宮城県


宮城県議会


平成18年 11月 決算特別委員会保健福祉分科会(第311回)-1124日−01

◆(小野隆委員) 

 社会福祉課の方の事業でホームレスの自立支援に関することがあるんですけれども、これは実態、今どういうふうになっているか、県内の。いろいろ事件とか事故あるので。収容するような方向でいるのか、その辺、実数と状況を。

◎(千葉裕一社会福祉課長) 

 まず、ホームレスの実態でございますけれども、ことしの2月に調査をしてございます。その際に、仙台市は昨年の12月ですが、仙台市で153名、仙台市以外で16名のホームレスがいるということになっておりまして、これが1年前と比べますと、仙台市が1年前は253名、ですから100名減っております。それから、仙台市以外は14名でございまして、2名ふえております。

 そういうことでございますが、これらの自立についての話でございますが、仙台市では榴ケ岡公園にシェルターのようなものをつくっていろいろ入れておりますが、県としては具体に緊急に保護が必要になるのであれば、生活保護を適用するとか、あるいは行く場所がなければ、場合によっては太白荘に入っていただくということもございます。その後において、福祉事務所において就労指導をするというふうな形になろうかと思いますけれども、最近、緊急に保護した例というのは特にはございません。

◆(小野隆委員) 

 実際このぐらいの人数、160名以上いるんですけれども、何か話に聞くと、シェルターに収容すると規制が厳しくて、やっぱり自由にやりたいのでホームレスになったような人はなかなか落ち着いて入っていないと。出ていってしまうということなんですけれども、今どのぐらい収容されているかは御存じないですか。

◎(千葉裕一社会福祉課長) 

 申しわけありません。仙台市での収容者についてはちょっと掌握をしてございません。2月現在の数字だったらあるんですが、2月1日現在だと27名という数字はもらっております。現在のは申しわけありません。(「わかりました」の声あり)


 平成17年  8月 文教警察委員会-0819日−01

◎(近藤善弘警察本部長) 

 それでは、8月16日に発生しました地震に伴う警察措置につきまして御報告いたします。

 お手元に2枚組みの資料が行っているかと思いますが、それを参照いただきたいと思います。

 初めに、地震発生直後における宮城県警察の初動措置の概要についてであります。資料1の初動措置の概要という部分であります。

 地震発生直後の午前11時50分に、警察本部及び県下25警察署に、災害警備本部を設置いたしまして初動措置に当たってございます。

 体制は、本職以下2,000名でございまして、その内訳は、警察本部260名、警察署1,740名であります。

 主な活動内容といたしましては、災害現場からの救出救助活動、被害情報の収集、津波注意報発表に伴う警戒及び避難広報、交通規制及び交通整理等を重点に実施いたしました。

 次に、広域緊急援助隊の派遣についてであります。

 今回の地震で最も被害の大きかった仙台市泉区スポパーク松森の屋内プール天井落下被害現場に、宮城県警察広域緊急援助隊26名を派遣し、救出救助に当たらせております。その際に現場警戒活動に従事させたほか、さらに、青葉区西公園内のがけ崩れに伴うホームレスのテント2張りの埋没事案に関しまして21名を派遣し、安否の確認と土砂撤去作業の活動を実施させました。それらにつきましては、人的被害はありませんでした


 平成16年  6月 定例会(第301回)-0622日−02

◆四十三番(佐々木ひろし君)

次に、生活保護制度の改善についてお尋ねをいたします。

 長引く不況の中で、失業率が五%前後を推移し、企業のリストラ、合理化と相まって、国民の生活がますます不安を増しております。更に、社会保障制度の改悪の動きの中で、最後のセーフティーネットであります生活保護制度を利用する人々が急増しております。しかし福祉事務所の相談窓口には、一二三号通知による生活保護の適正化の名のもとで厳しい受給抑制があり、全国各地で生活保護に関する事件が生じ、ホームレスの人々を初め必要な人が受給できないなど、生活保護制度の機能が失われている状況にあります。

 また、厚労省は「就労可能な被保護者の就労及び求職状況把握について」の通知を出し、援助困難世帯の生活保護からの排除と、財政的理由により生活保護基準、その他の受給基準額等について見直しを進めています。今こそ、地域住民が安心して生活することのできる、セーフティーネットである地域生活支援システムの構築が求められております。

 そこで、生活保護制度の充実と、地域住民の権利と人権確立を果たす第一線の相談や生活保護機関として福祉事務所の機能拡充についてお尋ねをいたします。

 一つには、生活保護の実施機関である福祉事務所の相談や援助機能の充実を図り、ケースワーカーの増員など実施体制の整備を図る必要があると思いますが、いかがでしょうか。

 二つには、保護申請に当たって、窓口抑制を行うことなく、申請受理を原則とし、また、申請段階で預貯金の調査のための白紙委任の同意書徴取については、利用者の人権尊重の立場から、申請後、必要なとき徴取に改めるべきと思いますが、どうでしょうか、お伺いをいたします。

 三点目は、ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法の施行を踏まえ、就労の機会や住居、医療の確保と総合相談事業の実施など積極的な自立支援事業に取り組んではどうでしょうか、お尋ねをいたします。

 最後に、国に対して一二三号通知の廃止と要保護世帯のため捕捉率の調査実施をすること、更に、就労及び就職状況把握についての通知の撤回と生活保護基準の算定根拠を明らかにし、医療券方式を改め医療証方式に変更するなど要望、要請をし、ホームレスの自立の支援に関する特別措置法に基づき、就労、住居、医療、福祉の総合的で一体的な支援事業を拡充するよう求めてみてはいかがでしょうか。

◎知事(浅野史郎君)

 次にホームレスでありますが、ホームレスの自立支援事業の取り組みについてのお尋ねであります。

 県内におけるホームレス、これは、そのほとんどが仙台市に集中しております。このことから、仙台市においては平成十五年三月に路上生活者等支援ホーム、清流ホームというものを設置をいたしました。更に、生活物質の配布、シャワーの提供、結核検診などの支援を行っております。また、今年度は緊急一次宿泊施設を設置する予定とされております。いずれも仙台市の事業として実施されております。県といたしましても、相談窓口用のマニュアルを作成して相談機能の充実を図るとともに、庁内関係課及び関係市町村とも連携をとりながらホームレスの自立支援に取り組んでまいります。

 次に、生活保護制度の充実、あるいはホームレスの一体的な支援事業の拡充を国に要望してはどうかとの御質問にお答えをいたします。

 昭和五十六年に厚生省から出されたいわゆる一二三号通知、生活保護の適正実施の推進についてという通知でありますが、その趣旨は、不正受給の防止など保護の適正実施を図るためのものでありまして、これは被保護世帯の抑制というのを目的としたものではございません。

 要保護世帯のための捕捉率の調査の実施についてでありますが、県が行う福祉事務所の指導監査、監督の際に、市町村担当者や民生委員と連携を図り、その把握に努めるよう指導しているところであります。

 就労可能な被保護者の就労及び求職状況の把握についてという通知がございますが、この通知の撤回についてということでございますが、就労が可能である被保護者については、稼働能力の十分な活用が求められます。これらの方々の自立助長を図るためには、就労、求職の状況を把握する必要があると考えております。

 生活保護基準の算定根拠の明示ということでありますが、生活保護の中心となります生活扶助の基準は、国民の消費水準の動向を踏まえるとともに、前年度までの消費実態との調整を図って決定されているところであります。

 医療証方式でありますが、医療証方式への変更についてどうかということですが、現在、休日や夜間のみ利用できる受給者証は交付をしております。こういったことについて国に対して要望してはどうかということでありますが、国においても現在、社会保障審議会専門委員会において生活保護制度のあり方についての検討が行われておりますので、その検討経過も踏まえながら、必要に応じ要望してまいりたいと考えております。

 また、ホームレスの自立支援事業の拡充について要望すべきとのことでありますが、現在、関係機関と連携を図りながら事業に取り組んでいるところでありますが、今後、必要に応じ、事業の拡充について要望していきたいと考えております


 平成16年 10月 保健福祉委員会-1021日−01

(加藤秀郎保健福祉部長)

まず、(1)の保護施設、救護施設でございます。これは仙台市太白区にあります太白荘でございます。現在県立民営ということになっておりますが、この太白荘につきましては、救護施設については全国的に見ますと6割を超える施設が民立民営でございまして、また民間委託、民営化の流れの中で県立施設として運営していくことの必要性は薄れてきていると考えております。しかし、一方で救護施設の果たすべき新たな機能として、精神病患者の長期入院、いわゆる社会的入院の解消あるいはホームレスの緊急時の受け入れの取り組み、こういうものが救護施設に新たに強く求められているところでございます。こうしたことを踏まえ、太白荘につきましては新たな分野への取り組みが一定程度進むまでの間は、現状どおり県立施設として運営する必要があると考えております。


 平成16年  3月 予算特別委員会保健福祉分科会(第300回)-0309日−02

(廣川参事兼社会福祉課長)

事項名3、ホームレス自立支援事業費の22万円は新規事業であります。これはホームレスの自立を支援するため、ホームレスに配布する支援施策を記載したパンフレットや相談窓口となる関係職員等の対応マニュアルの作成等に要する経費であります。


宮城県仙台市


仙台市ホームレス自立支援等実施計画

本市では、平成15 年1月から2月に行われた国の「ホームレスの実態に関する全国調査」において、203 人のホームレスの人々を確認している。平成11 年及び平成13 年に本市独自で行った調査時点から増加している。

<参考:本市独自の実態調査におけるホームレスの人数>

○平成11 10 月調査 111

○平成13 8月調査 131

(1) ホームレス自立支援等に関する取り組み

本市においては、平成8年頃から、仙台駅周辺などの中心部においてホームレスの人々の増加傾向が見られ、公共施設等におけるホームレスの人々に関する問題が次第に顕在化してきた。こうしたことを踏まえ、平成11 年及び13 年に全市域を対象にしたホームレスの実態調査を行い、現状の把握に努めるとともに、把握した現状を踏まえ、平成14 年度からは、巡回相談事業の実施や路上生活者等支援ホームの設置・運営、ホームレスの人々の支援を行う民間団体(以下「民間団体」という。)との連携による事業の取り組みなど、自立意欲のあるホームレスの人々に対する各種の支援施策を進めてきている。

@ 巡回相談事業の実施

巡回相談員が市内を巡回し、ホームレスの人々の実態を把握するとともに、就労、健康、生活などについての相談や必要な助言・指導を行っている。また、路上生活者等支援ホームへの入所の助言や、障害・傷病等福祉の援護などの必要性に応じて各区役所保健福祉センター(福祉事務所、保健所)との連絡・調整を行うなど、ホームレスの人々の個々の状況に対応した支援を行っている。

平成14 年度から青葉区役所保健福祉センター職員2名(他の4区役所も兼務)の体制により、市内全域を対象に巡回相談事業を開始し、平成16 年度からは、より専門性を持った巡回相談活動を展開するため、社会福祉法人仙台市社会福祉協議会職員2名の体制で事業を行っている

A 路上生活者等支援ホーム(清流ホーム)の設置・運営

自立意欲のあるホームレスの人々に対して、一定期間の居所、食事などを提供し、その間に就労や住居を確保し自立を図ることを目的として、平成15年3月に青葉区三居沢に「仙台市路上生活者等支援ホーム(通称:清流ホーム)」を設置し、運営している。

清流ホームは、定員10 人で、居所や食事の提供のほか、生活や住居の確保などに関する相談・指導を行うとともに、公共職業安定所と連携した就労支援などを通じて、入所者の自立を支援している。清流ホームへの入所者については、入所前の結核健康診断の受診を義務付けるとともに、医療機関での健康診断の受診や、健康相談を実施している。また、自立した退所者に対して、定期的な訪問等を行い、退所後の生活状況を確認するとともに、生活相談等に応じ、地域で安定した生活が継続されるよう支援している。

<仙台市路上生活者等支援ホーム(清流ホーム)の概要>

  ・設置主体 仙台市

  ・運営主体 社会福祉法人青葉福祉会

  ・所在地 仙台市青葉区荒巻字三居沢1-15

  ・定員 10 人(ただし、うち2人は緊急一時宿泊者用)

  ・開設 平成15 年3月18

  ・入所対象

   @)働ける人で就労による自立をめざす人

   A)高齢または身体的に働けない人で福祉の援護により自立をめざす人

    ※いずれも、性別、年齢を問わないが、各区役所保健福祉センター(福祉事務所)での面接で自立意欲の確認ができた人。

  ・入所期間:入所中の自立活動の状況に応じて、90 日間まで。ただし、就労した場合は、最長180 日間まで延長も可。

B 保健・衛生面の向上

ホームレスの人々の健康対策の観点から、平成14 11 月から、公園等において結核健康診断を実施している。健康診断により結核患者を確認した場合は、医療機関での治療などにより、治療を確実に行う取り組みを行っている。

また、ホームレスの人々の衛生状態の改善を図るため、平成14 年8月から、毎月2回、シャワー施設を提供するとともに、シャワー提供事業を行う民間団体に対し運営経費の一部を助成している。

C 緊急援護物資の提供

健康状態が悪化しているホームレスの人々に対する緊急一時的な対応として、民間団体との連携により、日用品や食料等を提供し、ホームレスの人々の心身の健康回復を図っている。

 

(仮称)緊急一時宿泊施設設置計画の概要

・設置主体 仙台市

・運営主体 社会福祉法人仙台市社会福祉協議会(予定)

・所在地 仙台市宮城野区五輪(榴岡公園 仙台市公園緑地協会敷地内

定員 40

・開設 平成17 年3月(予定)

・入所対象

@)体調不良や衰弱等で緊急的な援護を要するホームレス

A)入所を希望するホームレス

・入所期間 2週間〜3ヵ月

A 路上生活者等支援ホーム(清流ホーム)の運営

自立意欲のあるホームレスの人々に対して、一定期間、居所や食事などを提供し、生活指導や就労・住居の確保に関する支援を行う。

施設では、生活指導員による生活相談等を実施するとともに、公共職業安定所への同行や就労業種の検討に取り組むなど、公共職業安定所との連携により就労の確保を支援する。また、自立した退所者については、再び路上生活に戻らないよう、退所後の相談・支援等のフォローを行う。

なお、清流ホームは、(仮称)緊急一時宿泊施設の設置後は、現行の緊急一時宿泊者用の入所定員枠を廃止し、就労による自立を総合的に支援する施設として運営する。

B 公園等清掃事業の実施

社会参加の機会を通して、就労や自立意欲の維持・向上を図るために、ホームレスの人々による公園や道路、河川などの清掃事業を、民間団体との連携により実施する。


●仙台市路上生活者等支援ホーム

路上生活等支援センターで就労による自立を処遇方針とした者を入所対象者として、居所や食事などを提供し、生活指導や就労・住居の確保に関する支援を行います。

●仙台市路上生活者等支援センター

ホームレスに対し、宿泊場所や食事などを提供するとともに、自立意欲の喚起・助長を図りながら、就労や住居の確保に向けて必要な支援を行います。


 12 3-1 健康福祉局 社会課 ホームレス衛生改善事業 ホームレスの人々に対して,シャワーサービスを提供することにより,衛生状態の改善を図るとともに,生活・健康相談等を実施し,その自立を支援する。 協働事業 委託 仙台夜まわりグループ  1,827,750 1,827,750

13 3-2 健康福祉局 社会課 公園等清掃事業団体への助成 ホームレスの就労意欲や自立意欲の維持・向上など社会復帰に向けた支援を目的として,ホームレスによる公園や歩道等の清掃事業をNPO法人との協働により実施する。 協働事業 助成 仙台夜まわりグループ 1,720,000 1,720,000


定例記者会見

 (11)榴岡公園でのホームレスに対する不法占用物件の除却命令について市長の意見を伺う

 昨日、都市公園法第27条第1項の規定に基づく、不法占用物件に対する除却命令をいたしました。対象となる物件は公園内に存置したままの不法占用物件のテントその他ですが、物件の所有者が確認できる、ないしは生活などによる占有者が確認できるもの12件です。

榴岡公園の不法占用物件は、ホームレスの方々の自立支援に関する施策との連携を図りながら、自主的な撤去を促してまいりましたが、残念ながら依然として不法に存置している物件が多数あります。従いまして、公園の適正利用および改修工事の支障があることから、このような処置を行ったものです。

これまでいろいろなホームレスの方々との話し合いでは、当事者の皆さんもこのまま公園に居られないことはよくご理解いただいていると思っています。

ホームレスの方々の自立支援策の一環として、榴岡公園内に路上生活者等支援センターを設置する際、開所後1年を目途に榴岡公園内の全てのテントを撤去し、公園利用の適正化に取り組むことを説明し、地元の理解を得ています。また、平成18年度より、榴岡公園の再整備工事が本格化します。

ホームレスの方々に対しては、昨年3月より、自立に向けた準備期間を十分差し上げていることから、今回の除却命令を「榴岡公園から出る決心を固めていただく機会」として前向きにとらえていただきたいと思っています。

 

(12)今回の除却命令でホームレスを単に榴岡公園から追い出すだけにはならないか

 できるだけ自立していただけるよう最大限の働きかけ、支援をしたいと思います


 定例記者会見

平成17322日 仙台市長 藤井 黎

(1)市内のホームレスの人数と榴岡公園内のホームレスの人数について伺う。

 民間の支援団体のご協力により調査したところ、市内のホームレスの人数は平成1612月現在で253人となっております。

榴岡公園内のホームレスの人数は直近で24人となっております。

(2)支援センターへの入所申し込み状況について伺う。

 今のところ、40人の定員に対して榴岡公園内におられるホームレスの方が9人、それ以外の方が5人の計14人が申し込まれております。

 (3)支援センターへの入所を希望しない方の理由について伺う。

 説明会に参加した方は、集団生活ができるかどうか、施設の規律を遵守できるかなどの不安を持っているため、入所を迷っていると聞いております。

 

(4)入所を希望しないホームレスの方への対応について伺う。

 現在も入所の働きかけをしておりますが、引き続き強く入所を勧めていくつもりです。

入所を勧めるため、1年程度の時間的な猶予を見ますが、街路灯の設置や歩道の舗装など公園の整備計画がありますので、その期限を過ぎてもいる場合は、公園から立ち退いていただくことも考えております。

 (5)支援センターへの入所期間について伺う。

 自立を目指す方については原則として90日以内としており、一定の条件を満たせば延長することもあります。

体調不良等による緊急一時入所の場合は、14日以内としています。


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当初予算案概要説明資料

A       路上生活者等支援センター運営管理86,478 千円

※所在地  宮城野区五輪

B       その他路上生活者等支援事業18,976 千円

・巡回相談事業、衛生改善事業

・ホームレス実態調査

・公園等清掃事業費助成

・ホームレス就労促進助成モデル事業

 ホームレスの人々に対して、宿泊場所や食事などを提供するとともに、自立意欲の喚起・助長を図り、就労や住居の確保に向けた必要な支援を行う。


ホームレス衛生改善事業  健康福祉局 健康福祉部 社会課

協働相手(NPO): 特定非営利活動法人 仙台夜まわりグループ

事業実施期間:平成14年8月〜平成18年3月31日(現在進行中)

事業概要:ホームレスの人々に対して,シャワー等のサービスを提供し,衛生状態の改善及び自立意欲の増進を図るとともに,併せて生活相談,健康相談等を通して必要な施策につなげることにより,その自立を支援する。

委託先:特定非営利活動法人 仙台夜まわりグループ

実施場所:路上生活者等支援センターのシャワー室

実施回数:週1回

現状・問題点:・平成17年3月までは「仙台市福祉プラザ」で実施していたが,実施日や実施回数の制約,待機場所の確保,温水供給ボイラーの容量不足等の様々な運営上の問題が生じたため,平成17年4月からは,「路上生活者等支援センター」において実施することとした。

・支援センター近隣の地域住民から,ホームレスが事業実施時に集中することに対する懸念が示された。

事業の課題:ホームレスに対して,生活相談,健康相談等を実施することにより,その自

立を支援すること。

事業の目的:ホームレスの人々の衛生状態の改善及び自立意欲の増進を図ること。

事業の成果目標:利用者の中から,一人でも多くのホームレスを就労や住居の確保に向けた活動(支援施設等への入所)につなげる。(数値化なし)

協働に係る契約金額(内訳):<平成17年度>1,828千円(人件費:999千円,物件費:829千円)

協働の理由:ホームレス状態という特殊な環境におかれている人々の支援には,長年に

わたり,様々なホームレス支援を実施している民間団体の経験・知識が必

要である。

協働の目的:民間団体の経験・知識を活用し,より効果的に事業を実施すること。

役割分担(行 政):・シャワー施設の提供(市が所管する「路上生活者等支援センター」)

・事業実施に係る人件費及び物件費の負担

・利用者に対する生活相談,健康相談等の業務

役割分担(NPO):・シャワー提供業務(事業の周知,予約の受付,利用者の受付・誘導)

・施設・設備等の管理業務(シャワー室の洗浄,待機場所の清掃等)

・利用者に対する生活相談,健康相談等の業務

トラブル時の対応:事業運営上の問題が発生した場合は,担当部署との協議により解決を図る。

事業の目的達成状況:・ホームレスの衛生状態の改善が図れ,市民からの苦情が減少した。

・4月から9月までの半期の実績として,利用者106名のうち,34人がアパート入居や支援施設入所等の自立につながった。

協働の目的達成状況:・支援団体の支援活動を通して広報することにより,より多くのホームレスの人々に対してサービスを提供することが可能となった。

・生活相談,健康相談を官民協働で実施することにより,効果的な自立支援が図れた。

主なトラブルとその対応:特になし

協働評価シートにおける評価結果:行政と民間団体における連携・連絡体制が強化されたため,官民協働によるホームレス支援の推進が図れた。

今後の課題:1回あたりの利用人数を制限するなど,ホームレスが事業実施時に集中することを未然に防ぎ,周辺環境に配慮した事業運営に努めた結果,地域住民の懸念を払拭することできたが,今後も継続した事業運営に努める必要がある。


ホームレスの人々による公園等清掃事業  健康福祉局 健康福祉部 社会課

協働相手(NPO): 特定非営利活動法人 仙台夜まわりグループ

事業実施期間 平成17 年4月1日〜平成18 年3月31日(現在進行中)

事業概要:ホームレスの就労意欲や自立意欲の維持・向上など社会復帰に向けた支援を目的として,ホームレスによる公園や歩道等の清掃事業をNPO法人との協働により実施する。

現状・問題点:・ホームレスの人々は,厳しい経済・雇用情勢の中で社会との接点を失い孤立しており,ますます自立が困難な状況になっている。

・路上等での生活期間が長期にわたるほど,自立や就労に対する意欲が低下していく傾向にある。

・行政より民間団体の方がホームレス支援のノウハウや専門性を持っている。

事業の課題:公園の清掃等社会貢献の場を提供することにより,ホームレスの人々の自己に対する自信や意欲の回復を図る。

事業の目的:ホームレスの人々の就労意欲や自立意欲の維持・向上を図り,社会復帰に向けたステップにつなげる。

事業の成果目標:清掃事業参加者の中から,一人でも多く就労や住居の確保に向けた活動(支援施設等への入所)につなげる。(数値化なし)

協働期間 :平成17 年4月1日〜平成18 年3月31日(現在進行中)

協働に係る契約金額(内訳):平成17 年度 公園等清掃事業助成金 交付予定額 1,700千円

協働の理由:ホームレスを主体とした事業の企画・運営には,ホームレスの支援活動を行ってきた民間団体の経験・知識が必要であり,また,事業実施に関して専門性や柔軟性が求められていたこと。

協働の目的:公園等清掃事業を効果的に行うこと。

民間団体等をはじめとした市民との協働により,幅広い理解と協力,参画を得てホームレスの人々の自立支援を促進すること。

協働の成果目標 :(数値化なし)

協働の手法: 助成

役割分担(行 政):清掃場所の提供,清掃により生じたごみの処理、事業運営に係る経費の助成

役割分担(NPO):清掃事業の管理・運営,清掃事業の周知と均等な参加機会の確保、

清掃事業の参加者に対する生活や自立に向けた相談等の対応、ホームレスの人々の生活状況等情報提供,支援に関するノウハウ提供

トラブル時の対応: 事業運営上の問題が発生した場合は,担当部署と協議して解決する。

事業の目的達成状況:4月から9月までの半期の実績として,清掃参加登録者約90人のうち,27人がアパート入居や支援施設入所等の自立につながっている。

協働の目的達成状況:清掃参加者の中で活動状況が良好な人については,NPOと行政が連係・協力して自立への働きかけを行なうなど,良好な協働体制にある。

主なトラブルとその対応:特に対応が求められる大きなトラブルは発生していない。

協働評価シートにおける評価結果:事業取り組みに対するお互いの理解が深められ,ホームレス支援事業における各種事業の連携・協力体制がより強まった。


 仙台市議会


2006.03.10 : 平成18年度 予算等審査特別委員会(第8日目) 本文

118 : ◯池田友信委員

まず一つは、300年前に元禄8年に伊達四代藩主の綱村公が、母君の三沢初子の冥福のために釈迦堂を建てて、京都からヒガンザクラとシダレザクラ1,000株を取り寄せてそこに植樹をしたというところが御案内のとおり榴岡公園のところであります。その公園が国でそういう由緒ある地域だということで名勝に指定をされたわけです。

 本来はあそこにホームレスのセンターを建てましたけれども、本来はこういう名勝の地域にふさわしいものをもっともっと、そういう意味では市で工夫すべきじゃないかというふうに私は感じます。


 2006.02.27 : 平成18年第1回定例会(第5日目) 本文

◯十六番(関根千賀子)

インド視察の最後に、本市のホームレス対策についてお伺いします。

 私が前回インドを訪問したときは、コルカタ市内じゅう、路上生活者であふれていました。マザーテレサは、毎日一万食の食事を路上生活者に援助していました。しかし、今回は、路上生活者がめっきり少なくなっていました。それは、国の政策で近隣国からの難民を受け入れなくなったことでした。それでも、マザーテレサの施設では、各施設で路上生活者への援助をしていました。貧富の激しいインドです。日本とは比較にならないけど、最近の大阪市でのホームレス対策を目にしながら、今、日本じゅうが抱えているこの問題をどう解決していかなければならないのか、良策を見出せないでいる私ですが。

 そこで、お伺いします。

 本市のこれまでの取り組みや方向性と、また近々榴岡公園のブルーテントの排除で強行策を講ずるやにも伺っていますが、対策なども含めて御所見をお伺いします。

◯健康福祉局長(瀬戸和良)健康福祉局に係る数点の御質問にお答えを申し上げます。

 最初に、ホームレス対策についてでございますが、本市におきましては、平成十六年十一月に仙台市ホームレス自立支援等実施計画を策定し、計画の基本目標でございます自立意思のある人々の路上生活からの脱却、そして自立した生活の定着、それから公園等公共施設の適正な利用の確保に向け、昨年三月に開設いたしました路上生活者等支援センター、そして清流ホーム、この二カ所の自立支援施設における支援事業を中心に、各種施策の総合的、計画的な推進に取り組んでいるところでございます。

 こうした取り組みによりまして、市内のホームレスの数は確実に減少しておりまして、平成十六年十二月調査の二百五十三名から、昨年十二月の調査では百五十三名と、百名の減となっております。

 また、榴岡公園のホームレスの人々に対しましては、これまでの巡回活動の中で個別に接触し、支援センターへの入所や居宅生活への移行など具体的な自立支援策を提示しており、こうした働きかけによりまして、多くの人々が路上生活から脱却し、現在はピーク時の三十七名から五名に減少しております。

 今後とも、榴岡公園を初め市内のホームレスの一人でも多くの人が自立できるよう、民間支援団体や公園管理者等との緊密な連携を図りながら、粘り強く必要な支援、指導を行ってまいる所存でございます。


 2006.02.24 : 平成18年第1回定例会(第4日目) 本文

◯三十四番(辻隆一)

二つ目は、安全・安心の取り組みについてです。施政方針では、行政と市民との協働による社会の秩序をつくり上げていくという姿勢ではなく、何か権力的に秩序を保つのが行政の本旨であるかのようにしか映りません。その一例が、小さな犯罪を見逃さない、犯罪抑止力とか、法秩序を乱す行為の芽を摘むといった表現にあらわれているのではないでしょうか。ホームレスの一方的な排除は、NPO等との協働に水を差すことにならないのかどうか

◯建設局長

3点目の榴岡公園の不法占用物件の除却命令についてでございますが、榴岡公園に起居しておりますホームレスの方々に対しましては、これまで自立に向けた取り組みを行いますとともに退去の説得を行ってまいりました。さらに、昨年11月にはテント等の不法占用物件の除却の催告等を行ってまいりましたが、依然、12件の不法占用がございますことから、都市公園法の監督処分としての除却命令を行ったところでございます。このことにつきまして御報告を申し上げるものでございます。

◯公園課長  資料7に基づきまして、1月16日に行いました榴岡公園内の不法占用物件に対する都市公園法に基づく監督処分につきまして御報告いたします。榴岡公園の不法占用物件につきましては、以前より地元の方々からも安全で安心な公園にしてほしいとの要望もございまして、ホームレスの支援団体の方々や市の関係部局によるホームレスの自立支援に関する施策と連携を図りながら、自主的な撤去を促してまいりました。しかし、現在においても不法に占用している物件がございまして、公園の適正利用及び見通しのよい明るい公園にするための改修工事に支障がございますことから、このたびの処分を行ったものでございます。処分を行った日は、先ほど申し上げましたように1月16日でございます。

 処分の内容でございますが、都市公園法第27条第1項の規定に基づく不法占用物件に対する監督処分として、3月19日までに物件の除去を命じたものでございます。

 対象物件は公園内にあるテントなどで、所有者が確認されているもの、あるいは生活実態などによりまして占用者が確認されているもので12件でございます。処分は、命令書を物件所有者または占有者に対し、原則手渡しにより行っております。

 このたびの除却命令に至った理由でございますが、先ほど申し上げましたことに加え、昨年11月には不法占用物件の除却の催告及び弁明機会の付与の結果、数件の物件が自主的に撤去されましたが、依然として12件の不法占用物件が存置されていることによるものでございます。なお、撤去期間までの60日間におきましても、自立への意欲が芽生えるよう積極的に説得いたしまして、すべての物件が自主的に撤去されるよう努めてまいります。


 2005.12.13 : 平成17年第4回定例会(第6日目) 本文

◯五十番(大泉鉄之助)

仙台は、御婦人がひとり夜の公園を散歩しても全く安全なまちであると答え、来仙された遠来の客は当時の仙台の安心・安全に驚愕し、安心・安全のまち仙台と高く私どもの仙台のまちは評価を受けたのでありました。ところが、今日の仙台は、暴力団や変質者による事件が多発し、公園には不気味なホームレスがたむろします。夜の国分町は、客よりも客引きの方が多いまちとなり、一番町や中央通りには何をねらっているのか、えたいの知れない外国人が徘徊いたしているのであります。

 総括は本庁に置くことを前提として、この安心・安全のまちづくりの前線基地、前線部隊は区行政の中で一体的に取り組むべきと考えるものでありますけれども、御見解を伺っておきたいと思います。


2005.09.15 : 平成17年第3回定例会(第5日目) 本文

◯二番(野田幸代)改革ネット仙台の野田幸代でございます。一般質問をさせていただきます。

 まず初めに、仙台市路上生活者支援センターについてお伺いをいたします。

 この施設は、歴史ある榴岡公園の中に建てられ、ことしの三月二十八日に入所を開始してから五カ月が経過しております。昨年の十二月の調査では、仙台市内には二百五十三名のホームレスがいるということでありますが、現在、この支援センターには三十二名が入所していると聞いております。先日、お伺いいたしましたが、外に洗濯物が干されているだけで、人影はなく、センターの中もひっそりとしておりました。これも地域住民への配慮と伺いました。

 さて、そこでお伺いいたします。いろいろ御苦労があると思いますが、支援センターは、現在、どのような業務をされておられるのか、具体的にお示しください。入所者の状況もあわせてお伺いいたします。また、十名定員の清流ホームと支援センターの果たす役割の違いは、どのようなところにあるのでしょうか。そして、この二つの施設は、どのような連携をとっているのでしょうか、お伺いいたします。

 私は、今回で三度、ホームレスに対する質問をしておりますが、平成十六年度の決算書では、路上生活者支援として七千八百万円が使われております。決して少額ではありません。支援センターに入所している方々は、自立に向けて頑張っておられることと思います。がしかし、地域住民に配慮してひっそりとセンターで暮らすだけでなく、積極的に地域へのかかわりを持っていくことも自立に向けて大切ではないかと考えますが、いかがでしょうか。

 例えば電柱のビラはがしや公園内の刈り込み作業、遊具のペンキ塗り等々勤労奉仕は、何にも増して自立への意欲を喚起させる大切な働きかけになるのではないでしょうか。そして、額に汗して働いた後の食事のおいしさも、思い出していただきたいと思うのです。いかがお考えでしょうか、お伺いいたします。また、五カ月が経過した中で、今後の課題がありましたらお聞かせください。

 さて、ホームレスの名所になるのではないかと危惧しておりました榴岡公園に四十数張りあったブルーテントは、支援センター開設に伴い大分少なくなったようですが、現在でも十九人がブルーテントで暮らしているとのことです。市民の大切な財産でもある榴岡公園の適正な利用を願い、より一層の御努力をお願いするものですが、状況はいかがでしょうか、お伺いいたします。また、以前、同僚議員であります野田譲議員の質問に対して、強制撤去もあり得るとの答弁があったと記憶しておりますが、今後どのような働きかけを考えておられるのかお伺いいたします。

 次に、榴岡公園の整備についてお尋ねいたします。

 一九九〇年に公園百選に選ばれた榴岡公園も、木々が生い茂り、痴漢の出没によって子供たちや女性の足が遠ざかり、その上ホームレスに占拠されまして、今や小学校の防犯マップには、情けないことに榴岡公園は危険な場所と記されております。

 私は、視察先でも公園が気になります。多くの市民に愛され、利用されている公園は、芝生と樹木だけで生け垣はほとんど見当たりません。生け垣のない公園は、より広々と見え、見通しもよく、ひとり歩きもできることに気がつきました。ところが、榴岡公園は生け垣だらけです。視界を妨げ、引きずり込まれれば大変だと思うところばかりです。これでは日中でも女性や子供は一人では歩けません。私は、今まで何度か生け垣の刈り込みをお願いしてまいりました。しかし、今回は、少し違ったことを申し上げます。公園百選から外れることがあっても、地域の住民に愛され、利用される公園こそが本来の公園だと思うからです。

 そこで、提案ですが、思い切って生け垣を除いてしまってはどうでしょうか。この際、榴岡公園の思い切った改修を望むものですが、いかがでしょうか。御計画がございましたらお示しください。

◯健康福祉局長(瀬戸和良)路上生活者等支援センターと児童館に関する御質問にお答え申し上げます。

 初めに、路上生活者等支援センターに関する数点のお尋ねでございます。

 まず、路上生活者等支援センターの業務についてでございますが、この施設は、一定期間居所を提供し、自立意欲の喚起、助長と生活指導を行いながら、就労と住居の確保により自立を支援する施設でございます。具体的には、施設の生活指導員によりまして、入所者一人一人の状況に対応した自立支援プログラムの作成と生活に関する相談指導、それから医師や看護師による健康相談、そして公共職業安定所との連携によります就労支援などを行っております。また、傷病や高齢等のため就労が困難な方に対しましては、生活保護の適用などによる居宅生活への移行や社会福祉施設への入所などの支援を行っております。

 次に、施設の入所者の状況についてでございます。

 九月一日現在で、延べ七十一人の方が入所し、そのうち三十九人が既に施設を退所しております。このうち二十六人が自立し、地域社会での新たな生活を開始しておりますほか、六人が清流ホームで引き続き就労自立に向けた活動を行っております。施設に入所中の三十二人につきましては、自立支援プログラムに基づく活動を行っておりまして、そのうち就労自立を目指して活動している方が二十七人、生活保護の適用などにより住居の確保を目指している方が五人となっております。

 次に、支援センターと清流ホームの役割についてでございます。

 支援センターは、自立支援の機能のほか、緊急一時入所者を受け入れる機能をあわせ持つ施設として運営しております。また、清流ホームは、支援センター設置後は就労自立を支援する機能に特化して運営を行っておりまして、支援センターから就労自立を目指す入所者を受け入れております。

 両施設の連携についてでございますが、清流ホームに移行する入所者の処遇に関する合同の検討会を行うなど緊密な連携を図りながら、入所者の適切な処遇に努めているところでございます。

 次に、支援センター入所者の社会奉仕活動についてでございますが、入所者が地域とのかかわりを積極的に持つことは、御指摘のとおり自立への意識づけを図るという観点から非常に大切なことと認識しております。このようなことから、入所者の自立に向けた活動の一環として、公園や道路の清掃作業など地域に貢献する社会奉仕活動を計画しておりまして、地域の御理解を得ながら今後実施してまいりたいと考えております。

 次に、今後の課題でございますが、ホームレスの人々がみずからの意思によりまして地域社会で継続して生活を営んでいくためには、どうしても安定した就労と住居の確保が特に重要な課題であると考えております。こうしたことから、民間の支援団体を初め、関係する機関、団体との緊密な連携によるホームレスの人々の自立を支援する取り組みを一層強めてまいりたいと考えております。

◯建設局長(中村克正)私からは、榴岡公園に関する御質問にお答えいたします。

 初めに、榴岡公園のホームレス対策についてでございます。

 公園で生活するホームレスに対しましては、自立の支援等に関する施策との連携を図りながら、個別に接触し、公園にテント等を不法に設置することのないよう指導してきておりまして、ホームレスの数は着実に減ってきております。また、いまだに退去しないホームレスに対しては、公園の適正利用のため、今年度末をめどに法的な手段も考慮しながら健康福祉局などと協力し、強く指導してまいる所存でございます。

 次に、榴岡公園の整備についてでございます。

 榴岡公園は、その名のとおり、桜ばかりではなくツツジの名所としても多くの市民に親しまれております。しかしながら、植栽されている樹木は、時の経過とともに繁茂し、視界を妨げるなど利用者に不安を与える原因となっていることから、高木の剪定や低木の刈り込みなどを行ってまいったところでございます。

 御指摘の件につきましては、地域の皆様方の意見もお伺いしまして、現在歴史民俗資料館のある東側を中心に再整備計画を立てておりまして、その中で支障となる樹木の移植や夜間の安全確保のための照明灯の増設、園路の拡幅等を行いまして、安心して利用できる公園にリニューアルしてまいりたいと考えております。

 以上でございます。


 2004.10.21 : 健康福祉協議会 本文

◯健康福祉局長  健康福祉局から5件につきまして御報告申し上げます。

 初めに、(仮称)仙台市ホームレス自立支援等実施計画素案について御報告申し上げます。近年の厳しい経済・雇用情勢のもと、本市におきましてもホームレスの数が増加してきておりまして、これに伴い都市公園、道路など公共施設の適正な利用が妨げられているなどの問題が生じております。

 本市では、平成14年度から巡回相談員によるホームレスの実態把握、生活相談、生活指導を行うとともに、平成15年3月には路上生活者等支援ホーム―清流ホームを開設し、自立意欲のあるホームレスに対し、就労や住居の確保などに向けた支援を行うなどさまざまな取り組みを進めてきたところでございます。

 今般、本市として取り組むべきホームレスに対する施策の目標や方針を定め、幅広い分野にわたる施策を総合的に推進するために仙台市ホームレス自立支援等実施計画の策定を進めてまいりましたが、このたびその素案を取りまとめたところでございます。詳細につきましては資料2に基づきまして、社会課長より御説明申し上げます

◯社会課長  それでは(仮称)仙台市ホームレス自立支援等実施計画素案につきましてお手元の資料2に基づき御説明申し上げます。

 まず、1ページをごらんください。初めに、計画策定の趣旨及び計画期間についてでございます。計画策定の趣旨でございますが、この計画はホームレスに関する問題の解決に向けまして、本市の実情に応じ取り組むべき施策の目標や方針を定めまして保健・福祉、住宅、労働など幅広い分野にわたる施策の総合的、計画的な推進を図るために策定するものでございます。

 なお、この計画は国のホームレスの自立の支援等に関する基本方針に則して策定するものでございます。計画期間につきましては本年度から平成20年度までの5カ年としているところでございます。

 続きまして、2ページをごらんください。本市のホームレスの現状についてでございます。本市では、昨年1月から2月に行われました国のホームレスの実態に関する全国調査におきまして203人のホームレスの人々を確認しております。平成11年及び13年に行いました調査の時点から増加している状況でございます。

 昨年1月の調査の結果の概要でございますが、確認した203人の所在場所の内訳は都市公園が36.5%で最も多く、駅舎、河川、道路などとなっております。また、この全国調査におきまして全国で約2,000人を対象に個別面接による生活実態調査が行われておりまして、本市では30人という人数が国から指定をされまして生活実態調査を行ったところでございます。全国の調査結果と比較しますと、3ページの下の方の段に記載してございますが、本市では路上生活期間が3年未満という比較的短い人の割合が多いこと、常用雇用から失業して路上生活を余儀なくされている人の割合が多いこと、また現状の生活から脱却して自立を希望する人の割合が多いこと、こうしたことが特徴であるととらえてございます。

 続きまして、4ページをごらんください。本市におけるこれまでの取り組みと課題についてでございます。

 まず、ホームレス自立支援等に関する取り組みについてでございますが、本市におきましては平成14年度から巡回相談員を2名配置し、ホームレスの人々の実態を把握するとともに個々の状況に応じた支援を行ってきております。また、昨年3月には路上生活者等支援ホーム―清流ホームを開設いたしまして生活や住居の確保に関する相談、指導や就労に関する支援などを行ってきております。

 なお、清流ホームにつきましては、施設の開設から本年10月1日まで34人の方が入所し、既に26人が退所しており、この退所者のうち22人が自立を果たしております。このほか結核健康診断やシャワー提供などによる保健・衛生面の向上、緊急援護物資の提供などを行ってきております。

 次に、5ページの下の方の段をごらんください。今後の課題について大きく3点まとめてございます。

 1点目は、関係機関等との連携による総合的な相談・支援体制の整備でございます。ホームレスの人々はさまざまな個別的な問題を抱えておりまして、こうした問題を解決するためには個々の状況を把握した上で的確な支援を行うことが必要でございます。こうしたことから関係機関や民間の支援団体も含めた総合的な相談・支援体制の確立が課題となっております。

 6ページに移りまして2点目は、自立支援事業の充実でございます。昨年3月に清流ホームを開設しまして成果を上げてきておりますが、今後より多くの人々を対象に自立に向けた活動を行うことができる環境の整備が課題となっております。

 3点目は、公園等公共施設の適切な管理でございます。ホームレスの人々による占有によって公園等の公共施設の適正な利用が妨げられているなどの問題が生じておりまして、公共施設の適切な管理を行うことによりその適正な利用の確保を図ることが課題となっております。

 続きまして、7ページをごらんください。計画の目標についてでございます。この計画において実現すべき基本目標として2点を掲げております。

 1点目は、自立意思のある人々の路上生活からの脱却、自立した生活の定着でございます。自立の意思がありながらホームレスとなることを余儀なくされている人々に対して路上生活から脱却し地域社会において自立した生活を継続して送ることができる、こうしたことを目指すものでございます。

 2点目は、公園等公共施設の適正な利用の確保でございます。本年度設置いたします(仮称)緊急一時宿泊施設の運営など自立支援の施策との連携を図りながら公共施設の適切な管理を行いまして、その適正な利用の確保を目指すものでございます。

 次に、施策推進の基本的視点でございますが、2点掲げております。

 8ページをごらんください。1点目は、個々の状況に応じた総合的・きめ細やかな対応でございます。ホームレスの人々の自助努力というものが基本でございますが、個々の状況に応じ必要な支援策を総合的かつきめ細やかに進めていく必要がございます。

 2点目は、市民との協働による支援でございます。自立支援の取り組みは行政のみの力では限界がございまして、市民、そして地域を構成しているさまざまな方々の御理解、御協力を得ながら地域全体として進めていく必要がございます。

 続きまして、9ページをごらんください。施策体系についてでございますが、施策の柱としては大きく六つ掲げております。

 まず、1点目は、総合的な相談支援の仕組みづくりでございます。ホームレスの人々の実情を把握し、個々の状況やニーズに応じた支援が的確に図られるよう総合的な相談支援体制の確立を図りますとともに、巡回相談事業ですとか弁護士等による専門相談などを実施してまいります。

 次に、10ページに移りまして2点目は、自立支援事業等の推進でございます。

 本年度宮城野区榴岡公園に新たに設置いたします(仮称)緊急一時宿泊施設や、清流ホームなどを中心として個々の状況に応じた自立のための必要な支援を行ってまいります。

 次に、12ページに移りまして3点目は、就業機会及び住居の確保の促進でございます。ホームレスの人々がみずからの意思により地域社会の中で継続して生活を営んでいくためには就業機会の確保と安定した住居の確保が重要でございまして、公共職業安定所と連携した職業相談の実施ですとか、民間賃貸住宅の情報提供などに努めてまいります。

 4点目は、社会福祉施設の活用及び生活保護の適用でございます。高齢の人や障害のある人などにつきましては、居宅生活の可能性を判断した上で社会福祉施設への入所や生活保護の適用などを行ってまいります。

 次に、13ページに移りまして、5点目は、保健・衛生面の向上でございます。健康相談などによりまして保健指導や医療を必要とする人を発見し、適切な医療等が受けられるよう必要な支援などを行ってまいります。

 次に、14ページに移りまして、6点目としては、公共施設の適正な管理でございます。公園等に起居している人々に対して巡回指導などの必要な対応を行い、公共施設の適正な利用の確保を図ってまいる考えでございます。

 最後になりますが、16ページをごらんください。この計画の推進についてでございます。

 まず、計画の進行管理でございますが、この計画に掲載した施策につきましては、毎年度進捗状況を検証するなど進行管理を行いますとともに、計画を変更する必要が生じた場合には見直しを行ってまいります。

 次に、市民協働による取り組みの推進につきましては、社会福祉協議会を初め、自立支援にかかわりの深い団体、関係機関の参画によりまして仮称ではございますがホームレス自立支援推進協議会という組織をつくり、取り組みを推進してまいります。

 なお、今後のスケジュールでございますが、この計画の素案に対しまして広く市民の皆様から御意見をいただくために、10月22日から11月12日までの間パブリックコメントを実施しまして、市民の皆様の御意見を踏まえ必要な調整を図り、11月末には計画として決定したいと考えております。

◯野田幸代委員  (仮称)仙台市ホームレス自立支援等実施計画素案についてお伺いいたします。本市のホームレスの現状ということで、2ページで平成15年1月から2月に行われた国の全国調査という形で203人という人数が確認されております。

 これは2カ月の間に調査をして203名ホームレスがいるよと確認されたことだと思います。こうやって見ますと巡回相談員が16年より専門性を持ってきちんと訪問されていると私は認識しておりますけれども、平成16年度は4月から始まってもう6カ月たっておりますが、今現在、市としてとらえておられる人数をお伺いたします。

◯社会課長  全市域を対象とした調査につきましては、昨年1月の全国調査以降やっておりませんので、正確な数としてはつかめていないところでございますが、今委員から御指摘ございました巡回相談員の活動としまして、市内全域を回り実態の把握、また自立に向けた相談支援を行っております。そうした活動の中でとらえている状況としては、昨年の1月の時点から若干ふえている傾向にあるととらえております。と申しますのは、昨年1月の時点で確認できなかった場所において新たにホームレスの人を確認した場所が何カ所かございまして、そういったことで傾向としては、若干ふえている状況というふうに思っております。

 なお、そうした数的な把握というのは、今後の自立支援の取り組みを進めていく上で、基礎になる部分でございます。ホームレスの人の中には移動している方もおりますので、調査はきちんと日にちを決めて行いませんといけませんので、本年度におきまして一斉調査を行ってまいりたいと考えてございます。

◯野田幸代委員  それから榴岡の緊急一時宿泊施設、シェルターのことですが、11ページに入所対象という形で1番はよくわかりますけれども、2番に入所を希望するホームレスとなっておりますね。ところが7ページの計画の目標をきちんと見ていただきたいんですけれども、自立意思のある人々の路上生活からの脱却・自立した生活の定着とあります。それからもちろん公園等公共施設の適正な利用の確保、私はこれすばらしいことだと思いますね。そういう中において榴岡のシェルターの入所対象が、入所を希望するホームレスという部分は、このシェルターを建てるんだ、建てるためにはとにかく自立支援するんだというような強い意志がなくて、だれでも受け入れるよっていうような私から言うとボランティア的な考え方といいますか、行政的な考え方ではないのではないかと非常に私はがっかりしたんですけれども、どうでしょうか。お伺いいたします。

◯社会課長  緊急一時宿泊施設設置計画の概要に入所対象者として書いております表現は、施設への入所というのが行政的に入れるということはできませんので、そういう意味で入所を希望するホームレスということで書かせていただいております。しかしながら公園管理の適正化ということが非常に求められておりますので、私どもとしては特に榴岡公園を初めとした公園のホームレスの人に対しては、巡回して回っている中でこうした施設の設置の計画ですとか、こういう施設ができたら入所しなさいというふうな働きかけを既に行っておりますし、今後施設が設置した後もこうした強い働きかけを行ってまいりまして入所を促していくと。それでもなお応じないホームレスの人に対しては、一定期間経過した後のさらに強い対応、法的な対応も視野に入れた取り組みをしていくということで、我々福祉サイドと公園管理者サイドが連携して取り組みをしていくという考え方でございます。

◯野田幸代委員  それからシャワー提供事業があるんですけれども、今、週1回やっている福祉プラザから、シェルターができると週2回そういう事業を提供するんだよということを私はお伺いしておりましたが、ここをきちんと読みますと民間団体との連携によりシャワー提供事業を実施するとあります。私は単純にシェルターの中にシャワーを設置して、そこにホームレスが来て自分で洗って自分で出て行くだけなのかなと思っていたのですが、そういう中で203名のホームレスが週2回、4百何十名来られた日には榴岡は大変だなという部分で非常に警戒をしていたわけなんですけれども、そのほかに民間との連携という中で、このシャワー事業はどういう形なのか具体的に教えていただければと思います。

◯社会課長  シャワー提供事業につきましては、現在、福祉プラザで月2回程度民間の支援団体の方が実施主体となりまして、それに対して市が助成するという仕組みでやっております。今後、緊急一時宿泊施設ができましたらこちらの施設で実施したいと考えておりまして、新しい施設では、今度は市が事業主体になり民間の支援団体に委託をするという形です。実際、この事業の目的として一つは保健・衛生面の向上ということで衛生状態の改善を図るところにはあるのですが、もう一つ、このシャワー提供事業に来ていただいた人に路上生活から脱却をして自立につなげていく一つのきっかけづくりにしたいという目的もございますので、支援団体の御協力をいただいて事業を運営していきたいと考えているところでございます

◯野田幸代委員  それからこの中に食事の提供事業という部分が記載されていないようなんですけれども、私たち自由民主党会派も視察をして歩いておりますけれども、やはり3食というところがだんだんなくなってきているように感じます。たしか大阪などは1食、白米だけ1回だよっていうところもあります。ボランティアで例えば清掃作業をするんじゃなくて、しっかりと1時間何ぼで缶なら缶を拾ってくるとかそういうようなきちんとした意識づけをホームレスの人にして、そして幾らか、何がしかのお金を払うようなそんな感じで……。食事という部分がここに抜けておりますので、もしくは世の中のことを考慮に入れて3食という部分をあえて書いておられないのかと思ってたんですけれども、いかがでしょうか。

◯社会課長  緊急一時宿泊施設での食事の提供につきましては、まだ何食提供というのは方針として最終的には整理しておりませんので書いておりませんが、考え方としては今回設置します施設は、緊急一時的な宿泊場所を提供するというまさに緊急一時宿泊施設の機能と、就労とか居宅の確保に向けた活動という自立を支援する自立支援センター的な機能をあわせ持った施設ということで計画をしております。ここに入っていただいたことで自立に向けた意欲を喚起していただいて、再び路上に戻ることがないように生活面の指導も含めて支援を行ってまいる考えでございます。そうした観点からこの施設での具体的な支援のあり方について食事の提供の回数も含めまして、今、検討しているというところでございます。