には直ちに当たるかどうかということについてはまだ判断をしておらないという状況でございますので,それ以外の14の転居のための要件に合致すれば転居できるわけでございますけれども,その中の運用で対応して参れればという風に思っておるところでございます
平成13年 3月 建設消防委員会(第13回)-03月16日−13号
◆委員(佐藤和夫君)
3点目は,厚生省の方が,ホームレス対策との関連で公営住宅を活用していくんだということを決めて,全国の自治体の方に下ろしたということですが,本市の方は,保健福祉局とこの点に関してはどのような協議を進めておられるのか。従来の福祉目的の枠当てをどのように増やそうとしておられるのか,その辺についてお聞かせください。
◎住宅部長(岡崎和夫君)
それから,ホームレスの対策について局と協議をされたかどうかということなんですが,最近は,そういった話というのは具体的にはちょっと聞き及んではおりませんが,いろんな観点で,公営住宅について目的外の使用の話について色々検討した経過がございます。先生の方からも御指摘がありましたように,公営住宅の公募については10倍を超える倍率があるということで,我々と致しましては,本来のこういった公募をきちっとやっていきたいという風に考えております。
◆ 委員(佐藤和夫君)
それから,もう一つは,今後,こういう空き家整備を進めていく際にも,全体としての公営住宅にお住まいの方々のコミュニティをどう形成していくのかという観点が重要になってきてるという風に思うんです。厚労省が今回,ホームレスの方で一時宿泊施設などで一定期間収容された方が,そこを退所するに当たって住居が確保されていないということを理由に生活保護を打ち切るんではなくして,公営住宅につなげていくことも含めて,そういう自立に向けてのバイパスを作っていくことが必要だという形で,公営住宅の果たしている福祉的な役割を更に一層注目するという政策が打ち出されているわけですから,そういう全体のニーズの高まりの中で,本市は市営住宅の空き家整備についてのペースがダウンしていくということは,やっぱり由々しき問題ではないかと。全体としてここで目標が達成されるんだということですが,実際はそうじゃなしに,空き家は増えてきていると違うんですか。1,000戸ずつやってるにもかかわらず,1,000戸目標自身が完全達成されていない中で,空き家それ自身は増えてきているんじゃないですか。その点はいかがでしょうか。
◎住宅部長(岡崎和夫君)
最初の方のストック活用の話なんですけれども,これは御案内のように,このストック総合活用計画につきましては,今まで京都市につきましては,公営住宅の維持管理なり保全等につきましては,建て替えを中心にやってきたということでありますけれども,昭和40年代,あるいは50年代前半に掛けて建設されました住宅が5割を超えると,こういった状況を受けて,今までやってきましたその建て替えだけの手法では対応できないということで,全面的な改善,あるいは個別の改善,こういったものも加味しながら,法定の耐用年数まできちっと使用していこうと,そういった観点でやっております。
併せて,量をどのようにして増やしていくかということでありますけれども,その中には,建て替えについても全くやらないと,こういうことではありませんで,現に桜島,あるいは嵯峨団地も今手を掛けているわけですけれども,そういった事業も併せて継続してやっているところでございます。
それから,公営住宅の役割は大切であるということで,これは御指摘を待つまでもなく,公営住宅の役割については,住宅に困窮する低所得者に対しまして低廉な家賃で住宅を確保すると,こういったことでございます。修繕の戸数が減っているんではないかということなんですが,確かに先ほども言いましたけれども,法改正によりまして一時期どっと増えた空き家なんですけれども,少しずつ減っていく傾向にはございます。我々と致しましても,平成10年度に計画を立てて,全くゼロということにはなりませんので,500戸ないしは600戸ぐらいの空き家の戸数になるような,水準になるようなそういった計画を立てて,計画的にその空き家整備についてはやっているということで御理解をいただきたいという風に思います。
平成13年 3月 厚生委員会(第11回)-03月15日−11号
◎企画部長(山本巌君)
厚生委員会に付託されました保健福祉局の議案について御説明をさせていただきます。13年度議案と致しまして,議第32号から38号まで7件の議案でございます。お手元の資料にございます議案一覧に基づき,要点を御説明させていただきます。
まず,議第32号中央保護所条例の一部改正につきましては,昨年6月に実施しましたホームレス実態調査の結果を受けまして,入所定員を30名から50名に拡大しようとするものでございます。
◆委員(倉林明子さん)
今度の定数改正ということですけれども,実際現行の定数は30名ということになっていますが,現状での受入れ状況がどうなっているのか,常時の最大受入れ,また年末年始は別途の受入れをされておりますが,そのときの最大受入れ,この人数について,まず御説明を願いたいと思います。
と同時に質問しておきますが,本来のこの中央保護所の目的である自立更生に至った件数は過去5年で結構ですが,何件あったのか。
また,女性の野宿者が大変増える状況にありますが,年末年始以外で厚生施設としての対応などは検討されているのかどうか,いかがですか。
◎社会部長(西村京三君)
中央保護所の現状でございますけれども,実質現在予算定数として,平成12年度から42名という形で対応致しておりまして,ほぼそれに近い方々を入所していただいておるという状況でございます。
年末でございますけれども,昨年末から今年の1月に掛けては152名の入所をいただいたということでございます。
自立更生の件数でございますけれども,直接中央保護所で自立支援事業等で対応させていただいた件数については,4名から5名程度であったという風に記憶を致しております。こういった事業を直接取り組みましたのは,まだここ2年ほどでございますので,件数としてはそれほど挙がっておりません。
女性の年末以外の対応でございますけれども,基本的に中央保護所では女性対応が実質困難であるという中で,婦人相談所等,京都府の施設でございますけれども,対応をお願いしておるという状況でございます。
◆委員(倉林明子さん)
体制や環境面ということを考えますと,現状の枠のままで定数を拡大するということになるわけですから,当然中央保護所の負担は大きいと思うんですね。
ただ,ホームレスがこれだけ増加している実態から見て,応急処置としてはやむを得ない対応だと思っています,基本的には。
ただ,本来中央保護所が果たすべき自立更生という役割からいうと,対応されているのが4名から5名ということですが,実際にこの中央保護所から自立につながっていったというケースは極めて少ないんじゃないかと思うんですね。
実際,今の中央保護所は1週間程度の一時緊急避難施設的な役割しか果たせてないと思うわけです。やっぱり本来の自立更生を考えることが大変重要だと思うわけですが,この定数拡大に伴って,こうした自立更生へ向けての支援,この枠についてはどのようにお考えですか。
◎社会部長(西村京三君)
今年度は平成13年度の予算でも御審議をいただいておるわけでございますけれども,新規事業として,生活保護の就労支援ということで,嘱託の2名の確保をお願い致しておるわけでございます。
その方々につきましては,具体的な運用については今後更に詰めていく必要がありますけれども,ホームレスの方々に対して,求人情報等を提供したり,あるいはまたハローワーク等へ同行したりとか,そういった形での自立支援を図っていくということでございますので,こういった嘱託も活用する中で,しかも1週間ということではなくして,そういった自立の可能性の高い方々については,従来から行っておりますけれども,一定の期間入所していただいた中でそういった対応をしていきたいという風に思っております。
◆委員(倉林明子さん)
本来この中央保護所で一時避難だけでなくて自立更生の役割が果たせていく,こうした機能の強化が一層求められると思うんですが,一方こうして緊急避難的にもこたえて,定数枠をいっぱいいっぱい拡大しながらこたえていかざるを得ない,そういう意味ではほぼ限界に達してきてると思うんです。
本来こうしたホームレスの方々が発生しないよう,国や京都府が責任を持って雇用対策,景気対策をしっかりしてもらう,これ原則だと思うんです。ただ,現状ではこうした野宿者,ホームレスの方々がたくさんおられるわけですから,本当にここを保護し,更に自立更生へという点での京都市の役割はとても大きいと思うんですね。
そこで,自立更生についても,就労支援事業を活用しながら働き掛けをしていくんだということですが,実際ハローワーク等に行かれても,就労につながっていく,また自立につながっていく,なかなか大変だと思うんですね。
現状では,ほんまに出口がないと。中央保護所から先,その先が問題になってこようかと思うんです。1箇月2箇月就労できたと,アパートの支度金も出来たというところまでいって自立につながっていけば一番ですけれども,本当にそこが大変だと思います。
そこで,3月2日ですか,厚生労働省が改めてホームレスの救済策ということで,具体的な方針を出されたということが新聞報道にありました。この具体的な中身というのは,自立支援センター,中央保護所もそういった役割を果たしていようかと思うんですが,退所後に就職先が見つからなくても,保護要件に沿えば積極的に生活保護を適用し,公営住宅などへの入居を促進する。これは大変画期的な方針だと思うんですが,これは全国の自治体の担当者会議で示したと伺っていますが,京都での具体化というのはどのように考えていこう,これからですか。
◎社会部長(西村京三君)
本市におきましては,従来からいわゆるホームレスの方について入所,また中央保護所への入所,それから病気等をお持ちの方については入院等で生活保護の対応を致しておったわけでございますけれども,引き続き,退所あるいは退院等の後も個々の状況によりまして,生活保護の継続が必要な方については保護の対応を考えて参りたいという風に思っております。
◆委員(倉林明子さん)
予算特別委員会の市長総括で,高木副市長も,退院時の引き続きの適用についても方針として徹底して参りたいと,このように答弁されたことは,本当にこれまでから大きく踏み込んだ御答弁であったかと思います。
今,西村部長も答弁ありましたように,保護の適用をしていくんだと,そういう御答弁でしたが,保護を継続する場合にも,問題となるのが居宅の確保,ここにあると思うんですね。民間の住宅であれば保証人が必要になるといったことが,一歩大きな障害になるとも伺っているわけです。
そういう現状があるからこそ,今回の厚生労働省の方針というのが一歩その先を行く具体化だと思うんですが,その検討についてはどうお考えですか。
◎社会部長(西村京三君)
本市におきましても,民間住宅におきまして,必ずしも保証人を必要としない住宅もございますから,従来はそういった対応を致しておったわけでございますけれども,本市の市営住宅等の活用につきましては,今後関係局と詰めて参りたいという風に思っております。
◆委員(倉林明子さん)
本当に自立更生をしていく道を大きく広げていく,そのために生活保護で一時的に応援していくと。そういったつないでいくための生活保護の役割というのも,これだけの不況の中ですから大変重要だと思います。
今おっしゃられたように,確かに保証人の要らないアパート等も民間のところもあるとは伺っていますが,多くは保証人を必要とする場合が多いわけです。この保証人をどうやって作るかというところで言うと,大阪等で民間,公も出資して保証人制度を創設するというような動きもあると伺っていますけれども,そういった工夫と併せて,この新しい厚生労働省の具体的な方針を是非具体化してほしいと思うんですね。
市営住宅は確かに大変な順番待ちということで,厳しい,空きがほとんどないという状況ですけれども,改良住宅が一般市営住宅と同様の扱いになっていくという下で,本当に現状の空き家活用対策も含めて,是非今御答弁のあった,関係局との連携を強めて,一歩進めていただきたい,これは要望しておきたいと思います。
◆委員(西野さち子さん)
今の倉林委員に後少しちょっと付け加えたいんですけれども,女性の保護について,婦人相談所ということなんですけれども,今の状況では本当に足らないということもお聞きします。で,一部屋に何人も一緒に住んでおられるということもお聞きするわけですが,女性一人だけならいいんですけれども,子供連れの場合もあるということですね。ですから,もし子供さんが大きな男の子だったりすると,やっぱりほかの女性と一緒に同室で住まいするというのは,ちょっと問題があるのではないかという風にも思いますので,その辺の対策はどのように考えておられるのか,ちょっとお聞きしたいんですが。
◎社会部長(西村京三君)
家族単位で自立更生をされるという場合につきましては,母子寮が京都市内に2箇所ございますので,そういった対応を考えております。
◆委員(西野さち子さん)
そういう所もあるんですけれども,今それではなかなか数が足らないということもお聞きしますので,中央保護所で今回8人ということなんですけれども,やっぱりここには女性が自立していくということで,入ることはなかなか難しいので,その辺も是非対応していただきたいという風に思います。要望します。
終わります。
◆副委員長(椋田知雄君)
中央保護所の役割をはっきりしといてもらわないかんと思うよ。従来どおりの規則条例に基づいて,それを基にした増員なのか,それとも,現在このホームレスをはじめとするそうした多くの家を持たないというんでしょうか,野宿者というんでしょうか,ちょっと言葉はよく分からないんですけども,変な言葉を使うたら差別やと言われますから,その言葉も伏せて申し上げておきたいんですけど,その辺の,一体この中央保護所にはどういう方を対象にして収容する,収容と言うたらおかしいな,収容や。をするのかということだけはっきりしといていただきたい。
ここへホームレスも入れるんだ,ほかの方も入れるんだという風なことになれば,こんなもん,こんな人数では足らないし,あの場所で木造建てでしょう。あそこの烏丸花屋町を西へ行った所ですね。違うんかな,間違うてんのかな。
そういう風なことも含めて,はっきりしといていただきたい。ここは何をする所かと。
◎社会部長(西村京三君)
中央保護所につきましては,生活保護法で規定をされております更生施設ということで,身体異常又は精神異常の理由により養護及び生活指導を必要とする要保護者を入所させて,生活扶助を行うことを目的とするということでございます。ですから,ホームレスの方も本来の対応でございます。
で,今回の30名から50名ということにつきましては,あくまで臨時的なということではなくして,国の方とも協議をしたうえで,正式に50名の定数にするということでございます。
◆副委員長(椋田知雄君)
申し訳ない,一言だけ。もう終わりますわ。
僕はホームレスの方は期限切れないんですわ,行くとこないから。ずるずるっと長く住んでいかなきゃならない現状ですわ。就職あっせんに致しましても,いろんな所で仕事をしながら駄目になってしまった人がほとんどなんですわ。非常に時間の掛かる対象者なんです。
だから中央保護所での現在の条例や規則では,私は対象にならんと思うんです。ホームレスはホームレスとしての方々の対策は別に設けるべきであると。私はこのように理解を致しております。
終わります
平成13年 3月 普通予算特別委員会(第2回)-03月14日−02号
◆委員(西野さち子さん)
本来,ホームレスの人には生活保護をすべきでないというような答弁が委員会の中でも局長によって行われました。このことは,本当に問題ではないかと思います。
今,この不況の中で,京都市の中心部においても,この寒い冬の中でホームレスの方が何人京都市内中心部でも亡くなられたか,市長は御存じでしょうか。また,この不況の中で仕事を失って,相談に行っても生活保護が受けられないということで自ら命を絶たれた方が何人おられるか,このことを御存じでしょうか。
少なくとも,先ほど申し上げましたけれども,その課長会議の通知,これを徹底していく,このことが今必要ではないかと思いますが,いかがでしょうか。
◎副市長(高木壽一君)
生活保護の,特にいわゆるホームレスと呼ばれている方々の生活保護についてでございますが,方針として申し上げますと,それぞれ福祉事務所で十分な相談に乗り,それぞれの方々の事情を十分にお聞きしたうえで,例えば中央保護所への入所でございますとか,あるいは,健康上の問題がありますときは入院でございますとか,そういうこと,特に入院に関しましてはもちろん保護をしないとできませんので,医療保護の適用をする,そういうこと,さらには病院から退院をされましても,その後の生活等の状況もございますから,引き続いて生活保護を適用していく,そういうことについて十分注意深く,よく相談に乗って適用していくように方針として指示して参るつもりでございます。
◆委員(西野さち子さん)
今現在では,退院したら本当にすぐに生活保護が切られるという状況があります。これはやっぱり今副市長がおっしゃっていただきましたように,このことを是非守っていただきたい,進めていただきたいと思います。
平成13年 3月 普通予算特別委員会第2分科会(第6回)-03月08日−06号
◆委員(小川ひろき君)
皆さん,おはようございます。御苦労様でございます。
初めに,生活保護就労支援事業,これ,新規700万円とありますが,特に住所を有しない生活困窮者対策についての具体的な内容をお聞かせいただきたいのと,それと併せて,福利事業のところですね,住所を有しない生活困窮者緊急福利対策,前年度は400万円,本年度は3倍の1,200万円という風になっておりますが,この2点について,具体的に内容をお聞かせください。
◎社会部長(西村京三君)
まず,生活保護の就労支援ということでございますけれども,13年度,新規ということで700万円,御指摘のように付いております。これにつきましては,ホームレスの方の実態調査を昨年の6月に実施させていただいたわけでございますけれども,やはり仕事を希望される方が非常に多いと。基本的には,就労事業ということについては国の施策になるかという風に思いますけれども,京都市と致しましても,そういった支援をできるだけやっていきたいといったようなことで,ハローワーク等の経験者でございますね,そういった方々を嘱託員として2名雇いまして,雇用に係るところの専門的な指導あるいは助言,それから,ハローワーク等への同行,それから,いろんな求人情報等の収集,それから,そういった希望される方への提供等を行うということでございます。もってホームレス,あるいはまた被保護者の方の自立の支援を図っていきたいという,そういう事業でございます。
もう1点,御指摘の住所を有しない生活困窮者の緊急福祉対策ということでございます。12年度につきましては400万円,これを13年度で1,200万円ということでございますけれども,これは,12年1月末まで2日に1回パンと牛乳をお配り致しておったわけでございますけれども,1人当たり2日に1回ということで,実際は毎日下京福祉事務所で配っておったわけでございますけれども,非常に6月の調査でも十分な食を得ていないと,食事を取れていないといったような調査結果が出ておりますので,毎日1回パンと牛乳が支給できるようにということで,本年の2月から補正予算も組んで実施しておる,それの通年化した金額でございます。よろしくお願い致します。
◆委員(小川ひろき君)
ということは,そういった方がかなり増えてきているというのも一因だと思います。
それで,先ほど昨年に実態調査を行われたという風に御答弁がありましたが,その調査の内容なんですが,例えば,一概にただ住所を有しない,ホームレスの方といいましても,個人個人で色々な諸事情があると思うんです。本当にどうしようもないという方も当然おられますし,その中には結構,本来は何とかなるのに若干無気力に支配されておられる方とか,余り努力をされない方とかいうのも中にはたくさんおられると思うんです。ただ単にホームレスの方といっても,中には本当にいろんな,様々な方がおられると思うんですけれども,その辺について,例えば,その方の元々本籍地はどこであったか,どういう事情でこうならざるを得なかったのかどうか,その辺まで本当にきちっと調査をしていって,怠け者と言ったらあきませんけど,本当に無気力なだけで,ああいう所で,庁舎の周りにもたくさんおられますけど,まだまだ十分やっていけるというような余裕のある人でも,そういう所におられる方というのはたくさんおられると思いますので,その調査というのを一体どれぐらいまでやっておられたのか,ちょっと詳しく内容をお聞かせいただけますか。
◎社会部長(西村京三君)
調査につきましては,目視調査,つまり目でどこにどれだけの方がおられるか,性別,それから場所等でございますね。それともう一つ,下京の福祉事務所でパン,牛乳等を支給しておるわけでございますけれども,そこに来られる方105名につきまして,聞取調査をさせていただいた。内容としては,年齢とか,あるいはホームレスをしておられる期間,あるいは前のお仕事,それからホームレスになるに至った原因と,それから現在どこにいるか,食事とか体調,かなり詳細な聞取調査をさせていただいております。
先生御指摘のように,ホームレスの方につきましては,国の方でも3つの類型に分けておりまして,勤労意欲はあるけれども失業状態にある者とか,あるいは,医療,福祉等の援護が必要な者,それから,おっしゃったような社会生活が十分できないといいますか,拒否する者,そういった大きな類型に分かれるという風な形で,それぞれに合ったような対策を展開していかなければならないということで。
ただ,失業を原因としてホームレスになられた方がこの聞取調査ではやはり8割もおられますので,やはり1年未満ホームレスをしておられる方が57パーセントほどおられると,そういったような中で,なかなか仕事が見付からないということが一つの大きな原因であろうかと。以前数十名程度おられたホームレスの方というのは,どちらかというと十分社会に受け入れられないといいますか,そういった方々が多かったと思いますけれども,今はやはり,経済の非常な不況といいますか,先行き不透明な中で,やはり仕事があれば働きたいという方が非常に多くおられるという中で,そういったような就労支援も実施していきたいという風に思っておる次第でございます。
◆委員(小川ひろき君)
ありがとうございます。そうしたら,1点,じゃあ,今の時点において,市内に大体何名ぐらいおられるんでしょうか。
◎社会部長(西村京三君)
昨年の6月14日に各福祉事務所,それから本庁で調査班を編成して調査致しまして,市内で492名という数字を確認致しております。
◆委員(小川ひろき君)
ありがとうございます。
それと,それだけ多くいらっしゃる方で,皆さんもよくよく御承知のとおりだと思うんですが,この庁舎の周りにでもたくさん今おられますし,新京極の所に,昔花月があった所の裏手辺りに公園があるんですけど,あそこも夕方になりますと結構いろんな所からバーッと集まって来られまして,それで,何をしていらっしゃるかといいますと,当然情報交換とかもあるでしょうけれども,ビールとかお酒とかを持ってきて,おまけにほかほか弁当とかローソンとかへ行って,いっぱいおつまみ買うて来て,みんなで宴会やっておられる方とか,結構おられるんです。
僕,ここで,実は,こんなこと言ったらどうかと思うんですが,ちょっと何回か寄せていただきました。一緒に飲んではいないですけど,寄せていただきまして,そうこうして,いろんな話を聞いておりますと,やっぱり正直言いまして,本当にどうしようもないというような方というのは少ないように思ったんです。結構毎日酔っぱらっておられますし,あれだけ元気に走り回っておられますし,今,例えば,元々障害を持っておられる方とかでも,一生懸命いろんな仕事のできる所を探して,月1万円でも2万円でも仕事させてもらえるのやったら一生懸命やりますという方たちがたくさんおられる中で,親からいただいた五体満足のしっかりした体を,ああいう風に毎日酒盛りしてやっておられる方というのは,ちょっと僕はまずいんじゃないかなという風に思います。
ただ,ああいう方にも人権があるとかいうことで,当然人権はあるんですけど,何でもかんでも人権でということになりますと,例えば庁舎とかでも,ここの周りに夕方ぐらいから,僕らでも,帰りしなに出ますと,鼻唄を歌いながら,ビールを飲みながら,段ボールハウスを作っておられる方とかが結構おられまして,何か気楽に生きておられるのやなという風に正直思うところもたくさんありますので,本当に,国全体の今の社会情勢も当然あると思いますけれども,一生懸命働いておられる方もいっぱいおられるわけですから,その辺りは,行政がどうしても助けなくてはならないという方と,そうではない方とをはっきり区分けといいますか,してやっていかないといけないという風に思います。
それと,正直申しまして,今,よくよくご存じでしょうけど,例えば橋の下とか,いろんな所に段ボールとか,そういうなんで立派な,あそこで十分住めるなというようなもんまで建てておられるんですけれども,丁度,桝本市長も観光客5000万人構想を打ち出されたところで,しかも,そういった方たちって,やっぱり公園,例えば川とか,こういった所でも,子供さんとかも結構行かれる所なんで,別に何もされないとは思うんですけれども,そういうなんも非常に危惧しておられる方たちもたくさんおられますので,これにはもっと調査をきっちりしていっていただきたいと思います。
それと,それについて1点お尋ねしたいのは,まず,この庁舎だけで言えば,この方たち,基本的にあんな所に作ったらあきませんよね。先日も消防局の方に対して,もし夜に火とかザーッと付けられたりしたら,燃えるもんばっかりですから,それも非常にもし大ごとになったときとかいうのも危ないわけで,強制的にというのはなかなか難しいと思うんですが,例えば,ちょっとここにはこういうのを建ててもらって寝てもらったら困りますよとか,そういうことは局としては何かされているんでしょうか。
◎社会部長(西村京三君)
先生御指摘のような現象が確かにあるという風には思っております。ただ,非常に仕事が見付かりにくい,ホームレスの場合,職安なんかへ行きましても,なかなかそう簡単に,特殊な技能のある方は別でございますけれども,ほとんどの方が建設現場等で単純労働をしておられた方ですので,一定の年齢になられると,本気で働く気があってもなかなか採用ができないというような方々がほとんどでございます。
そういった中で,冬場,弁当,酒なんかも,買ってくるということではなくして,ごみ箱の中からということで拾い集めてきたようなものでやっぱり暖を取られているというような状況はあるだろうという風には思っております。できる限りそういった方々については,早期で立ち直っていただくというか,自立していただくような支援はして参りたいという風に思います。
ただ,河川なんかにおられる方は,我々の福祉施策は求めてこられない方々がほとんどでございますので,また河川管理とか,そういった部分での対応が必要になってくるのかと。庁舎の部分につきましては,我々としては,なかなか雨露等を非常にしのぎにくいような状況もありますので,その辺は一定の配慮をしていただければというような風には思っておりますけれども,とりあえず今,庁舎管理の関係で,我々局としては排除をお願いしたいという形は取ってはおらんという状況でございます。
◆委員(小川ひろき君)
僕も,僕がそうであれば,さあ,ここはあかんとこですから,さっさとのいてくださいとかいうのはなかなかね,それは非常に言いづらいことやと思うんですけど,いけないことはいけないわけですから,しっかりやっていっていただきたいと思います。
例えば,先日も消防局で言いましたけど,あんなもん放火されて,しかも庁舎建設なんかできないような状況に今なっているわけですから,そんなんでバーッと燃えてしまったら,しかも古い建物やから,とても大変な問題になりますので,言いづらいことでしょうけど,頑張って取り組んでいただきたいという風に思います。
◆ 委員(西野さち子さん)
私は,まず初めに,ホームレスの問題について,お尋ねしたいと思います。午前中にも小川議員の方から問題提起があったわけですけれども,私の場合はちょっと角度は違います。小川議員の指摘は,ちょっと私はおかしいなという風な問題意識を持っておりますけれども,私の立場で,考え方で進めさせていただきたいと思います。
昨年の6月に京都市がホームレスの実態調査を行われました。結果は,約500人の目視があった,確認されたということでしたけれども,実際には,色々なボランティアの方々のお話をお聞きしますと,800人から1,000人は,少なくともそれぐらいはおられるのではないかというお話もあります。そういった中で,京都市の調査だけでも約500人というのは,全国でも7位なんですね。これほどのたくさんの方が今ホームレス,どんどん増えていっている状況にあります。
この調査の中では,1年未満にホームレスになられた方,そういった方が57.1パーセントもおられる。そして,先ほど部長もおっしゃっていましたけれども,その原因が失業だということ,そういった方が82.5パーセント,年齢にしても,かなり高齢者が多くなっています。平均年齢が54.3歳,50歳以上が71.4パーセント,こんな状況になっているわけです。食事の状況も,1日2食以下の人が65.7パーセント,体調の不良を訴える方が52.4パーセント,こんな状況なわけです。この冬の寒い中で,こういった方が外で住んでおられるわけです。雨露をしのぐのは,本当にさっきもおっしゃっていましたけれども,この市庁舎の屋根の下だとか,段ボールだとか,そういったことでしかないわけです。
これに対して,調査結果を受けて京都市は,今年の1月から,さっきもおっしゃっていましたけれども,今まで2日に1回だったパンや牛乳の支給が毎日になるだとか,また,中央保護所の人数,42名から50名に増やされるとか,また新しい施策も立つ,生活保護就労支援,宿泊援護による自立支援,こういった2つの施策を増やされました。これ,本当に大歓迎です。いいことだと思いますけれども,その一方で,生活保護さえ受けられていたらホームレスにならずに済んだ方,たくさんおられます。また,命を救うことができたのではないかなと思われるような方,たくさんおられます。本当にやり切れない思いをする悲劇がいまだに後を絶っていないのも事実です。
こういった中で,私,一つお聞きしたいんですけれども,12年度で結構ですけれども,これはホームレスの方だけとは限らないわけですけれども,行旅病人,行旅死亡人,一体何人だと把握されていますでしょうか。
◎社会部長(西村京三君)
行旅死亡人の対応につきましては,法律等で区役所の管轄になっておりますので,我々としては直接は把握は致しておりません。
◆委員(西野さち子さん)
区役所の管轄だから本庁は知らないというのは,ちょっと無責任ではないかなと思います。是非つかんでいただきたいんです。やっぱり京都市の中で起こっていることですから。私は,お聞きしたところ,最低でも14人というような数字,これ,お聞きします。こんなにたくさんの方が京都市の中で昨年1年だけでも亡くなっておられるわけです。だから,やっぱりこれはしっかりと把握していただきたい,そう思います。この寒い冬の中で路頭に迷われて,雨露をしのげずに亡くなっておられる,このことを聞くだけで本当に胸が痛みます。
やっぱり,まず第1には,雨露をしのげるしっかりとした住む所,これを確保することが今必要ではないかなと思います。中央保護所に今もし入れても,抽選でなかなか入れないという話もありますけれども,1週間しか入れないわけです。1週間の間に仕事を探そうと思っても,この状況の中で,普通でもなかなか1週間では探せません。ちょっとお聞きしますと,1週間しか入れないのだから,本当はちょっとでも入りたいんだけれども,1週間たって仕事がなくて,またホームレスに戻ったときに,今まで自分が寝ていた,その寝場所が人に取られてしまっていたのでは,また探さなあかんということで,これでは不安で保護所にも入れない,こんなお話も聞くわけです。
京都の調査では,ホームレスの方が要求しておられる,その希望なんですけれども,これが,仕事を探してほしいという方が50パーセントを超えているわけです。施設も含めた住所がほしい,そういう方が34パーセント,食糧援護の充実が28パーセント,こういったことになっています。本当に働きたいけれども仕事がない,仕事を何とか見付けてほしい。ところが,住所がなければ仕事が見付かりません。こういった状況を今どのように感じておられますか。
◎社会部長(西村京三君)
ホームレスの方々の就労の支援ということでございますけれども,基本的には,やはり失業者の方がホームレスに一定なっていかれるというデータもあるわけでございますから,やはり国のこういった失業対策というのが基本であろうかという風には思っております。我々と致しましても,やはり現実にこういった状況があるという中で,先ほど先生おっしゃいましたような緊急の福祉対策に合わせまして,こういった保護施設の定員増,それから,またその中に入られた方々に対する就労の援助,そういった形で,今年度よりも充実した形で対応して参りたいと,そういうことでございます。
◆委員(西野さち子さん)
バブルがはじける前ならまだしも,今のこの不況の中で,本当に一般の人でもなかなか仕事が見付からない,こういった状況にあるわけです。今も部長おっしゃいましたけれども,国の施策としてこれを進めるべきだという風なことをおっしゃいますけれども,それでは本当に足らないと思うんです。足らないというか,不十分だと思います。やっぱりこの京都市の中で起こっていることは,国ができないこと,不十分なことはやっぱり京都市がカバーをしていく,このことが本当に地方分権の意味があるんではないかなと思うんです。
やっぱり私,先ほども言いましたけれども,まず住所を確保して,そして仕事をきっちり探す,仕事を探して自立できるまで見届ける,ここまでのことがどうしてできないのかなという風に思うわけです。確かに予算を増やして,施策が前進してきている,このことは認めます。しかし,これだけで後は国でどうぞというようなことにはならないと思うんです。今年,新規に増やされています生活保護就労支援,先ほど午前中の答弁でありましたけれども,嘱託を2人増やされるということなんですけれども,たった2人で京都市の中のたくさんおられるホームレスの方に仕事をあっせんできるんでしょうか。
◎社会部長(西村京三君)
なかなか就労については,もちろん求人があって,それにこたえていくというようなことでございますので,また,年齢とか,あるいはどういった過去の職歴を持っておられるか,そういったことも勘案して御紹介をし,また,支援も,相談もしていくということでございますので,すべての方々に一度にということには当然ならないという風に思っております。
◆委員(西野さち子さん)
一度にすべての人という,そんなことは考えてないんですけれども,たった2人でなかなか回し切れないのではないかと思います。ですから,やっぱりすべての区役所,福祉事務所にまず1人配置をする,これぐらいのことはせめてしていただきたいと思います。そうでなければ,なかなかこの不況の中,本当に仕事を探すのは大変です。だから,やっぱりそこまでやる気があるんだということを見せていただきたいと思います。
この不況の中で,実際には,仕事をしておられた方も,失業して,家賃が払えずに追い出されて,ホームレスになられる,そういった方もたくさん出ています。結核になって入院しても,入院している間はとにかく住所があるわけですから,生活保護を受けられます。ところが,退院すれば,退院したらすぐ行く所がないのを分かっていても,生活保護を切られて,また元どおりホームレスになられる。こういったこともたくさんございます。それが原因で亡くなられた方も,京都市につい最近ございました。こういった方も実際に出ているわけですから,やっぱり住所がない,そういったことで生活保護を切っていく,このことは本当に問題があると思います。
住所がないことを理由に生活保護の対象から外すことは,本当に命にもかかわることだから絶対にやめるべきだと思いますけれども,昨年,厚生労働省から,昨年はまだ厚生省だったんですけれども,通達で,生活保護の運用について,働く能力や住所の有無を理由に生活保護から排除せずに,失業による困窮者も適切に保護するようにという風な通達が出されていますね。これについて,京都市はどのように対応されていますでしょうか。
◎社会部長(西村京三君)
本年また,3月2日にも,厚生労働省の生活保護関係の課長会,あるいは係長を対象にしたような会議がございまして,そこで,単にホームレスであることをもって保護の要件を欠くということではないと,居住地がない,あるいは稼働能力があることのみをもって保護の要件に欠けるものではないと,居宅のある方と同様の要否判定によって,生活保護の開始あるいは廃止等を検討せよという指示が出ておりますので,そういった形でもって我々も対応致しておるところでございます。
◆委員(西野さち子さん)
厚生省の指示の中では,自立支援センターも作って,その中で就労指導もしていくようにというようなこともありますけれども,この点については,京都市はどのように対応されるんでしょうか。
◎社会部長(西村京三君)
国の指示と致しましては,基本的に,保護施設又は自立支援センター等ということで,幾つか収容する部分,あるいは自立の指導をする施設というのはございますので,中央保護所というのはこの保護施設に当たりますので,ここを拠点にして,先ほど御説明致しました就労支援事業を転がしていく中で対応していきたいという風に思っております。
◆委員(西野さち子さん)
具体的に,その就労支援なんですけれども,1週間では仕事は見付からないと思うんですけれども,これで見付からなかったら,出て行きなさいということになりますか。
◎社会部長(西村京三君)
今年度,あるいはまた昨年度から,小規模ではありますけれども,中央保護所におきまして自立支援事業なるものをやっておりまして,そこで一定,1箇月とか,そういった単位でもって就労の可能な方について援助をしていくと,そういった対応もしておりますので,その辺の運用については今後検討して参りたいという風に思っております。
◆委員(西野さち子さん)
是非最後まで,仕事が見付かるまで何とか支援をするというような姿勢を見せていただきたいと思います。その辺はよろしくお願いします。
先ほど部長もおっしゃいましたけれども,生活保護の打切りについて,仕事をする能力があるんだから,体力があるんだからとか,住所がないからというようなことで生活保護を受けさせない,こういったことはもう駄目だという指示が出ています。このことをやっぱり福祉事務所の職員にまできっちりと徹底していただきたいと思います。職員の皆さんにしっかり徹底してこれを進める,そして,今,この不況の中で仕事がない時期ですから,保健福祉局が中心になって,主導権を取って,仕事を作っていく,公的な仕事も横のつながりを作って,作っていく,そういった主導権も取りながら,就労指導,就労支援していただきたいと思います。その辺の見解を一つお聞きしたいんですが。
◎保健福祉局長(井尻浩義君)
確かにホームレスの問題は非常に難しい問題でございます。仕事の機会を作れと,こうおっしゃるわけですけれども,保健福祉局として新しい仕事を作っていくというのは非常に困難かという風に思っています。これも,全体的には,社会の今の風潮といいますか,こういう社会情勢の中で生まれてきたホームレスというように理解しておりますので,やはり全体で考えていく必要があるんじゃないかという風に思います。
色々御意見が出て参りました。元々生活保護は,先ほど御指摘ありましたように,厚生省の指導に基づいて私はやっていきたいという風に思っていますが,本来は,やはり住所がない方に,本来ですよ,生活保護云々というのがほんまに正しいかどうかというのは,私,疑問に思っています。これは本来の話。しかし,今はそういう状況でないので,厚生省の指導を十分尊重していきたいと,このように思っています。
◆委員(西野さち子さん)
本来とかおっしゃっていましたけれども,行政が生活保護を打ち切っていくという,その行政がホームレスを作っていっているという現状も一方ではありますので,その辺はやっぱり,この不況の中だからこそ,公共事業,必要な事業を作って,仕事を,支援をしていくということも本当に必要ではないかと思います。
平成13年 3月 普通予算特別委員会第2分科会(第4回)-03月06日−04号
◆ 委員(小川ひろき君)
それと,次になんですが,火災予防というようなことで,市民への啓発も含めて,例えば火災の原因にはやはり放火というのが一番多いと思うんですが,それで,家の周りに,例えば燃えやすいようなものとか,そういうなんをできるだけ置かないようにとかいうことでしておられると思うんですけれども,この市役所,庁舎において,皆様はよくよく御存じだ思うんですが,周りにホームレスの方,たくさん,今,おられます。晩になったらおられますが,これは当然,そういう対策については,それ自体は保健福祉局の所管だと思うんですが,そういう家の周りに燃えやすいものを置かないという観点から,消防局として何か対策を打っていかないといけないんではないかなという風に思うわけです。本当に,これも基本的に人権があるのでとか,例えばホームレスの方で,放り出したりそんなんしてしまうと,これは,例えばマスコミとか,そういう方たちを支援しておられる,擁護しておられる方たちからギャーギャー言われることになりますので,それもまあまあ大変だろうとは思いますけれども,しかし,これは,もしあのようにダンボールばっかりいっぱいあって,火でも着けられたら,それこそホームレスの方も大変,命にもかかわる問題ですし,またこの庁舎も,建物自体も古いですし,非常に危険だと思うんですが,その辺りの局としてのお考えをお聞かせください。
◎予防部長(土居洋二君)
今,先生が御指摘になりました,建物周囲にはやはり燃えやすいもの等を置かないのが原則だと思います。事実,そういう形の放火が非常に多いのは間違いがありません。ただ,今,先生が御指摘になられました,例えば市役所周辺の問題,更には,いわゆる橋の下とか,そういう方で簡易に寝ておられるという方もおられます。その方を排除するというのは大変難しいかと思います。
ただ,とは言いながら,やはり放火ということを考えてみますと,若干危惧するところはあるんですけれども,私も,これは大変失礼ですけれども,気付いておりますし,特に夕方,6時ごろ行きますと,組立作業が始まっております。ただ,その中で見ますと,橋の下とは違って,日常的な生活はそこではないのかなと。例えば煮炊きの問題ですね。橋の下は結構煮炊きがあるんですけど,それによって火災が起きているんですけれども,あるとすれば,やはりそこの喫煙のたばこの問題があるのかなと,こう思っています。ただ,そういうことから考えまして,やはり何らかの指導はしていかんなんかなと,こうは思っておりますけど,ただ,大阪の市役所のああいうような事案から,京都市のいわゆる警備,巡回警備等も強化されておりますので,そういうことも併せて,今後ちょっと協議していきたいなと,こう考えております。排除というのは非常に難しい問題がございますので,その辺は市の総務局と調整というんですか,協議はしていきたいなと,こう思っております。
以上でございます。
◆委員(小川ひろき君)
今おっしゃられておるとおり,排除ということについては本当に難しい問題ですので,これは慎重に協議していただいて,でも,やはり昼間おられないのはそうなんですけど,大体,放火って,これだけ昼,人間いっぱいいるところで放火なんかする人間も,また,今いないと思いますので,もしされるんであれば,夜中とか,明け方とか,人のおられないときにされると思いますので,それはまた,もしものことがあったときには大変でございますので,排除しにくいということはよくよく分かってのことなんですが,それより,もっと大きいことに,事件になる可能性もありますので,前向きに頑張って取り組んでいただきたいという風に思います。
そうしたら,それぐらいにしまして,質問を終わります。ありがとうございました
平成13年 3月 普通予算特別委員会第2分科会(第2回)-03月02日−02号
◆ 委員(田中英之君)
丁度鴨川の所を通るので,帰りにずっと鴨川の所を見ていますと,ホームレスの方がようけ家みたいに作って,上手に作ってはるなと思いながら見ていたんですけれども,だんだんだんだん何かそのエリアが広がってきているという風にちょっと聞いていまして,そこ自体が実際,今建設局の方での所管の部分になるのか,ちょっと私自身分からないんですけれども,まず教えてください。
◎道路部長(奥野勘市君)
先生御指摘のホームレスの対策という実態でございますけれども,我々所管しますいわゆる河川敷本体は当然京都府の管理でございますけれども,それにクロスします道路,いわゆる橋りょうがございます。橋りょうは一応河川を占用しておりますので,条件で管理しなさいということになっていますので,橋の下は道路管理者も管理義務があるということで,今ホームレスについては,過去新聞もにぎわしていますけれども,我々も何回かは河川管理者とも一緒に,警察も含めて行っておりますけれども,なかなかやはり人権問題等々ございまして,入るのも限界があるということで,今ちょっと調査で新聞に出ていまして,橋りょうの下では182人という風なデータがあって,報告を聞いております。
そういうことで,今後やはりこれは全庁的な問題で取り組まざるを得ないのかなというのは私,今感じているところでございます。
◆委員(田中英之君)
色々人権の問題等もあろうかと思うんですけれども,近所の子供さんたちを持っているお父さん,お母さんもですし,子供さん本人たちもですけれども,やはり橋の下を通って行くということをちょっとこわがってはるという面も聞いていますし,また,私自身も電車で見させてもろうたときに,大阪ほどでもなかったですけれども,景観の問題でも,特に鴨川というのは京都にとっては大事な川でもありますし,そういう部分で,見た目もよろしくないなという風に思ったんでちょっと今聞かせていただいたんですけれども。
当然ながら,強制的にということはやっぱりちょっと僕も問題があるとは思うんですけれども,道路管理者として,ちょっとその辺を立ち入ってもろうて,今後の何らかの形でやっぱり対応していっていただいて,子供がこわがっているのがものすごく気になるんですわ。せやさかいに,その辺の対応をどういう風に,今後仮にされるとしたらされるかだけお聞かせ願えますか。
◎道路部長(奥野勘市君)
先ほども申しましたように,我々道路管理者としましては,いわゆる人的な立場でなくして,物を置いたりしている者に指導をしていくという一つの限定がございます。
そういうことじゃなしに,我々としましても,今の先生が御指摘のように,この実態というのは十分認識はしておりますので,全庁的に,他局を含めまして,保健福祉局も含めまして,区役所も入って,一度横の連絡を持った形でこれの対策というか,方向性を見出すようなことをせないかんかなという風に思っているところでございます。
委員(田中英之君)
本当に人権の問題とか,また景観の問題とか,いろんなことでそういう対応をしていかれるのは本当にしんどい部分,難しい部分があろうかと思いますけれども,前向きに,どういう形を取っていけばいいのかということを,きっちりと保健福祉とも連携されて対応していただきたいなという風に思いますので,お願いします。
以上で結構です。
平成12年 9月 定例会(第3回)-09月20日−04号
最後にいわゆるホームレスの人たちについて質問致します。最低限の衣食住を保障し、市民が文字どおり生きていける環境を確保することは基本的人権の根幹にかかわる問題であると思いますが、常々人権を強調しておられる市長としていかがお考えでしょうか。訪問活動の中で私が出会う人のほとんどは、仕事を紹介してほしいと言われます。ある日突然解雇でローンが滞り、背広姿のままホームレスになられた方もおられます。深刻な不況、リストラ、失業や廃業など仕事にかかわる原因が第一義的なものであるとともに、最後のより所でもある生活保護行政がこの間この人たちにどう対応してきたかということもまた背景の一つとして挙げられなければなりません。やっと実態調査も行われ、この結果を生かすことが求められています。この1年でホームレスになった人7割、市出身者4割、収入3万円以下8割、体調不良5割、仕事を求めている人9割以上などの数字が明らかになりました。倒産防止やリストラ規制など不況対策、労働行政からの対策と共に当面、本市としても次のような手立てが必要です。
そこで質問します。まず保護所の増設、当面、簡易旅館の借上げなども含めて、まず寝泊まりする場所を確保することです。特に緊急の問題として、最低、年末年始の食事と宿泊を希望者全員に提供するように求めます。多くの大都市では提供しています。
次に、仕事についてですが、京都の有効求人倍率は45歳以上は100分の12、55歳以上ではわずか100分の7で、仕事が見付からないのを本人の責任にすることは到底できません。誰よりも働きたいと願っているのは本人自身なのですから、国や府にも声を上げるとともに、本市としても独自に仕事の確保やあっせんなどを行うべきであります。
第3に、生活保護についてです。厚生省は、働く能力や住居の有無を理由に排除しないこと、福祉事務所での多様な相談体制を整備することなどの方針を明らかにしています。この方針どおり、本市でも具体化すべきです。住まいがなくても受けられるようにすべきです。家がないから保護しないというのではなく、保護して住まいを提供するのが市長の役割ではないのでしょうか。本来これらの人たちは生活保護対象のはずだと思いますが、いかがでしょうかお答えください。更にホームレス対策は事実上、下京福祉事務所だけになっています。体制も充実させつつ、それぞれ現在地で申請や相談に対応できるようにすべきだと思いますが、併せてお答えください。
以上、各項目について積極的な御答弁をお願い致しまして、第一質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
◎保健福祉局長(井尻浩義君)
いわゆるホームレスにかかわるお尋ねでございますが、ホームレスの方につきましては、依然として厳しい雇用状況の中、本市においても増加傾向にあることから、その実態を把握し今後の施策の参考とするために本年6月に実態調査を実施致しました。目視調査の結果、市内に約500人の方が確認され、約100人の方からの聞き取り調査では年齢は平均で54.3歳、建築土木作業など何らかの仕事に従事している方が不況の影響により失業してホームレスとなり、また行政に対しては多くの方が福祉施策よりもむしろ仕事のあっせんを要望されていることなどが明らかになりました。本市におきましては、従来から生活保護の適用やパン、牛乳の支給並びに年末年始対策などの福祉施策を実施しておりますが、仕事のあっせんにつきましては国の責任において解決されるべきものであり、このため本市と致しましては、今回の実態調査を踏まえまして国に対して要望を行って参ります。
次に、ホームレスの方に対する生活保護の適用につきましては、これまでから下京福祉事務所をはじめ市内の各福祉事務所において生活相談を行い、個々の状況に応じて中央保護所への入所や入院により生活保護の適用を行っているところであります。今後とも必要な援護施策の実施に努めて参ります。以上でございます。
平成12年 11月 普通決算特別委員会第2分科会(第3回)-11月24日−03号
◆委員(中西正三君)
主に3点ほど伺いたいと思います。
その一つは,ホームレスの件なんですが,局長にも御見解を伺っておきたいと思います。
既に,去年,一昨年の決算審議のときに,私もホームレスの話をさせていただきまして,中央保護所の入所定数を倍にしていただき,また簡易宿舎なんかの対応で年末年始対策を採っていただきました。そしてまた,御承知のように,昨年,また今年と,ホームレス問題が非常に大きな高まりを持っております。本市としても,6月にその調査をされて,今来ております。そういう中にあって,特に,東京では2箇所ほど自立支援センターを造るということで取り組んで,完成を11月にするということでやっていらっしゃいます。一方で,大阪市の方では長居公園のあの大きな事件が起こっております。非常にこの問題については難しいものがたくさんありますし,怒っていらっしゃる地元の住民の皆さんに置かれましては,今まで放置していたその姿勢の問題だと,こういうこともおっしゃっておられます。こういう,今人権の問題が言われている中で,ますます寒さ厳しくなる中での救済策というものと,今後の在り方については,本市だってほっておけない問題じゃないかと。調査された段階では492名,そのうち中京が138名,下京で147名というので,中京,下京が多いわけですけども,特に橋の下に182名,公園に124名という数字でございました。冬場は少し少なくなるんじゃないかと思われますが,この市役所の周りも既にそういう形になっております。したがって,この大阪の長居公園事件,これに対して,局長の御見解,どのように感じていらっしゃるのか,また本市にあってはどのようにされるお考えなのか,伺っておきたいと思います。
それと,特に今シーズン,この冬場に当たっての年末年始対策,体調不良の医療問題,また宿泊という問題,食糧という問題について,どのように考えていらっしゃるのか。また,生活困窮者への生活相談というのは非常に重要でございますし,その大多数が失業者という形になっておられます。また,今までやってた仕事については,約半分が土木作業者,またそういう方になっていかれる年齢としては,50歳以上が70パーセントという数字でありますが,こういう現実を踏まえて,自立に結び付く支援というものを考えるべきではないかと思いますが,この辺のお考えをまず聞いておきたいと思います。
◎社会部長(西村京三君)
中西先生の御質問でございますけれども,まず年末年始対策でございます。非常に,越年時にこういった施設等への入所希望が非常に多いという中で,今年度につきましては,昨年度よりも91人,延べ人員で増やしまして,235名の宿泊所の確保をさせていただきました。従来の中央保護所での入所枠の拡大と併せまして,簡易旅館等の借上げによる対応でございます。特に,越年時では,昨年の倍近い数を収容できるように対応を現在考えております。
また,この6月の調査でもございました食事が1日に2食程度というようなアンケートもございましたので,年明け,もう早い時点から,現在も下京福祉事務所で2日に1回というような形で,パンと牛乳を支給しておるわけでございますけれども,これにつきまして,月曜日から金曜日まで毎日支給をさせていただこうという風に考えております。
それと,ホームレス,いわゆるホームレスになられた方の原因といいますか,なられた原因でございますけれど,ほとんどが失業ということが非常に大きな問題としてクローズアップされております。現在の国の取組でございますけれども,自立支援センターを今のところ大阪3箇所,東京2箇所,横浜1箇所というような形で予算化はされておるわけでございますけれども,地元の理解とか,そういったような問題も,あるいは用地の確保等の問題もありまして,なかなか進まないというのが現状でございます。
大阪におきましても,既に一,二箇所はできておるんですけれども,なかなかやはり,仕事がないという中で,この自立していかれる方がほとんどないという状況でございますので,やはりこういった施設の建設よりも,どういった形でこの就労先を確保していくかということが一番大きな問題かという風に思っておりますので,国につきましても,その辺については本市として強く要望を致して参りたいという風に考えております。
◎保健福祉局長(井尻浩義君)
ホームレスの問題については,非常に難しい問題だという風に思っております。今も,部長が答えましたように,国の方では自立支援センターを設置して,6箇月程度そこで住んでいただいて自立の方向でと,こういう政策でございますけれども,非常に現実はこういう状況ですので,厳しいものがあろうかというように思っております。この問題もやはり人権にかかわる問題でございまして,何らかの対応が必要かというように思ってるわけです。私ども保健福祉局と致しましては,やはり保健福祉の面で可能な限りの対策をさせていただいてるというのが現状でございます。
特に,昔と申しますと,ちょっと時代が遡るころのホームレスというのと,今のホームレスとは発生原因とか,状況が全く違ってきております。昔は,特に年末年始が中心でございまして,どうしてもいわゆる飯場で出稼ぎに来ておられる方々の年末年始過ごすところがないと,そういうので,年末年始に力を入れた施策が過去としても採られて参っておられました。しかし,今はその原因がそうではなしに,やはり大きく,長期的な,いわゆる不況と,それから失業と,そういうことで色々な要因があろうかと思いますけれども,年間を通じての多くの方がホームレスの生活をされていると,そういう状況でございます。我々としては,その中で,補完してできる部分につきましては,先ほど来,具体的には申し上げましたですけども,そういう施策に力を入れているところでございます。
◆委員(中西正三君)
確かに,おっしゃるとおり深刻な日本の陰の面だと思うんですけども,中にはもうこの社会に対応できない人という,そういう感じの人もたくさんいらっしゃいます。
そこで,今の局長の御見解もいただいたんですが,できることからやるということなんですが,そのできるだけの範囲の問題として,どうしてもその方々が住居が定まってないということがあるために,生活保護の対象にもできないという,この辺の限界をどのようにしていくのかという問題が出て参ります。
そこで,この支給についての相談を受けた方とか,また現実に保護所に入ってこられる方は,それなりの社会的な接点ができるもんですからいいんですが,それ以外の方が今深刻な問題になっていると,届かない人たち,これをどうするかという問題が手立てとして打てないために,今こんな状態が出てきてると思いますので,その点の在り方をどうしていくのかという点で,もう一遍ちょっと考えを伺っておきたいと思います。
いずれにせよ,寒さは迫っております中で,また市民としても非常にその存在が気になってるわけですので,それを踏まえて取組を強化していただきたいと思います。
◎保健福祉局長(井尻浩義君)
ホームレスのいわゆる情報が届かない人たちをどうするかと,こういうことでございます。先ほど先生御指摘のように,6月に行いました実態調査に引き続きまして,意向調査も,これはすべての方についてできたわけではないんですが,下京区役所へ来られる方ですから,京都市の施策のことは御存じの方だというように思います。しかし,その調査を行いました中身でございますけども,特に住む,住むというか,寝泊まりされている場所によりまして,その人たちの思い,希望も変わって参ります。特に,橋の下とか,それから公園などにおられる方は,どちらかというと,自立といいますか,特に橋の下の方は,自分の場所としてそこをもう既に確保されておるわけです。したがいまして,来られない,下京区役所へ来られない人も多いと思います。それから,宿泊所を御希望になってないと,仮にそこが空きますと,またそこに交替の人が,替わる方がそこにお住まいになると,こういうことでございますので,なかなかその辺は難しいと思います。しかし,思いのほか,皆さん方は口コミの伝達が非常に早いというように印象を持っております。そういうことにも期待し,我々としては年末年始の対策については,できるだけPRをして参りたいと,このように思っております。
以上でございます。
◆委員(中西正三君)
ホームレスにつきましては,京都市の市役所の周りにいらっしゃる中で,ますます深刻になってるのは連日御承知だと思いますので,これを決意として,条例でやるという話ですが,京都市はそういうものをなくしていこうということが一番望まれる観光都市でございますので,一つ京都市だけではできない面もございますけども,全力を挙げていただきたいという風に思いますし,私たちもこの市民としてできるものは何かという,各種いろんな団体が支援をするにはどうやったらできるのかという,そういうものも問合せや,また支援の在り方なんかをアドバイスする部署を明確にしていただいたら,あるときこういう物をあげたいがどうだとか,こういう物を配りたいけどどうだろうかとかいうような相談にも応じてもらえるような,そういうセンターじゃないですけども,そういう問合せに応じてもらう部署もこれから必要になってくるんじゃないかと思いますので,長引くかもしれない,そういう対策について,しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
◆委員(川中増次郎君)
大分疲れて参りましたが,よろしくお願い申し上げます。
先ほどですね,中西正三先生がホームレスの話をちょっと言われました。これは一番政令指定都市の中で大阪が一番多いんですね,先ほど長居公園等々の問題もございました。京都市役所でも東の玄関,ある意味で押小路等もそういうようなことも私,見ております。ただね,これは所管は総務局になりますね,ある意味では,施設の問題。ただ,ホームレスはやっぱりここの関係もございますんで,私は一つだけお願いしたいのは,丁度市役所の玄関,向こうの広場に何人かおいでになりますが,これは別に致しましてね,夕方になったらね,正面玄関においでになるんです。知っておられますか。正面玄関,それで,あこにちょっと何か物を置いてあるんですよ。例えば,あこの扉は6時に閉まりますね,閉門しますね,それからまだ置いてあるときがあるんです。その辺は,局の皆さん御存じでございますか。
◎社会部長(西村京三君)
以前,昨年でございましたか,ホームレスの方が正面とか,あるいは河原町側のいわゆる通用門の辺りにも,いわゆる段ボールハウスを置いて,野宿をされるという状況がございまして,ちょっとトラブルも起こった中で,夜間についてはそういった通用門の所から,通用門の所にはそういったハウスは作らないという形で総務局が指導したという風に聞いておりますので,また正面玄関の方でそういう状況があるということでしたら,また総務の方に話もしていきたいという風に思っております。
◆委員(川中増次郎君)
今ね,答弁をしていただきましたがね,余りにも,そら何ぼ市役所が80年ほどたった建物で,古かってもね,せめて周辺は僕らまあ若干はいろんな事情があるんでね,許されますがね,正面玄関のあの扉のとこにね,やっぱりちょっとそういうようなことになるとね,これはちょっとそこまでどうかなと。これは十分,おたくの局の問題ではないかも分かりませんが,総務とも相談して,せめてその辺は排除とか,そういうようなことを言うたらいけませんが,人権の問題とか言うたら,こんなもん何もでけしませんけどね,せめてあれだけはね,ちょっと考えていただきたい。これ何も1箇月も1年前のことを言うてんの違うんですよ。最近の話を言うてるんですよ。この局の中でもそういうようなことを御存じの方があるかも分かりませんが,それだけ要望します。
◆委員(井上けんじ君)
ホームレスの問題についてですね,原因を色々考えてみますと,やっぱり失業ということが大きなきっかけになってると思うんで,国や京都府ばっかし言うてないで,京都市としてやっぱり仕事を確保する,あるいは今のリストラ,不況の問題に対してもっと声を上げるべきじゃないかという風に思うわけですけれども,この辺りについて,仕事の確保というか,そういう辺りについていかがでしょうか。
◎社会部長(西村京三君)
確かに,ホームレス問題につきましては,失業を原因としてホームレスになられた方が非常に多いというのは政令市の各パートでの調査でもそうなっております。ただ,やはり労働行政につきましては,府あるいはまた国というところでございますので,我々として保健福祉局と致しましては,福祉行政を中心に,充実に努めていきたいという風に思っております。
◆委員(井上けんじ君)
それはもう時間の関係もあるんで,次行きますけどね,生活保護についてなんですが,最近特に,厚生省の方では,家の有無や仕事の有無を要件にしてはならないという考え方が,これはよく考えれば当たり前のことだと思うんですが,出されてきてると思うんで,ところが私実際色々夜ホームレスの方のお話聞いたりしますと,家がないからということで断られたとかいう話も聞くわけで,そこで端的にお答え願いたいんですが,ほかの要件を抜きにして考えた場合に,家がある,ないが保護を受けられるか受けられないか,左右されるのかどうかですね。家がなくても,ほかの条件がかなっておれば,保護の受給は可能だという風に思うわけですけども,この点について端的にお答えをお願いしたいんですけれども。
◎社会部長(西村京三君)
本市におきましては,従来から住所があるかないかという形じゃなくして,相談に来られた方の個々の生活歴とか,あるいは就労等の状況等を見ながら対応致しておるということで,とりあえずのところ,一時保護所へ入っていただく,あるいはまた入院していただく中で,保護の適用をしていきたいという風に思っております。
◆委員(井上けんじ君)
いやいや,もう時間がないわけだから,私はだから保護所だとか,入院以外に保護が受けられるかどうかということを聞いてるわけですから,分かっておられるはずだからね,そのことについて答えてくださいよ。
◎社会部長(西村京三君)
従来から,今申し上げましたように,本市におきましては,高齢の方でもう働けない方とか,あるいは障害があって稼働等できないといったような方については居宅確保等も含めて保護の適用を致しております。
◆委員(井上けんじ君)
確認しておきます。
就労についても,努力されても見つからないという現状があるわけですから,そういう中で結果として見つかっておられないという場合もこれは要件欠かないという風に理解していいわけですね,そのことについても確認をしておきたいという風に思いますけれども。
◎社会部長(西村京三君)
判例なんかでもございますけれども,どれだけ個々に能力に合わせた就労先を探すという努力をしていただいたか,その辺について十分相談窓口で対応させていただきたいという風に思っております。
◆委員(井上けんじ君)
もうちょっとすきすきっと議論したいんですけれども,そらまあ一生懸命働いたけれどもね,求職の努力をしたけれども,見つからない場合は可能だという風に聞いておきます。
それで,生活保護にかかわってなんですけれども,昨日も森委員の方から色々大変な実態の紹介やら,要求があったわけですけれども,相談件数が非常に増えてるという中で,一つお聞きしたいのは,各福祉事務所が出してます事業概要ですね,これ11年度のを見ますと,生活保護の相談件数が南区で言うと10年度1575件,それから申請件数が463件,開始件数389件,廃止が310件という風に,そういう風に書いてあるわけですけれども,ところが12年度版の事業概要見ますと,この相談件数という項目がすっかりなくなってしまってると。これはなぜかということと,これは是非復活をさせて,市民の皆さんがどれぐらい相談に来られてるのかということはきちっとやっぱりデータとして明らかにすべきだと,来年度から復活させるべきだという風に思いますけれども,この点についていかがでしょうか。
◎社会部長(西村京三君)
各区の事業概要でございますけれども,基本的には生活保護の関係で,この事業概要に載せられている部分につきましては,厚生省の報告例という形で,報告をしておる数値でございます。従来,議員会でも相談件数についての提出の御要望があったわけでございますけれども,十分他の,例えば申請件数とか,あるいは保護の廃止の件数のように,国が定めた様式できっちりと件数のカウント,あるいは分類等がされている内容ではございません。各政令市においても,いろんな取り方を致しておりますし,本市におきましても,必ずしも一律の取り方になっていないという中で,十分コントロールされておらん数字だということで,やはり誤解を受けるのではないかということで,他のいわゆるコントロールされた数字と並列的に並べるのは好ましくないということで,今回から事業概要には載せておらんという状況でございます。
◆委員(井上けんじ君)
65歳以上のホームレスの方であれば,養護老人ホームの入所の申込みがでけんことありませんよということをちゃんと広報して,知らせて,紹介したらどうかということですわ。皆,確かに定員の問題,現員の問題あるけれども,増設するとかいうことも色々考えられるわけですから,今日,明日というわけにいかないにしても,中期的な展望なり,見通しとしては,活用できるんじゃないかという風に言うとるわけですけれども,いかがですか。
◎社会部長(西村京三君)
当然,各福祉事務所で生活相談等をやっておりますので,そういった中で養護老人ホーム等の対象になる方であれば,それなりの御指導はできるかという風に思いますけれども,養護老人ホームについて,今後増設していくという方針はないという風に聞いております。
◆委員(井上けんじ君)
聞いてるじゃなくて,京都市に私は要求しているわけですから,その点だけ,終わるつもりだったけれども,その点だけちょっとはっきりさせといてください。
◎長寿社会部長(谷口三夫君)
養護老人ホームは,養護老人ホームの目的で入所者がございまして,今も結構待機者ございますので,現時点でホームレスの方を養護老人ホームに入れるという考えはございません。
◆委員(井上けんじ君)
ございませんとかじゃなくてね,対象として,もちろん申し込まれたら,受付は受理するということは当たり前だと思うので,そのことだけ確認をして終わります。
平成12年 8月 厚生委員会(第6回)-08月30日−06号
○委員長(森ます子君)
それでは,次に,報告に移ります。
京都市内におけるホームレス実態調査実施結果概要について報告を願います。西村社会部長。
◎社会部長(西村京三君)
それでは,お手元にお配り致しました京都市内におけるホームレス実態調査実施結果概要という数枚の資料でございますけれども,これに沿いまして簡単に御説明を申し上げます。
本調査につきましては,京都市内のホームレスの方の居場所,それから人数,生活実態,ニードを把握致しまして,今後の本市における施策や国への要望に当たっての参考とするために実施を致しました。
調査につきましては,目視調査と,それから聞取り調査の2種類を行っております。
まず,目視調査でございますけれども,これにつきましては,全市で105名の本市の職員が,6月14日の夜間に一斉に市内を巡回致しまして,居場所と人数の調査を目視で調査を致しました。
この調査の結果,市内では,ここにございますように,492名,うち18名が女性でございますけれども,ホームレスの方が確認をされておるということでございます。
昨年3月には約200名,今年の3月には大体400名程度の方につきまして,各福祉事務所におきますところの相談とか,あるいは,下京福祉事務所におきますところのパン,牛乳,つまり,補食の配布等によりまして,福祉行政サイドにおいて把握している数ということで,この200,400と申し上げておりましたわけでございますけれども,今回の調査によりまして,更にこれを上回る方がおられるということが分かったということでございます。
居場所と致しましては,河川の橋の下,それから公園,駅の構内等が主な生活場所ということでございまして,区別に見ますと,中京,それから下京を中心と致しました市内中心部に集中しているという結果が,傾向が見られるということでございます。
聞取り調査でございますけれども,詳しい資料は後ろに,2枚目,3枚目に付いておりますけれども,大きい項目で15項目ぐらい,小さい項目を入れますと30〜40項目の調査を行ったわけでございます。これにつきましては,6月の16日に本市職員20名が下京福祉事務所に来所されました105名のホームレスの方,うち2人が女性でございますけれども,これらの方を対象に生活実態と,それからニードの調査を行った次第でございます。
その結果でございますけれども,57パーセントの方がホームレスの生活を始められてから,最近1年以内ということでございます。また,80パーセントの方が直接のホームレスになられた原因というのは失業とされているということで,最近の厳しい雇用情勢の中で,こういった方が急増されたということがうかがえるということでございます。
また,アンケートでは,70パーセントの方が一日に2食以下の食事しか確保できていないといったようなこと,あるいはまた,50パーセントの方が体調の不調を訴えられるといったような,厳しい生活を強いられておられるといった実態も明らかとなったということでございます。
また,行政に対するニードと致しましては,大きくは3点ということで,一番大きなのは,仕事のあっせん,それから,2点目に,施設も含めた宿泊場所の確保,それから,3点目と致しまして,食料の援護の充実,そういったことを強く求めておられます。
この調査の結果を踏まえまして,今後,本市と致しましては,国への要望も含めまして,施策の充実に取り組んで参りたいと考えております。
以上でございます。
◆委員(倉林明子君)
こうしたホームレスの実態調査をされたということは,本当に,今,必要なことだと思いますし,これを踏まえた施策の取組,その中身が問われるところだと思うわけですけれども,この結果でも明らかなように,ホームレスになる主要な原因に失業というところが大きく出ているわけですが,これから本当にどうこの雇用確保,自立支援の取組を進めていくかというところが大きく問われるところだと思うんですが,国についても,今年度,ホームレスの自立支援事業ということで,一定の予算化がされたという風に伺ってますが,その点についての京都市での具体化というのはどの程度進んでいるのか,それをまず1点お聞きしたいのと,もう1点は,生活保護の関係なんですけれども,従前は住所がないということで,なかなかこの生活保護,入り口で適用されないということがままあるわけですけれども,今年3月に行われた厚生省の主管課長会議の中でも,こういったホームレスも生活保護の適用の中に入れていくというような方向が改めて打ち出されたわけですが,必要な方には適切に生活保護を打っていく,こういった取組での具体化はどうか,まず,この2点についてお答え願いたいと思います。
◎社会部長(西村京三君)
委員御指摘のように,やはり,調査では就労という部分が非常に強い要求でございます。これにつきましては,やはり,国の施策あるいは都道府県レベルでの就労対策ということになってくるかという風に思いますけれども,現在,自立支援事業につきましては,政令市の中で,東京都も含めまして3市ぐらいが実施を致しております。ただ,こういった事業につきましては,自立支援センターを設けましても,あとの仕事の確保等が非常に難しい状況もあるという風に聞いておりますので,この部分につきましては,推移を見ながら対応を致したいという風に思っております。
次に,生活保護の適用でございますけれども,確かに国の主管課長会議でそういった指示は国の方からございました。本市におきましては,あくまでケースバイケースということで,中央保護所への入所,あるいは,体調を崩しておられる方については,入院等の生活保護の適用を実施するほか,特に,身体の障害があって就労できない方,あるいは,非常に高齢で他の手段のない方等につきましては,いわゆる保護の適用によるところの居宅の確保等については,従来から対応致しておりますので,個々の必要状況に応じて適用を致したいという風に思っております。
◆委員(倉林明子君)
この調査結果にも明らかなように,この1年足らずの間に,1年未満でホームレスになったという方が大変多いと。こういう深刻な雇用状況が反映したという辺りは,御報告あったとおりだと思うんですね。これを労働行政だからということで,国,府待ちになっていて,このホームレス問題というのは本当に解決,なかなかだと思うんですね。そういう意味では,国や府が,本来,そうした労働行政,雇用確保に努めるというのは当然のことだと思うんですけれども,急いだ独自の就労対策というのが市町村レベルでも本当に急いで取り組む必要あると思うんですね。そういう意味では,推移を見守るという姿勢にとどまらず,国のこうした自立支援事業というものも活用しながら,京都市独自の仕事確保,就労対策が一歩踏み込んで必要だと思いますので,そういう点では,今後の検討,是非よろしくお願いしたいという点です。
それから,生活保護の点については,これまでもやってきたし,これからもやっていくんだということですが,この実態調査でも明らかなように,平均年齢が54.3歳ということですから,就労可能な年齢ということで,私も何件かのホームレスの方々から御相談受けても,やっぱり生活保護の対象にならないということで,もう窓口ではねられるというケースがほとんどなんですね。本当に厚生省の課長会議の中でも指摘されているように,あらゆる機会をとらえて,要援護者の発見に努めることが必要だという風に指摘しているわけですね。これまでよりも踏み込んで,本当に必要な人に生活保護を打っていくという方針の転換が必要だと思うんですね。これまでやってきたから,これからも個々のケースに応じてやっていくということでは,このホームレスの問題というのは先へ進んでいかないと思うんですけれども,その点で,職権保護も含めて,ホームレスの中に必要な要援護者がいるのかどうかということの把握を進めていく必要があると思うんですけれども,この点についてはいかがですか。
◎社会部長(西村京三君)
ホームレスの方についても,国の指導でございますけれども,単に住所がないということだけで保護をしないということについては,不適当であるということでございますので,下京あるいは各福祉事務所におきまして,そういった相談があった場合につきましては,本人さんの体調とか,生活実態等を十分勘案したうえで,従来から保護の適用を致しておりましたので,今後も,特に方針を変えるというつもりはございません。
また,職権保護等につきましては,必要な方については従来からやっておるつもりでございますので,十分親身な相談ができるような専属の窓口が下京にもございますし,各福祉事務所にもございますので,十分な対応をしていきたいという風に考えております。
○副委員長(椋田知雄君)
ホームレス問題は全国的に大きな課題になっておるわけですけど,京都という都市から考えますと,人数の問題だけではなくて,環境問題が非常にあらゆる意味において大きく重要視されていくのではないかと。というのは,やはり,人口密集地が中心となって,そういったテント張りの,段ボール張りの生活者がおいでになるということは,その周辺部の環境問題をも含めて,これは考えていかなければならない問題なんでありまして,更に,河川の橋の下においでになるなどということになりますと,やはり,河川そのものの維持管理はどうなっていくのかということもあるわけであります。保健衛生上の問題も当然出てくるわけでございまして,大変環境上,これも新たな意味で見ていかなきゃならない。こういう視点がやっぱり必要なんであります。
ですから,今,実態的には,その方々に対しての生活援助ということは,これは一つの課題として重要でありますけれども,しかし,その周辺環境をも含めて考えますと,単に生活保護ということだけにとどまらない問題がこれに含まれているのだということであります。
私の方へ,あるお寺の方が御相談に見えました。自分のお寺の所有している境内地の一つの中に,いつのころからか気が付いたら,テントが五つ,六つ立っていると。これどうさせてもうたらええんでしょうと。京都市にそういう話を持ち込んでも,それはあなたの民地なんだから,それはあなたの方で処理してくださいよと。あるいは,逆に言うたら,不法侵入ということで訴えていただかなきゃならない場面でもありますねと,こういう話が相談の中に出てきた。これは大変難しい。出ていけと,相手さんいうんか,宗教施設ですから,そんな不人情なことができへんと,そんな困ってはる人出ていけと言うわけにいかんけれども,しかし,そのお寺は一種の観光寺院でもあるわけです。ですから,観光客がおいでになるのが,大変そういった方々のテントがありますと,不釣合いな状態になってくると。これまた,観光行政のうえにおいても,京都市はやっぱり考えていかなきゃならない問題があるんではないかと。
だから,単に福祉局一局でこの問題を考えていくというわけにはいかないのがこのホームレス問題であると。ホームレス当事者だけの問題じゃない。市民全体に何らかの形で影響していくという社会環境問題でもある。こういう風に押さえていかなきゃならないのではないかと,こう思うわけでございますが,そういう意味では,このホームレス問題,こうして実態調査をなさったならば,市長以下,関係局の方々が,この件について何かお話合いをなさって,対策協議会か委員会かプロジェクトチームかは分かりませんけれども,そういった形のものを結んで,それから,抜本的にこの問題について解決の道を歩んでいこうという,そういうお気持ちはありませんか。
◎社会部長(西村京三君)
先生が御指摘のように,ホームレス問題ということは,単に福祉サイドにとどまらず,非常に広範囲な対応の必要な問題かという風に思っております。
ただ,調査結果が出たところでございますので,今後,どういう形で,局内あるいは全市的な対応を進めていくかについては,今後,検討していきたいという風に思っております。
○副委員長(椋田知雄君)
今後,検討課題であると思いますけど,この問題は,やいやいやいやい言われて調査しはったんや,あんたとこはね。そして,やっと出たさかい,実態調査報告が終わると,それに対して実効力のある施策というのが,こういう形のような,あんまり採られてないような感じするのが昨今の状況なんです。
例えば,この調査表を市長の方まで報告をなさっておると思いますけども,それに対して市長はどういう風なコメントを出しておられますか,これに対して。その辺いかがですか。
◎社会部長(西村京三君)
現在,局内でまず方針を立てまして,そのうえで全市的な対応を検討するという状況でございますので,現在,局内でもんでおるという状況でございます。
○副委員長(椋田知雄君)
こういうようなことは,やっぱり調査ができ上がったら,もっとやっぱり市長なんかにもきっちり報告をして,市長の頭にも入れておかなきゃならん問題と違いますか。
例えば,別の所で市長にホームレスの実態調査が出ているけど,あなた御存じかと,ここで質問されたら,市長はどう答えはりますねん。対外的にそういう記者会見なんかで,そういう記者会見があったときに市長はどう答えはりますねん。ああそういう調査をしたようでございますがと,そんな答え方で市民的に成り立ちますか。この問題は,単なるでも私が申したような,社会環境問題なんですよ。それを市長にも報告してへんのです。それはあかんこと違うかな。私はこれ以上議論は致しませんけども,こういう実態調査ができたら,素早く市長に報告をして,こういった実態調査ができましたと。原局と致しましては,このことについては,しっかりと具体的な検討をしてまいりますので,よろしく御配慮くださいと,こういうことをやっぱりきちっと報告しておかなあかんやないか。それが私は大切やと思います。そういうことが広く本当に市民の目線に立った市政というものができ上がっていくと,こういうことなんですから,是非市長に報告しておいてください。局長,報告してもらえますか。
◎保健福祉局長(井尻浩義君)
必要なことにつきましては,できるだけ報告をして参るんですが,この問題につきましては,最終的に,確かに色々な問題ははらんでいるんですけども,その原因と,それと,決定的な対策が非常に難しい問題でございます。これは,今,ホームレスとして,今の時代にものすご注目を集めているわけですけども,昔からこのホームレス問題はありまして,それに対します決定的な方策が,いまだかって示せなかったのが事実です。といいますのは,どこにこの住まうというんですか,収容するかという,その辺が,やはり,例えば,住民の,先ほどのお寺さんの話をお受けして整理をしようと思いますと,そこがまず大切になって参ります。
それと,根本的には,先ほど,この実態調査にもありますように,収容,職の問題ということになりますんで,確かに,色々な角度から検討しなければならんという風に思ってますが,当面,私どもは,これを受けて,当面,何をまずすべきかということ,京都市として何ができるのかということを詰めた上で,予算も伴いますので,当然,上にもこういう調査の結果について,こうしたいからというのはもちろん申し上げて参りたいという風に思っております。
○副委員長(椋田知雄君)
私は,今までのホームレスという言葉では当てはまらない,いわゆるルンペンさんは,観光都市ですから,たくさんおいでになったことは,よそよりも多い。これはもう事実ですね。そして,そういう人が糖尿病になって病院に担ぎ込まれたというようなブラックユーモアのようなものが現実にもあった。それは,あちこちの残飯がありますから,それを食べ過ぎて糖尿病になったという,そういう実態があるというブラックユーモアのような話も,現実には聞かされておるわけですね。そういうときのホームレスという性格と,今回とは内容が違うんやいうことです。
例えば,中央保護所に保護をして,就職をあっせんしても3日も持たん人がようさんおったわけ,当時は。今,そういうことじゃないんです。就職はしたいが,自分が住んでいる場所がテント張りやと。どこかの会社に行って,履歴書を出したら,あんた住まいどこやねんと。書いたら,テント張りというのもの書けへんやん。そんなもん就職できへんの当たり前や,こんなもん。パートでもできへんのですよ,今。もう全然できへんですよ。こういう人でもええさかいに雇おうかいうような,どんな人なんでしょうね。もう極々そんな縮まったような話になってきますよ,こんなものは。
だから,就職問題というのは,特に,50パーセント以上の人が就職したいと言わはるのは,昔のルンペン対策とはえらい違いやということです。こんな話は全然なかったんです。昔は。
中央保護所というのは,私もよく知っておりますし,私の友人も向こうにおりました,職員として。そやけど,3日もおれへんねんやと。もうすぐまた京都駅に戻りよるねん。そういう人が非常に多かった。全然実態が違うんだと。
例えば,認識の問題においても,えらい違いやないかな,今,御答弁をいただいていると。だから,そういうことも含めて,今回の場合は非常に深刻な問題でありますので,これは言うて悪いけど,就労,就職を希望しているいう人に対して,いかに京都市が引っ繰り返っても,私,限度がありますよ。就職の世話なんてできないでしょ。企業は受け入れないよ。住んでいる所もはっきりせんような人をどうしても受け入れられますねん。そういうことになってきたら,もう就職問題は大変な問題なんです。正に社会問題,そういうことを含めると,もうこれは本当にあなたの方の局だけでこれをどうのこうのしようなんていうことは,もう不可能や。私はそういう意味で,市長に一日も早くこの問題を伝えて,市長の判断に基づいて,ひとつプロジェクトチームを作って,京都は京都としての対策をひとつ明らかにしてもらいたい。市民の皆さんは,そういう意味では,別の意味で大きな関心を持っておられると,こういう風に思っておりますので,よろしくお願いしたいと思います。
◆委員(砂川祐司君)
二,三お聞きします。このホームレスの調査,非常に皆さん熱心にこの時間決めていただきまして回っていただいたんですけども,ホームレスの以前のお住みになっていらっしゃった,もと住所というか,前住所なんかは調べてもらったんでしょうか。
◎社会部長(西村京三君)
御報告させていただきました資料の2枚目の問4のところにございますけども,ホームレスになる以前の住所はどこですかということで,京都市内がやはり一番多く,これが42パーセント,京都府下で5パーセントでございます。
◆委員(砂川祐司君)
こういうことは,私たちの京都市民であるということの方から,まず認識というか,心に宿しながらお聞きしたいんですけども,本市におけるホームレスの扱い方というか,思いを込めて情熱といいましょうか,予算を含めて,一体どっちの方向に行くんでしょうか。ということは,これを余りにも重宝というか,熱を入れていうか,大切に,そして,これでもこれでもかということになりますと,行政の方の皆さんは,さっきも,京都へ京都へと来ると。その辺の絶妙なるバランス感覚を持って,このことについて,ホームレスの問題について考えていかんなんということを聞いておるんです。
再度,やはり,もとというか,前京都市民であるということからして,やはり,無視できない,看過できないということ。
そして,申し上げたい,その要求の3番目に,食料援護の充実ということも含めて,もう少し熱をやはり入れていかなかったら,働きに行くのもできないというようなことで,非常に心配するわけですね。今,質問したいことは,その方向付けですね。必要に応じて,ニーズに応じて,現ある姿を通じて,京都市は,本市は熱を入れていくのかどうか。
それから,その具体的な一例としての食料援護の充実を,パンとか牛乳を出していらっしゃること,これは聞くところによりますと,日本でも本当にこの京都のやり方はすばらしいと聞いております。それをもっともっと,食べるという,この生命の維持ですね,それをもっと充実していくのか,その辺のところの2点をお聞きしたいんですが。
◎社会部長(西村京三君)
食料の部分でございますけれども,アンケートにありますように,2食以下の方が70パーセントということでございますので,やはり,生命にかかわるというような部分もあるかという風に思いますので,我々としては,予算もございますけれども,一定前向きに検討していく必要があるのではないかなという風に思っております。
ホームレス対策全般でございますけれども,府下,それから市内も入れて,ほぼ50パーセント程度ということでございますので,やはり,流入されてこられた方も半数程度おられるという中でございます。
一定人権の問題もありますし,できる限りの対応をしていきたいという風に思いますけれども,調査結果が出たところでございますし,国への要望も踏まえまして,本市と致しましては,できるだけこの施策の充実には取り組んで参りたいという風に思っております。
◆委員(安孫子和子君)
今,理事者の方から,色々な調査結果を踏まえて,いろんなこれから施策を立てていきたいというお話を伺いましたし,実は,府の方でも市に先んじて調査をされておりますし,今度,弁護士会の方でも,ホームレスの人権問題に関連したシンポジウムを11月に予定されているということですし,各方面がいろんな角度からホームレス問題に取り組んでこられているという実態が見えておりますので,これから市の方の施策の重点的な方向を決める意味でも,それまでに府とか,弁護士会とか,いろんな方面の方との協議をされていくことも必要じゃないかなと。私,ホームレスのことにはちょっと以前から興味を持っておりますので,そういうことも含めて,今,椋田先生からお話ございましたけれども,いろんな方面と協議をされる必要性もあるのではないかなと,ちょっと思いますので,お願いを致しておきたいと思います。よろしくお願い致します。
平成 5年 2月 定例会(第1回)-02月26日−03号
◆ (今枝徳蔵君)
梅小路公園で,付近の住民は防犯上のことについて大変心配しております。例えば若いアベックの集合場所になる,よろしくない若者のたまり場になる,浮浪者のたむろする場所になる等,みんな大変な心配をしておられますが,どのような方法でこれらを防がれますか。
鴨東道路の蛸薬師東の公園の傘付円形ベンチも屋根があり,雨よけができるというだけで,浮浪者の方の睡眠場所になっていることもあり,いろいろできる施設がいろんな方のたまり場になるのではないかと非常に心配されております。建設局長から具体的にお答えください。同時に入場についてのゲートの位置と常時開ける所と非常時開ける所は,どんなときに開けるのか,建設局長,併せてお答えいただきたいと思います。緑化フェア中は,各ゲートで一応の管理はできますが,心配なのは一般公園となったときだと思います
◎建設局長(蜷川一朗君)
梅小路公園の整備に伴う周辺地域の活性化についてでございますが,梅小路公園は,緑化フェアの会場として,また21世紀に向けた緑豊かな防災緑地として整備するものであり,地域の活性化に有効な施設等についても検討を重ねてまいりたいと考えております。
次に駐車場計画についてでありますが,公園利用者のための駐車場として,公園の西側区域に約250台分の駐車スペースを確保する予定であります。御指摘の立地条件等を考慮した大駐車場につきましては,より広い視点から検討してまいりたいと考えております。
また公園の防犯についてでありますが,本公園は,面積約11.6ヘクタールと広く,南側はJR西日本の軌道敷となっているため,その対策を講じる必要があると認識しておりまして,関係機関との協議を十分行い万全を期してまいりたいと考えております。更に公園の出入口についてでありますが,広域避難地としての機能も有していることから,西京極や宝が池公園などと同様,オープンスペースとしてまいりたいと考えております。
次に道路,公園などの維持管理につきましては,行政自らが行うもの,公益法人などの外郭団体が行うもの,市民の自主的な取組にゆだねることができるものなどいろいろな管理形態が考えられます。公園につきましては,緑化推進計画に沿って現在の管理体制を見直し,役割分担を明確にするとともに,緑の管理に係る組織体制の強化を図ってまいります。また道路につきましても多様化する市民ニーズにこたえるため,維持管理を専門に行えるような管理体制について調査研究に努めてまいりたいと思います。以上でございます。