ブログ
  • 大阪府と大阪市との交渉を行いました
    2019年11月13日

    釜ヶ崎就労・生活保障制度の実現を目指す連絡会が、11月12日、大阪府・大阪市へ要望書を提出しました。

    釜ヶ崎支援機構も、ふるさとの家での交渉に共に参加しました。

    多様な人々が共存できる街釜ヶ崎、生活に困ったりいろいろな困難があっても、迎え入れてくれる街釜ヶ崎をめざし、国・府・市があいりん総合センター跡地にしっかりと地域に必要な施設を建設するよう、求めました。

    以下に要望書を転載いたします。

    2019年11月12日

    大阪府知事 吉村洋文様

    大阪市長  松井一郎様

    これからの時代に対応した労働・福祉の包括的な施策推進による釜ヶ崎対策を求める要望書

    釜ヶ崎就労・生活保障制度の実現を目指す連絡会

    共同代表 本田哲郎・山田實・山中秀俊

    2019年9月の現金求人は久々に一日千人台へと達しました。建設産業における労働力不足は今後も継続すると予測されます。全国的な災害の多発に対応する労働力を確保するためにも釜ヶ崎における寄り場機能は維持・拡充されるべきです。建設産業で労働者不足が進行する傍ら、高齢の労働者にとっては、過酷な現場労働に身体が耐えられなくなった場合に、適切な仕事が建設業界によって切り出されていないため、野宿を強いられる現実があります。空前の内部留保を蓄積しているゼネコンから費用を拠出させる仕組みを作る等、高齢の労働者の就労機会確保のための施策を行うよう、府・市は国に対して要望していく必要がありますが、当面の間、疾病・障害で支援が必要な場合を除き、高齢になっても安心して働き、野宿を強いられない環境を整えるため、特別清掃事業を拡充していく必要があります。特別清掃の就労回数が増えていますが、目先の回数増をもとに安易に特掃の就労人数を減少させる事業費カットを行うのではなく、建設業界全体の長期的な動向を踏まえ、日雇雇用保険活用に至れるよう就労回数を確保し、野宿を防止する施策を府・市は拡充すべきです。そうした施策の充実によって、若い世代が建設業界に入職しても将来的に不安はないというメッセージを発信することが、地域に滞留する若年者の就労意欲を高め、結果的に労働力の確保へとつながっていきます。

     この間西成特区構想の大きな課題としてあるあいりん総合センターの建替えについて、ボトムアップ方式での話し合いが進められてきました。時代の変化を受けとめながらも、多様な人々が安心して暮らせる街を実現するためには、旧センター敷地を活用して、国・大阪府・大阪市が協調しつつ、必要な機能を備えた施設を設置することが、欠かすことができないポイントとなります。特に、大阪市が、大阪社会医療センターと市営住宅の移転をもって、役割を終えたとし、市有地の売却に進むことは、ボトムアップでの話合いを裏切ることになるとともに、福祉ニーズの高い釜ヶ崎のまちの現状に対して市としての責務を果たさないということになりますので、絶対に許すことができません。
     
    これらの重要課題への取組みにおいて府・市が役割をしっかりと果たし、野宿を強いられることのない安心して暮らせるまちの実現に向けて進んでいくことを願い、下記要望いたします。

    1.特別清掃事業を大幅に拡充せよ。

    (1)高齢日雇労働者が野宿状態に陥ることを防ぐため、日雇雇用保険制度が活用できる月13日以上就
    労が可能となるよう、特別清掃を大幅に拡充されたい。

    (2)2020年度特別清掃において、一日あたり2018年度5人削減、2019年度5人削減が、少
    なくとも撤回されるよう、必ず事業費の確保に努められたい。[大阪府]

    2.新しい労働施設において設置される寄り場機能を、建設労働力が大幅に不足すると予測されている状況に
    対応しうるよう中長期的な建設労働力需給調整計画のもとに維持・拡充されたい。[大阪府]

    (1)本設計において、長期の労働力需給の調整に破たんをきたすことがないよう十分な機能を確保され
    たい。

    (2)釜ヶ崎に求人業者が来づらくなる、路上手配の拡大等に結びつくなど、新しい労働施設で導入され
    る求人及び求職方法が、拙速な実施に陥らぬよう、長期的な視点をもって、計画・運用されたい。

    (3)日曜日、祝日に労働者を迎えに来る飯場求人のための車両の駐車等に支障がないよう業務を実施さ
    れたい。

    (4)新しい労働施設の駐車場内作業、周辺清掃、施設内清掃について、特別清掃において必要な就労機
    会を確保する作業実施場所として、確保・維持されたい。

    (5)釜ヶ崎で増加している派遣労働等で働く若年者も包摂し、職業紹介できる機能を、拡充されたい。

    3.新しく建設予定の労働施設について、不安定就労かつ不安定居住にある者を利用者とする施設であること
    と、一時的な滞在者も含め人口が極端に稠密な地域に建設されることを、しっかりと踏まえ、必要な機能と空間を十分に取り入れた施設とされたい。[大阪府]

    (1)津波による災害発生時の緊急避難のスペースを確保されたい。

    (2)災害時に周辺の公共施設・あいりんシェルター等が機能を停止した場合にも、日雇労働者、ホーム
    レス状態で生活している者、生活保護を受けている者、外国人の滞在者等が避難し、一定期間生活ができる施設を500人規模で活用できるものとして整備されたい。シャワー、洗濯、炊事、洗面等必要な設備を設置されたい。マット、布団、パーテーション等避難所での生活を成り立たせる物品、水、食糧の備蓄を行われたい。

    (3)多様な人々を受け入れることができる防災施設であることが、外からはっきりとわかるよう、大型
    サイン、多言語表示による案内板等の設置を行われたい。

    (4)(2)で整備される防災施設について、通常は、幅広い分野の講習・訓練の実施場所、地域住民が
    催し等で活用できる多目的ホール、囲碁・将棋室や飲食可能スペース・コワーキングスペースなど労働者の福利厚生施設として多角的に活用されたい。
    4.釜ヶ崎が今後も福祉ニーズの高いまちであり続けることを踏まえ、旧センター敷地内に、ダイバーシティ
    (多様性・多様な人々の共存)を基本理念とした健康交流施設を設置されたい。[大阪市]

    (1)図書館、休憩場所、中高齢者向け運動器具スペース、フリーWi-Fiスペース等居場所を充実された
    い。
    (2)地域団体による交流活動、コミュニティ食堂、炊き出し等に活用できる調理室を設置されたい。

    (3)すぐには労働施設活用には結び付きにくいものの、社会的排除が重なることによりさまざまな困難
    を抱える者を、受けとめつつ、時間がかかっても種々の支援につないでいく相談機関を設置されたい。

    (4)西成区役所より保健師が駐在する健康相談室を設置されたい。

    (5)依存症の自助グループ、種々のグループワーク等で活用できるスペースを設置されたい。

    (6)外国人労働者で地域での生活のために情報や支援を必要とする者に対応できる窓口を設置されたい。
    また将来的に、外国人労働者のこどもの学習支援等を実施できる機能の設置を計画されたい。

    (7)現在、老朽化している西成市民館の機能を施設内に確保されたい。

    (8)西成区役所保健福祉センター分館を旧センター敷地内に移設されたい。

    (9)自立支援センターを旧センター敷地内に移設されたい。

    (10)保育所等子育て支援機能を担う施設を設置されたい。

    (11)健康交流施設の指定管理については施設内の清掃・守衛も含め地域の就労支援が必要な者への就
    労機会の確保につながるよう十分に配慮されたい。

    5.現在、旧センターの周辺で野宿をしている者、特掃の登録をしている等日雇労働者であって地域で野宿を
    している者が、現行の生活保護を受けることを希望していないが、アパートの家賃補助を受け、働いて自活し、野宿状態から脱け出すことを希望する場合について、住宅扶助単給と特別清掃での就労等の組み合わせ等生活保護制度の柔軟な運用、あいりん銀行休眠預金の活用等を、視野に入れて、緊急の対策を実施されたい。[大阪市]

    6.あいりんシェルター(夜間宿所・昼の居場所棟)の24時間活用が十全に機能するよう事業費を確保され
    たい。[大阪市]                               以上